90 / 1,466
覚悟を決めよう
しおりを挟む
『サラよ。彼は思ったよりも自制心が強いようだな』
『はい、局長。どうやら法秩序順守の精神や規範的行動を重んじる日本人気質が強い様です。その為、局長の箱庭内に芽生えている文明・文化の極端な進化は、文化的ジェノサイドの発生を恐れているのではないかと無意識にではありますが恐れているのではないかと思います』
『ふむ……転生・転移者としては実に理性的な心構えではあるが……』
『はい、私もそう思います。思うに彼は、前世の経験から自制心が強すぎるのではないかと』
『それは私も考えた。ううむ……わかった。サラよ、私の方でもう少しテコ入れをするので、上手く彼を導きエネルギーを吐き出させるように。そうだな……彼には悪いが…………』
『はい、わかりました局長。では……を……する様に仕向けたらよろしいのですね』
『ああ、新・輪廻転生システム構築のためにも、もう少し彼には協力してもらわないとな』
『了解いたしました』
『まあ、あの私の箱庭の住民の生死などはどうでも良いのだが』
『新たな宇宙の秩序のためですから、尊い犠牲と言っても良いでしょう』
『1000兆ものこの宇宙の星を活かすための箱庭なのだから、滅んでも仕方あるまい。では頼んだぞ、サラ特別管理官』
『はい、お任せください。中央管理局長様』
▲
楽しい一日を過ごした俺達は、虎バスに揺られて街に戻った。
メリル王女とミルシェちゃんとイネスさんは、異種族との交流やバーベキューの事を楽しそうに話していた。
これで俺の領地の事は分かってもらえたかな。
『十分わかったと思いますよ』
そっか、それは良かった。
『それで、私の話は覚えてますか?』
誤差の範囲だとは思うが、何かの間違いで胸囲が5mm程微増した夢を見た話の事か?
『そうです5mm程……って【きょうい】違いです! 脅威が迫っているって話です!』
え? あれって単にボケの前振りじゃなかったのか?
『ちーがーいーまーすー! この世界に新たな脅威が本当に迫ろうとしてるんでーすー!』
万単位が死ぬとか何とか言う奴か? アレってマジな話なのか?
『めっちゃ大マジです!』
俺はてっきりボケ倒してるだけだと思ってたんだが・・。
『そんなボケをしてどうしますか! 脅威は空から来ます! 具体的には【恐怖の大王】が来ます』
ちょっと待て!ここにそんな存在がいるなんておかしいだろ! 使命とか運命とか無いはずだろ!
何でそんな奴を俺が相手しなきゃならんのだ!?
そもそも恐怖の大王って何だよ! ア〇ゴル=モアとかいう少女じゃ無いだろうな?
『それはケ〇ロ軍曹です! そうでは無く、システムバグでこの世界に恐怖の大王が誕生しそうなんです』
げっ! またシステムバグか!? って事は、俺並みの魂のエネルギー持ってるのが転移か転生するってのか?
『詳細は不明です。輪廻の扉の設置してある次元とこの世界とは、時間の流れが大きく違います。扉を通った魂がすぐにこの世界に現れるとは限りません。ただそう遠くない時に邪悪なる魂を持つ者がこの世界に何らかの形で出現します』
あれ? よく考えたら、あの門って転生なんじゃないの? 転移ってあるの?
『ええ、この世界の生物の身体に宿る魂を追い出し、自らの魂でその肉体を乗っ取った場合には、魂のエネルギー量にも因りますが、乗っ取った肉体が魂の情報に引きずられ改変します。これが転移です。元々の身体でこの世界には来ませんので、正確にはこれも転生の1つの形と言っても過言ではありません。転生はそもそも魂の形に合わせた器をゼロから作りだし、適合する母体に子として宿し、この世に産まれ出る事を指します。大河さんの場合は転生です』
そうか……良かった。この身体は元々俺専用だったんだな。
それで恐怖の大王は、転生か転移か不明と。
『その通りです』
つまり敵が誰とか分かんないって事なんだな?
『転移の場合だと人間か魔物か動物かといった、根本的な種族すら現段階で不明です。転生でも大河さんの様に最初から前世の記憶を持っている場合もあれば、後天的に記憶を取り戻す事もありますので、時期が特定できません』
それは厄介だな。でも万単位の人の生き死にが掛かってるんだ、それを止める事が出来るのは俺だけなんだな?
