システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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大魔法使いの再来?

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 便利グッズ(光るガチャカプセル) 残り17個。
 今日気が付いたんだが、幾つかのカプセルが何か変……全部一緒と思ってたけど?
 よく見たらほとんど光ってないのがある。
 記憶を遡れば、無意識に光の強いの選んでたなあ。
 何か違いがあるんだろうか・・まあこの騒ぎが収まってからじっくり検証するか。
 
 ベルトとナイフを装備した俺は、ブレンダーを引き連れ家の前に行ってみた。
 村の男衆と父さんが、ブレンダーを見てぎょっとした。
 みんなちょっと腰が引けてる……見てるとおもろい。
「ま、魔物! トールヴァルド危ない! こっちに来い! この魔物めー!」
 父さんは剣を引き抜きブレンダーに切りかかろうとしたんで、ここでちょっと待ったコール!
「ちょ~っと待ちね~! お父様。この青いオオカミは、僕の契約している使い魔。危なくなんてナッシング! ふわふわ毛皮が気持ちが良くて賢いやつなんだぜ!」
「使い魔? お前……まさか伝説の契約魔法を使えるのか? すごいな!」
 え……伝説? 契約魔法ってなんぞ?
 村の男衆も、「偉大なる大魔法使いの再来だ……」とか言ってるよ。
 神様のグッズで創ったなんて言えないから、魔法使いの定番である使い魔って事にしたのに、勝手に話が伝説級になっちゃったぞ、おいっ!
 ブレンダーは獣ってより、ホムンクルスとかメカの方が近いんだけど。
 どうする俺、考えるんだ!
 出て来い出て来いナイスな言い訳……ある訳無い……。
 もう適当なでっちあげと勢いで乗り切ろう。
「いや、林で怪我してたから、看病してたら懐いたの。名前はブレンダー。言葉はなんとなく分かるみたいだから、危険はないよ。でも僕とブレンダーに攻撃したりしたら、自衛の為に反撃するから注意ね」
 うん……自分で言って何だけど、めちゃくちゃ嘘っぽい。
 でも男衆&父さんは、なんか納得してる……あっれ~?

「そうだったのか、トールヴァルドはすごいな。あんな立派な避難壕も魔法で作ってくれたんだ。きっともっとすごい魔法も使えるんだろ? 内緒にしたいならそれでもいい。父さんはお前の味方だからな」
「そうですぜ坊ちゃん! あっしらはみんな坊ちゃんの味方でさ! 秘密は守りますぜ! 坊ちゃんはこの領の宝だ!」
 男衆も「そうだそうだ!」と、なんか勝手に納得されて秘密にされちゃったよ。
 まあ結果的に受け入れられたから良しとしようか。

「それでそのオオカミはブレンダーという名前なのか?」
「うん、そうだよ。賢いからちゃんと僕の言う事は聞くから。あと、強いよ。だからスタンピードが起きたら、僕たちも戦うから」
 さすがに5歳児に戦わすのは躊躇われるのか、父さんは渋い顔してるなあ。
 ん~ダメ押ししとくか。
「でもその前に、村の外に魔法で高い防壁を造りたいんだ。だからお父さん、一緒に行こう!」
 お……防壁は欲しいんだな。めちゃ悩んでる。
「わかった。走って行くから、背中に乗りなさい」
 ダディー……そんな鎧の背中にしがみ付けるわけないじゃん。
 硬いし痛いし滑るよ?
 まあ移動手段はある。
「大丈夫! ブレンダーが乗せてくれるから。ブレンダー騎乗形態!」
『ワオォーーーーン!』
 おお! あの新造な人間のアニメ通りの鳴き声!
 一鳴きしたブレンダーの身体が、グググググと大きくなっていく。
 周囲がざわつくが、大きくなっても僕の顔をペロペロ舐めてくれる。
 伏せしてるのに、さすがの大きさだな。
「さあお父さん、後ろに乗って!」
 さっそく跨った俺の後ろに乗る様に父さんに言うと、おっかなびっくり跨った。
「と……トールヴァルド・・大丈夫なのか?」
「うん大丈夫! さあブレンダー、あの塔と村の中間地点まで、マッハでGOGO!」
 ゆっくりと立ち上がったブレンダーは、人混みを歩いて抜けると徐々にスピードを上げた。
「お父さん、しっかり掴まっててね。ブレンダー、ダッシュだ!」
 父さんが毛皮をしっかり握ったかどうかなんて確認する前にダッシュさせた。
「んぎゃーー! はやいはやい! とめてくれーーーー!!!」
 父さんの絶叫は、防壁建設ポイントまで続いた……けど無視した。
 だって時間がもったいないじゃん。
 タイム イズ マネー だよ……て使い方が違うか。

 村の外は少しの草原と、その向こうには深い森がある。
 あの森を開拓するのがこの村の目的。
 元々はこの草原も村も森だったんだって。
 6年かけて切り開いたんだとか。
 
 そんな草原と森の中間地点に降り立った俺と父さんは、森を睨んでいた。
 今はいつ魔獣とやらが出てくるか分からないから、ここら辺りに防壁を築く。
 さあ精霊さん、またまた出番ですよ!
 張り切って行きましょう!
 防壁のイメージをねるねるね~るしてると、父さんが、
「大丈夫か、トールヴァルド。無理してないか?」
 単に防壁イメージするのに集中してただけなんだけど、めちゃ心配そう。
「ま~かせて!」
 元気に子供らしく返事してあげた。
 なんて気遣いのできる子供なんだ、俺って!
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