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決戦前夜
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この盆地国家とでも言うか、国家が盆地とでもいうのが正しいのか分からないが、とにかくこの国は楕円形の盆地であるらしいという事が分かってきた。
何故分かったかというと、1日掛けてこの国を取りまく山脈沿いをゆっくりと周ってみたからだ。
一周で約600kmほどあったという事は、単純な円で計算すれば直径約200km弱。
なんで悠長にこんなことしてるのかというと、敵さんの戦力分析のため、正確な敵の位置が知りたかったからだ。
サラの謎の探知能力で、円周上から中心に向かって観測を続けた結果、この国の中心から50kmほど東寄りに恐怖の大王の最初の反応地点がある事が判明した。
ついでに増えた煩悩…もとい小さな108個の反応は、その周囲に不規則に散らばっていた。
そしてこの国を一周して分かった事なのだが、何か所かオアシスらしき場所がある事も分かった。
人々はそのオアシス周辺に住んでいる様だ。
問題は、恐怖の大王の反応が、そのオアシスの1つにあるという点。
もしや、あの反応は…もしかすると、あの反応は…あまり良い予感はしないな。
出来れば人でなければいいのだが…。
本日は、最初に山脈を越えたポイント付近の上空に留まって、これまで集めた情報を元に作戦会議を行う予定だ。
決戦は、早くても明日の昼以降になる…かな?
よし! とりあえずは、晩ご飯だ!
決戦前なので、ユズキの異世界飯テロ晩御飯で、英気を養おう!
という事で、ユズキ渾身の晩飯は、トンカツです。
やっぱトンカツには、濃厚なソースとふわふわの千切りキャベツが合いますな~。
この世界にも地球のキャベツとそっくりな野菜があって良かった。
キャベツが無かったら、画竜点睛を欠くというか、点睛開眼が出来てないというか…
『それは、どっちも同じ意味です。そんな事では、難しい故事を使っても頭良さそうには見えませんよ?』
うるへー! ほっとけ! 俺の心の中の呟きまで拾ってツッコむな!
『ふっ…天網恢恢疎にして漏らさずです』
いや、お前は神様かよ! たかが頭が良いふりしたぐらいで、天罰が俺に下るのかよ!
『むぅ…たまには私も頭が良いふりしたいのです。網呑舟の魚を漏らすですね』
お前、意味わかっててそれ使ってんのか? ってか、何でそんな難しい故事を知ってんだよ!
『参照は、三〇堂 故事こ○わざ・慣用句辞典です』
それ、シャレか? 参照と三省○を掛けたのか? ってか、どこで手に入れたんだよ!
『管理局経由で、某密林の通販で購入しました』
マジか! 密林すげえな…他の星までお届けとは…
『いえ、もちろん嘘ですよ? 出来るわけないでしょうが。どこぞのラノベじゃあるまいし』
くっ…ほんの少しでも、サラを信じた俺が馬鹿だった…俺の心を弄びやがって…
『え? もしも通販できるとしたら、ナニが欲しかったんですか?』
……………秘密。
さて、満腹になった所で作戦会議です!
まあ、食器類を片付けた食堂でそのままするわけで、お茶とお菓子が目の前に並んでて、緊張感も何もありませんが…
「それでは作戦会議を始めたいと思います」
パチパチパチ…って、まばらだな、拍手。
もしや皆、腹が膨れて眠くなってないか?
「え~本日の探査によって、恐怖の大王本体と周辺に散らばる、108個の反応の大凡の位置関係がこちらです」
赤い点で反応のあった場所を書き記した、落書きみたいな簡単な地図を壁に貼りだした。
「見て判る様に、恐怖の大王は、どうやらこの地では数少ないオアシスに居る様です」
みんな、ちゃんと起きてる? コルネちゃん…船こぎそうだけど…
「現在、停泊している場所はココ。真っすぐに大王に向かうとして、決戦は明日の昼過ぎの予定です。ここまでで質問は?」
シュタッ! と手を上げたのは、メリル。
「はい、メリル君」
「108個の反応って、結局…何ですか?」
「うむ、良い質問だ。実はまだはっきりとは分かってない。可能性としては、何らかの方法で恐怖の大王に操られた、この国の人ではないかと思っている。もちろん、恐怖の大王が生み出した何かである可能性も大いにあるのだが…」
「だが?」
「その可能性は低いと、俺は考えている。現在、恐怖の大王は内包するエネルギーを、自らの成長に使っていると思う。配下を新たに生み出す余裕は無いと思うんだ。それならば周辺の人を操った方が、エネルギー消費が少ないと思う」
俺の考えに、「なるほど~」と全員納得してくれたみたい。
「とは言っても、恐怖の大王の考えている事なんて、俺には分からないから、これはあくまでも推測。もしも大王が生み出した生命体ならば殲滅。付近の人々が操られているならば、何とか取り押さえて元に戻す方法を考えたいと思う」
みんな頷いてるから、理解できたと思っておこう。
あ…コルネちゃんは、頷いてるんじゃなくて、船こいでるってか寝てるのか…まだ10歳だからな。仕方ない。
「他に質問は?」
こんな感じで、決戦前夜の作戦会議は進んで行く。
む、決戦前夜とか格好いいな…今夜の俺ってイケてる気がする。
何故分かったかというと、1日掛けてこの国を取りまく山脈沿いをゆっくりと周ってみたからだ。
一周で約600kmほどあったという事は、単純な円で計算すれば直径約200km弱。
なんで悠長にこんなことしてるのかというと、敵さんの戦力分析のため、正確な敵の位置が知りたかったからだ。
サラの謎の探知能力で、円周上から中心に向かって観測を続けた結果、この国の中心から50kmほど東寄りに恐怖の大王の最初の反応地点がある事が判明した。
ついでに増えた煩悩…もとい小さな108個の反応は、その周囲に不規則に散らばっていた。
そしてこの国を一周して分かった事なのだが、何か所かオアシスらしき場所がある事も分かった。
人々はそのオアシス周辺に住んでいる様だ。
問題は、恐怖の大王の反応が、そのオアシスの1つにあるという点。
もしや、あの反応は…もしかすると、あの反応は…あまり良い予感はしないな。
出来れば人でなければいいのだが…。
本日は、最初に山脈を越えたポイント付近の上空に留まって、これまで集めた情報を元に作戦会議を行う予定だ。
決戦は、早くても明日の昼以降になる…かな?
