266 / 1,466
恐怖の大王戦(別視点・その3)
しおりを挟む
*皆さま、今回は胸焼けに注意してください*
白須柚希視点
「柚夏! あんまり離れないでよ~! まだゾンビの処理終わってないんだから~!」
本当に困ったもんだよ。柚夏ってば常に猪突猛進なんだから…もうちょっとだけ、女の子らしくしても良いと思う。
「は~い!」
でもゲームのバイオ○ザード好きだったから、リアルで出来て嬉しすぎるんだろうなあ…
どう見ても女の子が手にするには武骨に過ぎる巨大なランスを振りまわして、その先からビームみたいにエネルギー・ブレッド(柚夏命名)を撃って、ゾンビの頭をふっ飛ばしまくってる。
すごくグロいんだけど、柚夏はゲームで慣れてるから平気なのかな? 僕はちょっと吐きそうです。
今回の僕は天馬ケンタウロスモードで、馬の背に油の樽をいっぱい括り付けて、柄杓で油をゾンビに撒いては燃やす係。
油撒いて松明で火を点けて、もう完全に放火魔だよね。
でも、そうやってきちんと処理しないと、駄目だってネス様の使徒である子爵様が言ってるんだから、ちゃんとやりましょう。
僕の神具は、名前を【灼熱の闘士 プロキシマ】って言うらしいんだけど、僕の希望もあって本来は近接格闘戦が本分。
以前に行ったダンジョンや、人間の兵士相手になら良いんだけど、ゾンビは殴りたくないよなぁ…ぐちょ! ってしそうだし。
だから、今回は柚夏に戦闘は任せます。
僕に遠距離攻撃の手段が無い訳じゃ無いんだけど、それでも柚夏の遠距離の方が射程が長いから。
「あ・な・た~~~こっちも処理お願~~~い」
「ちょっと、先に行きすぎ! 燃やすの時間かかるんだから、ちょっと待って!」
「は~~い!」
うん、僕達結婚したんだよなあ…まさかこの年齢で結婚するとは思わなかったよ…
日本では、小さな時からずっと一緒だったから特に意識した事は無かったんだけど、中学2年ぐらいからかなあ…柚夏を女の子として意識し始めたのは。
でも、柚夏の気持ちが今一つ分かんなかったんだよね。
嫌われてはいないと思ってたけど、言葉にした事も聞いた事も無かったから。
幼馴染から彼氏彼女の関係への変化って、切っ掛けが中々難しいって思う。
まさか、その切っ掛けが異世界転移だとは、日本に居た時には思いもしなかったよ。
「ねえ、私すっごく汗かいちゃったかも」
そんなはずは無いと思うんだけど…この神具は、いくら動いても体温を自動的に調節してくれてるから、汗なんてかかない…
「これ終わったら、一緒にシャワーあびない? この戦いに向けて、ずっとご無沙汰だったし…だめ?」
「…駄目じゃないです…」
こうしてたまに甘えてくるのは、反則だと思う。すごく可愛い!
「あの~いちゃつくのは、時と場所を考えて頂けないでしょうか?」
どきっ! 見られちゃった…というか、聞かれちゃった!?
振り返ると、アーフェンさんが呆れを隠しもせずに立ってました。
手には…ダ○ソン? の掃除機を持って。
「ねぇねぇ、アーフェンちゃん…その掃除機って何?」
柚夏が超ストレートに訊いた! 僕も気になってたけど…あれって、多分ネス様の神具なんじゃないかと思うけど…
「これは、マスターより貸与された神具です。灰になった敵を、塵も残さず処理できる優れものだそうです。マスターが自慢してました。ほら、あそこでアームが吸い取ってますよ。あっちではナディア様が吸い取ってますし、マスターは恐怖の大王を吸い取ってました」
そう言いながらアーフェンさんが指さした方を見ると、確かにガンガン吸い取ってるのが見えた。
いや、もの凄い絵面なんだけど! ドラ〇もんの四次元○ケットに、どこで〇ドアーが吸い込まれる時みたいに吸い込まれてる! すっごい違和感があるけど…さすが神様の道具だ…
「アーフェンちゃん、すっごいね~その掃除機! 四次元ポ〇ットみたい!」
柚夏…本当にストレートだよね…色々と。
「よ~し! それじゃ私がガンガン倒しちゃうから、柚希もガンガン燃やしちゃってね。アーフェンちゃん、ダイ〇ン君で残らず吸い取っちゃって!」
どうした柚夏…急に仕切り始めて?
