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何があった!?
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婚約者~ずが変身を解き、母さんがコントロールルームを出て行ってからの記憶があやふやだ。
一体、俺は何をしていたんだろう。何を見て何を考えていたんだろう。
あれからどれほどの時間が過ぎたのだろう。
そう、ほんの一刻であったような気もするし、季節が巡るほどの時間が経った様な気もする…
『いえ、マスター。奥様が出て行ってから、現在48分と27秒しか経過していません』
うん、そうとも言う。
『そうとしか言いませんが?』
良いんだよ、俺のメンタル的には季節が巡るほどの時間が過ぎたんだよ!
見てみろ! 父さんなんてまだ意識が戻ってないぞ? 精神が天界に召されたんだ、きっと…南無~。
『いや、仰ってる意味が理解不能です』
うん、俺も何言ってるのか意味不明だわ…それだけ母さんから溢れ出る殺気が俺のMind値を削ったって事なんだろう。
『ますます理解不能です。奥様からは特に殺気など出ていなかったと思いますが』
出てたんだよ! 余計な事を一言でも発したら、命が無くなる程の緊張感だったよ!
見ろ! いまだに俺の膝なんてガックガクだぞ! もう少しでチビッちゃうとこだったんだぞ!
『それは、マスターが余計な一言を奥様に言いたいのを我慢してたからではないのですか?』
そうだよ! 思わず、『母さんもいい歳なんだから、小さい事に目くじら立てなくたって…』と言いそうになったよ!
あのポリンって娘の援護射撃しようとしたけど、母さんの視線で撃沈したんだよ!
もしも言ってたら、即死級の何かが母さんから放たれたはずだよ!
『それは無いと思いますが…あの娘を擁護するのですか? 新たな婚約者にしますか?』
しない! それは絶対にない!
『かなりあの娘はマスターの好みであったと、私は感じましたが』
え? そう見えた?
『はい。地下へ先導する彼女を見るマスターの視線は、かなりねっとりしていましたから』
い、いや…そ、そんな事は…無いはずだ…ぞ?
『その動揺が全てを物語ってます。それでどうされるおつもりですか?』
いや、だからマジで婚約者にはしないし、一緒に連れて行く事もしないぞ。
あの空気を読まないのが意図的なのかどうかは別として、不思議ちゃんは俺のストライクゾーンから外れすぎだ。
『理解しました。マスターの好みは、空気の読める女と言う事ですね』
いや、その…決めつけられるのも、どうかと思うんですけど…
『大丈夫です。マスター周辺の女性に周知しておきますので、ご安心ください』
全然、安心できねー! 言わなくていいからな、絶対に言うなよ!
『了解しました。『言え』というネタ振りですね。流石マスターです。こんな時にもネタを忘れないとは…感服しました』
お前も空気読めーーーーーー!!!
『…大丈夫です。読んだ上で言ってますから』
お前の性格は、いつから歪んだんだよーーー!! 素直なあの頃に戻ってくれーーー!!
『うふふふふふふふふふふ…変な事を言いますねえ、マスターは。私は素直で良い子ですよ』
もう…いい。諦めたよ。俺の教育が悪かったんだ…きっと。
ナディアの性格が変な方向に成長してしまったのを確認出来た頃、母さんとイネス、マチルダがキャビンに戻ってきた。
母さんの雰囲気がかなり柔らかくなっていのを見るに、どうやら説教は全て終わった様だ。
対してイネスとマチルダの目が死んだ魚の様になってるのは…見なかった事にしよう。
あれ? あのポリンとかいう娘はどうした?
「ただいま、トールちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど」
母さんのお願い? 怖いが聞かぬわけにはいくまい。
「おかえり…何?」
「あのね、月神様にお願いして、あのポリンちゃんを教会の責任者にして欲しいの」
「は?」
にっこり顔は笑いながら、しかし目が凍る程に冷たい母さんが言った。
「ポリンちゃんには、教会で一生かけて月神様へ祈りを捧げてもらおうと思います」
は~!? 一体、この数十分間で何が起こったんだ!?
