システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
256 / 1,466

いのちだいじに!

しおりを挟む
「はい、では偵察に出ていた妖精さんの報告によりますと、(仮称)ミニ恐怖の大王は元は死体であったそうです。何らかの方法で恐怖の大王が操っていると考えられます」
「トール、その操っている方法ってのは分かってるのか?」
「うん、父さん。実際に見てないから何とも言えないけど…予想はしてる。まだ断定できないんで何とも言えない」
 俺がそう言うと、父さんは難しい顔をした後、
「そうか…それでも相手は元々死体なんだろ? 普通に切って倒せるのか?」
 そこはまだ不確定なんだけど…
「多分、切っても倒せない可能性がある。だから当初にたてた作戦を変更します」
 お、みんな真剣に聞いてくれてるな?
「(仮称)ミニ恐怖の大王に関して、ナディアと天鬼族3人娘に任せようと思ってましたが、俺以外の全員で当たってもらいます」
 ここまでいいかな?
「チーム編成は、当初の予定と同じです。まず、父さんは斬って斬って斬りまくってください。コルネちゃんは、父さんの斬った敵を火の魔法でしっかりと焼いてね」
「うむ。コルネリア、頼んだぞ」「は~い、おとうさん、おにいちゃん!」
 2人共、よいお返事です。
「ナディア、2人のサポートよろしく」
「了解しました、マスター」

 マジで頼むよ? 父さんはどうでもいいけど、コルネちゃんが傷ついたら、俺は、俺は…泣いちゃうよ? 全部終わったら、身体の隅々まで確認しなくちゃ…コルネちゃんを! 傷ついたら、お兄ちゃんがお嫁にもらってあげるからね!
『それは却下です、マスター』
 ぐ…会話と念話を使い分けるの上手くなったな…ナディアよ…
『残念な思考…いえ、性癖は変わりませんね、マスター…』  
 ま、それはいいとして…

「と言う事は、トール様。私達もですか?」
「うん。メリル達も同じ。強い火の魔法がみんなは使えないから、油を掛けて燃やしちゃって。もしもの時のためにと、カーゴルームにいっぱい油を積んできてるから、付近で降ろそう。たっぷり油を掛けたら、イネスのクリムゾン・ストライクなら、離れた所からでも火の魔法を飛ばして着火は出来ると思う」
『はい!』
「アーデ達は、メリルのチームと離れない様にして、サポートよろしく」
『はい!』
 みんな返事は良いんだよなあ…返事だけは…不安だ。

「ユズキとユズカは、がっつり敵さんを足止めして動きを止めたら、油を撒いてまわって。2人には着火方法が無いから、無理はしない様に。着火は他の人に任せて」
「はい!」「は~い!」
 こいつらが…ってか、ユズカが一番心配なんだけどなあ。暴走しなきゃいいけど。
「心配なので、妖精さんも何人かついて行ってあげてね」
 ビシッ! と妖精さん敬礼!
「ちょ! 私達は大丈夫ですよ~!」
 お前が一番心配なんだよ、ユズカ!

「偵察の結果、恐怖の大王周辺の空気も土地も水も、全てが腐ってるというか弱い瘴気が漂ってます。神具にはそういった物を無効にする効果があるけど、父さんは生身だから絶対に無理はしないで。出来るだけナディアの結界の中にいて、攻撃の瞬間だけ出る様にしてね。その時も出来るだけ呼吸は控えて。あ、あとタオルで口と鼻を塞ぐようにしといて。少しは予防になるから」
「うむ、わかった。ナディア様、お願いします」「お任せください」
 マジで頼むぞ、ナディアよ。
「瘴気…腐海…○蟲…森へお帰り」
 そしてユズカ、いらん想像をすな! 森なんて無いからな!
 キッと睨むと、ユズカは黙ったけど、むぷぷ…って笑ってるし。
  こいつ、本当に大丈夫だろうか? 
 頼むぞ、ユズキ。しっかり手綱握っててくれよ…ってか、馬なのはユズキだから、手綱を握ってるのユズカか…ま、いっか。

「いい、みんな。この土地は乾燥してるから、良く燃えるはずだし、まだ瘴気が漂う量も少ない。恐怖の大王も、完全には力を取り戻してないはずだから、今が絶好の機会。決して油断せず、全員で生きて帰りましょう」
 急に真剣な顔になったけど、みんな気合入ったかな?
 強い装備を手に入れて、どこか浮かれてたから、変な所で足元を掬われるかもしれないからな。
「では、御唱和ください。いのちだいじに!」
『いのちだいじに!』
 うんうん。

「現在、敵に向けて微速で進攻中。あと少しで敵が見えて来るはずです。目視できる距離まで近づいたら、俺達は下船。各自ブリーフィングの通りにチームで別れて散開。しかる後、行動を開始してください。ホワイト・オルター号は、下船と油を降ろした後、結界を張って上空で待機。各自、決戦に備えて最終準備と確認をしておいて下さい。解散!」
 うん、みんな走って食堂出て行ったけど…おトイレ? 変身したら出来ないもんね。

 さて、では俺も例のブツを準備しますか。抜かりなく、お部屋にちゃんと用意してます。
 もうリュックサックに詰め込んで、いつでも持ち出し出来る状態。
 あとは…俺も、トイレいっとこ…
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...