システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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いつ来るんだよ!

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 そんなこんなのドタバタなバカンスも終了。
 我が家の面々は、いつもの日常へと帰って来た。

 さて、それでは領主様のお仕事を始めましょうかね…
 ん~~~~、書類が漫画みたいに溜まってるなあ。
 山積の書類を、端からせっせせっせと、マチルダとメリルに手伝ってもらいながら切り崩して処理する。
 処理する。新たな書類がやってくる。処理する。新たな書類がやってくる。処理する…エンドレスかよ!
 昼飯も食わずに必死に捌いて、なんとか夕方に全てが終わった…疲れた。

 とかく領主の仕事は多岐にわたる。
 日本みたいに役場でする仕事も、全部まわってくる。
 出生、死亡、結婚、離婚、家の建設許可に転居、もちろん税務処理、補助金の申請に、簡単な領内のもめ事に対する裁判の様な事まで、ほぼ領内の全ての事柄に関してお仕事が漏れなく付いてくる。
 まあ、ほとんどが承認か却下だけの簡単な決済なんだけど。
 それでも領民の数が増えればそれだけ仕事も増えるし、俺の領地には異種族も住んでいるので、それ絡みのお仕事も思ったよりも多いのが実情なのだ。
 その上、個人事業を多岐にわたり展開したり、あちこちに投資したりもしてるので、目を通す書類は日々増え続けている。
 
 最近はメリルが手伝ってくれているし、ミルシェとミレーラも頑張って仕事を覚えようとしてくれてはいるのだが、あまり戦力にはなっていない。
 アーデ、アーム、アーフェンの天鬼族3人娘が、税務関連の帳簿のチェックをしてくれているので、サインだけで済んでいるが、もしもマチルダと2人だけでこの仕事をこなそうと思うと、書類に埋もれてあの世に旅立つ事になるだろう。
 ちなみにイネスには、一切の書類仕事をさせていない。
 脳筋過ぎて、マジで使えないのだ。仕方が無いので、エルフさん警備会社の総指揮を任せ、犯罪撲滅に邁進させている。
 ま、適材適所ってやつだな。

 なんとか日が傾く前に、本日の業務が終了。
 こった肩をグリグリとまわしながら、お茶を飲みながらリラックスしていると、
『緊急通信! 緊急通信! 大河さん、ついに反応が出ました!』
 なにやら慌てたサラの念話が飛び込んできた。
 何だ、何だ?
『恐怖の大王の手下または大王の転生者と思われる、エネルギー反応が出たんです!』
 おう、やっと来たか…んで、どこらへんに出たんだ?
『ここから大陸内部に向かい、約2500kmほど行った所です』
 そらまた遠いな…この大陸の中心近くって事か?
『そうなりますね。中心から200kmほどずれてますが』
 10%以下なら誤差みたいなもんだ。んで、その反応は移動してるのか?
『ええ、徐々にこちらに近づいて来てますね。時速10cm前後ってところです』
 ぶっ! おま、それ遅すぎだろ! カタツムリでももちっと早いぞ!?
『理由は不明です。現在の所、出現ポイント周辺での被害は見られない様ですが…』
 ん~~~。反応って強いの?
『ものすごく微弱です。赤くなって点滅してる赤銀巨人のカラータイマーみたいな感じです』
 それ、もう終わりかけてないか?
『きっと最後に、ものすごいイタチっ屁をかます気ですよ!』
 いや、そうだとしても…戦いもせずに、もう最後なのかよ。
『いえ、分かりませんけど』
 分からんのかーーーい!
『そりゃ、遠すぎて見えませんもの。どっかの原住民みたいに、視力5.0とか無いですよ、私』
 視力5.0でも、2500km先なんぞ見えてたまるかー!
『当たり前です。この星は球体なんですから、2km程で地平線になりますから』
 ん? 近くないか? 高校の時に、確か5kmぐらいとか習った気が…
『この星は、地球よりも小さいですからね』
 なるほど…って、そんな話はどうでもええわい!
 恐怖の大王は、いつ来るんだよ! 
『さぁ…このままだと2,854年近くかかります』
 そんなに待てるか! 死ぬわ、普通に寿命で!
『文句は恐怖の大王に言って下さいよ。私は恐怖の大王の窓口ではありませんから』
 まあ、そうなんだが…
『それで、どうしますか?』
 ん~~~。その反応ってのは、トレース出来てんの?
『もちろんです!』
 んじゃ暇になったら、見に行ってみるか。
『了解しました!』

 恐怖の大王…カズムさん、一体何に転生したんだよ。
 頼むから、もちっとドラマを盛り上げてくれよ…
 めっちゃすごい解決法を考えたのに、試す前に俺の寿命が尽きるって、電波な少年のTVシリーズのラストぐらい残念だよ!
 お前、もうヒッチハイクして来い!
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