そんな船内のごたごたなど一切関係なく、ホワイト・オルター号は山脈越え出来るポイントへ向かって、静かに雲一つない青い空を飛び続けていた。
一体、俺は何をしていたんだろう。何を見て何を考えていたんだろう。
あれからどれほどの時間が過ぎたのだろう。
そう、ほんの一刻であったような気もするし、季節が巡るほどの時間が経った様な気もする…
『いえ、マスター。奥様が出て行ってから、現在48分と27秒しか経過していません』
うん、そうとも言う。
『そうとしか言いませんが?』
良いんだよ、俺のメンタル的には季節が巡るほどの時間が過ぎたんだよ!
見てみろ! 父さんなんてまだ意識が戻ってないぞ? 精神が天界に召されたんだ、きっと…南無~。
『いや、仰ってる意味が理解不能です』
うん、俺も何言ってるのか意味不明だわ…それだけ母さんから溢れ出る殺気が俺のMind値を削ったって事なんだろう。
『ますます理解不能です。奥様からは特に殺気など出ていなかったと思いますが』
出てたんだよ! 余計な事を一言でも発したら、命が無くなる程の緊張感だったよ!
見ろ! いまだに俺の膝なんてガックガクだぞ! もう少しでチビッちゃうとこだったんだぞ!
『それは、マスターが余計な一言を奥様に言いたいのを我慢してたからではないのですか?』
そうだよ! 思わず、『母さんもいい歳なんだから、小さい事に目くじら立てなくたって…』と言いそうになったよ!
あのポリンって娘の援護射撃しようとしたけど、母さんの視線で撃沈したんだよ!
もしも言ってたら、即死級の何かが母さんから放たれたはずだよ!
『それは無いと思いますが…あの娘を擁護するのですか? 新たな婚約者にしますか?』
しない! それは絶対にない!
『かなりあの娘はマスターの好みであったと、私は感じましたが』
え? そう見えた?
『はい。地下へ先導する彼女を見るマスターの視線は、かなりねっとりしていましたから』
い、いや…そ、そんな事は…無いはずだ…ぞ?
『その動揺が全てを物語ってます。それでどうされるおつもりですか?』
いや、だからマジで婚約者にはしないし、一緒に連れて行く事もしないぞ。
あの空気を読まないのが意図的なのかどうかは別として、不思議ちゃんは俺のストライクゾーンから外れすぎだ。
『理解しました。マスターの好みは、空気の読める女と言う事ですね』
いや、その…決めつけられるのも、どうかと思うんですけど…
『大丈夫です。マスター周辺の女性に周知しておきますので、ご安心ください』
全然、安心できねー! 言わなくていいからな、絶対に言うなよ!
『了解しました。『言え』というネタ振りですね。流石マスターです。こんな時にもネタを忘れないとは…感服しました』
お前も空気読めーーーーーー!!!
『…大丈夫です。読んだ上で言ってますから』
お前の性格は、いつから歪んだんだよーーー!! 素直なあの頃に戻ってくれーーー!!
『うふふふふふふふふふふ…変な事を言いますねえ、マスターは。私は素直で良い子ですよ』
もう…いい。諦めたよ。俺の教育が悪かったんだ…きっと。
ナディアの性格が変な方向に成長してしまったのを確認出来た頃、母さんとイネス、マチルダがキャビンに戻ってきた。
母さんの雰囲気がかなり柔らかくなっていのを見るに、どうやら説教は全て終わった様だ。
対してイネスとマチルダの目が死んだ魚の様になってるのは…見なかった事にしよう。
あれ? あのポリンとかいう娘はどうした?
「ただいま、トールちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど」
母さんのお願い? 怖いが聞かぬわけにはいくまい。
「おかえり…何?」
「あのね、月神様にお願いして、あのポリンちゃんを教会の責任者にして欲しいの」
「は?」
にっこり顔は笑いながら、しかし目が凍る程に冷たい母さんが言った。
「ポリンちゃんには、教会で一生かけて月神様へ祈りを捧げてもらおうと思います」
は~!? 一体、この数十分間で何が起こったんだ!?
そんな船内のごたごたなど一切関係なく、ホワイト・オルター号は山脈越え出来るポイントへ向かって、静かに雲一つない青い空を飛び続けていた。
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