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確保ー!
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結局、父さんとの散策は、俺の婚約の噂話が広がり盛り上がってる所に、酒の肴を噂の本人が提供しに行った様なもんだった。
もうね、どこに行ってもおめでとうコールが降り注いで居心地が悪すぎる。
さっさと自分の家に帰ろう……そうしよう。
あのカオスな父さんの屋敷に帰るのは嫌だけど、戻らないとサラもミルシェちゃんも来ちゃってるからな……あと王女様も。
3人連れて、とっとと帰る! と心に誓った俺は、父さんの屋敷に足を向けた。
帰りの道中、父さんから、
「トールヴァルド、ここまで話が広まったら、大々的に婚約お披露目会でもしない事には収まらんと思うぞ?」
父さんの言いたい事も分かるが、お披露目会ってなんだよ。
だけど、街に出る度に噂の真相を確認しに来られても困るし……はあ、面倒臭い。
「でも、王都よりも先に発表とか、まずくない? 陛下がするって言ってたじゃん」
取りあえず、今の所はお披露目会を回避しておこう。
「う~む、確かにそうだな。婚約したとだけ発表するか」
「まあ、その程度なら……」
妥協点はそんなとこか……面倒事を先送りしただけとも言うが。
「それに、3人目の姫巫女の名前もまだわかってないしな!」
ああ……忘れたかったよ、姫巫女の話。
「断れないのかなあ……姫巫女」
出来るものなら断りたいんだけど。
「無理だな。王都では国家間の友好の象徴として発表されると思うぞ。断れば友好関係そのものが民に疑われる可能性もある」
なるほど、父さんただの脳筋じゃなかったんだな。そんな裏まで読めるとは・・意外と出来る脳筋か。
「でもさ、それって人質みたいなもんじゃん。会った事も話した事もない人と婚約とか……」
「お前、そもそも王女様とも話したことは無かっただろ?」
それはそうだけど。
「一応、王女様は俺の事を見た事あったらしいから、まだいいよ。最近ちょっとヤンデレ気味だけど、ミルシェちゃんは生まれてからずっと一緒だし。でも姫巫女ってお互い全く知らない人だよ? 姫巫女が可哀想じゃん」
俺はそこまで鬼畜じゃねえ! ハーレム願望だって持ってないんだから!
大体、そんな人と結婚したって上手くいく気がしない。
ああ、前世の嫁との離婚を思い出す……。
「まあ、そうだな。離縁など出来るはずも無いし、夫婦仲が悪いと外聞も悪い。下手すると国際問題だからな。で、ヤンデレってどういう意味だ?」
「そこはスルーして……」
はあ、どうしよ。
「父さん……僕、胃が痛くなってきた……」
「奇遇だな、トール。父さんは頭が痛くなってきたぞ……」
地雷みたいな女を押し付けるなんて、真アーテリオス神聖国に神罰くだしてやろうかな。
なんでラノベの主人公はハーレムとか簡単に受け入れられるんだよ……。
お前らただのスケベだろ! この変態が!
人質で差し出される女の子に、どんな風に接したらいいってんだよ。
『大河さん大河さん。私も人質みたいなもんです! 私の身体を鬼畜に弄んで欲望のまま貪っても大丈夫ですよ!』
いや、お笑いネタ係のお前はいらん。
『なんで!?』
俺は人の下着を味わうような変態は嫌いなんだよ!
『おーぼ-だー! 性癖差別だー! 貧乳にも人権をー!』
意味わかんね。勝手に言ってろ。
▲
父さんの屋敷に着いた俺達は、取りあえず居間の様子をこっそり窺ってみた。
あれ? やけに静かだな……落ち着いた?
そっと居間の扉を開けると、女性陣全員が揃って一斉にこっちを見た。
それはもう、バッ! って音がするぐらいの勢いで!
あんたら怖いよ! 今ので寿命確実に縮んだよ! 5年ぐらい!
