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ドレスとぱんつ
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さて、ホワイト・オルター号を、見えていた人々から少し離れた場所に着陸させて、俺とナディアは下船した。
見るからに一般ぴーぽーな人々なので、あまり警戒する必要も無いかと思うが、一応、ホワイト・オルター号は上空待機。
ゆっくりと浮上する飛行船へ視線を向けていた人々は、やがて下船した俺とナディアに気付いた様だ。
どう表現したらいいんだろう…不気味なものを見る様な目と言ったらいいのか? いや、敵だとは思って無いみたいだが…
『マスター。念のために、シールドを展開しておきます』
俺の背後に付き従う様にして立つナディアが、念話でそう告げてきた。
今のナディアは、(某男爵家の晩餐会で着てた)ちょっとおしゃれなドレスを着て、親書の入った豪華な箱を持っている。
そのドレス持って来てたんだ…まあ、王様とかに会う機会あったから、準備はしてたんだな。
さすがだ。こういう、そつの無い所はサラとは違うよな。
『失礼ですね! 私もちゃんと準備して来ました!』
あれ? サラはドレスなんて持ってたっけ?
『勝負ぱんつです!』
それ着てどうしようっていうんだよ…
『大河さんを篭絡するためです!』
あ~、そうか…うん、無駄な努力だとは思うが、頑張ってくれ。
『そうです、私がマスターに可愛がってもらうのが先です! あなたの出番は、この先10年は来ません!』
『…最近、ナディアに遠慮が無くなってきた気がします…誰の影響でしょうか…』
お前だよ、お前! 大体、悪い影響を周囲に振りまいてるのは、お前しかいないだろーが!
『純真無垢なサラちゃんに、そんな記憶は御座いません』
純真無垢な奴が、勝負ぱんつで男の貞操狙うわけないだろーが!
『サラさん…純真無垢なあなたに似合うぱんつは、木綿の真っ白なぱんつです。あだるてぃーなのは、私にこそ似合います!』
ほらみろ、サラが変なこと言うから、ナディアも張り合い始めたじゃねーか!
『ふ、ふん! 見た目ロリJKのナディアには、縞ぱんまでです!』
『つるぺたJCにしか見えないサラさんに言われたくありません!』
『『にゃにおー! やるかー!』』
俺の頭の中で喧嘩するなよ…お仕事だぞ、ナディア。
サラは、しっかり船内を見ててくれよ?
『『らじゃ!』』
お前ら、絶対に仲いいだろ…
船から降りた、俺とナディアが動かないので、人々はさらに不信感が増した様な目を向けてきた。
ほれ、お前らがいらん念話してるから、タイミング逃したじゃねーか…しゃーねーなー…
敵意が無い事を示すため、ゆっくりとこちらを見ていた人たちの方へと歩いて近づいた。
あと10m程という所で俺は立ち止まり、一度深呼吸をしてから、彼等に声を掛けた。
「え~みなさんは、この国の民ですか?」
…返事が無い…死んではいない様だが…様子を窺ってるのかな?
「あのぉ…私達は、隣のアーテリオス神国のさらに隣、グーダイド王国から来ました。両国の親書も持ってきていますので、よろしければこの国の長にお取次ぎいただけないでしょうか」
そう言うと、年嵩の言った男性が、こちらにゆっくりと近づいてきた。
「隣の国というと、太陽神の国じゃな? その隣の国は知らんが…親書を持って、何をしにこの地に?」
薄汚れてくたびれてはいるが、元は仕立ての良い物だったと思われる服を着た男性が、俺に聞いて来た。
「私達がここに来た目的は、聖なる女神ネス様より、この地に生まれた恐怖の大王を倒す様にとの神託を受け、戦うために参りました」
すると、今まで俺の話を黙って聞いていた人々が、急に騒ぎ始めた。
「先生! あの気持ち悪いキノコが無くなってる! 動く死体も!」
俺と同年代? いや、もちょっと上かな? 手に鎌を持った男性が、俺達の遠く背後を指さして叫んだ。
周囲の人々も、「無くなってる!」「死体が消えた!」などなど、口々に騒ぎ始めた。
すると、今まで黙って俺の背後に控えていたナディアが、いきなり妖精の羽を出して言った。
「皆の者…よく聞きなさい。私は聖なる女神ネス様の眷属にして、妖精族の長、ナディア。そしてここに居られるは、聖なる女神様の使徒である、トールヴァルド様。此度は女神様より、恐怖の大王を倒し、この地の民を助けよとの神託を受け、昨日このトールヴァルド様と神に選ばれた戦士で恐怖の大王と戦い倒した。この地の民を脅かす恐怖は去った」
めっちゃ饒舌だな…ナディア。
「我々は、あなた達の良き隣人である二か国の親書を持ち、有効を深めんと会談を申し込んでいるのだ。早々に取次を願う」
七色に輝く美しい妖精の羽を持ったナディアの言葉に聞き(見?)入っていた人々は、何人かに指示を出し、山の麓まで走らせた。
うん…ナディアに取りあえず任せてみるか…やっぱナディアは優秀だな。
見るからに一般ぴーぽーな人々なので、あまり警戒する必要も無いかと思うが、一応、ホワイト・オルター号は上空待機。
ゆっくりと浮上する飛行船へ視線を向けていた人々は、やがて下船した俺とナディアに気付いた様だ。
どう表現したらいいんだろう…不気味なものを見る様な目と言ったらいいのか? いや、敵だとは思って無いみたいだが…
『マスター。念のために、シールドを展開しておきます』
俺の背後に付き従う様にして立つナディアが、念話でそう告げてきた。
今のナディアは、(某男爵家の晩餐会で着てた)ちょっとおしゃれなドレスを着て、親書の入った豪華な箱を持っている。
そのドレス持って来てたんだ…まあ、王様とかに会う機会あったから、準備はしてたんだな。
さすがだ。こういう、そつの無い所はサラとは違うよな。
『失礼ですね! 私もちゃんと準備して来ました!』
あれ? サラはドレスなんて持ってたっけ?
