163 / 1,466
定番だからね
しおりを挟む
真アーテリオス神聖国の方々との挨拶も無事すませ、取りあえずだが代表者だけホワイト・オルター号へご招待する事に。
首長であり、ミレーラの又従兄のべダムさんと騎士数名を船内に招いた。
「これは…すごいですな、使徒殿…」
船内に足を踏み入れ、とある一室を見たべダムさんの第一声。
「女神ネス様がお創りになられた、使徒の使命を果たすためだけの船ですので華美な装飾など一切ない実用本位の船内ですが、それゆえ各機能は非常に良く出来ておりますよ」
「使用感は…?」
「最高の一言です!」
右手を握りしめ、親指をピンっと立ててウィンク付きの最高の笑顔で答えてあげました。
「さ…早速使わせて頂いても?」
もう会話中も目が離せない様だ。
「どうぞどうぞ。我々は離れておりますので、ごゆっくり…」
俺の返事を聞くが早いか、早速扉の向こうへと消えて行った。
water closet … washroom … toilet … 国によって呼び名は違うが、つまりは便所。
異世界物では定番の温水洗浄機能付き便座を、魔石を利用してドワーフ職人さん達と開発したのだが、両親だけでなく民衆にも大好評だった。
魔石を使用しているので少々お高いのだが、販売予定にしている。
陛下にも献上する予定だが、城中に付けろとか言われると面倒なので、陸送便で送りつけてやろう。
扉の向こう側では、暫し何の気配も感じられ無かったが、不意に…
「あぁ…? おぉ! うひゃ! ひょほほほほほほほほほほおぉぉ!」
うん、《水流 弱 ⇒ 強》にしたね。あ、そのあと《ムーヴ》入れたのかな? まさか最後は《ビデ》にしてはおるまいな?
実は、男がビデ使うと微妙な所に当たって気持ちが…いや、何でも無い…
ビデってのは、元々は女性器の洗浄だけでなく、肛門の洗浄もその用途に入っていたんだって。実は地球でも17世紀以降のヨーロッパではかなり普及していたらしい。当時は水を溜めていただけらしい。その後、19世紀頃から便器とは別に洗浄用の水道がついた便座っぽい洗浄専用の物が併設されていったそうだ。便器と一体化したのはアメリカさんが世界初だが、魔改造して現在の良く知られる洗浄機能付きトイレの形にしたのが日本だって話。
聞きかじった程度の知識なんで、本当かどうかは良くわからないけどね。
やがて、赤い顔で興奮した様子のべダムさんがトイレから出てくると、
「使途殿! この便器は我々でも手に入るのだろうか?」
自国の首長のあまりの興奮振りに、一緒に乗船してきた騎士さんは困惑気味だ。
「ええ、この便器を真似て開発した便座を、近日中に発売予定です。よろしければ発売と同時に贈呈いたしましょう」
ふっふっふ…輸出するぞ! 外貨獲得だ! 微々たるものだけど…
「おお! して…何個ほど?」
厚かましいな!
「1つだけで申し訳ないのですが」
もっと欲しけりゃ買え!
「ふむ…出来ればその時に10セットほどお願いできないだろうか。無論、代金は支払わせて頂きますれば…」
ほう…そう来ますか。
「分りました。他ならぬべダム様のご用命とあらば、出来る限りご要望に沿える様に努力いたしましょう。ただ、まだ販売価格が決まっておいりませんので、そこはご容赦を…」
ボッタクリたいところではあるが、ここは適価で提供だよな。
「無理を言うのですから、輸送費を含め相応の金銭は用意させて頂きます」
ガッチリと握手しました。
そんな俺達を、周囲の人々は無表情で見ていた。
この話題は流す事にした様だ…トイレの話だけに…
その後は、全員が下面がガラスで出来たコクピットを見たり客室を見学したりと、1時間ほどかけてキャビン内をウロウロしてから、帰って行った。
王国の某軍務大臣の様に、この船をよこせなどと言う不埒者はいなかったので、ちょっと安心かな。
まあ、俺に敵対すると、また太陽神の天罰の雨霰が降り注ぐ可能性が有るからね。
戦争の時の事は、まだ記憶に新しいはずだし。
別れ際にべダムさんへ、明日は真アーテリオス神聖国へ入国する事と、出来ればミレーラのご両親にも、一緒に城に集まってもらいたい旨を伝えると、二つ返事で了承してもらえた。
余談ではあるが、べダムさん…つまりこの国の首長が住んでいるのは、戦争前は教皇宮殿と言ってたらしいが、現在は単に城と言っているらしい。
我が家の面々には、内覧会の最中は、客室でおとなしくして貰っていた。
ミレーラも、べダムさんの顔を見ただけなんだが、満足そうだった。
妖精のナディアや天鬼族3人娘のお披露目は、明日にする予定。
明日はいよいよ真アーテリオス神聖国入りと、ミレーラのご両親とのご対面だ。
首長であり、ミレーラの又従兄のべダムさんと騎士数名を船内に招いた。
「これは…すごいですな、使徒殿…」
船内に足を踏み入れ、とある一室を見たべダムさんの第一声。
「女神ネス様がお創りになられた、使徒の使命を果たすためだけの船ですので華美な装飾など一切ない実用本位の船内ですが、それゆえ各機能は非常に良く出来ておりますよ」
「使用感は…?」
「最高の一言です!」
右手を握りしめ、親指をピンっと立ててウィンク付きの最高の笑顔で答えてあげました。
「さ…早速使わせて頂いても?」
もう会話中も目が離せない様だ。
「どうぞどうぞ。我々は離れておりますので、ごゆっくり…」
俺の返事を聞くが早いか、早速扉の向こうへと消えて行った。
water closet … washroom … toilet … 国によって呼び名は違うが、つまりは便所。
異世界物では定番の温水洗浄機能付き便座を、魔石を利用してドワーフ職人さん達と開発したのだが、両親だけでなく民衆にも大好評だった。
魔石を使用しているので少々お高いのだが、販売予定にしている。
陛下にも献上する予定だが、城中に付けろとか言われると面倒なので、陸送便で送りつけてやろう。
扉の向こう側では、暫し何の気配も感じられ無かったが、不意に…
「あぁ…? おぉ! うひゃ! ひょほほほほほほほほほほおぉぉ!」
うん、《水流 弱 ⇒ 強》にしたね。あ、そのあと《ムーヴ》入れたのかな? まさか最後は《ビデ》にしてはおるまいな?
実は、男がビデ使うと微妙な所に当たって気持ちが…いや、何でも無い…
ビデってのは、元々は女性器の洗浄だけでなく、肛門の洗浄もその用途に入っていたんだって。実は地球でも17世紀以降のヨーロッパではかなり普及していたらしい。当時は水を溜めていただけらしい。その後、19世紀頃から便器とは別に洗浄用の水道がついた便座っぽい洗浄専用の物が併設されていったそうだ。便器と一体化したのはアメリカさんが世界初だが、魔改造して現在の良く知られる洗浄機能付きトイレの形にしたのが日本だって話。
聞きかじった程度の知識なんで、本当かどうかは良くわからないけどね。
やがて、赤い顔で興奮した様子のべダムさんがトイレから出てくると、
「使途殿! この便器は我々でも手に入るのだろうか?」
自国の首長のあまりの興奮振りに、一緒に乗船してきた騎士さんは困惑気味だ。
「ええ、この便器を真似て開発した便座を、近日中に発売予定です。よろしければ発売と同時に贈呈いたしましょう」
ふっふっふ…輸出するぞ! 外貨獲得だ! 微々たるものだけど…
「おお! して…何個ほど?」
厚かましいな!
「1つだけで申し訳ないのですが」
もっと欲しけりゃ買え!
「ふむ…出来ればその時に10セットほどお願いできないだろうか。無論、代金は支払わせて頂きますれば…」
ほう…そう来ますか。
「分りました。他ならぬべダム様のご用命とあらば、出来る限りご要望に沿える様に努力いたしましょう。ただ、まだ販売価格が決まっておいりませんので、そこはご容赦を…」
ボッタクリたいところではあるが、ここは適価で提供だよな。
「無理を言うのですから、輸送費を含め相応の金銭は用意させて頂きます」
ガッチリと握手しました。
そんな俺達を、周囲の人々は無表情で見ていた。
この話題は流す事にした様だ…トイレの話だけに…
その後は、全員が下面がガラスで出来たコクピットを見たり客室を見学したりと、1時間ほどかけてキャビン内をウロウロしてから、帰って行った。
王国の某軍務大臣の様に、この船をよこせなどと言う不埒者はいなかったので、ちょっと安心かな。
まあ、俺に敵対すると、また太陽神の天罰の雨霰が降り注ぐ可能性が有るからね。
戦争の時の事は、まだ記憶に新しいはずだし。
別れ際にべダムさんへ、明日は真アーテリオス神聖国へ入国する事と、出来ればミレーラのご両親にも、一緒に城に集まってもらいたい旨を伝えると、二つ返事で了承してもらえた。
余談ではあるが、べダムさん…つまりこの国の首長が住んでいるのは、戦争前は教皇宮殿と言ってたらしいが、現在は単に城と言っているらしい。
我が家の面々には、内覧会の最中は、客室でおとなしくして貰っていた。
ミレーラも、べダムさんの顔を見ただけなんだが、満足そうだった。
妖精のナディアや天鬼族3人娘のお披露目は、明日にする予定。
明日はいよいよ真アーテリオス神聖国入りと、ミレーラのご両親とのご対面だ。
19
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる