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23. 馬車の中で
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馬車の中は、しばらくは沈黙が続いていた。口火を切ったのは、主人の方だった。
「驚きましたか?」
「いえ……」
驚いたというのではない。
ただ、胸の中に今まであったものがなくなって、そこに埋められるものが何もない、そんな感じだ。
「別に言っても構わなかったんですがね、アネットが言うなと言うので」
「ああ、確か、女同士の内緒の話だとか言っていました」
苦笑する。そんな根回しまでしていたのか。
あのときの『素敵な話』とは、このことだったのだ。
リュシイが王妃になるということ。
「半年ほど前のことです」
主人は窓の外を見て、ぽつりと話し出した。
「彼女、略奪されましてね」
「略奪……」
「ええ。昔王城にいた占い師が犯人なんですが、彼女の力が欲しかったようです。彼は我が国の王城から解雇されたのでね。今度は彼女を使って他国に取り入ろうとしていたんですよ」
じゃあ、あの手首の傷は。略奪されたときに付いた傷なのか。
私が自分の手首をじっと見つめているのに気が付いたのか、主人は言った。
「手首だけではありませんよ。身体中、傷だらけだったようです」
息を呑む。なんて酷いことを。そうまでして欲しかったのか、あの力が。
「で、まあ、なんとか救出しましてね。一度は家に帰したのですが……」
「帰したんですか? 王城で保護するべきでは」
「そう申し出ましたがね、帰る、と」
そのとき彼女は何を思っていたのだろう。
王城にいれば、彼とだってずっと一緒にいられただろうに。
いや。
彼は、国王だ。王城にいたところで一緒にいられるとは限らない。
彼女の教養では、妃はもちろんのこと、王付きの侍女にすらなれない。
そしていずれ、妃を迎えるだろう。
もしもそのとき彼女がそう考えたのなら、無理もない話かもしれない。
それを王が説得したのか?
「その後、迎えに行ったんですか?」
「いいえ、彼女が王城にやってきました」
その言葉に、私は驚いてしまう。
「リュシイが、ですか?」
「終始、俯いているような娘でしたけれど、彼女にしては頑張ったんでしょうね。少し驚きました」
主人はうんうん、と何度かうなずいた。
「一度は断ってはみたものの、諦めきれなかったのかどうか。まあ、もしかしたら彼女が来なければ、陛下がそのうち迎えに行ったのかもしれませんが」
「ああ……」
「とにかく、私が彼女が王城へ来たことを知って王室に向かったときには、今度は陛下が彼女を監禁してしまいました」
主人が喉の奥で笑った。
「か……監禁……?」
「ええ。あれは参りましたねぇ」
そう言って首を何度も横に振る。そのあと、そのときのことを思い出しているのか、窓の外を見つめる。
「初めて見ました、陛下が人に執着なさるのを。驚きましたよ、本当に、心から」
口調が多少荒くなった。主人のそれは珍しい。その驚愕はどれくらいのものだったのだろう。
「王室の鍵を閉めておしまいになっていて。王室ですからね、そうなると我々には不可侵の場所です」
「はあ……」
「即位されてから、一度も王室の鍵を閉めたことがない方なんです。実際、鍵などなくとも、誰一人として陛下の許可なしでは中には入れない」
「でも、閉めた」
「そう」
主人はうなずいた。
鍵を閉めた。その中に彼女がいた。
扉を開けないと安心できない彼女。
彼と一緒ならば、鍵を閉められても平気だったのか。
「でも、開けさせました」
「ジャンティさまが……ですか」
「そうです。そりゃあ勇気が必要でしたよ。自分の首をかけてますから」
そして手を上に振り上げて、扉を叩く振りをした。
「開けてください、陛下が開けてくださらないのならば何としても破ります! と」
それには、少し王に同情した。少しだけだが。
「で、扉は開いた」
「多少、服装の乱れがあったようですが、間に合いました」
「あの……間に合った、とは」
「そりゃあ、彼女が懐妊してからでは遅いでしょう?」
「……ええと」
自分の頬が染まるのがわかった。
やっぱり同情は取り消しだ。
