システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
190 / 1,466

振り出しに戻る?

しおりを挟む
 ミレーラのご両親と会うのは、つい先日ぶりな気もするのだが、お久しぶりですという挨拶は、一応様式美として言っておく。
 義理のご両親なんだから、ここはきちんとせねば。
 ミレーラも流石に前回の感動の再会から、然程時間も経って居ないので、普通におしゃべりしてる。

 こんな短いスパンで訪問した事には流石に驚いていたのだが、今回の訪問の目的である通信の法具を手渡されて説明を聞いたヴォードさん(ミレーラのお父さんね)とべダム首長は、真剣な顔でその有用性に気付いた様だ。
 すぐさま真アーテリオス神聖国への輸出を願い出た。
 まあ、別に輸出に関して否は無いのだが、きちんとした代理店を窓口としたいので、それが決まるまでは難しいと返答した。
 さすがに国の中枢で働くヴォードさんと、首長であるべダムさん。
「では、使途殿。我が国が貿易の窓口となりましょう。契約に関しては、全て国が担保いたします。これで如何ですかな?」
 2人がアイコンタクトだけで、まるで最初から打ち合わせしていた様な返答をした。
 そんな関係じゃないよね? まさか、目と目で通じ合う…かすかに色っぽい関係じゃないよね?
 もしそうなら、ちょっと付き合い方を考えさせてもらいたいんですけど…あ、違うと。全力で否定すると…良かったです。 

 細かい契約内容は、マチルダさんよろ。
 書面はまだだけど、口頭で大体の事は伝えておいてね。
 そして真アーテリオス神聖国にも、スベルド領スロスト商会の時と同じく、販売利益の1割を必ず福祉…それも主に子供達の為に使う事を約束させた。
 まあ、出来れば病院や学校、それらに関わる補助金の捻出まで出来ればベターなんだけど、そこまでは無理強い出来ない。
 2人共、快く条件は飲んでくれたが、ここはもう信用するしかない。
 もしも契約が守られ無いようであれば、お城の高い尖塔からうさ耳ロリ巫女太陽神が降臨して、説教を喰らう事になるからね。
 
 さてさて、俺達がそんな話し合いをしている間に、ミレーラとメーベルさん(ミレーラのお母さんね)が、通信の法具できゃいきゃいと楽しそうにしていたのだが、手渡す事が出来てほっとしたよ。
 これでミレーラもご両親と遠く離れても、少しは心休まるんじゃないかな。

 さてと…そんじゃ~帰りましょうか。さっさと領地に戻ろう!
 え、大事な事を忘れてる? 何だっけ?
 あ! そうだイネスさんのご両親への挨拶だ! 王都に住んでるんだっけ? 帰りにもう1回王都に寄りますか…
 なんか、すごろくで振り出しに戻るって感じだなあ。

 翌日、真アーテリオス神聖国からさくっと出発して、再びグーダイド王国の王都に飛びます。
 もうマップには記憶されている場所なので、半自動操縦で夜間も飛び続けますよ~! 超楽ちん。
 
 再びやって来た王都は、もうホワイト・オルター号を見慣れたのか、あんまり騒ぐ人もいなくなった。ちょびっと寂しい。
 イネスさんはメリル王女様のメイド兼護衛騎士を任されるだけあって、貴民家の出身。爵位は法衣男爵で、お城勤めの役人さんなんだって。
 そりゃ王女様の側付きなんて、家柄が確かな人じゃ無きゃ就けないわな。
 今回は私用なので王都の外にホワイト・オルター号を着陸させて、蒸気自動車で俺と両親とイネスさんだけでさくっとご挨拶に行きます。実は父さんとは面識あるらしいので、まあ問題ないでしょう。
 イネスさんは結構さっぱりした性格の人なので、この挨拶もさらっと流したいらしい…恥ずかしいんだろうか?
 元々、王都に来るたび時間を見つけては会っていたそうなので、感動の親子の対面って事も無いんだって。

 王城まで蒸気自動車を乗り付け、イネスさんのお父さんを呼び出してもらうと、来られたのはちょっと頭頂部の輝く方だった。
 毎日の書類仕事をコツコツと熟す、根っからの事務屋さんのようだ…苦労なさってるのね、きっと。
 事情を説明し、奥さまの居るご自宅まで一緒に蒸気自動車で移動。
 お仕事を抜けさすことになったけど、どうも門を守っている衛士が、俺の来訪を国王陛下まで伝えた様で、俺との用事が済むまで抜けても良いと言われたとか。あんまり特別待遇してもらっても、それはそれで心苦しいのだが…
 御実家はこじんまりした2階建ての家で、どうやもイネスさんは一人っ子らしい。
 蒸気自動車での移動の最中、やたら娘自慢していた。
 うん、俺もコルネちゃん自慢だったら、何時間でも話せるぞ! 自慢大会なら負けないからな!
 イネスさんのお母さんは、ちょっと目つきのキツイ感じの女性で、元女性衛士との事で、うちの母さんとは違って、物理的に強そうで怖そうな方だった。
 ご両親は俺とイネスさんの結婚に特に異は唱えず、むしろこんなガサツな娘で良いのかと恐縮していた。
 イネスさんが真っ赤になって怒っていたのだが、まあメイドも熟すぐらいなので礼儀作法もきちんとしているし、場の空気を読む事も出来るので、あまり心配ないんじゃないかな…修練修練と煩いけど…

 取りあえず、これで今回の旅の全ての予定は完了かな?
 これでもうバタバタお出かけは、当分ないかな? 無いよね?
『それをフラグという』
 サラ…それは言わない約束だろ? もう年末なんだから、ゆっくりさせてくれよ。
 それに、正月には大きなイベントも控えてるんだからな。
『あれですね?』
 そう、あれだ! いや~実に楽しみだなあ~♪

しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...