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順調では無い
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恐怖の大王討伐の旅は、順調とは言い難かった。
アーテリオス神国と目的地の隣国との国境は、長く高い山脈で隔たれていた。
飛行機の様に高度を高く取れない為、この山脈をう回する必要がある。
この山脈は意外に長く、数百KMは続いているらしい…怪しい地図情報だが。
この為、う回にかかる時間もかなりかかる見通しだ。
コクピットで、右に山脈を見ながら飛び続けていると、無性にイライラとしてきた。
俺がこんなに真面目にお仕事(?)しているというのに、後ろでキャッキャしながら遊んでる奴が…いや、全員が遊んでいるのが、俺をイラつかせる原因だ。
「俺が真面目に操縦してんのに、全員で何してんの?」
俺の言葉に反応してくれたのは、柚香だった。
「え? リバーシですけど?」
「いや、そりゃ分かってるよ! 何で俺の後ろで楽しそうに遊んでんのかって言ってるの!」
「だって、暇でしょ? それに異世界物の定番といえば、リバーシですぜ、ダンナ」
どこの下っ端だよ、お前は。
そう、俺が頼まれてリバーシを作った…もとい、土の精霊さんにお願いして再現してもらったのだ。
元が土なだけに、微妙に薄茶色と濃い茶色のコマだけど、判別できれば問題ない。
あまりの人気に急きょ増産して、現在は大リバーシ大会の真っ最中なのだ。
やっぱちゃんと白黒のコマと緑の台を作りたい…帰ったら大々的に製造して販売しよう! また儲かるな…うしし…じゃない!
「それなら部屋でやってくれ! 俺は操縦してんだぞ? 気が散って事故ったらどうすんだよ!」
俺がそう言うと、全員が俺を見た。
なんだよ…何が言いたいんだよ?
「トールちゃん…そんな事言って、本当に独りになったら、寂しくて死んじゃうでしょ?」
母さん、あんた何言ってんの? 俺はどこぞのうさぎかよ!
「んなわけないだろ! 静かな方が集中できて、むしろ心地いいよ!」
「トール…強がらなくても良いんだ…俺達は家族なんだからな…」
意味わかんねーよ、父さん!
「な、何言ってんだよ。俺は1人でもたくましく生き抜いてやるさ!」
「○を向いて、歩こう、涙がこぼれない様に…思いだす春の日、独りぽっちの夜~」
サラ…お前、何歌っちゃってくれてんの? しかもそんな古い歌を! いや、名曲だけど!
その歌を聞いた家族は、『何て素晴らしい歌だ!』とか言いだすし、もう収集つかん…
俺だってたまには独りでゆっくりできる時間が欲しいんだよ! どこにでも付いて来るって言ったのは婚約者~ずだよな?
何で俺がさびしんぼうみたいな扱いなんだよ! お前らが一緒に居たいだけだろ!
「トール様、泣かないで。大丈夫です。いつも傍におりますから…」
ミレーラ、君…絶対にそれ君の事でしょう? 俺、泣いてないからな!
「誰とで~も仲間に〇って、仲良しになろう。口笛吹○て~空き地へ行った。知らない子はも○いない、みんな仲間だな〇よしなんだ~」
だから、サラ! 何でそんな懐かしいの歌ってくれちゃってんだよ! その歌聞くと、何か涙滲むぞ…こんちくしょー!
「サラさん…いい歌ですね~。素晴らしいです、サラさんは素晴らしいポエットですね」
いや、メリルよ…その歌は、日本の教育テレビで昔放送されていた【みんな○かよし】という番組の主題歌でしてね…
「良い歌詞ですね。これは異種族が暮らす我がトールヴァルド地区の、領歌として広めましょう!」
マチルダ、止めるんだ! ちゃんと許可と使用料を払わないと、訴えられるぞ!
