193 / 1,466
明日は我が身
しおりを挟む
結婚式という我が領…いや、この世界初のイベントを成功させた翌日から3日間、ユズキとユズカには休暇を与えた。
俺は何かと気遣いのできる男なのだ。
この世界では、結婚式など今まで無かった。結婚は役所に書類を出したら終わり。
せいぜい身内でお祝の席を設ける程度の簡素な物が普通だった。
まあ、地球だって文字通りの結婚は、婚姻届けを出すだけなんだけどな。
んで、何が言いたいかというと、結婚したからといってお仕事に休みなんて、本来は無いんだ。
だが、俺はちゃ~んと有給休暇をあげたわけよ。
ちなみに、有給休暇なんて概念もこの世界には無い。ブラックな世界だ…
休暇明けに出勤してきた2人は、朝一番に俺の所へと挨拶にやって来た。
うん、めっちゃユズカが艶々して、ユズキの疲労度合いが半端無いんだが…もしや休暇中ずっとお楽しみでしたか?
思っても口に出さない俺って、空気が読める男だ。
いや、あとでユズキには、元気の出る魔族さん特製の栄養ドリンクっぽいお薬でも差し入れてあげよう。流石にかわいそうだ。
もしやかしたらとは思っていたが…ユズカは肉食系女子だったんだな…まあ、ユズキ…がんばれ。
2人は街の温泉やリゾートで思う存分遊んできたらしい。
ユズカがカジノにはまって、大変だったとか何とか。
地球だと新婚旅行とか行くんだろうけど、この世界で気軽に旅行なんて行けるわけ無いし、近場で遊ぶところがあるんだから思いっきり遊んだって事だろう。
「そうか、‶街″を楽しんだか。この領に来てから、なかなか遊ぶ時間もなかっただろうから、良かったよ」
「ええ、子爵には感謝しております。僕たちの家も建てて頂いたし、ゆっくりと2人で遊ぶ時間までもらえて」
ユズキは、相変わらず固いなあ…異世界組しか居ないときは、敬語なんていらないって言ったのに…
「子爵様! カジノでヘソクリすっからかんです! お給料のアップを要求します!」
ユズカ…それは自業自得というものだぞ…バクチというのは、胴元が絶対に儲かる仕組みなんだからな…
「却下だ! まあ、条件次第で、お小遣いなら出せるがな」
「やった! どんな条件ですか? えっちぃのはダメですよ! もう人妻なんですから!」
こいつは…何を言っちゃってんですか!?
「アホ! んな条件出すわきゃないだろ。レポートを提出しなさい」
「「レポート?」」
「うん、レポート。我が街のリゾート施設を利用してみての感想や問題点、出来たら改善案まで書いてくれたらベストだけど、まあ感想文でもいいや。各々レポート用紙10枚以上!」
「はい、分かりました」「げ!」
ユズカ…げって何だ、げって。
「出来が良ければ、僕からお小遣いをあげよう」
あちらの知識を豊富に持ってる異世界人の意見は貴重だからね。
多少のお金は惜しくないさ。
2人は、仕事の合間や夜に家で書くそうだ。
別に2人の夜の時間を潰そうとかいう、意地悪で言ったんじゃないぞ? 本当だぞ? なんでユズキはそんなに嬉しそうなんだよ…そこまでなのか、ユズカは?
そうか…色々と検討を祈る。
明日は我が身だな…
まあ、2人がリゾート施設で遊んだり、新築の家でベッドの使い心地を試したりしていた間、俺と婚約者ーずは俺の実家に遊びに行ってた。
別に新年を迎えたからって、挨拶や帰省する風習なんてこの世界には無いんだが、可愛い可愛い地上に舞い降りた純白の天使コルネちゃんに、お兄ちゃんからお年玉をあげようかと。
やっぱ正月と言えばお年玉じゃん。
そんな風習、この世界には当然ながら無いが、超絶かわいいコルネちゃんにお小遣いあげたいじゃんか!
お金は、民とコルネちゃんの為に使うのが、正しい使い方です!
とか言いつつ実家に帰ると、コルネちゃんとナディアがご神木の前で、ネスへの今年一年の領内の諸々を祈念して、奉納の舞を舞っている最中だった。
ミレーラの巫女服を参考にした緋袴姿のコルネちゃんは、やっぱりラヴリー!
こ、今夜は久しぶりにお兄ちゃんとお風呂に入らないかい?
んあ、何だナディア…何故結界をはった?
『……』
おま、俺を危険人物だとでも言いたいのか!?
『マスター…新年早々、シスコン病を発症しないでください…コルネリア様の貞操の危機と判断しました』
こらー! 何っちゅー事を言うんだ! コルネちゃんの貞操は永遠に不滅なんだぞ! YES コルネちゃん! NO タッチ! の精神を持つこの俺様が、そんな不埒な事をするわけないだろーが!
