システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
79 / 1,466

お嫌ですか?

しおりを挟む
 まさかの婚約者2人決定? ミルシェちゃんも決定なの? ぞれじゃ3人!?
 そんな異世界物のテンプレ展開は期待してないんだけど!
 
「畏れ乍ら、陛下。私、そのようなお話は伺っておりませんが……」
 なんとか断れないだろうかと、国王にちょっとお話を……。
「うん? ヴァルナル伯よ、話をしてなかったのか?」
 父さん……聞いてたのかよ!
「ウェスリー殿下に口止めをされておりましたので」
 あの王子かー!
「ウェスリーか、それなら仕方がないの。では今言った。トールヴァルド卿、そう言う訳じゃからメリルと仲良くやるのじゃぞ」
 ええええ! それだけかよ!
「それともメリルに不満でもあるのか?」
 こんな将来性抜群の美少女に不満……性格は、どうなの? 
「いえ、まだ互いに良く知らない間柄ですし……相性というものも有るかと思いますれば……」
「心配するな! こやつは第三王妃に似て見目麗しく聡明で政治や経済にも明るく、優しく明るく家事全般を熟し、心身ともに健康で家臣や民に対する心配りも良くでき人気も高く……」
 王妃様って三人いるんだ……いや、もっといるかも知れないけど……。
 めっちゃ王様が王女を褒めてるけど、つまりは【妻を娶らば才長けて、見目麗しく、情けあり】っていう有名な与謝野鉄幹のやつみたいな感じってこと?
 それじゃ完璧女子じゃん! 断る口実、何かないだろうか……そうだ、これだ!
「陛下、私と王女殿下では身分に差がございますれば、釣り合いと言う物が……」
 ふっふっふ……身分差は貴族社会では無視できまい! 巫女姫の場合はどうなのかわかんないけど……。
「確かに子爵と王族では釣り合わぬ」
 やった!
「じゃが安心せよ。トールヴァルド卿が成人の暁には、ヴァルナル卿より伯爵位を継いでもらう。伯爵には侯爵への昇爵を考えておるでの。その為の実績はすでに十分積み上がっておる。トールヴァルド卿が上位貴族となれば何の問題も無い。すでに貴族会議で合意を得ておるゆえ、何も気にする事は無い。喜べ! お主等の婚約の障害となるものは何も無いぞ! 4年後が楽しみじゃな!」
 へ、陛下に退路を完全に断たれた……。

 もう他にどっか逃げ道が無いか? 何か無いかと探している俺の耳に、澄んだ鈴の様な声で、
「トールヴァルド様は、私が婚約者ではお嫌ですか?」
 胸の前で両手を合わせ握りしめ、上目遣いで俺を見つめる王女様の目が潤んでいる……やばっ! あざと可愛い!
「いえ、殿下。不満などあろうはずがございません。殿下こそ私でご不満はございませんか?」
 もうヤケクソだ!
「もちろんでございます! 初めて謁見に来られたあの時より、ずっとお慕いしておりました!」
 え……勲民になったあの時? あれからって、もう5~6年経つじゃん!
「そうだぞ、トールヴァルド卿。もう何年もわしはメリルに責められておるのだ。もっと王都へ呼べ!話をさせろ! と、それはもう煩くてな。これでやっと肩の荷が降りるというものじゃ! じゃが手は付けても良いがまだ子供はいかんぞ? 婚儀が済むまではな。わっはっはっは!」
 王様の言葉を聞いて、視線を王女様に向けると「もう! お父様!」と、真っ赤な顔をして陛下を叩いていた。
 いや、国王様。あんた何言ってんの? まだ11歳だぞ?
 はあ、もう受けるしかないのか。ってか謁見の間で発表されちゃったんだから、受け無い訳にはいけないんだけど。
 帰ったらミルシェちゃん怒るよなあ……怖いなあ……。
「良かったな、トールヴァルド! こんなに美しい王女様と結婚できて! 孫の顔を見るのが楽しみだ! わっはっはっは!」
 おっさん2人は高笑いしてるけど……王女様は頬を染めながら柔らかく微笑み俺を見つめている。

 わかったよ! もう王女でも姫巫女でもミルシェちゃんでも纏めて面倒見てやる!
 テンプレ上等! ハーレムどんとこい!
『では、ぜひ私もハーレムの一員に!』
 却下で拒絶、遠慮に辞退、不認可不裁可お断り!
『そこまで強く拒否しなくても……こんなにも想っているのに……よよよ』
 何を想ってんだ?
『貪る様に互いの身体を激しく求め合う愛欲の日々に決まってるじゃないですか! さあ私の愛を受け取ってください!』
 断固として、受け取りを拒否する!!
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...