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やっぱ臭せえ!
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そんな念話でのやり取りをしている間に、来賓たちは各々の席に着いた。
そしてそれぞれの乾杯のためのグラスに、超高級品と名高い赤ワインがグラスの三分の一ほど注がれていく。
定番の異世界物のラノベなどであれば、鑑定とかのスキルで薬や毒物が混入されていないか分かるんだろうが、あいにくこの世界にはそんな便利な物は無い…ってか、俺がガチャ玉で創れば良かったんだよな…そこまで考えが回らなかった。
『さあ、ナディアにアーデ、アーム、アーフェン…もしもの時は、頼んだよ?』
『『『『お任せください、マスター!』』』』
一番怖いのは、睡眠薬で眠らされた上に(性的に)興奮剤的な薬まで盛られて、無理やり既成事実を作られる事。
それならば狙いは、俺と父さんとコルネちゃん。
もしくは意識がもうろうとしている間に、変な暗示や催眠術なんかでおかしな書類にサインさせられるとか。
これは我が家の全員が狙われる可能性がある。
まあ、魔族さんのお薬の効き目が強力なのは分かってるので、少しでもおかしな点があれば服用すれば問題ない。
そもそも念話で繋がっているナディア達やサラが、俺の変調に気付かないわけがないからな。
あ、ちょいと思いついたんで試してみるかな…精霊さ~~ん! この飲み物とか食べ物って、毒とか変な薬とか入って無いか調べる事出来る? あ、フルフル首(?)振ってる。やっぱ混ざり物は分かんないかあ…残念。
ん? 水の精霊さんと土の精霊さんが、ちょびっとワインを舐めに来たな…どうしたどうした?
え、大丈夫? 何で分かったの? あのおっさんのワインと全く成分が一緒だったから?
全て試飲と試食してくれたの? ほうほう、あの臭いおっさん達が自分のに変な混ぜ物するはずないから、一緒なら大丈夫じゃないかって? 確かに…そりゃそうだ! 精霊さんありがとう!
ってか、精霊さん…すげえ論理的に進化してるぞ…何か俺より頭良さそう…
全員のグラスにワインが注がれると、晩餐会の主催者であるアルビーン男爵が立ち上がり、グラスを掲げ乾杯の辞を述べる。
「皆様、本日は我がアルビーン家の晩餐会にお越しいただき、誠にありがとうございます。本日は光栄な事に、アルテアン伯爵様ご一行と、アルテアン子爵ご一行、そしてかの聖なる女神ネス様の眷属で有らせられる妖精の皆様をこの晩餐会にお迎えすることが出来、私の心から喜びとするところであります。この様な挨拶を長々とするのも無粋と言う物。グーダイド王国の発展と繁栄、そして本日ご来訪頂いた皆様方のご健勝とご多幸を祈り、乾杯したいと思います。乾杯!」
一般的に晩餐会の乾杯では、ワイングラスを打ち付けたりしない。
たまに異世界物のラノベとかでワイングラスで乾杯の時に、チンッ! ってグラス打ち付けるシーンを前世で見かけたが、そんな事したらグラス割れるぞ?
普通はグラスを目の高さまで持ち上げて、心の中で乾杯って感じに念じるだけなんだよ。
グラスの中身を飲み干す必要は無いけど、まあちょっとは口を付けるのがマナー。
アルコール苦手な人は、最初にソフトドリンクにして貰っとくのは礼儀に反しない。
んで、口を付けたらグラスをテーブルにおいて、かる~く小さく拍手。
この拍手がおさまったタイミングで、給仕の方々が一斉に動き始めるって感じだ。
さてさて前菜なんだが、こりゃまたすごいサラダだな…旬でもないのに、こんな瑞々しい野菜を贅沢に使うとは。
かなり遠方から取り寄せたんだろうな…金掛けてるねぇ。
そうか、温室栽培もいいかもしんない! うん、それなら年中供給できるな…また商売のヒント見っけ!
お次はスープか…このコンソメスープは濁り一つ無いな! 金色に輝いてるぞ!
んで次は、ムニエルカな? これ、鱒かなあ? まあ美味しそうなんだけど…
やっぱ、あのクソ豚親子から漂う香水や化粧品が、プンプン臭せーんだよ!
完璧な仕事をしてくれてるシェフの作品が台無しだよ!
うちのメンバー、全員が顔顰めてるぞ…俺と父さんなんてテーブル挟んで対面だけど、男爵一家に一番近いもんだから、もう臭くてたまらん! 鼻が曲がりそうだ!
ちくしょー! この晩餐会、何も楽しめねー!
『マスター。隠し部屋や金庫のカギは精霊さま方が開けてくださったとの事です』
い~いタイミングだ!
よ~し、この腐れ豚男爵の不正の証拠を根こそぎ持って帰って、こいつ叩き潰すのだけを楽しみにしておこう。
妖精達は全員、証拠書類を押収に動け! 精霊さんは、こっそり空から証拠品を俺の屋敷まで持って行って!
根こそぎ全部奪うんだー! かかれー!
『了解しました! 家中のあらゆる書類を根こそぎ回収いたします!』
ふっふっふ…豚君、いつまで繋がってると思わない事だよ、その首が!
そしてそれぞれの乾杯のためのグラスに、超高級品と名高い赤ワインがグラスの三分の一ほど注がれていく。
定番の異世界物のラノベなどであれば、鑑定とかのスキルで薬や毒物が混入されていないか分かるんだろうが、あいにくこの世界にはそんな便利な物は無い…ってか、俺がガチャ玉で創れば良かったんだよな…そこまで考えが回らなかった。
『さあ、ナディアにアーデ、アーム、アーフェン…もしもの時は、頼んだよ?』
『『『『お任せください、マスター!』』』』
一番怖いのは、睡眠薬で眠らされた上に(性的に)興奮剤的な薬まで盛られて、無理やり既成事実を作られる事。
それならば狙いは、俺と父さんとコルネちゃん。
もしくは意識がもうろうとしている間に、変な暗示や催眠術なんかでおかしな書類にサインさせられるとか。
これは我が家の全員が狙われる可能性がある。
まあ、魔族さんのお薬の効き目が強力なのは分かってるので、少しでもおかしな点があれば服用すれば問題ない。
そもそも念話で繋がっているナディア達やサラが、俺の変調に気付かないわけがないからな。
あ、ちょいと思いついたんで試してみるかな…精霊さ~~ん! この飲み物とか食べ物って、毒とか変な薬とか入って無いか調べる事出来る? あ、フルフル首(?)振ってる。やっぱ混ざり物は分かんないかあ…残念。
ん? 水の精霊さんと土の精霊さんが、ちょびっとワインを舐めに来たな…どうしたどうした?
え、大丈夫? 何で分かったの? あのおっさんのワインと全く成分が一緒だったから?
全て試飲と試食してくれたの? ほうほう、あの臭いおっさん達が自分のに変な混ぜ物するはずないから、一緒なら大丈夫じゃないかって? 確かに…そりゃそうだ! 精霊さんありがとう!
ってか、精霊さん…すげえ論理的に進化してるぞ…何か俺より頭良さそう…
全員のグラスにワインが注がれると、晩餐会の主催者であるアルビーン男爵が立ち上がり、グラスを掲げ乾杯の辞を述べる。
「皆様、本日は我がアルビーン家の晩餐会にお越しいただき、誠にありがとうございます。本日は光栄な事に、アルテアン伯爵様ご一行と、アルテアン子爵ご一行、そしてかの聖なる女神ネス様の眷属で有らせられる妖精の皆様をこの晩餐会にお迎えすることが出来、私の心から喜びとするところであります。この様な挨拶を長々とするのも無粋と言う物。グーダイド王国の発展と繁栄、そして本日ご来訪頂いた皆様方のご健勝とご多幸を祈り、乾杯したいと思います。乾杯!」
一般的に晩餐会の乾杯では、ワイングラスを打ち付けたりしない。
たまに異世界物のラノベとかでワイングラスで乾杯の時に、チンッ! ってグラス打ち付けるシーンを前世で見かけたが、そんな事したらグラス割れるぞ?
普通はグラスを目の高さまで持ち上げて、心の中で乾杯って感じに念じるだけなんだよ。
グラスの中身を飲み干す必要は無いけど、まあちょっとは口を付けるのがマナー。
アルコール苦手な人は、最初にソフトドリンクにして貰っとくのは礼儀に反しない。
んで、口を付けたらグラスをテーブルにおいて、かる~く小さく拍手。
この拍手がおさまったタイミングで、給仕の方々が一斉に動き始めるって感じだ。
さてさて前菜なんだが、こりゃまたすごいサラダだな…旬でもないのに、こんな瑞々しい野菜を贅沢に使うとは。
かなり遠方から取り寄せたんだろうな…金掛けてるねぇ。
そうか、温室栽培もいいかもしんない! うん、それなら年中供給できるな…また商売のヒント見っけ!
お次はスープか…このコンソメスープは濁り一つ無いな! 金色に輝いてるぞ!
んで次は、ムニエルカな? これ、鱒かなあ? まあ美味しそうなんだけど…
やっぱ、あのクソ豚親子から漂う香水や化粧品が、プンプン臭せーんだよ!
完璧な仕事をしてくれてるシェフの作品が台無しだよ!
うちのメンバー、全員が顔顰めてるぞ…俺と父さんなんてテーブル挟んで対面だけど、男爵一家に一番近いもんだから、もう臭くてたまらん! 鼻が曲がりそうだ!
ちくしょー! この晩餐会、何も楽しめねー!
『マスター。隠し部屋や金庫のカギは精霊さま方が開けてくださったとの事です』
い~いタイミングだ!
よ~し、この腐れ豚男爵の不正の証拠を根こそぎ持って帰って、こいつ叩き潰すのだけを楽しみにしておこう。
妖精達は全員、証拠書類を押収に動け! 精霊さんは、こっそり空から証拠品を俺の屋敷まで持って行って!
根こそぎ全部奪うんだー! かかれー!
『了解しました! 家中のあらゆる書類を根こそぎ回収いたします!』
ふっふっふ…豚君、いつまで繋がってると思わない事だよ、その首が!
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