「遅い……というのは、どういうことです? 今はお世継ぎはいない。身分の差はあれ、彼女が地震の予知をしていることは王城の者は皆知っている。正室は無理でも側室ならば歓迎されるでしょう。問題はないじゃないですか」
私の言葉に、主人は何度か目を瞬かせた。
「忘れていますか?」
「何を」
「略奪されたことを」
「それは彼女の責任じゃ……」
「でも何をされているかはわからない」
「そんな……」
誰の証言も当てにならない。彼女が何もされなかったと言っても、そんなものは証拠にはならない。
けれども、それは彼女が悪いのだろうか。
「彼女はね、何もなかったと言いました。危機はあったようですが、『予知の力を持つのは、純潔であることが条件だ』というようなことを言ったようです。実際、力が失われるかどうかは、彼女も私たちも知りませんがね」
「なるほど」
それはなかなかの機転だ。そう言われれば手出しできないだろう。それが嘘だと疑っても、その力を欲している者には。
「そして、陛下は彼女がどんな状況であれ、構わない、と仰いました」
それを聞いて、少し見直した。やっぱり少しだけ、だが。
「それから、彼女が略奪されたことは、内密の話です」
「じゃあ……」
結局、何の問題もないではないか。
「でも、どこでその話が漏れるかもわからない。そのときに追い込まれるのは、陛下でもない、彼女でもない」
そう言って、主人はため息をついた。
「御子です。もし男子であれば、なおさら」
王位継承権を持つ男子。国王の直系。
本来ならば、何の問題もなく嫡子として認められるはずの御子。
「もしも、王妃となられてすぐに御懐妊となり、御子が第一位の継承権を持つことになって」
そう言って一息ついてから、主人は私をじっと見つめてきた。
「もし彼女が略奪されたという秘密が漏れたとしたら、今度こそ起きますよ。王位継承権争いが。おそらく、泥沼の」
私は息を呑む。
「陛下では難しいでしょうね、そうなったときに事を沈静化させるのは。時代は彼を選ばない」
この平和な時代に即した王。主人は彼をそう評していた。
「だから、半年」
「そう、仮に秘密が漏れたとしても、事件から妃となるまでに半年の時間があれば、間違いなく陛下の御子だと言い切れます。王妃にとってはあまり名誉なことではありませんが」
「で、今度はジャンティさまが」
「彼女を拉致監禁しました」
二人して、苦笑が漏れた。
「でも、たまに会うくらいは許可して差し上げれば良かったのでは」
彼女があんなに不安がっていたのに。
「一度失った信頼を取り戻すには、時間がかかるものですよ」
主人は鼻息荒く、そう言った。
いや、それにしても。
「たった半年待てないようでは、覚悟があるとは言えません。なのに陛下ときたら、会うくらいはいいんじゃないかと何度も何度もしつこく言うから、手紙の受け渡しも拒否させていただきました」
「それは……」
酷い。
なるほど、手紙が来ない訳だ。
そう言えば。
「あの、陛下に、私が屋敷の水汲みをしていることを、言ったことはありますか?」
「私がですか?」
「ええ」
主人は何度か目を瞬かせる。
突然飛んだ話に、何を思ったのかはわからないが、だがしばらく考え込んでから、口を開いた。
「……覚えがありませんけどねえ。言いましたかな」
「あ、いえ、それならいいんです」
慌てて手を振ると、主人は首を傾げた。
水汲みをしていることを、王に伝えたのは誰か。
手紙に近況を書くよう言ったのは、私だ。
彼女がその中で、私のことを書いたのだ。
ほんの少し、温かな気持ちになった。そして、ほんの少し、溜飲が下がった。
きっと、彼女の傍にいる男が、心配になっただろうと思う。それで彼女に会いたくなったのではないか。
王城に行ったとき、王はそういう感情をおくびにも出さなかったが、そんな気がする。
主人は「まったく陛下は」と、話を元に戻す。
そして憤慨した様子で続けた。
「やることは、いくらでもあるんですよ。半年で妃を迎える準備を整えた私の苦労を少しは思い知っていただきたい」
「でも彼女、不安がっていたじゃないですか」
そう言うと、主人は少し考え込んだ。
「それは少し申し訳ないとも思いますが、でも、覚悟のほどを見たかったものですから」
「はあ」
「地震にしろ、略奪にしろ、通常の状態ではありませんから。単に盛り上がっているだけだと困ります」
