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姫巫女制度
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感動の再会中のミレーラは、暫くそっとしておこうと、俺達は少し離れた場所にある椅子に座っていた。
もちろん、べダムさんも一緒だ。堅苦しい定型文での挨拶や会話は、もうお終い。
でも取りあえず、陛下からの親書だけは渡しておかねば。内容は聞く必要も無い。
両国の友好関係が続くのであれば、俺からは何も言う必要も無いしね。
まあ、する事といえば、結局は雑談だ。
もちろんホワイト・オルター号の事や、妖精達の事も話題になった。
ネス様より賜った神具であるホワイト・オルター号に関しては、今後起こり得るこの世界の厄災へ対応するための物であり、太陽神様も認めている事や、月神様と共に船に降臨する事もあると伝えると、ただただ驚くばかりだった。
あとは、コルネちゃんがネスの巫女となった事や、ナディアが美しい羽根を出して見せたり、天鬼族の3人娘がアクロバティックな技を披露したり(スト〇ート・ファイター?)と、妖精達を紹介した。
だが、どうにも聞き逃せない話題があった。
この神聖国の姫巫女制度に関してだ。
ネスの使徒である俺に隠し事はしたくないから話すが、他国には絶対に漏らさぬと言う約束の元、滔々とその悍ましい内容を語ってくれた。
どうもこの姫巫女って意味がない名前だけの制度で、無理やり見目麗しい少女を教会が召し上げるためだけの制度らしい。
一神教であり、宗教国家であったこの国では、教会内部の地位は絶対的権威であったらしく、それを悪用した反吐が出る制度だ。
毎年10~15歳の少女数十人が教会に連れてこられ、宗主や司教・司祭といった、教会内部で高位の者の慰み者になっていた様だ。そして飽きたら下位の者に下げ渡し、最後には殺して教会の地下に埋めて隠ぺいしていたとの事。
べダムさん達が革命(?)を起こした事により、それが明るみに出た様だが、この姫巫女制度が始まってから数千人の少女が、腐った汚い豚共の手で穢され、その命を散らしていたという。
もしそれを戦争前に知っていたら、俺は怒りでどんな手段を使ってでも、教会関係者共々この国を消し飛ばしていただろう。
べダムさん達が革命時に救出できた姫巫女は、10人に満たなかったそうだ。
今でも教会の地下には、薄汚い教会の豚共の犠牲になった、憐れな数千の少女の亡骸が眠っているそうだ。
ミレーラはクソ豚共の魔手にかかる前に助けられたのだが、その瞬間まで神に仕える崇高な奉職に就いているのだと思っていたんだとか。
あの時、教会関係者を断罪しておいて良かった。
まだ逃げている奴もいるらしいが、小物も全て処断するのだと、べダムさんは断言した。
自らも聖騎士であるいう誇りを持っていたが、結局は教会関係者にいいように使われていただけだったという事も分かり、元の教会に携わっていた者の罪は、大小関係なく全てべダムさんが物理的に裁くと、腐ったこの国を立て直すのだと、涙を滲ませ硬く握りふるえる拳からは血を滲ませながら語った。
もちろん、それに関しては俺もあらゆる助力を惜しまないと協力を確約した。
社会的弱者や少年少女を汚い権力や社会から護ると言うのは、俺が目指す理想の国のあり方でもあるからな。
確かに、それぞれの地位に見合った利があっても良い。だがそれで民衆を不幸にする事は許せない。むしろ、その地位や権力を使って民衆を導く事が出来ない人間なんぞ、生きる価値も無いただのクソだ。
全く姫巫女制度を知らなかった…いや、知ろうとしなかったのかもしれない。
ミレーラ自信が、こんな腐った制度があった事を他国の貴族である俺に伝えてしまえば、グーダイド王国の上部にまで伝わり、友好関係に何らかの支障が出る可能性まで懸念して、ずっと黙っていたのかもしれない。
ああ見えて頭の良い娘だからな。
まさか、月神を信仰してるって言う国も、そんな悍ましい事をしてないだろうな?
この先の遠くない未来に、この世界を覆い尽くす厄災が来ると言うのに、そんな屁のツッパリにもならん腐れ教会や外道は不要だ!