そして女性陣は無言で、じ~~~っと俺を見つめ続ける。
ふと背後に居るはずの父さんに顔を向けると……居なかった。
逃げやがったな、親父!
「トールちゃん、そんなとこに居ないで中に入ってらっしゃいな」
母さん笑顔だけど、なんか目が笑ってないんですけど……。
いや、中の女性陣の目が何か怖いんですけど?
「いや、あの、えっと……みなさんお忙しそうなので、僕は失礼しようかなと……では」
そっと後退して扉を閉めようとすると、
「総員、確保ー!」
母さんの鋭い声が響いた!
「「「「わーーーーーーーーー!!!」」」」
王女様にミルシェちゃん、コルネちゃんにサラにメイドさん達が、一斉に俺に向かって突進してきた! バイ○ハザードでこんなシーンあったぞ!
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
何か知らんが逃げろ! 捕まったらやばい気がする! 色々とやばい気がする!
俺は廊下を全力でダッシュした! もう前世でも今世でも、記憶にないぐらいの恐怖が追いかけて来る! やばい、何か知らんがやばい!
「ブレちゃん、クイーンちゃん、捕まえて!」
コルネちゃん、あんた何てモノを召喚するんだ!
あ、コラ! ブレンダーもクイーンも何で追いかけて来るんだよ! 俺を逃がせよ! ブレンダー! お前、何で前に回り込んだ! え? 女性陣に逆らったら何されるかわからない? 毛を抜かれる? クイーン!お前なら、大丈夫だよな! 俺を逃がせ! え? 私も怖い? 大人しく刺されてください? 嘘だろ! お前達は俺に絶対服従のはずだろ! え? 世紀末の覇者に逆らってはいけない? 痛いのは最初だけ? 意味わかんねーよ! この裏切者ーーー!
廊下は1本道。前門の狼、後門の蜂……もう逃げれない。
「トールヴァルドさま、もう逃がしません!」
「と……トール様、お願いですから、お義母様の所まで戻りましょう……」
「お兄ちゃん、逃がさないからね!」
ミルシェちゃん、王女さま、コルネちゃん……一体、俺が何したって言うんだよぉぉぉ!!!
もうね、どこに行ってもおめでとうコールが降り注いで居心地が悪すぎる。
さっさと自分の家に帰ろう……そうしよう。
あのカオスな父さんの屋敷に帰るのは嫌だけど、戻らないとサラもミルシェちゃんも来ちゃってるからな……あと王女様も。
3人連れて、とっとと帰る! と心に誓った俺は、父さんの屋敷に足を向けた。
帰りの道中、父さんから、
「トールヴァルド、ここまで話が広まったら、大々的に婚約お披露目会でもしない事には収まらんと思うぞ?」
父さんの言いたい事も分かるが、お披露目会ってなんだよ。
だけど、街に出る度に噂の真相を確認しに来られても困るし……はあ、面倒臭い。
「でも、王都よりも先に発表とか、まずくない? 陛下がするって言ってたじゃん」
取りあえず、今の所はお披露目会を回避しておこう。
「う~む、確かにそうだな。婚約したとだけ発表するか」
「まあ、その程度なら……」
妥協点はそんなとこか……面倒事を先送りしただけとも言うが。
「それに、3人目の姫巫女の名前もまだわかってないしな!」
ああ……忘れたかったよ、姫巫女の話。
「断れないのかなあ……姫巫女」
出来るものなら断りたいんだけど。
「無理だな。王都では国家間の友好の象徴として発表されると思うぞ。断れば友好関係そのものが民に疑われる可能性もある」
なるほど、父さんただの脳筋じゃなかったんだな。そんな裏まで読めるとは・・意外と出来る脳筋か。
「でもさ、それって人質みたいなもんじゃん。会った事も話した事もない人と婚約とか……」
「お前、そもそも王女様とも話したことは無かっただろ?」
それはそうだけど。
「一応、王女様は俺の事を見た事あったらしいから、まだいいよ。最近ちょっとヤンデレ気味だけど、ミルシェちゃんは生まれてからずっと一緒だし。でも姫巫女ってお互い全く知らない人だよ? 姫巫女が可哀想じゃん」
俺はそこまで鬼畜じゃねえ! ハーレム願望だって持ってないんだから!