「そうではない、と判断されましたか?」
「まあ、今のところは」
そう言って、主人は小さく微笑んだ。
「驚きましたか?」
「いえ……」
驚いたというのではない。
ただ、胸の中に今まであったものがなくなって、そこに埋められるものが何もない、そんな感じだ。
「別に言っても構わなかったんですがね、アネットが言うなと言うので」
「ああ、確か、女同士の内緒の話だとか言っていました」
苦笑する。そんな根回しまでしていたのか。
あのときの『素敵な話』とは、このことだったのだ。
リュシイが王妃になるということ。
「半年ほど前のことです」
主人は窓の外を見て、ぽつりと話し出した。
「彼女、略奪されましてね」
「略奪……」
「ええ。昔王城にいた占い師が犯人なんですが、彼女の力が欲しかったようです。彼は我が国の王城から解雇されたのでね。今度は彼女を使って他国に取り入ろうとしていたんですよ」
じゃあ、あの手首の傷は。略奪されたときに付いた傷なのか。
私が自分の手首をじっと見つめているのに気が付いたのか、主人は言った。
「手首だけではありませんよ。身体中、傷だらけだったようです」
息を呑む。なんて酷いことを。そうまでして欲しかったのか、あの力が。
「で、まあ、なんとか救出しましてね。一度は家に帰したのですが……」
「帰したんですか? 王城で保護するべきでは」
「そう申し出ましたがね、帰る、と」
そのとき彼女は何を思っていたのだろう。
王城にいれば、彼とだってずっと一緒にいられただろうに。
いや。
彼は、国王だ。王城にいたところで一緒にいられるとは限らない。
彼女の教養では、妃はもちろんのこと、王付きの侍女にすらなれない。
そしていずれ、妃を迎えるだろう。
もしもそのとき彼女がそう考えたのなら、無理もない話かもしれない。
それを王が説得したのか?
「その後、迎えに行ったんですか?」
「いいえ、彼女が王城にやってきました」
その言葉に、私は驚いてしまう。
「リュシイが、ですか?」
「終始、俯いているような娘でしたけれど、彼女にしては頑張ったんでしょうね。少し驚きました」
主人はうんうん、と何度かうなずいた。
「一度は断ってはみたものの、諦めきれなかったのかどうか。まあ、もしかしたら彼女が来なければ、陛下がそのうち迎えに行ったのかもしれませんが」
「ああ……」
「とにかく、私が彼女が王城へ来たことを知って王室に向かったときには、今度は陛下が彼女を監禁してしまいました」
主人が喉の奥で笑った。
「か……監禁……?」
「ええ。あれは参りましたねぇ」
そう言って首を何度も横に振る。そのあと、そのときのことを思い出しているのか、窓の外を見つめる。
「初めて見ました、陛下が人に執着なさるのを。驚きましたよ、本当に、心から」
口調が多少荒くなった。主人のそれは珍しい。その驚愕はどれくらいのものだったのだろう。
「王室の鍵を閉めておしまいになっていて。王室ですからね、そうなると我々には不可侵の場所です」
「はあ……」
「即位されてから、一度も王室の鍵を閉めたことがない方なんです。実際、鍵などなくとも、誰一人として陛下の許可なしでは中には入れない」
「でも、閉めた」
「そう」
主人はうなずいた。
鍵を閉めた。その中に彼女がいた。
扉を開けないと安心できない彼女。
彼と一緒ならば、鍵を閉められても平気だったのか。
「でも、開けさせました」
「ジャンティさまが……ですか」
「そうです。そりゃあ勇気が必要でしたよ。自分の首をかけてますから」
そして手を上に振り上げて、扉を叩く振りをした。
「開けてください、陛下が開けてくださらないのならば何としても破ります! と」
それには、少し王に同情した。少しだけだが。
「で、扉は開いた」
「多少、服装の乱れがあったようですが、間に合いました」
「あの……間に合った、とは」
「そりゃあ、彼女が懐妊してからでは遅いでしょう?」
「……ええと」
自分の頬が染まるのがわかった。
やっぱり同情は取り消しだ。
「遅い……というのは、どういうことです? 今はお世継ぎはいない。身分の差はあれ、彼女が地震の予知をしていることは王城の者は皆知っている。正室は無理でも側室ならば歓迎されるでしょう。問題はないじゃないですか」
私の言葉に、主人は何度か目を瞬かせた。