「おう!」「はい」
この波に乗らなきゃダメなのかな?
「そんで、全部終わったら、ゆっくりいちゃいちゃしよ~ね~柚希~!」
「ぉ…ぉぅ? おま、何言ってんだよ、こんなとこで!」
恥ずかしいだろー!
「良いのよ~! だって夫婦なんだもん! 今夜は寝かせないぜ、べいべー!」
そのセリフは、普通男が言うものだと思う…我が家では逆転してるけど…
「よ~し! そうと決まったら、ハッスルするぞー!」
「いや、待て待て! 何をハッスルするつもりなんだよ? この戦いを頑張るって意味だよね、そうだよね?」
まさか、夜の夫婦生活のことじゃないよね…
「それは、お愉しみって事で~。そんじゃいっくよ~!」
楽しそうに巨大な槍を振りまわしながら走って行く柚夏の後姿を見ながら、僕はやれやれ…と思いつつ、馬の下半身を操作して後を追いかけた。
こんな猪突猛進な柚夏だけど…嫌いになんてなれないよね…惚れちゃったんだから。
「勝手に進まない! 僕に歩調を合わせて!」
うん、色んな意味で歩調を合わせて欲しい。
戦闘も異世界生活も…そして夫婦生活も。
「柚希~! だ~い好き!」
うん。僕も大好きだよ、柚夏。
「恥ずかしい事、大きい声で言わない! ほら、右前の敵に集中!」
「は~い!」
ますます呆れ顔のアーフェンさんと、柚夏の倒した敵を焼いて回収しつつ、僕達は柚夏の後ろを追いかけた。
僕が追いかけられるスピードで走ってね。背中を見失いたくないから。
この異世界に一緒に来たのが、柚夏で本当に良かった…愛してるよ、柚夏。
白須柚希視点
「柚夏! あんまり離れないでよ~! まだゾンビの処理終わってないんだから~!」
本当に困ったもんだよ。柚夏ってば常に猪突猛進なんだから…もうちょっとだけ、女の子らしくしても良いと思う。
「は~い!」
でもゲームのバイオ○ザード好きだったから、リアルで出来て嬉しすぎるんだろうなあ…
どう見ても女の子が手にするには武骨に過ぎる巨大なランスを振りまわして、その先からビームみたいにエネルギー・ブレッド(柚夏命名)を撃って、ゾンビの頭をふっ飛ばしまくってる。
すごくグロいんだけど、柚夏はゲームで慣れてるから平気なのかな? 僕はちょっと吐きそうです。
今回の僕は天馬ケンタウロスモードで、馬の背に油の樽をいっぱい括り付けて、柄杓で油をゾンビに撒いては燃やす係。
油撒いて松明で火を点けて、もう完全に放火魔だよね。
でも、そうやってきちんと処理しないと、駄目だってネス様の使徒である子爵様が言ってるんだから、ちゃんとやりましょう。
僕の神具は、名前を【灼熱の闘士 プロキシマ】って言うらしいんだけど、僕の希望もあって本来は近接格闘戦が本分。
以前に行ったダンジョンや、人間の兵士相手になら良いんだけど、ゾンビは殴りたくないよなぁ…ぐちょ! ってしそうだし。
だから、今回は柚夏に戦闘は任せます。
僕に遠距離攻撃の手段が無い訳じゃ無いんだけど、それでも柚夏の遠距離の方が射程が長いから。
「あ・な・た~~~こっちも処理お願~~~い」
「ちょっと、先に行きすぎ! 燃やすの時間かかるんだから、ちょっと待って!」
「は~~い!」
うん、僕達結婚したんだよなあ…まさかこの年齢で結婚するとは思わなかったよ…
日本では、小さな時からずっと一緒だったから特に意識した事は無かったんだけど、中学2年ぐらいからかなあ…柚夏を女の子として意識し始めたのは。
でも、柚夏の気持ちが今一つ分かんなかったんだよね。
嫌われてはいないと思ってたけど、言葉にした事も聞いた事も無かったから。
幼馴染から彼氏彼女の関係への変化って、切っ掛けが中々難しいって思う。
まさか、その切っ掛けが異世界転移だとは、日本に居た時には思いもしなかったよ。
「ねえ、私すっごく汗かいちゃったかも」
そんなはずは無いと思うんだけど…この神具は、いくら動いても体温を自動的に調節してくれてるから、汗なんてかかない…
「これ終わったら、一緒にシャワーあびない? この戦いに向けて、ずっとご無沙汰だったし…だめ?」
「…駄目じゃないです…」
こうしてたまに甘えてくるのは、反則だと思う。すごく可愛い!