これは月神を信仰している国も周らなきゃ駄目だな。
以前の神聖国同様に腐ってるのであれば、この俺が自ら叩き潰してやる!
前世の俺は、社会の底辺近くをウロウロする様な生活だったが、この世界では生まれは恵まれていた。この手と目が届く範囲でしかないが、苦しむ人が居るのであれば、出来るならば救ってやりたい。
そんな事を考えていると、握りしめた手に自然と力が入り、噛みしめた唇が少し切れ、血が滲んだ。右からメリルがそっと俺の握りしめた拳に手を添え、左からミルシェがハンカチで口元を拭ってくれた。
2人共、目が訴えていた。この世界を変えましょうと。俺が以前話した様に、この世界をひっくり返しましょうと。
そんな様子を黙って見ていた俺の両親も、目に並々ならぬ決意が見て取れた。
「トール、好きな様にやりなさい。父さんは全力でお前と共に戦おう。例え祖国に仇なす事になろうとも、父さんは困っている民衆を見捨てる事は出来ない!」「トールちゃん、母さんが許可します。ダニは全て駆逐しなさい! 汚物は消毒よー!」
「前にもお話しましたわよね? 王家を王国を敵に回しても、メリルはトール様について行きます。思った様になさいませ!」「トールさまと私は、生れた時からずっと一緒です。トールさまのお気持ちはよくわかります! お好きな様に戦ってください! 私はいつまでもお側におりますから!」
本当に良い家族だよ。父さんのチート戦闘力はあてにしてるよ。母さんは、ちょっと怖いけど…世紀末ですか?
メリル…もしもの時は、家族と敵対する事になるかもしれないけど、ごめんね。
ミルシェは、ずっと一緒だったね…これからも俺を支えて欲しい。
「父さん、母さん、メリル、ミルシェ、べダム首長…もしもの時は、力を貸してもらえますか?」
俺の言葉に、全員が黙って頷いてくれた。
そんなこんなしていると、ミレーラとご両親も落ち着いた様で、こちらに来た。
いかんいかん、こんな顔してたらびっくりされちゃうよ。
さ、みんな気を取り直して、元気にご両親にご挨拶しましょう!
もちろん、べダムさんも一緒だ。堅苦しい定型文での挨拶や会話は、もうお終い。
でも取りあえず、陛下からの親書だけは渡しておかねば。内容は聞く必要も無い。
両国の友好関係が続くのであれば、俺からは何も言う必要も無いしね。
まあ、する事といえば、結局は雑談だ。
もちろんホワイト・オルター号の事や、妖精達の事も話題になった。
ネス様より賜った神具であるホワイト・オルター号に関しては、今後起こり得るこの世界の厄災へ対応するための物であり、太陽神様も認めている事や、月神様と共に船に降臨する事もあると伝えると、ただただ驚くばかりだった。
あとは、コルネちゃんがネスの巫女となった事や、ナディアが美しい羽根を出して見せたり、天鬼族の3人娘がアクロバティックな技を披露したり(スト〇ート・ファイター?)と、妖精達を紹介した。
だが、どうにも聞き逃せない話題があった。
この神聖国の姫巫女制度に関してだ。
ネスの使徒である俺に隠し事はしたくないから話すが、他国には絶対に漏らさぬと言う約束の元、滔々とその悍ましい内容を語ってくれた。
どうもこの姫巫女って意味がない名前だけの制度で、無理やり見目麗しい少女を教会が召し上げるためだけの制度らしい。
一神教であり、宗教国家であったこの国では、教会内部の地位は絶対的権威であったらしく、それを悪用した反吐が出る制度だ。
毎年10~15歳の少女数十人が教会に連れてこられ、宗主や司教・司祭といった、教会内部で高位の者の慰み者になっていた様だ。そして飽きたら下位の者に下げ渡し、最後には殺して教会の地下に埋めて隠ぺいしていたとの事。
べダムさん達が革命(?)を起こした事により、それが明るみに出た様だが、この姫巫女制度が始まってから数千人の少女が、腐った汚い豚共の手で穢され、その命を散らしていたという。
もしそれを戦争前に知っていたら、俺は怒りでどんな手段を使ってでも、教会関係者共々この国を消し飛ばしていただろう。
べダムさん達が革命時に救出できた姫巫女は、10人に満たなかったそうだ。
今でも教会の地下には、薄汚い教会の豚共の犠牲になった、憐れな数千の少女の亡骸が眠っているそうだ。
ミレーラはクソ豚共の魔手にかかる前に助けられたのだが、その瞬間まで神に仕える崇高な奉職に就いているのだと思っていたんだとか。
あの時、教会関係者を断罪しておいて良かった。
まだ逃げている奴もいるらしいが、小物も全て処断するのだと、べダムさんは断言した。
自らも聖騎士であるいう誇りを持っていたが、結局は教会関係者にいいように使われていただけだったという事も分かり、元の教会に携わっていた者の罪は、大小関係なく全てべダムさんが物理的に裁くと、腐ったこの国を立て直すのだと、涙を滲ませ硬く握りふるえる拳からは血を滲ませながら語った。
もちろん、それに関しては俺もあらゆる助力を惜しまないと協力を確約した。
社会的弱者や少年少女を汚い権力や社会から護ると言うのは、俺が目指す理想の国のあり方でもあるからな。
確かに、それぞれの地位に見合った利があっても良い。だがそれで民衆を不幸にする事は許せない。むしろ、その地位や権力を使って民衆を導く事が出来ない人間なんぞ、生きる価値も無いただのクソだ。
全く姫巫女制度を知らなかった…いや、知ろうとしなかったのかもしれない。
ミレーラ自信が、こんな腐った制度があった事を他国の貴族である俺に伝えてしまえば、グーダイド王国の上部にまで伝わり、友好関係に何らかの支障が出る可能性まで懸念して、ずっと黙っていたのかもしれない。
ああ見えて頭の良い娘だからな。
まさか、月神を信仰してるって言う国も、そんな悍ましい事をしてないだろうな?
この先の遠くない未来に、この世界を覆い尽くす厄災が来ると言うのに、そんな屁のツッパリにもならん腐れ教会や外道は不要だ!
これは月神を信仰している国も周らなきゃ駄目だな。
以前の神聖国同様に腐ってるのであれば、この俺が自ら叩き潰してやる!
前世の俺は、社会の底辺近くをウロウロする様な生活だったが、この世界では生まれは恵まれていた。この手と目が届く範囲でしかないが、苦しむ人が居るのであれば、出来るならば救ってやりたい。
そんな事を考えていると、握りしめた手に自然と力が入り、噛みしめた唇が少し切れ、血が滲んだ。右からメリルがそっと俺の握りしめた拳に手を添え、左からミルシェがハンカチで口元を拭ってくれた。
2人共、目が訴えていた。この世界を変えましょうと。俺が以前話した様に、この世界をひっくり返しましょうと。
そんな様子を黙って見ていた俺の両親も、目に並々ならぬ決意が見て取れた。
「トール、好きな様にやりなさい。父さんは全力でお前と共に戦おう。例え祖国に仇なす事になろうとも、父さんは困っている民衆を見捨てる事は出来ない!」「トールちゃん、母さんが許可します。ダニは全て駆逐しなさい! 汚物は消毒よー!」
「前にもお話しましたわよね? 王家を王国を敵に回しても、メリルはトール様について行きます。思った様になさいませ!」「トールさまと私は、生れた時からずっと一緒です。トールさまのお気持ちはよくわかります! お好きな様に戦ってください! 私はいつまでもお側におりますから!」
本当に良い家族だよ。父さんのチート戦闘力はあてにしてるよ。母さんは、ちょっと怖いけど…世紀末ですか?
メリル…もしもの時は、家族と敵対する事になるかもしれないけど、ごめんね。
ミルシェは、ずっと一緒だったね…これからも俺を支えて欲しい。
「父さん、母さん、メリル、ミルシェ、べダム首長…もしもの時は、力を貸してもらえますか?」
俺の言葉に、全員が黙って頷いてくれた。
そんなこんなしていると、ミレーラとご両親も落ち着いた様で、こちらに来た。
いかんいかん、こんな顔してたらびっくりされちゃうよ。
さ、みんな気を取り直して、元気にご両親にご挨拶しましょう!
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