「忘れていますか?」
「何を」
「略奪されたことを」
「それは彼女の責任じゃ……」
「でも何をされているかはわからない」
「そんな……」
誰の証言も当てにならない。彼女が何もされなかったと言っても、そんなものは証拠にはならない。
けれども、それは彼女が悪いのだろうか。
「彼女はね、何もなかったと言いました。危機はあったようですが、『予知の力を持つのは、純潔であることが条件だ』というようなことを言ったようです。実際、力が失われるかどうかは、彼女も私たちも知りませんがね」
「なるほど」
それはなかなかの機転だ。そう言われれば手出しできないだろう。それが嘘だと疑っても、その力を欲している者には。
「そして、陛下は彼女がどんな状況であれ、構わない、と仰いました」
それを聞いて、少し見直した。やっぱり少しだけ、だが。
「それから、彼女が略奪されたことは、内密の話です」
「じゃあ……」
結局、何の問題もないではないか。
「でも、どこでその話が漏れるかもわからない。そのときに追い込まれるのは、陛下でもない、彼女でもない」
そう言って、主人はため息をついた。
「御子です。もし男子であれば、なおさら」
王位継承権を持つ男子。国王の直系。
本来ならば、何の問題もなく嫡子として認められるはずの御子。
「もしも、王妃となられてすぐに御懐妊となり、御子が第一位の継承権を持つことになって」
そう言って一息ついてから、主人は私をじっと見つめてきた。
「もし彼女が略奪されたという秘密が漏れたとしたら、今度こそ起きますよ。王位継承権争いが。おそらく、泥沼の」
私は息を呑む。
「陛下では難しいでしょうね、そうなったときに事を沈静化させるのは。時代は彼を選ばない」
この平和な時代に即した王。主人は彼をそう評していた。
「だから、半年」
「そう、仮に秘密が漏れたとしても、事件から妃となるまでに半年の時間があれば、間違いなく陛下の御子だと言い切れます。王妃にとってはあまり名誉なことではありませんが」
「で、今度はジャンティさまが」
「彼女を拉致監禁しました」
二人して、苦笑が漏れた。
「でも、たまに会うくらいは許可して差し上げれば良かったのでは」
彼女があんなに不安がっていたのに。
「一度失った信頼を取り戻すには、時間がかかるものですよ」
主人は鼻息荒く、そう言った。
いや、それにしても。
「たった半年待てないようでは、覚悟があるとは言えません。なのに陛下ときたら、会うくらいはいいんじゃないかと何度も何度もしつこく言うから、手紙の受け渡しも拒否させていただきました」
「それは……」
酷い。
なるほど、手紙が来ない訳だ。
そう言えば。
「あの、陛下に、私が屋敷の水汲みをしていることを、言ったことはありますか?」
「私がですか?」
「ええ」
主人は何度か目を瞬かせる。
突然飛んだ話に、何を思ったのかはわからないが、だがしばらく考え込んでから、口を開いた。
「……覚えがありませんけどねえ。言いましたかな」
「あ、いえ、それならいいんです」
慌てて手を振ると、主人は首を傾げた。
水汲みをしていることを、王に伝えたのは誰か。
手紙に近況を書くよう言ったのは、私だ。
彼女がその中で、私のことを書いたのだ。
ほんの少し、温かな気持ちになった。そして、ほんの少し、溜飲が下がった。
きっと、彼女の傍にいる男が、心配になっただろうと思う。それで彼女に会いたくなったのではないか。
王城に行ったとき、王はそういう感情をおくびにも出さなかったが、そんな気がする。
主人は「まったく陛下は」と、話を元に戻す。
そして憤慨した様子で続けた。
「やることは、いくらでもあるんですよ。半年で妃を迎える準備を整えた私の苦労を少しは思い知っていただきたい」
「でも彼女、不安がっていたじゃないですか」
そう言うと、主人は少し考え込んだ。
「それは少し申し訳ないとも思いますが、でも、覚悟のほどを見たかったものですから」
「はあ」
「地震にしろ、略奪にしろ、通常の状態ではありませんから。単に盛り上がっているだけだと困ります」
「そうではない、と判断されましたか?」
「まあ、今のところは」
そう言って、主人は小さく微笑んだ。
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