システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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お知らせいたします

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「なあトールヴァルド。俺の館もこんな風に建て替えてくれないか?」
 邸内を見て周っていた父さんが俺にこんな事を言ってきた。
「ん~……」

 どうしよっかな。サラに相談してみっか。
 どう思うサラ? ガチャ玉使って父さんの館を建てても大丈夫か?
『ここまで自動化するとなると難しいかと。もしもの場合のメンテナンスやエネルギー補充の事もありますし、自動化しなければ大丈夫じゃないでしょうか? 世間に出回っている魔道具を利用すれば、一般の方でもメンテ出来ますし』
 そっか、魔道具を買えばいいのか。うん、それで行こう!
「お父さん、かなりの魔道具が必要だから結構な費用がかかるけどいい?」
 費用と聞いて父さんがピクッ! ってなったぞ。
「ううむ……どれぐらいになりそうだ?」
「ざっと領の収入の2年分程かと……」
 ここは吹っかけておこう。
「むぅ……それは厳しいな。まあまだ建て替えたばかりだし、今回は諦めるか」
 残念そうだけど、エネルギー切れとか故障とかした時にメンテ出来ないだろうから、俺の家と同じ仕様はちょっとお薦めできないからな。
「今回は照明だけとか台所だけとか、部分ごとに魔道具で改装して行けば良いと思うよ」
「なるほど! 少しずつ入れ替えていくのか。確かにそれの方が良いかもな」
 ほっ、納得してくれたか。

「その時は魔道具の改良も手伝うから。それにこの家は父さんの館よりも小さいんだよ?」
 父さんの館の方が良いアピールしとこ。
「そうなのか! 広く見えるが?」
「柱と壁を減らしてるから広く見えるだけだよ。12室しかないんだ。デッド・スペースを利用しているから問題は無いけどね」
 そういって階段下や柱の陰などの収納を見せると、母さんも混じって感心していたが、実は各部屋がちょっとだけ広いのは実は本当だけど内緒。

 この星の一般的な建築だと、限られたスペースの有効利用なんて考えはない。
 せいぜい部屋にあるのは本棚程度で、収納は倉庫とか納戸とかをわざわざ居住空間とは別に作ってるのが普通だ。
 俺の邸宅は各部屋に収納スペースを設けてるから、そういった余分な部屋が少なくても全然問題はない。
 余分な部屋を造ってないから、ちょっとずつ部屋も大きくなった。
 でも家族が増えれば使用人用の寮を増設するのもアリかな。
 まだ土地は余ってるからね。

 コルネちゃんとミルシェちゃんは、お手て繋いで邸内探索。
 3階のお部屋を見て周っている様です。
 セリスさん夫妻は、台所や風呂・トイレなどの水周りが気になる様子。
 すごく熱心に見てる。
 まあこの館の水周りは特殊だから、見ても分からないと思うけどね。

「お兄ちゃん! コルネ3階のお部屋がいい!」
 おうおう、かわええのぉ。もちろん良いに決まってる!
「トールヴァルドさま、使用人のお部屋はどこでしょうか?」
 うむ、案内しよう!ささ、こちらにどうぞ。
「1階のこの並びの部屋がそうだよ。あんまり大きくはないけどね」
 とはいっても6畳程度の広さはあるので十分だと思う。
「あっちの部屋は広いけど2人部屋。ここは個室だね」
 部屋を見せると、すごく驚いてる。
 ミルシェちゃんの実家は2DKで一部屋4.5畳程度だし、父さんの屋敷で割り当てられてる部屋も4.5畳ほどだから、1.5畳程度だとしてもかなり大きく感じるんだろう。
「まあベッドと家具を置いたら、少し狭く感じるかもしれないけどね」
「いえ、すっごく広いです! 嬉しいです! ありがとうございます!」
 あ~サラは決まってたけど、そっかあ……ルシェちゃんも来る気満々だなぁ……。
 こりゃ父さんの屋敷の使用人を新しく探さないと。
 ダメって言えない雰囲気。
 ま、いっか。

 ▲

 一通り見て満足したのか、全員で食堂に集合した。
 だいぶ遅くなったが夕飯にしたいのだが、まだ何の家具も無いので地べたに座っての食事となった。
 簡単な調理器具と食器だけは持って来たので、干し肉と野菜のスープにパンという食事だが、ただの保存食よりも全然良い。
 お風呂は当然使える。
 3階の領主一家用と2階の来客用、1階の使用人用があるが、本日は全員で使用人用の風呂を順番に使う。
 使用人のための風呂とは言っても設備はしっかり作ったので、全員が十分に満足できた。
 さすがに初めての遠出だったので疲れたのか、ミルシェちゃんとコルネちゃんがうとうとと船を漕ぎ始めたので、毛布を敷いて横にさせた。
 早く寝具を入れなきゃな。
 硬い床で寝ると、翌日あちこち体が痛くなるもんな。

 両親とは夜遅くまで領地に関して話しあったが、フォローはするから俺の好きにしていいとの事。
 マジでいい両親だよ。
 まあ、だから俺も父さんの領地の事も考慮するんだけどさ。
 この両親の子供に転生出来て良かったよ。

 もう遅いから続きはまた明日ってことで、就寝と相成りました。
 やっぱ大理石風の床は硬い! 

 王都から遠く離れた辺境だけど、全然この生活に不満が無いってすごくね?
 現代日本からすれば文明レベルなんて比較にならないぐらい低いのにさ。
 もし転生物の王道、魔王とか魔族が出たらこの世界を守る為にも自重は止めよう。
 どうも心の中で色々とブレーキを掛けてたみたいなんだ。
 ガチャ玉の使用にしても、魔法にしても、内政チートにしてもね。
 まあ、そのせいで輪廻管理局の局長さんからエネルギー使えって催促されたわけだけど……。
 なんてグダグダと横になって考えていた。

『ぴんぽんぱんぽ~ん! トールバルドさまにお知らせいたします』
 うぉ! びっくりした! サラか、どうしたんだ?
『近日中に、トールヴァルド様の領地予定のこの地に、魔王様と魔族のご一行が到着いたします』
 な、なんだとー!
『到着予定は、2日後のお昼ちょうどとなります。当日は失礼の無いよう、お出迎えください。ぴんぽんぱんぽ~ん!』
 ど、どど……どうしよ!
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