『勝負ぱんつです!』
それ着てどうしようっていうんだよ…
『大河さんを篭絡するためです!』
あ~、そうか…うん、無駄な努力だとは思うが、頑張ってくれ。
『そうです、私がマスターに可愛がってもらうのが先です! あなたの出番は、この先10年は来ません!』
『…最近、ナディアに遠慮が無くなってきた気がします…誰の影響でしょうか…』
お前だよ、お前! 大体、悪い影響を周囲に振りまいてるのは、お前しかいないだろーが!
『純真無垢なサラちゃんに、そんな記憶は御座いません』
純真無垢な奴が、勝負ぱんつで男の貞操狙うわけないだろーが!
『サラさん…純真無垢なあなたに似合うぱんつは、木綿の真っ白なぱんつです。あだるてぃーなのは、私にこそ似合います!』
ほらみろ、サラが変なこと言うから、ナディアも張り合い始めたじゃねーか!
『ふ、ふん! 見た目ロリJKのナディアには、縞ぱんまでです!』
『つるぺたJCにしか見えないサラさんに言われたくありません!』
『『にゃにおー! やるかー!』』
俺の頭の中で喧嘩するなよ…お仕事だぞ、ナディア。
サラは、しっかり船内を見ててくれよ?
『『らじゃ!』』
お前ら、絶対に仲いいだろ…
船から降りた、俺とナディアが動かないので、人々はさらに不信感が増した様な目を向けてきた。
ほれ、お前らがいらん念話してるから、タイミング逃したじゃねーか…しゃーねーなー…
敵意が無い事を示すため、ゆっくりとこちらを見ていた人たちの方へと歩いて近づいた。
あと10m程という所で俺は立ち止まり、一度深呼吸をしてから、彼等に声を掛けた。
「え~みなさんは、この国の民ですか?」
…返事が無い…死んではいない様だが…様子を窺ってるのかな?
「あのぉ…私達は、隣のアーテリオス神国のさらに隣、グーダイド王国から来ました。両国の親書も持ってきていますので、よろしければこの国の長にお取次ぎいただけないでしょうか」
そう言うと、年嵩の言った男性が、こちらにゆっくりと近づいてきた。
「隣の国というと、太陽神の国じゃな? その隣の国は知らんが…親書を持って、何をしにこの地に?」
薄汚れてくたびれてはいるが、元は仕立ての良い物だったと思われる服を着た男性が、俺に聞いて来た。
「私達がここに来た目的は、聖なる女神ネス様より、この地に生まれた恐怖の大王を倒す様にとの神託を受け、戦うために参りました」
すると、今まで俺の話を黙って聞いていた人々が、急に騒ぎ始めた。
「先生! あの気持ち悪いキノコが無くなってる! 動く死体も!」
俺と同年代? いや、もちょっと上かな? 手に鎌を持った男性が、俺達の遠く背後を指さして叫んだ。
周囲の人々も、「無くなってる!」「死体が消えた!」などなど、口々に騒ぎ始めた。
すると、今まで黙って俺の背後に控えていたナディアが、いきなり妖精の羽を出して言った。
「皆の者…よく聞きなさい。私は聖なる女神ネス様の眷属にして、妖精族の長、ナディア。そしてここに居られるは、聖なる女神様の使徒である、トールヴァルド様。此度は女神様より、恐怖の大王を倒し、この地の民を助けよとの神託を受け、昨日このトールヴァルド様と神に選ばれた戦士で恐怖の大王と戦い倒した。この地の民を脅かす恐怖は去った」
めっちゃ饒舌だな…ナディア。
「我々は、あなた達の良き隣人である二か国の親書を持ち、有効を深めんと会談を申し込んでいるのだ。早々に取次を願う」
七色に輝く美しい妖精の羽を持ったナディアの言葉に聞き(見?)入っていた人々は、何人かに指示を出し、山の麓まで走らせた。
うん…ナディアに取りあえず任せてみるか…やっぱナディアは優秀だな。
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