いや、そう言う問題じゃ無いけど…
こんな風に、 恐怖の大王討伐の旅は、順調とは言い難かった…
アーテリオス神国と目的地の隣国との国境は、長く高い山脈で隔たれていた。
飛行機の様に高度を高く取れない為、この山脈をう回する必要がある。
この山脈は意外に長く、数百KMは続いているらしい…怪しい地図情報だが。
この為、う回にかかる時間もかなりかかる見通しだ。
コクピットで、右に山脈を見ながら飛び続けていると、無性にイライラとしてきた。
俺がこんなに真面目にお仕事(?)しているというのに、後ろでキャッキャしながら遊んでる奴が…いや、全員が遊んでいるのが、俺をイラつかせる原因だ。
「俺が真面目に操縦してんのに、全員で何してんの?」
俺の言葉に反応してくれたのは、柚香だった。
「え? リバーシですけど?」
「いや、そりゃ分かってるよ! 何で俺の後ろで楽しそうに遊んでんのかって言ってるの!」
「だって、暇でしょ? それに異世界物の定番といえば、リバーシですぜ、ダンナ」
どこの下っ端だよ、お前は。
そう、俺が頼まれてリバーシを作った…もとい、土の精霊さんにお願いして再現してもらったのだ。
元が土なだけに、微妙に薄茶色と濃い茶色のコマだけど、判別できれば問題ない。
あまりの人気に急きょ増産して、現在は大リバーシ大会の真っ最中なのだ。
やっぱちゃんと白黒のコマと緑の台を作りたい…帰ったら大々的に製造して販売しよう! また儲かるな…うしし…じゃない!
「それなら部屋でやってくれ! 俺は操縦してんだぞ? 気が散って事故ったらどうすんだよ!」
俺がそう言うと、全員が俺を見た。
なんだよ…何が言いたいんだよ?
「トールちゃん…そんな事言って、本当に独りになったら、寂しくて死んじゃうでしょ?」
母さん、あんた何言ってんの? 俺はどこぞのうさぎかよ!
「んなわけないだろ! 静かな方が集中できて、むしろ心地いいよ!」
「トール…強がらなくても良いんだ…俺達は家族なんだからな…」
意味わかんねーよ、父さん!
「な、何言ってんだよ。俺は1人でもたくましく生き抜いてやるさ!」
「○を向いて、歩こう、涙がこぼれない様に…思いだす春の日、独りぽっちの夜~」
サラ…お前、何歌っちゃってくれてんの? しかもそんな古い歌を! いや、名曲だけど!
その歌を聞いた家族は、『何て素晴らしい歌だ!』とか言いだすし、もう収集つかん…
俺だってたまには独りでゆっくりできる時間が欲しいんだよ! どこにでも付いて来るって言ったのは婚約者~ずだよな?
何で俺がさびしんぼうみたいな扱いなんだよ! お前らが一緒に居たいだけだろ!
「トール様、泣かないで。大丈夫です。いつも傍におりますから…」
ミレーラ、君…絶対にそれ君の事でしょう? 俺、泣いてないからな!
「誰とで~も仲間に〇って、仲良しになろう。口笛吹○て~空き地へ行った。知らない子はも○いない、みんな仲間だな〇よしなんだ~」
だから、サラ! 何でそんな懐かしいの歌ってくれちゃってんだよ! その歌聞くと、何か涙滲むぞ…こんちくしょー!
「サラさん…いい歌ですね~。素晴らしいです、サラさんは素晴らしいポエットですね」
いや、メリルよ…その歌は、日本の教育テレビで昔放送されていた【みんな○かよし】という番組の主題歌でしてね…
「良い歌詞ですね。これは異種族が暮らす我がトールヴァルド地区の、領歌として広めましょう!」
マチルダ、止めるんだ! ちゃんと許可と使用料を払わないと、訴えられるぞ!
いや、そう言う問題じゃ無いけど…
こんな風に、 恐怖の大王討伐の旅は、順調とは言い難かった…
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