システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

とうとう来ちゃいました

　気が付くと、サラの恐怖の大王が来る宣言から1年半近くが経っていた。
　俺とメリル（最近やっと心の中でも王女呼びをしなくなった）が13歳、ミルシェ（ちゃん付けやめました）が14歳、イネスさんが20歳、マチルダさんが21歳になった。
　ちなみに、サラ＆ドワーフロリっ子メイドさん4人の年齢は不詳……そして、我が家の男女比に変更はない。
　メリルとミルシェの成長（特にお胸）は目をみはるものがあり、服は全部買い換えました。
　だって気がついたらパッツンパッツンになってるんだもん……目の毒です。

『私も成長してるんで、服を買い換えたいです！』
　お前には必要ないな……どう考えても誤差の範囲だぞ、その成長って。
『くっ！　胸の大きさだけで人の価値なんて測れるはずがない！　私にはそんな些細な問題はカバーして余りあるこの美貌がある！』
　うん……確かにバン〇ランの恋人マラ〇ヒといい勝負できそうだ！　良かったな！
『マ〇イヒって男じゃ無いですかー！』
　でも美形だぞ？　なぜか産まれてはいけない子供も産んじゃったし……確か子供は大天使ミカエルだったけど。
　よかったな、救世の大天使の母になれるぞ。
『わーーーん！　男でも恋人がいて子供を産んでるのに、私はロ〇リー・チャップリンーー！』
　また懐かしい歌を……。　
　
　先日、王国に真アーテリオス神聖国の親善大使がやって来たらしい。
　その使者によると、真アーテリオス神聖国の混乱も収まり選挙的なものが行われたとの事。
　あの戦争の後に、一時的ではあったが仮の首長となったべダムさんが、やはり神聖国首長となったらしい。
　国内の政治や経済の混乱も収まり、本格的にグーダイド王国との親善国として国交を持ちたいという。
　うん、争いの無い世界は良い世界だ。
　どんどん観光客も来てほしい！　うさ耳太陽神もネスと共にサービスで顔見せしてあげちゃうよ。
　まあ、かの国から俺の領地までは馬車の旅で3週間近くかかるから、難しいかもしれないけどね。

　そして例の約束というか最大の地雷…姫巫女の輿入れの話になったらしいのだが…。親善大使にくっついて来ちゃったらしい。
　そして、国王からの使者さんと共に…我が領に来ちゃいました。
　すでに俺の目の前に居る…マジっすか？　せめて予告して欲しかった。
　心の準備が出来てないよ。

　コスプレ用じゃない、正式な白い小袖に緋袴、千早を羽織る伝統的な日本の神道の巫女装束だが…何故にその衣装？
　俺の創作物であるうさ耳ロリっ子太陽神にも同じ巫女服を着せてたけど、あれはこの星ではあり得ないだろうと設定したのに、まさかその太陽神を崇める国の巫女服が全く同じだとは…何か作為的な物を感じる……。
　艶やかでサラサラな黒髪のロングヘアーを、後頭部の生え際から下で一つに束ねてまとめて絵元結にした、くりくりの黒い瞳が愛らしい12歳の女の子。
　俺の目の前に国王からの使者と一緒に並んで跪いてるけど……どうすべ。

「…トール様、彼女が例の姫巫女ですか？」
　俺の左からこっそりメリルが尋ねてきたので、コクンと頷いてみた。
「トールさま、可愛いですね……」
　ミルシェも俺の右から小声で。
　そう、俺は2人に左右を抑えられている。これは俺の逃亡阻止のためなのか？
「ではやっと婚約者3人が揃いましたね」「そうですね～」
　ん？　メリルもミルシェも怒って無さそう？　ってか楽しそう？
　…………………………あれ？