システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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隠れた才能

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 さてさて、せっかく会うことが出来たミレーラのご両親を、挨拶だけで帰すわけにはいかない。
 今夜はホワイト・オルター号での晩餐会…って程じゃないけど、食事会にご招待しましょう。

 ミレーラと積もる話もあるだろうから、今日はゆっくり泊まってもらうつもりだしね。義理の両親にも気を使える、俺って出来る男!
『自画自賛…好きですね』
 いいじゃん! 誰も褒めてくれないし!
『いや、義理のご両親に気を使うなんて、当たり前の事ですから! それも初見の人ですし、色々と事情もあったんですから、これで気を使えなかったらただのアホでしょ』
 ぐっ…正論で返してきやがったな…ナディア~! サラが虐めるよ~!
『サラさん、聞いておりましたよ。マスターに対して何という暴言! 仕事を放りだして密航した人が言って良い言葉ではありません!』
 おお、さすがナディア。これまた見事な正論。
『ぐぐぐ…それを言いますか。しか~し! 私は奥様に許可を頂いて乗船したのです! 無問題です!』
 まあ、確かにその通りだけど。
『ええ、帰ったらマチルダ様からどの様なお言葉を頂けるのか、楽しみですね』
『ああああ! そうだった! 鬼のマチルダ中尉、絶対に怒ってるうううううう!』
 うん、だって仕事ほっぽり出して来てるんだから、そりゃ怒るわな。
 母さんは良いとして、領地に戻った時に降りてればよかったのに…
 お前、バカだろ?
『大河さん…このまま2人で愛の逃避行しません?』
 ええ、もちろんしません。帰ったら、マチルダさんにこき使われてしまえ! 
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!』
 
 夕食は、執事(見習い)であるユズキが料理の腕をふるった。まさかの、隠れた才能発見! 高校生男子の料理じゃないな…凄すぎるんだけど?
「あ、料理は好きなんですよ。柚夏はアレですから、良く弁当とか作ってやってたんですよ…」
「いや、それでもこのクオリティは凄いぞ?」
 和洋中の料理が見事なまでにテーブルを埋め尽くしていた。
「デザートは簡単なプディングですけど…」
「いや、もう執事やめて料理長する? 席は空いてるから。高待遇で迎えるよ?」
 ユズキは、ちょっと考えてから、「考えておきます」と言って、厨房に引っ込んだ。
 ん~彼は実はすごい拾いモノだったのではないだろうか。
 相方のユズカは…メイドだよな? 皆と一緒に飯食ってるけど…2人を足して2で割ってちょうどいいカップルなのかな…

 晩餐会(?)は、ミレーラのご両親にも大好評だった。
 さすがに和食と中華は馴染が無いので、なかなか手を付けなかったが、一度口にするとその味に魅了された様だ。
 この世界の料理って、良くも悪くも食材を切って焼くか煮るしかないからな。
 調味料は塩、胡椒、砂糖、は一般的に出回ってるし、庶民でも普通に買える価格で流通しているけど、調理方法が少なすぎるんだよ。
 ここは、ドワーフの調味料とユズキの調理法を使って、異世界飯テロでもすっか?
 う~ん…金の匂いがプンプンする。後でユズキと相談してみるかね。
 我が家の面々も、まさかのユズキの驚愕の料理の腕前に唖然としつつ、料理を口へと運ぶ手が止まらなかった。
 ユズカだけは、当然とばかりに食ってたけど…だんだんサラに似てきたな…
 いい加減に腹が膨れて苦しくなってきた所に、ユズキ特製のプディングが饗されると、もう一同無言でかき込んでいた。
 うん、これ絶対に金取れるわ。

 皆が満足した晩餐会も終わり、ミレーラとご両親にも浴場で疲れをとってもらって、部屋でゆっくりくつろいでもらおう。
 部屋は一番広い和室っぽい部屋を提供しておいた。
 畳は無いけど茣蓙を敷いた15畳ぐらいの部屋に、布団もどきを並べてあるので、川の字になって寝てもらおうかな。
 
 こうして真アーテリオス神聖国の訪問一日目の夜は更けて行った。
 明日は、ネス様と太陽神様の夢の競演再びかな~。

 って、皆が寝静まったお馴染の丑三つ時。
 サラと飛行船本体の倉庫の中で、2人でゴソゴソと作業です。
 美味い晩御飯を作ってくれたユズキへのプレゼントというか、まあ出発前に話してたアレですよ、アレ。
 転移者である2人は、魂のエネルギー量もこの星の人間の数十倍は保有している様なので、マーブル模様のガチャ玉でエネルギーを使って無双出来る装備にしちゃってもいいんじゃないでしょうか? てか、そうしましょ、そうしましょ!
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