大体、そんな人と結婚したって上手くいく気がしない。
ああ、前世の嫁との離婚を思い出す……。
「まあ、そうだな。離縁など出来るはずも無いし、夫婦仲が悪いと外聞も悪い。下手すると国際問題だからな。で、ヤンデレってどういう意味だ?」
「そこはスルーして……」
はあ、どうしよ。
「父さん……僕、胃が痛くなってきた……」
「奇遇だな、トール。父さんは頭が痛くなってきたぞ……」
地雷みたいな女を押し付けるなんて、真アーテリオス神聖国に神罰くだしてやろうかな。
なんでラノベの主人公はハーレムとか簡単に受け入れられるんだよ……。
お前らただのスケベだろ! この変態が!
人質で差し出される女の子に、どんな風に接したらいいってんだよ。
『大河さん大河さん。私も人質みたいなもんです! 私の身体を鬼畜に弄んで欲望のまま貪っても大丈夫ですよ!』
いや、お笑いネタ係のお前はいらん。
『なんで!?』
俺は人の下着を味わうような変態は嫌いなんだよ!
『おーぼ-だー! 性癖差別だー! 貧乳にも人権をー!』
意味わかんね。勝手に言ってろ。
▲
父さんの屋敷に着いた俺達は、取りあえず居間の様子をこっそり窺ってみた。
あれ? やけに静かだな……落ち着いた?
そっと居間の扉を開けると、女性陣全員が揃って一斉にこっちを見た。
それはもう、バッ! って音がするぐらいの勢いで!
あんたら怖いよ! 今ので寿命確実に縮んだよ! 5年ぐらい!
そして女性陣は無言で、じ~~~っと俺を見つめ続ける。
ふと背後に居るはずの父さんに顔を向けると……居なかった。
逃げやがったな、親父!
「トールちゃん、そんなとこに居ないで中に入ってらっしゃいな」
母さん笑顔だけど、なんか目が笑ってないんですけど……。
いや、中の女性陣の目が何か怖いんですけど?
「いや、あの、えっと……みなさんお忙しそうなので、僕は失礼しようかなと……では」
そっと後退して扉を閉めようとすると、
「総員、確保ー!」
母さんの鋭い声が響いた!
「「「「わーーーーーーーーー!!!」」」」
王女様にミルシェちゃん、コルネちゃんにサラにメイドさん達が、一斉に俺に向かって突進してきた! バイ○ハザードでこんなシーンあったぞ!
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
何か知らんが逃げろ! 捕まったらやばい気がする! 色々とやばい気がする!
俺は廊下を全力でダッシュした! もう前世でも今世でも、記憶にないぐらいの恐怖が追いかけて来る! やばい、何か知らんがやばい!
「ブレちゃん、クイーンちゃん、捕まえて!」
コルネちゃん、あんた何てモノを召喚するんだ!
あ、コラ! ブレンダーもクイーンも何で追いかけて来るんだよ! 俺を逃がせよ! ブレンダー! お前、何で前に回り込んだ! え? 女性陣に逆らったら何されるかわからない? 毛を抜かれる? クイーン!お前なら、大丈夫だよな! 俺を逃がせ! え? 私も怖い? 大人しく刺されてください? 嘘だろ! お前達は俺に絶対服従のはずだろ! え? 世紀末の覇者に逆らってはいけない? 痛いのは最初だけ? 意味わかんねーよ! この裏切者ーーー!
廊下は1本道。前門の狼、後門の蜂……もう逃げれない。
「トールヴァルドさま、もう逃がしません!」
「と……トール様、お願いですから、お義母様の所まで戻りましょう……」
「お兄ちゃん、逃がさないからね!」
ミルシェちゃん、王女さま、コルネちゃん……一体、俺が何したって言うんだよぉぉぉ!!!
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