『いえ、先程のマスターの邪悪な顔は、コルネリア様にとってトラウマになり得る物でした!』
…お前、最近何気に酷いよな…
俺は何かと気遣いのできる男なのだ。
この世界では、結婚式など今まで無かった。結婚は役所に書類を出したら終わり。
せいぜい身内でお祝の席を設ける程度の簡素な物が普通だった。
まあ、地球だって文字通りの結婚は、婚姻届けを出すだけなんだけどな。
んで、何が言いたいかというと、結婚したからといってお仕事に休みなんて、本来は無いんだ。
だが、俺はちゃ~んと有給休暇をあげたわけよ。
ちなみに、有給休暇なんて概念もこの世界には無い。ブラックな世界だ…
休暇明けに出勤してきた2人は、朝一番に俺の所へと挨拶にやって来た。
うん、めっちゃユズカが艶々して、ユズキの疲労度合いが半端無いんだが…もしや休暇中ずっとお楽しみでしたか?
思っても口に出さない俺って、空気が読める男だ。
いや、あとでユズキには、元気の出る魔族さん特製の栄養ドリンクっぽいお薬でも差し入れてあげよう。流石にかわいそうだ。
もしやかしたらとは思っていたが…ユズカは肉食系女子だったんだな…まあ、ユズキ…がんばれ。
2人は街の温泉やリゾートで思う存分遊んできたらしい。
ユズカがカジノにはまって、大変だったとか何とか。
地球だと新婚旅行とか行くんだろうけど、この世界で気軽に旅行なんて行けるわけ無いし、近場で遊ぶところがあるんだから思いっきり遊んだって事だろう。
「そうか、‶街″を楽しんだか。この領に来てから、なかなか遊ぶ時間もなかっただろうから、良かったよ」
「ええ、子爵には感謝しております。僕たちの家も建てて頂いたし、ゆっくりと2人で遊ぶ時間までもらえて」
ユズキは、相変わらず固いなあ…異世界組しか居ないときは、敬語なんていらないって言ったのに…
「子爵様! カジノでヘソクリすっからかんです! お給料のアップを要求します!」
ユズカ…それは自業自得というものだぞ…バクチというのは、胴元が絶対に儲かる仕組みなんだからな…
「却下だ! まあ、条件次第で、お小遣いなら出せるがな」
「やった! どんな条件ですか? えっちぃのはダメですよ! もう人妻なんですから!」
こいつは…何を言っちゃってんですか!?
「アホ! んな条件出すわきゃないだろ。レポートを提出しなさい」
「「レポート?」」
「うん、レポート。我が街のリゾート施設を利用してみての感想や問題点、出来たら改善案まで書いてくれたらベストだけど、まあ感想文でもいいや。各々レポート用紙10枚以上!」
「はい、分かりました」「げ!」
ユズカ…げって何だ、げって。
「出来が良ければ、僕からお小遣いをあげよう」
あちらの知識を豊富に持ってる異世界人の意見は貴重だからね。
多少のお金は惜しくないさ。
2人は、仕事の合間や夜に家で書くそうだ。
別に2人の夜の時間を潰そうとかいう、意地悪で言ったんじゃないぞ? 本当だぞ? なんでユズキはそんなに嬉しそうなんだよ…そこまでなのか、ユズカは?
そうか…色々と検討を祈る。
明日は我が身だな…
まあ、2人がリゾート施設で遊んだり、新築の家でベッドの使い心地を試したりしていた間、俺と婚約者ーずは俺の実家に遊びに行ってた。
別に新年を迎えたからって、挨拶や帰省する風習なんてこの世界には無いんだが、可愛い可愛い地上に舞い降りた純白の天使コルネちゃんに、お兄ちゃんからお年玉をあげようかと。
やっぱ正月と言えばお年玉じゃん。
そんな風習、この世界には当然ながら無いが、超絶かわいいコルネちゃんにお小遣いあげたいじゃんか!
お金は、民とコルネちゃんの為に使うのが、正しい使い方です!
とか言いつつ実家に帰ると、コルネちゃんとナディアがご神木の前で、ネスへの今年一年の領内の諸々を祈念して、奉納の舞を舞っている最中だった。
ミレーラの巫女服を参考にした緋袴姿のコルネちゃんは、やっぱりラヴリー!
こ、今夜は久しぶりにお兄ちゃんとお風呂に入らないかい?
んあ、何だナディア…何故結界をはった?
『……』
おま、俺を危険人物だとでも言いたいのか!?
『マスター…新年早々、シスコン病を発症しないでください…コルネリア様の貞操の危機と判断しました』
こらー! 何っちゅー事を言うんだ! コルネちゃんの貞操は永遠に不滅なんだぞ! YES コルネちゃん! NO タッチ! の精神を持つこの俺様が、そんな不埒な事をするわけないだろーが!
『いえ、先程のマスターの邪悪な顔は、コルネリア様にとってトラウマになり得る物でした!』
…お前、最近何気に酷いよな…
27
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる