システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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バカン…ス?

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 晴れ渡る空! 輝く太陽! まだちょっと水は冷たいけど、青い海!
 これで色取り取りの水着の美少女が居たら最高なんだけど…
 父さんの屋敷の巨乳メイドさん達が用意してくれたパラソルとサマーベッドというかビーチ・チェアーっぽいのに座って、ゆっくりとドリンクを飲む。
 傍らでは、BBQの準備を進めてくれており、この後の食事が待ち遠しくなる様な、色取り取りの海鮮や野菜が並んでいる。
 ああ素晴らしきかな! これぞ、余暇の正しい過ごし方と言えよう!

 ただ、目の前のコレが無ければなぁ…

 ちゅどーーーーん!
「ミレーラ! 今よ!」
 ずがーーーーん!
「うぉぉぉぉぉりゃ~あぁぁぁぁぁぁ!」
「柚香! 後ろに回り込んで!」
「おっけ~!」
 がっきーーーーん!
「行かせん!」
「メリル! 右からコルネ様の魔法が来る! シールドを!」
「ミルシェ、魔法は私がガードする!」
「すきありーーー!」
 どごーーーーん!
「コルネ様、ないす!」
「お前達、俺を忘れるなーーー!」
 ががががががが!!!
「なんの! さすがは、お義父さま! やりますね!」
 ざしゅ! ざしゅ! ざしゅ!
「イネスもやるではないか!」
 すばばばばばばばばばば!!
「うあ! ちょ、柚希何してんのよ!」 
「ごっめ~ん! 誤射っちゃった!」
「イネスさん、回復いきまーーす!」
 ひゅーーーーーーーん!
「助かった、ミレーラ!」
 きぃぃぃぃぃぃぃん!
『コルネリア様、お下がりください! ガードします!』
 だだだだだだだだだだだだ!!!
『『『ナディア様、お覚悟ーーー!』』』  

 え~何をしているかと申しますと、戦闘訓練、つまり模擬戦です…
 父さん、コルネちゃん、ナディア、ユズキ、ユズカ Vs. メリル、ミルシェ、ミレーラ、イネス、マチルダ、天鬼族3人娘。

 いや、何で父さんが生身で混ざってるのか、意味わかんないよ!
 しかも、あのチート装備やチート妖精達と互角に戦ってるんだけど、あの人が一番チートだよな? 天然チートだよな? 絶対におかしいよな!?
 なんでミルシェの対人範囲攻撃を剣1本で受け止められるんだよ?
「わははははははははははっははははははっはははは!!!!」
 めっちゃ楽しそうだし!
「あなた~がんばって~! コルネちゃ~ん、ふぁいと~!」
 隣では、若草色のワンピース姿の母さんが、ドリンク片手にチェアーで横になりながら応援してるし!? そのグラサン、どっから持ってきた!?
 何、この夫婦!?

 もう一組の夫婦、ユズキ&ユズカは…あ、ユズキが半人半天馬に変形した。
 ユズカが跨って突撃…したけど、マチルダが読んでたな? メリルのシールドで受け止められたな。
 
 お、前線で父さん相手に踏ん張るイネスに、ミレーラの回復魔法が飛んだぞ! 
 ミレーラはメリルが完璧にガードしてるし、これってミレーラとメリルが倒れるまで、イネスは前線から抜けられない? これってゾンビアタックでは!?

 アーデ、アーム、アーフェンは、執拗にナディアに攻撃仕掛けてるけど、何かあったのか? もしかしてナディアへの日頃の恨み? パワハラでもあったのか? それとも虐めなのか?

 ま~コルネちゃんが魔法撃ちまくって楽しそうにしてるから、それだけ…が…何で精霊さん、そんなにコルネちゃんの杖に集まってるの!?
 コルネちゃんの魔法の威力が、だんだんやばい規模になって来てるんですけど!!
 あれって、やばくね? ホラ、砂浜にクレーター出来てるぞ!?

