システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
127 / 1,466

良い子良い子  

しおりを挟む
『うぅぅ…マスター…お辛かったのですね…これからは、私と妖精がマスターを全力でお支えします。婚約者の皆様もお支えします。もう、お独りになんてさせません。私達はマスターによって生み出された、いわば子供です。家族です。いつまでも、いつまでも、お傍に居ますから』
 ナディア、ありがとうね。大丈夫、十分に幸せだよ。
『大河さん、私も居ますからね。あと10億年ぐらい一緒に!』
 いや、長すぎだろ! すでにサラにはもう飽きたよ! 
 10億年って、地球だと単細胞生物が人間に進化するぐらいの時間だぞ!
 今ですら飽き飽きしてんのに、そんなに長く一緒に居たくないわ!
『私の事は遊びだったの!?』
 はいはい。
『マスター、私はずっと一緒に居ますから!』
 ナディアならいいのよ、ナディアなら。本当にいい子だからね。
『がーーーーん! 大河さんの、私とナディアでの対応にものすごい格差を感じます!』
 だって、サラだもん。

 さて、このクソでっかいお屋敷はどうでもいい。
 実はこの屋敷の見習い執事と見習いメイドに、ちょっと面白い人材を見つけた。
 黒目黒髪で日本人顔の、若い少年少女だった。
 見習いメイドの少女から声を掛けられ、俺が転生者だと分かると、とても驚き、喜んでいた。
 あらためて応接間に2人を呼び出し、サラを交えて4人で話合ってみた。
 どうも話をしていると、その言葉の端々から日本から転移してきた感じだった。
 サラが調べた所、転生局の記録にも詳しく記録されておらず、≪超高位次元における、事象の地平線または特異点≫が、たまたま発生した時に引き込まれ、次元も星も時間も違う、この世界に落とされたのではないかという。
 本来、それは輪廻転生局で管理・制御していたらしいのだが、ログが残されていない事から、定期システムメンテナンス中の事故なんじゃないかと言うんだが…システムメンテってネトゲかよ! いや、それはどうでもいいんだが。
 サラが2人を調べたところ、そこそこの魂エネルギーだったらしい。特に少女の方が。つまりは、結構なご趣味の人だったという事なのね。
 なので、詳細は誤魔化しつつ、父さんにお願いして身請けした。
 俺が領地で保護をして、ゆっくりと2人に修業を付けるつもりだ。
 2人の詳細は、また後日ゆっくりと。今のところは伏せておく。
 お楽しみは、あ・と・で。 (注1) 
 
 恐怖の大王襲来時には、この2人にも役に立ってもらおうかね。
『肉の盾ですね? さすが大河さん…鬼畜です!』
 んな事するか!
『でも突撃させる気でしょう?』
 違うわ! 倒すのに協力してもらおうっていうだけだよ! その為の力も技も武器も与えるよ! 同じ元日本人に、そんな酷い事せんわ!
『…まさか、大河さんからそんな殊勝な言葉を聞くとは…』
 どういう意味だよ!
『だって…私には酷い事ばかり…よよよよよよよ…』
 そこまでの事したか? ってか、お前は日本人じゃないだろ?
『いつもいつも、おあずけの…放置プレイ…もう欲求不満で爆発しそうなのに…』
 アホかー! いっつもいっつも、俺の童貞狙う様な奴には、ごく普通の対応だー!
『あぁ…でもそんな鬼畜な所も、最近良くなってきたかも…ちょっとじゅんってする…』
 だめだ…サラの変態度が加速する…
『か・そ・く・そーち!カチッ!』
 やかましい!

 まあ、転移者の2人はどうやら元々カップルだった様なので、俺の領地で結婚でもしてもらって、その時が来るまでは、ゆるりと暮らして貰おう。
 ぐふふふふふふふ…ブライダル事業へのいい宣伝になりそうだ。
 また儲かっちゃうなあ~! いや~宰相とかしてる暇なんて、マジねーんすけどぉー? 領地経営と商売で、領民も俺もウハウハ!
 父さんの領地も巻き込んで、みんなでこのビッグウエーブに乗らねばならんのだ!
『マスターのお力に縋る為に策を弄する、愚劣で卑劣で低能な王家の意向など、きっぱり拒絶したらいいと思います!』
 ナディア…ちょっと過激だぞ?
『マスターほど、高尚で高潔で有能かつ多才な人材は、確かにこの王国…いえ、この世界を探したところで他には居ないとは思います。そのマスターに、たかだか一国の宰相などという地位は相応しくありません! そうです、この国の王に君臨しましょう! いえ、この世界を統一して、皇帝となって、国民を恐怖の大王にあてればいいのです! マスターがその御身を危険に晒してまでこの世界の民を救う価値など、本当にこの世界にあるのでしょうか? いえ、マスターと全世界の民の命を秤にかけた所で、マスターに天秤は傾くでしょう! そうです、マスターはこの世において絶対的な存在なのです! そう、マスターこそが真理なのです!』
 おーい! ちょっと落ち着こうか、ナディア。
 俺は大丈夫だから、な? な?
 俺の事を想っての言葉は嬉しいけど、そう過激にならんと。
 うん、ナディアの気持ちは分かってるから。
 ほら、良い子良い子してあげるからさ、よ~しよ~し。
 落ち着いた? よかったよかった。
 俺は、俺自身の願いの為に、幸せの為に戦うんだからさ。
 俺が気にしてないんだから、ナディアは怒らないで良いからね。
『お見苦しい所をお見せしました…マスター。あと、もっと撫で撫でしてください』
 う、うん。撫でるぐらいいいよ。
 この子、大丈夫かなあ…マジで心配。 



注1:詳細は、番外編にて投稿します。本編中は、ごく軽く流すかもしれません。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...