システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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掘削すっぞ!

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 おかしい…自宅に戻ったというのに、やる事が盛りだくさんで休めない…
 忙しいお仕事の内容なのだが、エステと温泉、難民問題とそれに伴うエトセトラ。
 あと忘れてはいけないのが、婚約者~ずの装備一式。
 温泉とかエステと難民問題が同列なのは、聞かなかった事にして欲しい。

 まずは、ママンとの約束のエステなんだけど、まだ俺の領地でも試験営業中なのだ。
 こいつはさっさと本格的に営業を開始せねばなるまい。
 エステ本店が開業してないのに、支店が先に営業開始とか、どう考えても変だからな。
 なので、もう色々と準備はすっ飛ばして、明日より営業する事にします。
 その名も《会員制 ビューティーサロン ウル》。
 ご機嫌取りの為に、ママンの名前からとりました。
 もちろん、ママンが名誉会長で、なお且つVIP会員であり、会員番号1番です。
 
 促成栽培みたいだが、人種のエステティシャンを、急きょ大量募集して研修をする予定。
 父さんの領地はドワーフなんて住んでないので、支店にドワーフ・エステティシャンが行きたがらなかったから、仕方なく求人。
 これに大量の応募があったのは、嬉しい誤算。
 なので面接を頑張りました…もう応募で集まった女性のやる気がすごい事すごい事。
 7人の採用枠に30人も集まったから、応募者同士の間に火花が散ってましたよ。
 面接してみると良い人材ばかりだし、他の支店への移動条件も全員クリアーしてたので、最終的には全員採用しました。
 いや、きっと王都にも作れと誰かさんが言いだしそうなので…将来的に王都に住む予定のママンとか…ママンしかいないか。
 給料も平均的な成人男性の月収の約2倍と破格なのも、求人倍率アップの一因なんだろうけど、やっぱり将来的に王都のお店に勤められるかもって言うのも大きいんだろうなあ。
 それはさておき、ドワーフ・エステティシャンが手取り足取り1月ほど研修をして習熟度の高い10人に、父さんの領地のサロンに転勤してもらう事にしました。
 
 つまり、1ヶ月ぐらいを目安に父さんの領地にエステを建造しなければならないのだ。
 やるからにはきっちりとやりたいので、温泉を掘り当てるのだ!
 ってなわけで、本日は父さんの領地にまたまたやって来ました。
 本日のお供は、ユズ&ユズ夫婦とサラ。
 特に人選に意味はない! 仕事中まで婚約者~ずに監視されたくない…とかは思ってません。本当だよ?
 作業を見たいと、父さんとコルネちゃん、それにナディアも来ております。


「さって、精霊さん! 久々の温泉掘りです!」
 相も変わらず精霊建設さんは、綺麗に整列しております。
「前回の様に、どこを掘っても良いというわけではありません。まず、温泉が出るポイントを絞りましょう! これは土の精霊さんと水の精霊さんで、しっかりと調査してください」
 青いヘルメットと黄色のヘルメットの精霊さん達が、シュタッ! と手を挙げております。
「調査結果が出そろい次第、候補地を絞ります。最終的に掘削する場所を決定したら、風と火の精霊さんにもご協力いただきます」
 赤と緑のヘルメットの精霊さんが、胸を叩いて『任せろ!』と言ってる…様な気がする。
「もしも掘削中に鉱脈などにあたった場合、それもついでに採掘しますが…その場合、泉質に問題が出る可能性があります。鉱石の精霊さんは、掘削予定地に鉱脈が無いか、しっかりと確認してください」
 鈍色のヘルメットの精霊さん…が、ペコっとお辞儀してる…と思う。
「では、みなさん安全に気を付けてお仕事開始してください。よろしくお願いします!」
 俺の号令で、土と水と鉱石の精霊さんが一斉に散らばりました。
 
 ここまでを見ていた父さんとコルネちゃんは、ぽか~んとしてました。
 ま、父さんに精霊さんは見えないし、コルネちゃんも変身しても精霊さんを感じるだけで見えない。
 そんな2人の前で、精霊さんに真面目な顔で話しかける俺。
 どう考えたって、俺が痛い独り言野郎にしか見えないんだろうなあ…引かれなければいいけど。

 精霊さんが散開してから、ほんの1時間。あらかた候補地が絞れた様で、報告に来ました。
 地図と照らし合わせると…ふむふむ…なるほど。父さんの屋敷のある領都リーカの中で、良い場所がありました。
 父さんの屋敷から、馬車で10分ほどにある空き地がポイントの様ですな。
 住宅地から少し離れてはいるが、ここなら排水も、近くの小川との間に処理施設を作れば問題なさそうだ。
 建造物を建てるスペースも十分だし、ここで決定してもいいかな? いいとも~!
 父さんに許可を貰って、さっそく掘削開始です!
 精霊さん方、打ち合わせ通り、おねしゃす!
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