『この世界の人々が恐怖の大王を止める事が出来る可能性は、0パーセントです』
わかった、俺も男だ。覚悟を決めよう。
『私達はいつも一緒よ……』
ここでネタかよ……それア〇ラのキ〇コだろ……。
そのネタは、ピーキー過ぎて、お前にゃ無理だよ……ふっ。
『はい、局長。どうやら法秩序順守の精神や規範的行動を重んじる日本人気質が強い様です。その為、局長の箱庭内に芽生えている文明・文化の極端な進化は、文化的ジェノサイドの発生を恐れているのではないかと無意識にではありますが恐れているのではないかと思います』
『ふむ……転生・転移者としては実に理性的な心構えではあるが……』
『はい、私もそう思います。思うに彼は、前世の経験から自制心が強すぎるのではないかと』
『それは私も考えた。ううむ……わかった。サラよ、私の方でもう少しテコ入れをするので、上手く彼を導きエネルギーを吐き出させるように。そうだな……彼には悪いが…………』
『はい、わかりました局長。では……を……する様に仕向けたらよろしいのですね』
『ああ、新・輪廻転生システム構築のためにも、もう少し彼には協力してもらわないとな』
『了解いたしました』
『まあ、あの私の箱庭の住民の生死などはどうでも良いのだが』
『新たな宇宙の秩序のためですから、尊い犠牲と言っても良いでしょう』
『1000兆ものこの宇宙の星を活かすための箱庭なのだから、滅んでも仕方あるまい。では頼んだぞ、サラ特別管理官』
『はい、お任せください。中央管理局長様』
▲
楽しい一日を過ごした俺達は、虎バスに揺られて街に戻った。
メリル王女とミルシェちゃんとイネスさんは、異種族との交流やバーベキューの事を楽しそうに話していた。
これで俺の領地の事は分かってもらえたかな。
『十分わかったと思いますよ』
そっか、それは良かった。
『それで、私の話は覚えてますか?』
誤差の範囲だとは思うが、何かの間違いで胸囲が5mm程微増した夢を見た話の事か?
『そうです5mm程……って【きょうい】違いです! 脅威が迫っているって話です!』
え? あれって単にボケの前振りじゃなかったのか?
『ちーがーいーまーすー! この世界に新たな脅威が本当に迫ろうとしてるんでーすー!』
万単位が死ぬとか何とか言う奴か? アレってマジな話なのか?
『めっちゃ大マジです!』
俺はてっきりボケ倒してるだけだと思ってたんだが・・。
『そんなボケをしてどうしますか! 脅威は空から来ます! 具体的には【恐怖の大王】が来ます』
ちょっと待て!ここにそんな存在がいるなんておかしいだろ! 使命とか運命とか無いはずだろ!
何でそんな奴を俺が相手しなきゃならんのだ!?
そもそも恐怖の大王って何だよ! ア〇ゴル=モアとかいう少女じゃ無いだろうな?
『それはケ〇ロ軍曹です! そうでは無く、システムバグでこの世界に恐怖の大王が誕生しそうなんです』
げっ! またシステムバグか!? って事は、俺並みの魂のエネルギー持ってるのが転移か転生するってのか?
『詳細は不明です。輪廻の扉の設置してある次元とこの世界とは、時間の流れが大きく違います。扉を通った魂がすぐにこの世界に現れるとは限りません。ただそう遠くない時に邪悪なる魂を持つ者がこの世界に何らかの形で出現します』
あれ? よく考えたら、あの門って転生なんじゃないの? 転移ってあるの?
『ええ、この世界の生物の身体に宿る魂を追い出し、自らの魂でその肉体を乗っ取った場合には、魂のエネルギー量にも因りますが、乗っ取った肉体が魂の情報に引きずられ改変します。これが転移です。元々の身体でこの世界には来ませんので、正確にはこれも転生の1つの形と言っても過言ではありません。転生はそもそも魂の形に合わせた器をゼロから作りだし、適合する母体に子として宿し、この世に産まれ出る事を指します。大河さんの場合は転生です』
そうか……良かった。この身体は元々俺専用だったんだな。
それで恐怖の大王は、転生か転移か不明と。
『その通りです』
つまり敵が誰とか分かんないって事なんだな?
『転移の場合だと人間か魔物か動物かといった、根本的な種族すら現段階で不明です。転生でも大河さんの様に最初から前世の記憶を持っている場合もあれば、後天的に記憶を取り戻す事もありますので、時期が特定できません』
それは厄介だな。でも万単位の人の生き死にが掛かってるんだ、それを止める事が出来るのは俺だけなんだな?
『この世界の人々が恐怖の大王を止める事が出来る可能性は、0パーセントです』
わかった、俺も男だ。覚悟を決めよう。
『私達はいつも一緒よ……』
ここでネタかよ……それア〇ラのキ〇コだろ……。
そのネタは、ピーキー過ぎて、お前にゃ無理だよ……ふっ。
32
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる