5 / 27
5 夏休み① ※
しおりを挟む
夏休みの間に、俺たちは爛れた関係になってしまった。桐葉は俺よりも頭がよかったから、勉強を教えてもらうという口実で会いに行った。しかし有り余る精力を無視することなどできなくて、勉強もそこそこに抜き合いっこをした。オナニー覚えたての猿みたいに――みたいじゃなくて実際そうなのだが――俺たちは互いを貪った。
今日もそうだ。二階の桐葉の部屋。エアコンはないけど窓を開けると風が通って涼しい。畳の上で向かい合い、ちんことちんこを擦り合わせていた。兜合わせってやつだ。お互いのものを手に握っているんだけど、桐葉の手はすぐ止まってしまうので、俺が二本まとめて扱いていた。
「杉本……ぅあっ、きもちい、すぎもとぉ……」
桐葉は俺の耳元で喘ぐばかりだ。声変わりしたての掠れた声が甘く響く。
「あ、アっ、や、そこぉ……」
「ここ? 気持ちいでしょ。好きだもんね」
「ふぁ、あぁっ、やぁぁ」
桐葉は喘ぐのが上手くなった。慣れたというべきか。もちろんおばあちゃんやご近所さんにバレてはまずいので抑え目なのだが、喘ぎながらむせたりえずいたりすることもなくなり、ただただエロい。
桐葉は俺の肩に噛み付くようにして抱きつく。手は首の後ろに回っている。兜合わせなのに、俺のものを触ろうともしないで自分の快楽を追っている。桐葉のちんこが脈打つ。そろそろイクのだとわかる。
「ね、顔見して。顔、見たい」
俺がねだると、桐葉は素直に顔を見せてくれる。行為のせいか、夏の暑さのせいか、真っ赤に上気している。さらさらストレートの黒髪が汗で湿り、おでこに張り付いている。普段はつり上がっている眦が下がり、勝気な瞳はとろりと濡れている。身も心も快楽に染まりきっている。
かわいい。こういうのをかわいいと言うのだろう。そうか、桐葉はかわいかったんだ。だから俺は桐葉で抜いちゃうんだ。だってこんなにかわいい顔、一度見たら一生忘れられない。
気づいたら、キスをしていた。桐葉の唇を奪っていた。唇を合わせた瞬間、俺と桐葉はほぼ同時に絶頂に至った。桐葉の口が薄く開いたので、俺は夢中で舌をねじ込んだ。キスのやり方も調べておけばよかった。本能のまま桐葉の舌に自分の舌を絡め、舐めたり吸ったり擦ったりする。鼻から甘い声を漏らしながら、桐葉も夢中で舌を絡めてくる。
気持ちいい。キスってこんなに気持ちいいのかよ。これだけでまた勃起してしまう。腰が重く痺れる。桐葉はかわいいしキスは気持ちいい。頭がどうにかなりそうだった。
「杉本……今の、なに」
唇を離すと、惚けた顔で桐葉が言った。
「なにって……キス?」
「キス?」
「ちゅ、ちゅうとか、言ったりもする」
「ちゅう……」
「うん。桐葉はよくなかった? キス」
ふるふると首を振る。
「なんか、頭ぼーっとして変だった、けど――」
「だよな! 桐葉も気持ちいいよな! もっと舌入れてみてよ。そしたらもっと気持ちいぜ」
どうしてキスなんてしてしまったのだろう。相手は桐葉なのに、女の子じゃないのに、体が勝手に動いてしまった。後悔しているわけじゃない。でも、どうして桐葉なんだろう。
今日もそうだ。二階の桐葉の部屋。エアコンはないけど窓を開けると風が通って涼しい。畳の上で向かい合い、ちんことちんこを擦り合わせていた。兜合わせってやつだ。お互いのものを手に握っているんだけど、桐葉の手はすぐ止まってしまうので、俺が二本まとめて扱いていた。
「杉本……ぅあっ、きもちい、すぎもとぉ……」
桐葉は俺の耳元で喘ぐばかりだ。声変わりしたての掠れた声が甘く響く。
「あ、アっ、や、そこぉ……」
「ここ? 気持ちいでしょ。好きだもんね」
「ふぁ、あぁっ、やぁぁ」
桐葉は喘ぐのが上手くなった。慣れたというべきか。もちろんおばあちゃんやご近所さんにバレてはまずいので抑え目なのだが、喘ぎながらむせたりえずいたりすることもなくなり、ただただエロい。
桐葉は俺の肩に噛み付くようにして抱きつく。手は首の後ろに回っている。兜合わせなのに、俺のものを触ろうともしないで自分の快楽を追っている。桐葉のちんこが脈打つ。そろそろイクのだとわかる。
「ね、顔見して。顔、見たい」
俺がねだると、桐葉は素直に顔を見せてくれる。行為のせいか、夏の暑さのせいか、真っ赤に上気している。さらさらストレートの黒髪が汗で湿り、おでこに張り付いている。普段はつり上がっている眦が下がり、勝気な瞳はとろりと濡れている。身も心も快楽に染まりきっている。
かわいい。こういうのをかわいいと言うのだろう。そうか、桐葉はかわいかったんだ。だから俺は桐葉で抜いちゃうんだ。だってこんなにかわいい顔、一度見たら一生忘れられない。
気づいたら、キスをしていた。桐葉の唇を奪っていた。唇を合わせた瞬間、俺と桐葉はほぼ同時に絶頂に至った。桐葉の口が薄く開いたので、俺は夢中で舌をねじ込んだ。キスのやり方も調べておけばよかった。本能のまま桐葉の舌に自分の舌を絡め、舐めたり吸ったり擦ったりする。鼻から甘い声を漏らしながら、桐葉も夢中で舌を絡めてくる。
気持ちいい。キスってこんなに気持ちいいのかよ。これだけでまた勃起してしまう。腰が重く痺れる。桐葉はかわいいしキスは気持ちいい。頭がどうにかなりそうだった。
「杉本……今の、なに」
唇を離すと、惚けた顔で桐葉が言った。
「なにって……キス?」
「キス?」
「ちゅ、ちゅうとか、言ったりもする」
「ちゅう……」
「うん。桐葉はよくなかった? キス」
ふるふると首を振る。
「なんか、頭ぼーっとして変だった、けど――」
「だよな! 桐葉も気持ちいいよな! もっと舌入れてみてよ。そしたらもっと気持ちいぜ」
どうしてキスなんてしてしまったのだろう。相手は桐葉なのに、女の子じゃないのに、体が勝手に動いてしまった。後悔しているわけじゃない。でも、どうして桐葉なんだろう。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
年上の恋人は優しい上司
木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。
仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。
基本は受け視点(一人称)です。
一日一花BL企画 参加作品も含まれています。
表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!!
完結済みにいたしました。
6月13日、同人誌を発売しました。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる