システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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机の上にある宇宙

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 俺がサラに、カズムの対抗案を話すと、
『なるほど…それは妙案かもしれませんが、相手は元神ですから、それでも絶対に勝てるとは言えません。ですが、当面の脅威を取り除く事は可能ですね』
 うむうむ、何とかなりそうだ。 
 倒す事はさすがに難しいだろうが、この方法なら退ける事は出来るだろう。
 あ、そう考えたら気が楽になった。
『そうですね…まさか私もそんな方法を考えつくとは、思いませんでした。ですがそれでも危険な事ですよ?』
 分かってるって。

 しっかし、この宇宙にも厄介なのが居たんだなあ…。
『何をおっしゃる、うさぎさん! あれは全宇宙に存在します』
 いや、だからこの宇宙全ての厄介者なんだろ?
『だから、全・宇宙ですよ? まさか、大河さんは宇宙がこの世界を含むすべての次元で1つだけだとでも思ってますか?』 
 え? 宇宙なんて1個だろ?
『あ~…宇宙というのは、あちこちにあります。大河さんが地球で習った宇宙とは、130~140億年前に起きたビッグバンによって出来たとされる、この宇宙の事ですよね?』
 何年前かは知らんけど、多分その宇宙だと思う。
『それは宇宙の1つにすぎません。宇宙はあちこちにありますよ?私も1つ持ってます』
 は? 宇宙を持ってるって、どゆこと?
『転生局の私のデスクの上に飾ってます。直径15cmほどのクリスタルに入れてまして、とってもきれいですよ』
 飾ってる?
『まあ、コスモドームと言いますが、大河さんが知ってる物だと、スノードームに近いです。たまに振ったりすると、星がピカピカ光って本当にきれいなんですよ!』
 ちょっと待て! それが本当の宇宙なら、生命体もその中に居るって事か?
『う~~ん…星の様子は肉眼では観察できませんからねえ…居るなら電子顕微鏡でもあれば見えると思います。まだクリスタルの中で宇宙が発生して100年程ですから、居ても恐竜みたいのじゃないですか?』
 それを振り回したと? 星がピカピカって、もしかして星がぶつかり合て壊れたんじゃねーだろーな?
『そうですよ? ミジンコより小さな生命体がどうなろうと、大河さんだって気にしないでしょう?』
 いや確かにそうだけど、その宇宙ってのが本物なら、そこで生活してる奴らだっているわけだし…
『そんな見えない話せないミジンコに興味ありませんよ。私が通販で買ったんですから、私の宇宙です!』
 通販で買えるのかよ! 
『買えますよ? ダークマターとダークエネルギーが密閉され、時間も物質も無の状態で届くんですよ。それを箱から出してシェイクすると、良い具合にマターとエネルギーが混ざり合って、時間が発生し、物質が出来るんです。そのままほっとくと、中心ぐらいで小さな明かりが灯って、それが宇宙の元になるんです。最初の頃は中心から外に向かってちょっとずつ光の粒が進むんですけど、だんだん動かなくなるのでつまらないんですよ…だから振って光らせるんです!』
 おま…それじゃそのクリスタルの中の宇宙にとって、お前がカズムじゃねーか!
『違いますよ~!私は創造神ですよ。だって宇宙の生みの親ですから。通販番組でも言ってました。あなたも創造神になれる! って』

 ま…まさか、俺達がいるこの宇宙も、誰かのクリスタルドームの中って事は…
『あるでしょうね。そもそもこの宇宙を‟外”から観察した人は、‟この宇宙”には存在しません。だから、誰かのコスモドームの中の世界かもしれませんね、ここは』
 う~む…壮大な話なんだが、そう考えると宇宙も小さく思えるな…
『そうですよ。輪廻転生管理局が偉そうに管理しているのは、所詮はこの宇宙の中だけです。外からの圧力には何の抵抗も出来ませんから、私達は外からの観察者の前ではミジンコみたいなものです』
 確かに、お前の存在価値は、この宇宙でもミジンコと同列だけどな。
『大河さんは、未ち〇こですよね~! だって使った事ないですから…ぷっ』
 クッソー! どうやってもお前はそこに繋げるんだな! 今に見てろよー!
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