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完全に嵌められた
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人様にお見せできない状況になってしまった俺の部屋…明るい状況で見たら、全員着衣の乱れが…
大体、こういう時に災いはやって来る(経験則)のは、お約束だ。
「トールちゃん、朝ご飯の時間だけど…みんな…ここにいたの?」
入り口を、バーーン! と効果音を付けてあげたくなるような勢いで開けた母さんが、惨状を見て固まった。
いや、母さんを見た俺も固まったけど…
「「「「「「「……………」」」」」」
ユズキ、ユズカ…『うゎぁ~!』って顔して、母さんの後ろから見んな!
なんでサラまで母さんの後ろから覗いてるんだよ! お前はこっち側の人間だろーが!
「昨晩はお楽しみでしたね♡」
母さんの前でいらん事を言うな! 見ろ、母さんのこめかみに青筋が…
「そう…トールちゃんは、昨晩お楽しみだったのね」
「いや、母さん違うんだ! 俺が寝てたら、みんなが酔っぱらって俺を襲撃しに来たんだ! 俺は被害者だから!」
いや、マジだから、信じて!
「メリル、ミルシェ、ミレーラ、マチルダ、イネス…トールちゃんの言っている事は、事実ですか?」
母さん…氷の視線…
「「「「「……ぁぅ………」」」」」
うん、襲撃組はしょんぼり。母さんの恐怖の説教タイムが待ってるもんな! 俺はセーフだった! やった!
「そう。それじゃ朝ご飯にしましょう。みんな顔を洗って身支度してきなさい」
潮がひく様に、みんな一斉に俺の部屋から出て行っちゃった…あ、あっれ~? 母さんの説教タイムは?
「トールちゃんも男なんだから、どーーんと受け入れてあげなさい。でも旅先では控えなさい。ほどほどにね?」
何故に? 母さん、女性陣には何故に寛容!?
「マチルダとイネスも、この際まとめてもらっちゃいましょう。ちょうど姉さんたちも居る事だし、話を通しておきますから」
「え、ちょ! もうこれ以上は無理だよ!」
ハーレムはいらないから! 3人でもハーレム野郎って読者は思ってるはず! って、読者って何だよ、俺!
「義兄さんの商会と取引するのでしょう? ここでがっちりした関係を築いておけば、将来安泰なのだから、諦めなさい」
諦めろって言ったよ! 実の息子に、諦めろって!
「そ、それはそうかもしれないけど、じゃイネスさんは何でだよ!」
「イネス? ついでよついで」
ついでって、母さん…あんたって人は…
「これでハーレム野郎一直線ね」
「いーやーだー!」
「諦めなさい。それが運命なのよ(嗾けたのは私だけど…ボソ…)」
「ちょっとまてーーい! 今、母さん何か言ったよね? 嗾けた? ねえ、言ったよね?」
すべては母さんの手のひらの上なのか?
「記憶に無いわ。トールちゃん、朝から煩いわよ」
「俺の人生がかかってるんだよ! まさか、母さんが計画立案者なのか!?」
絶対に母さんの仕業だな! 確信した!
「あなたは優し過ぎる。忘れないで、その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」
あんたは、暁美 ほむ〇ちゃんかよー! なんでそのセリフ知ってんだよ! ってか、意味わかんねーよ!
どこ見てんだよ! 母さん、絶対に退く気がないな…
「もう、いいよ。母さんの言う通りにするよ…」
「そ? 分かってくれて嬉しいわ。それじゃ早く食堂に来なさいね」
クソッ! めっちゃ良い笑顔だな、母さん!
もう、どうにでもなれ…
▲
食堂に行くと、スロストさんから、
「マチルダを娶って頂けるとお聞きしましたぞ! 本当にありがとうございます。ええ、マチルダとも話しまして、将来生れる子供共々、爵位継承権は放棄しますので、決してお家騒動などの火種にはしません! どうぞご安心ください! いや~本当に良かった!」
めっちゃ話が進んでるよ…ってか、俺が食堂に来る間に、そこまで話できてたの? 絶対に嘘でしょ! 俺、完全に嵌められたよな…
「トールヴァルド様。今度王都に行かれる時には、是非とも両親に紹介させてください!」
ああ、イネスさんも完全にその気になってるし…
「トールよ、しっかり子供を作らないとな! 将来は全アルテアン領を治める事になるのだから。街の数だけ代官が必要だから…少なくとも1ダースは作るんだぞ」
ダースって…父さんも無茶苦茶言ってるな…
そうか、父さんも含めて全員がグルだったってわけか。
「まあトールよ、こればっかりは諦めろ。アルテアン領には秘密が多すぎる。他から嫁を迎えるなど論外。リスクが高すぎる。この先の領の内政は、完全に身内で固めた方が良い。これは決定事項だ」
「わかったよ…」
一応、父さんも考えてるんだな…でも、コレ絶対に母さんの仕込みだ。
間違いなく、黒幕は母さんだ。
つまりは5人も嫁が出来るが、決してハーレムなんかじゃ無く、俺は子供を量産するための種馬って事なのか…泣ける…
『大河さん、大河さん。でも、ちゃんとみんな大河さんを愛してくてれますよ?』
…ぐすん…本当?
『きゅん♡ 涙目で弱ってるいたいけな少年…はぁはぁはぁ…これは…逝ける…』
もうヤダぁ~~~~~!!
『ああああ~いっくぅぅぅぅぅ!!』
どっかに行ってしまえ!
大体、こういう時に災いはやって来る(経験則)のは、お約束だ。
「トールちゃん、朝ご飯の時間だけど…みんな…ここにいたの?」
入り口を、バーーン! と効果音を付けてあげたくなるような勢いで開けた母さんが、惨状を見て固まった。
いや、母さんを見た俺も固まったけど…
「「「「「「「……………」」」」」」
ユズキ、ユズカ…『うゎぁ~!』って顔して、母さんの後ろから見んな!
なんでサラまで母さんの後ろから覗いてるんだよ! お前はこっち側の人間だろーが!
「昨晩はお楽しみでしたね♡」
母さんの前でいらん事を言うな! 見ろ、母さんのこめかみに青筋が…
「そう…トールちゃんは、昨晩お楽しみだったのね」
「いや、母さん違うんだ! 俺が寝てたら、みんなが酔っぱらって俺を襲撃しに来たんだ! 俺は被害者だから!」
いや、マジだから、信じて!
「メリル、ミルシェ、ミレーラ、マチルダ、イネス…トールちゃんの言っている事は、事実ですか?」
母さん…氷の視線…
「「「「「……ぁぅ………」」」」」
うん、襲撃組はしょんぼり。母さんの恐怖の説教タイムが待ってるもんな! 俺はセーフだった! やった!
「そう。それじゃ朝ご飯にしましょう。みんな顔を洗って身支度してきなさい」
潮がひく様に、みんな一斉に俺の部屋から出て行っちゃった…あ、あっれ~? 母さんの説教タイムは?
「トールちゃんも男なんだから、どーーんと受け入れてあげなさい。でも旅先では控えなさい。ほどほどにね?」
何故に? 母さん、女性陣には何故に寛容!?
「マチルダとイネスも、この際まとめてもらっちゃいましょう。ちょうど姉さんたちも居る事だし、話を通しておきますから」
「え、ちょ! もうこれ以上は無理だよ!」
ハーレムはいらないから! 3人でもハーレム野郎って読者は思ってるはず! って、読者って何だよ、俺!
「義兄さんの商会と取引するのでしょう? ここでがっちりした関係を築いておけば、将来安泰なのだから、諦めなさい」
諦めろって言ったよ! 実の息子に、諦めろって!
「そ、それはそうかもしれないけど、じゃイネスさんは何でだよ!」
「イネス? ついでよついで」
ついでって、母さん…あんたって人は…
「これでハーレム野郎一直線ね」
「いーやーだー!」
「諦めなさい。それが運命なのよ(嗾けたのは私だけど…ボソ…)」
「ちょっとまてーーい! 今、母さん何か言ったよね? 嗾けた? ねえ、言ったよね?」
すべては母さんの手のひらの上なのか?
「記憶に無いわ。トールちゃん、朝から煩いわよ」
「俺の人生がかかってるんだよ! まさか、母さんが計画立案者なのか!?」
絶対に母さんの仕業だな! 確信した!
「あなたは優し過ぎる。忘れないで、その優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるのよ」
あんたは、暁美 ほむ〇ちゃんかよー! なんでそのセリフ知ってんだよ! ってか、意味わかんねーよ!
どこ見てんだよ! 母さん、絶対に退く気がないな…
「もう、いいよ。母さんの言う通りにするよ…」
「そ? 分かってくれて嬉しいわ。それじゃ早く食堂に来なさいね」
クソッ! めっちゃ良い笑顔だな、母さん!
もう、どうにでもなれ…
▲
食堂に行くと、スロストさんから、
「マチルダを娶って頂けるとお聞きしましたぞ! 本当にありがとうございます。ええ、マチルダとも話しまして、将来生れる子供共々、爵位継承権は放棄しますので、決してお家騒動などの火種にはしません! どうぞご安心ください! いや~本当に良かった!」
めっちゃ話が進んでるよ…ってか、俺が食堂に来る間に、そこまで話できてたの? 絶対に嘘でしょ! 俺、完全に嵌められたよな…
「トールヴァルド様。今度王都に行かれる時には、是非とも両親に紹介させてください!」
ああ、イネスさんも完全にその気になってるし…
「トールよ、しっかり子供を作らないとな! 将来は全アルテアン領を治める事になるのだから。街の数だけ代官が必要だから…少なくとも1ダースは作るんだぞ」
ダースって…父さんも無茶苦茶言ってるな…
そうか、父さんも含めて全員がグルだったってわけか。
「まあトールよ、こればっかりは諦めろ。アルテアン領には秘密が多すぎる。他から嫁を迎えるなど論外。リスクが高すぎる。この先の領の内政は、完全に身内で固めた方が良い。これは決定事項だ」
「わかったよ…」
一応、父さんも考えてるんだな…でも、コレ絶対に母さんの仕込みだ。
間違いなく、黒幕は母さんだ。
つまりは5人も嫁が出来るが、決してハーレムなんかじゃ無く、俺は子供を量産するための種馬って事なのか…泣ける…
『大河さん、大河さん。でも、ちゃんとみんな大河さんを愛してくてれますよ?』
…ぐすん…本当?
『きゅん♡ 涙目で弱ってるいたいけな少年…はぁはぁはぁ…これは…逝ける…』
もうヤダぁ~~~~~!!
『ああああ~いっくぅぅぅぅぅ!!』
どっかに行ってしまえ!
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