「あの~いちゃつくのは、時と場所を考えて頂けないでしょうか?」
どきっ! 見られちゃった…というか、聞かれちゃった!?
振り返ると、アーフェンさんが呆れを隠しもせずに立ってました。
手には…ダ○ソン? の掃除機を持って。
「ねぇねぇ、アーフェンちゃん…その掃除機って何?」
柚夏が超ストレートに訊いた! 僕も気になってたけど…あれって、多分ネス様の神具なんじゃないかと思うけど…
「これは、マスターより貸与された神具です。灰になった敵を、塵も残さず処理できる優れものだそうです。マスターが自慢してました。ほら、あそこでアームが吸い取ってますよ。あっちではナディア様が吸い取ってますし、マスターは恐怖の大王を吸い取ってました」
そう言いながらアーフェンさんが指さした方を見ると、確かにガンガン吸い取ってるのが見えた。
いや、もの凄い絵面なんだけど! ドラ〇もんの四次元○ケットに、どこで〇ドアーが吸い込まれる時みたいに吸い込まれてる! すっごい違和感があるけど…さすが神様の道具だ…
「アーフェンちゃん、すっごいね~その掃除機! 四次元ポ〇ットみたい!」
柚夏…本当にストレートだよね…色々と。
「よ~し! それじゃ私がガンガン倒しちゃうから、柚希もガンガン燃やしちゃってね。アーフェンちゃん、ダイ〇ン君で残らず吸い取っちゃって!」
どうした柚夏…急に仕切り始めて?
「おう!」「はい」
この波に乗らなきゃダメなのかな?
「そんで、全部終わったら、ゆっくりいちゃいちゃしよ~ね~柚希~!」
「ぉ…ぉぅ? おま、何言ってんだよ、こんなとこで!」
恥ずかしいだろー!
「良いのよ~! だって夫婦なんだもん! 今夜は寝かせないぜ、べいべー!」
そのセリフは、普通男が言うものだと思う…我が家では逆転してるけど…
「よ~し! そうと決まったら、ハッスルするぞー!」
「いや、待て待て! 何をハッスルするつもりなんだよ? この戦いを頑張るって意味だよね、そうだよね?」
まさか、夜の夫婦生活のことじゃないよね…
「それは、お愉しみって事で~。そんじゃいっくよ~!」
楽しそうに巨大な槍を振りまわしながら走って行く柚夏の後姿を見ながら、僕はやれやれ…と思いつつ、馬の下半身を操作して後を追いかけた。
こんな猪突猛進な柚夏だけど…嫌いになんてなれないよね…惚れちゃったんだから。
「勝手に進まない! 僕に歩調を合わせて!」
うん、色んな意味で歩調を合わせて欲しい。
戦闘も異世界生活も…そして夫婦生活も。
「柚希~! だ~い好き!」
うん。僕も大好きだよ、柚夏。
「恥ずかしい事、大きい声で言わない! ほら、右前の敵に集中!」
「は~い!」
ますます呆れ顔のアーフェンさんと、柚夏の倒した敵を焼いて回収しつつ、僕達は柚夏の後ろを追いかけた。
僕が追いかけられるスピードで走ってね。背中を見失いたくないから。
この異世界に一緒に来たのが、柚夏で本当に良かった…愛してるよ、柚夏。
29
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる