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あんたアホか!
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この星に限らず、どの星でも世界でも女性は強い。
特に母親は強い……いや怖い。
夫にとっても子供にとっても、それは一生変わらない。
何が言いたいのかと言うと、つまりはこの状況だ。
「それでトールちゃん、申し開きは有りますか?」
ハイ、お馴染の正座中です。
「母さん、そもそも父さんの領を通らなければ僕の領には来られません。当然ですが父さんの領でトンネルの門を通ったのですから、身分と人相は確認されていたはずです。特に国王様からの使者殿であれば、領主である父さんに報告が入ってても不思議ではありません。なぜ僕の屋敷までフリーで来られたのか、僕が聞きたいです。本来であれば使者殿も、まず父さんと母さんにご挨拶に伺うはずですが、それすら無かったというのはおかしくないですか?」
うん、苦し紛れに思いつくまま言葉をズラズラ並べてみました。
「確かに言われてみればそうね……。あなた、何か言う事は有りますか?」
もちろん父さんも俺の横で正座中。
「そ、それはだな……そう、俺の所に報告が来ていなかったのだ! 衛兵の職務怠慢だな!」
あ、部下のせいにしちゃった……。
「なるほど、部下がこの様な大事を報告しなかったと? では、その部下をここに……そこのあなた、ちょっと詰め所まで走ってちょうだいな」
母さんの額にピキッ! って青筋が……父さん、まさか嘘ついてないよね?
「はい、奥さま。直ちに連れてまいります」
メイドさんが、さっと礼をして出て行こうとした所で、
「あ、ああ……あああ……すまん! 実は聞いていたのだがまさか姫巫女を連れているとは思わなかったんだ!」
一歩二歩と歩きだそうとしてたメイドさんも振り返って、父さんをゴミを見るような目で……こわっ!
もちろん母さんの額の青筋は、数え切れません。
「あなた? 私に嘘をついたって事なのね? そう……覚悟は出来ているのかしら?」
英雄が……父さんがブルブルガクガクしてるよ……母さん、覚悟って一体何をする気なんだ!?
「サプライズのつもりだったんだ!! すまなかった!!」
父さん、とうとう土下座。覚悟のいる事って、よっぽどな事なんだな……。
「あなたへのお仕置きは後回しにしましょう。応接室に姫巫女のミレーラさんを待たせていますから、行きますよ」
実は、新たな婚約者となるべくやって来た姫巫女ミレーラが、俺の両親にご挨拶したいと言った事から、今回の母さん激オコ事件は始まる。
「え、会ってないの? 何で俺の屋敷に来る前に行かなかったの?」
と、俺が聞いたら、
「国王の使者様が、アルテアン伯爵様……義父様とお話をされて直接トールヴァルド様のお屋敷に行くようにと言われたとか……」
へ? 寝耳にみみず……じゃない水だ! こりゃ大変と、ナディアのお披露目と妖精を産み出す生命の樹の設置も兼ねて、婚約者3人を引き連れて実家に帰って来たんだ。
まあ、怒られるのは承知の上でだけどさ……。
「トール……俺を売ったな?」
父さん、あんたって人は……。
「何言ってんだよ! 先触れもなく俺の所に来たんだぞ、こっちこそびっくりしたよ! メリルとミルシェとその他屋敷の女性陣にボコボコにされる寸前だったよ! 何でちゃんと言ってくれなかったんだよ! 俺も根回しとか準備時間が欲しかったよ!」
そうだよ、ちゃんと先触れがあれば、あんなに……あんなに……特に何も無かった気もするな……うん。
「びっくりさせようかと思って……」
あんたアホか!
「せめて母さんには言っておいて欲しかった……」
「うん……そうだな……ごめん」
何故か二人して落ち込んだ。本当に、あの母さん怒らせたら駄目だって! マジで怖いから!
「あのぉ……ご領主様、トールヴァルド様……奥さまが応接の間でお待ちですが……」
巨乳メイドさん、ありがとう。これ以上母さんを怒らせたら、命に関わるから、もちろんすぐに行きますとも。
「トール……足がしびれて……」
俺もだよ! 知るかよ!
「命が惜しかったら、さっさと立って! 母さんを待たせたら……」
「そうだな。わかった……」
2人して肩を支え合いながら、廊下をポテポテと歩きました。痺れる足を庇いながら。
まあ、母さんが怒るのも分かるなあ。
だって、よその国から息子の婚約者となるべく長旅をしてきた女の子が、自分の目と鼻の先を通ったにも関わらず、挨拶の1つも無いんだから。
それも自国の国王の使者が付いていながら、両親であり寄り親でもあり上位貴族である両親を無視して、いきなり息子と対面させるなんて事は、貴族社会では普通に考えてあり得ない。
父さんの所に、必ず一報が入ってたはずだからな。
それを母さんにも告げず、領地を素通りさせて俺の屋敷に向かわせるって、どう考えても変だよな。
母さんも、そこんとこちゃんと理解してるから、俺への当たりが弱かったんだろう。危なかったよ……。
正直に母さんに言えばいいのに、父さんサプライズなんていらないよ……メリルを連れて帰った時の事、もう忘れたのかよ。
ちょっと学習しようぜ、マジで。
すぐに連れてこなかった俺も悪いんだが、こっちにも色々と事情があるんだよ。
『いや、完全に忘れてただけでしょう?』
サラ、絶対に言うなよ!
『安心してください、マスター。私がフォローをしておきます』
ナディア~! 頼りにしてるよ~!
『この対応の違いは……』
もちろんサラとナディアの信頼度の違いだ!
『全部ばらしてやるぅぅぅぅぅ!!』
あ、こらサラ! ヤ・メ・ロ! ナディア~、取り押さえるんだ~!
『大丈夫です、マスター。サラの周囲にシールドを張って閉じ込めております。サラではシールドから出る事は出来ません。具体的にはサラを中心として半径40cmで身動き取れなくしております』
よし! さすがナディアだ、よくやった! そのまま帰りまで閉じ込めておけ!
『御命令のままに、マスター』
『せめて、おトイレだけいかせてぇぇぇぇ!! もれちゃうぅぅぅ!! ……はっ!大河さんの更なる性癖が開眼しようとしている!?』
開眼てしねーよ! いいから直立不動で漏らしとけ!
『放置聖水プレイ……』
そっちでも無いからな!
特に母親は強い……いや怖い。
夫にとっても子供にとっても、それは一生変わらない。
何が言いたいのかと言うと、つまりはこの状況だ。
「それでトールちゃん、申し開きは有りますか?」
ハイ、お馴染の正座中です。
「母さん、そもそも父さんの領を通らなければ僕の領には来られません。当然ですが父さんの領でトンネルの門を通ったのですから、身分と人相は確認されていたはずです。特に国王様からの使者殿であれば、領主である父さんに報告が入ってても不思議ではありません。なぜ僕の屋敷までフリーで来られたのか、僕が聞きたいです。本来であれば使者殿も、まず父さんと母さんにご挨拶に伺うはずですが、それすら無かったというのはおかしくないですか?」
うん、苦し紛れに思いつくまま言葉をズラズラ並べてみました。
「確かに言われてみればそうね……。あなた、何か言う事は有りますか?」
もちろん父さんも俺の横で正座中。
「そ、それはだな……そう、俺の所に報告が来ていなかったのだ! 衛兵の職務怠慢だな!」
あ、部下のせいにしちゃった……。
「なるほど、部下がこの様な大事を報告しなかったと? では、その部下をここに……そこのあなた、ちょっと詰め所まで走ってちょうだいな」
母さんの額にピキッ! って青筋が……父さん、まさか嘘ついてないよね?
「はい、奥さま。直ちに連れてまいります」
メイドさんが、さっと礼をして出て行こうとした所で、
「あ、ああ……あああ……すまん! 実は聞いていたのだがまさか姫巫女を連れているとは思わなかったんだ!」
一歩二歩と歩きだそうとしてたメイドさんも振り返って、父さんをゴミを見るような目で……こわっ!
もちろん母さんの額の青筋は、数え切れません。
「あなた? 私に嘘をついたって事なのね? そう……覚悟は出来ているのかしら?」
英雄が……父さんがブルブルガクガクしてるよ……母さん、覚悟って一体何をする気なんだ!?
