システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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地上に降りた天使?

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「コルネリアよ、そなたはネス様に巫女を任じられたのだな。ネス様のご期待に応える様、よく務めよ」
 いきなり国王様に名指しされたコルネちゃんは、ちょっとびっくりしながらも、
「はい! 頑張ってナディア様と一緒に、生命の樹をお世話したいと思います!」
 そう言うと、ペコッとお辞儀をした。
 ちょっと言葉遣いがアレだけど、元気よく上手にお返事とお辞儀できました。
 父さんは、おどおどしてたけど、国王様でもこの可愛さには負けるはず!
「よいよい。ナディア様、よしなに頼みますぞ」
 ほら、負けた(笑)
 あと、国王様もネス様の眷属には強く出れないみたいだね。 
 ナディアも「お任せください」と小さく礼をした後、一言だけ発した。
「うむうむ。して、我が娘と共に卿の婚約者への護衛も遣わしてくれたのか。天鬼族の方々、お手を煩わせて申し訳ございませぬ。どうぞ、よしなに頼みますぞ」
 3人娘にも同様に王様がお願いしたよ。まあ、娘は可愛いだろうからね。その護衛を、国王様が敬愛する女神様が出してくれるんだから、頭も下げようってもんか。
「「「はい、お任せください。私達が万難を排してみせましょう」」」
 力強くそういうと、深く腰を折った。
「ヴァルナル伯よ、王国は伯とトールヴァルド卿と聖なる女神ネスさまがおられれば安泰じゃ。よくネス様にお仕えして欲しい」
 それはちょっと言い過ぎじゃないかな~? まあ、俺やこの国に喧嘩を売ってきたら全力を出すけどさ。 
 でもまあ、一応……
「「「「ははー!」」」」
 全員でいつもの、ははー! をやっときました。
 謁見は、大体この返事だけで何とかなっちゃうね。超便利。
 その後、国王様が謁見の間を退出したら、俺達も退出。
 まあ、すぐに国王様のプライベートスペースへと案内されるんだけど。

「お父様お母様、ただいま戻りました」
 プライベートな場なんで、ここには我が家一同と国王様一家しかいません。
 なのでメリルもちょっと砕けた言葉遣いになってる。
「おお、良く戻ったメリルよ。どうじゃ、トールヴァルド卿は優しくしてくれておるか?」
「はい! それはもう良くして頂いております。義父さま、義母さまにも、常から気を使っていただき感謝しております」
 なかなかに優等生なお返事ですな。
 メリルの言葉に、王妃様(第三王妃・メリルの実母らしい)も微笑んでいた。
「コルネリアよ、生命の樹のお世話は大変か?」
 国王様にまだ慣れないコルネちゃんは、話しかけられてビクッ! としたけど、
「ナディアさまが教えてくれてますので大丈夫です! 毎日お祈りとお世話を頑張ってます!」
 言葉遣いは、やっぱりちょっとアレなんだけど、元気よく笑顔で応えるコルネちゃんに、場はほんわかした雰囲気に包まれた。
「そうかそうか、頑張ってお世話するんじゃぞ?」
 陛下もすっごくいい笑顔。さすがは地上に降りた天使コルネちゃん! 陛下すら笑顔にするとは!
「ネス様の眷属の皆様。どうぞ我が娘達とコルネリアをお守りください。我が王国で出来る事であれば、ネス様と皆様への支援は惜しみません。どうか我が国と民をお守りください」
 ん~国王様、ちょっと勘違いしちゃってるなあ~。やっぱり、国王様の勘違いを正すのは俺の役目だよな……。
「畏れ乍ら陛下。私の婚約者であるメリル殿下、ミルシェ、ミレーラとネス様の巫女たるコルネリアを守護するのが、彼女達眷属の使命。国と民を守り導くのは主神たるネス様です。彼女達眷属に国や民と言われても、彼女達も困りましょう。どうかお間違え無きようお願いいたします」
 その言葉の一つ一つにうんうんと首を縦に振っていた国王は、
「なるほど、卿の言う通りだな。これは我が間違っておった。眷属の皆さま、申し訳ない。どうか皆さまはネス様のご下命果たせる様、お勤めください。当然ですが、先ほど申し上げた通り、皆さまへの支援は惜しみませんので、必要とあらば申しつけください」
 おぅ! 一介の子爵ごときの言葉で、すぐに間違いを認める事が出来るとは……この国王ならこの国の未来も明るいか。
「さあ、この場はトールヴァルド卿とメリルがやがて婚儀を結ぶ家の者だけじゃ。我らは家族といっても過言では無いのじゃ。軽い食事も用意させた故、食べながら歓談の時としよう。堅苦しいのはもう止めじゃ! 楽しくゆこうぞ!」
 そういうと、国王は手元の呼び鈴を数回鳴らした。
 それを合図に、メイドが声を掛けて扉を開け、次々とカートに乗った食事が運び込んできた。
 
 元々平民だったミルシェや初めて国王様に会うコルネリアは、流石に国王様の前では緊張しているが、目の前に並べられた珍しい菓子類に目を輝かせていた。もちろんメリルとミレーラ、ナディアに天鬼族も同じく。甘い物好きだもんね、君たち。
 母さんは、どうやら王妃様とは顔見知りらしく、微笑みながらお茶を楽しんでいた。

 そして、俺と父さんは国王様と応接セットのソファーに場を移して、今後のお話をする事になった。
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