 ちなみにブレンダーとクイーン&ファクトリーの蜂たちと妖精さんたちは、マジでバカンスを楽しんでおりました。
 ブレンダーよ、何故にドワーフメイドに腹を撫でられているのだ。お前は戦闘用に創られた人造狼なんだが? え? このもふもふなでなでには逆らえない?
 クイーンよ、ドリンクちびちび飲んで、部下の蜂たちにハチミツ集めさせるのはどうなんだ? 一応、お前達のベースはスズメバチなんだぞ? この緩さがいいって?
 
 ところで妖精さん。俺の横に幾つも建造されている、この巨大なサンドキャッスルは何でしょうか? 
 え? 精霊さんと一緒に、サンドキャッスル・コンテスト? 審査員は俺?
 そですか…えっと、優勝はあの城で…  
 
「さてと、そろそろアレを止めねば」
「ええ、トールヴァルド子爵様。出来ればそろそろ止めて頂きたいのですが…」
 だよね、巨乳メイドさん達もそう思うよね!?
「訓練が激しすぎて、こちらに砂埃が…食材にかかってしまいます」
「え! 心配してるのそっち? 食材の心配なの!?」
「あ、申し訳ありません。奥様にも砂埃がかかってしまいます」
「いや、そんな事より、怪我とかの心配を 「トールちゃん?」 しよう…はい?」
 母さんが俺の横に立って睨んでた。
「そんな事って、どういう事かしら? 母さんの玉の肌に傷でもついたら、それはとても大変な事じゃないかしら?」
「母さん、玉の肌って…もうそんな歳で…も…いでででででででででで!!!」
「何か言ったかしら?」
 あ、アイアンクロー! しかも両手で! こめかみに指が食い込むぅぅぅぅ!
「何か言ったかしら?」
 大事な事なの!? ねえ、2回も言うって、大事な事なの!?
「がががががが…お! 母! 様! の・美しい…肌・にぃ! 傷ががが、ついた・ら・大変で・すぅーーー!」
「そうね、ではそろそろ止めて来てちょうだい。もうお昼の時間よ」
 やっと放してくれた…顔の形歪んでないよね? こめかみに穴開いてないよな? 

『馬鹿ですね…女性に歳の話とか…』
 ああ。俺の失言だ、サラ。不用心だった…ところで、お前は何してんだ? 
『え? 岩場で釣りキチ三〇君ごっこです。うぉ! コツン、グン、ガッツーーン! って、石鯛の三段引きキターーーー!!』
 あいつはあいつで、何やってんだか。でも石鯛…釣ってみたい…

「おーい、そろそろお昼だから、休憩にしよう~!」
 俺が模擬戦と言う名の乱戦に向かって声を掛けると、
「はーーーーーーーーーい!」
 全員、ピタッと止まりました。

「いやぁ~さすがはお義父様ですね~!」
「イネスの剣も、ミルシェの盾とクレイモアだったか、どっちも素晴らしい攻撃だった!」
「お義父様には、範囲攻撃すら通じませんでした」
「さすがマチルダの分析は正確でしたわね。ミレーラの回復もタイミングばっちりでしたわよ」
「その情報を元に出される、メリル様の素早く正確な指揮も素晴らしかったです」
「…上手く回復できて、良かったです」
「いっぱい魔法打てて、楽しかったー!」
『くっ…アーデもアームもアーフェンも、なかなかやる様になりましたね』
『『『次は殺る!』』』
「つ…疲れた…」
「ユズキ、体力なさすぎ!」

 うん、今日ここに来た目的? は、果たせたかな。
 でも、これでいいんだっけ?
 訓練するっていう名目で、バカンスしに来たんじゃなかったかなぁ?
 あれ、違った? いや、合ってるはず! 

 浜辺は巨大生物が暴れ回った跡の様に、ぐっちゃぐちゃになってた。
 はぁ…土の精霊さん、元通りにしておいてくれる? ごめんね、うちの家族が…
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