「サプライズのつもりだったんだ!! すまなかった!!」
父さん、とうとう土下座。覚悟のいる事って、よっぽどな事なんだな……。
「あなたへのお仕置きは後回しにしましょう。応接室に姫巫女のミレーラさんを待たせていますから、行きますよ」
実は、新たな婚約者となるべくやって来た姫巫女ミレーラが、俺の両親にご挨拶したいと言った事から、今回の母さん激オコ事件は始まる。
「え、会ってないの? 何で俺の屋敷に来る前に行かなかったの?」
と、俺が聞いたら、
「国王の使者様が、アルテアン伯爵様……義父様とお話をされて直接トールヴァルド様のお屋敷に行くようにと言われたとか……」
へ? 寝耳にみみず……じゃない水だ! こりゃ大変と、ナディアのお披露目と妖精を産み出す生命の樹の設置も兼ねて、婚約者3人を引き連れて実家に帰って来たんだ。
まあ、怒られるのは承知の上でだけどさ……。
「トール……俺を売ったな?」
父さん、あんたって人は……。
「何言ってんだよ! 先触れもなく俺の所に来たんだぞ、こっちこそびっくりしたよ! メリルとミルシェとその他屋敷の女性陣にボコボコにされる寸前だったよ! 何でちゃんと言ってくれなかったんだよ! 俺も根回しとか準備時間が欲しかったよ!」
そうだよ、ちゃんと先触れがあれば、あんなに……あんなに……特に何も無かった気もするな……うん。
「びっくりさせようかと思って……」
あんたアホか!
「せめて母さんには言っておいて欲しかった……」
「うん……そうだな……ごめん」
何故か二人して落ち込んだ。本当に、あの母さん怒らせたら駄目だって! マジで怖いから!
「あのぉ……ご領主様、トールヴァルド様……奥さまが応接の間でお待ちですが……」
巨乳メイドさん、ありがとう。これ以上母さんを怒らせたら、命に関わるから、もちろんすぐに行きますとも。
「トール……足がしびれて……」
俺もだよ! 知るかよ!
「命が惜しかったら、さっさと立って! 母さんを待たせたら……」
「そうだな。わかった……」
2人して肩を支え合いながら、廊下をポテポテと歩きました。痺れる足を庇いながら。
まあ、母さんが怒るのも分かるなあ。
だって、よその国から息子の婚約者となるべく長旅をしてきた女の子が、自分の目と鼻の先を通ったにも関わらず、挨拶の1つも無いんだから。
それも自国の国王の使者が付いていながら、両親であり寄り親でもあり上位貴族である両親を無視して、いきなり息子と対面させるなんて事は、貴族社会では普通に考えてあり得ない。
父さんの所に、必ず一報が入ってたはずだからな。
それを母さんにも告げず、領地を素通りさせて俺の屋敷に向かわせるって、どう考えても変だよな。
母さんも、そこんとこちゃんと理解してるから、俺への当たりが弱かったんだろう。危なかったよ……。
正直に母さんに言えばいいのに、父さんサプライズなんていらないよ……メリルを連れて帰った時の事、もう忘れたのかよ。
ちょっと学習しようぜ、マジで。
すぐに連れてこなかった俺も悪いんだが、こっちにも色々と事情があるんだよ。
『いや、完全に忘れてただけでしょう?』
サラ、絶対に言うなよ!
『安心してください、マスター。私がフォローをしておきます』
ナディア~! 頼りにしてるよ~!
『この対応の違いは……』
もちろんサラとナディアの信頼度の違いだ!
『全部ばらしてやるぅぅぅぅぅ!!』
あ、こらサラ! ヤ・メ・ロ! ナディア~、取り押さえるんだ~!
『大丈夫です、マスター。サラの周囲にシールドを張って閉じ込めております。サラではシールドから出る事は出来ません。具体的にはサラを中心として半径40cmで身動き取れなくしております』
よし! さすがナディアだ、よくやった! そのまま帰りまで閉じ込めておけ!
『御命令のままに、マスター』
『せめて、おトイレだけいかせてぇぇぇぇ!! もれちゃうぅぅぅ!! ……はっ!大河さんの更なる性癖が開眼しようとしている!?』
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