よし! とりあえずは、晩ご飯だ!
決戦前なので、ユズキの異世界飯テロ晩御飯で、英気を養おう!
という事で、ユズキ渾身の晩飯は、トンカツです。
やっぱトンカツには、濃厚なソースとふわふわの千切りキャベツが合いますな~。
この世界にも地球のキャベツとそっくりな野菜があって良かった。
キャベツが無かったら、画竜点睛を欠くというか、点睛開眼が出来てないというか…
『それは、どっちも同じ意味です。そんな事では、難しい故事を使っても頭良さそうには見えませんよ?』
うるへー! ほっとけ! 俺の心の中の呟きまで拾ってツッコむな!
『ふっ…天網恢恢疎にして漏らさずです』
いや、お前は神様かよ! たかが頭が良いふりしたぐらいで、天罰が俺に下るのかよ!
『むぅ…たまには私も頭が良いふりしたいのです。網呑舟の魚を漏らすですね』
お前、意味わかっててそれ使ってんのか? ってか、何でそんな難しい故事を知ってんだよ!
『参照は、三〇堂 故事こ○わざ・慣用句辞典です』
それ、シャレか? 参照と三省○を掛けたのか? ってか、どこで手に入れたんだよ!
『管理局経由で、某密林の通販で購入しました』
マジか! 密林すげえな…他の星までお届けとは…
『いえ、もちろん嘘ですよ? 出来るわけないでしょうが。どこぞのラノベじゃあるまいし』
くっ…ほんの少しでも、サラを信じた俺が馬鹿だった…俺の心を弄びやがって…
『え? もしも通販できるとしたら、ナニが欲しかったんですか?』
……………秘密。
さて、満腹になった所で作戦会議です!
まあ、食器類を片付けた食堂でそのままするわけで、お茶とお菓子が目の前に並んでて、緊張感も何もありませんが…
「それでは作戦会議を始めたいと思います」
パチパチパチ…って、まばらだな、拍手。
もしや皆、腹が膨れて眠くなってないか?
「え~本日の探査によって、恐怖の大王本体と周辺に散らばる、108個の反応の大凡の位置関係がこちらです」
赤い点で反応のあった場所を書き記した、落書きみたいな簡単な地図を壁に貼りだした。
「見て判る様に、恐怖の大王は、どうやらこの地では数少ないオアシスに居る様です」
みんな、ちゃんと起きてる? コルネちゃん…船こぎそうだけど…
「現在、停泊している場所はココ。真っすぐに大王に向かうとして、決戦は明日の昼過ぎの予定です。ここまでで質問は?」
シュタッ! と手を上げたのは、メリル。
「はい、メリル君」
「108個の反応って、結局…何ですか?」
「うむ、良い質問だ。実はまだはっきりとは分かってない。可能性としては、何らかの方法で恐怖の大王に操られた、この国の人ではないかと思っている。もちろん、恐怖の大王が生み出した何かである可能性も大いにあるのだが…」
「だが?」
「その可能性は低いと、俺は考えている。現在、恐怖の大王は内包するエネルギーを、自らの成長に使っていると思う。配下を新たに生み出す余裕は無いと思うんだ。それならば周辺の人を操った方が、エネルギー消費が少ないと思う」
俺の考えに、「なるほど~」と全員納得してくれたみたい。
「とは言っても、恐怖の大王の考えている事なんて、俺には分からないから、これはあくまでも推測。もしも大王が生み出した生命体ならば殲滅。付近の人々が操られているならば、何とか取り押さえて元に戻す方法を考えたいと思う」
みんな頷いてるから、理解できたと思っておこう。
あ…コルネちゃんは、頷いてるんじゃなくて、船こいでるってか寝てるのか…まだ10歳だからな。仕方ない。
「他に質問は?」
こんな感じで、決戦前夜の作戦会議は進んで行く。
む、決戦前夜とか格好いいな…今夜の俺ってイケてる気がする。
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