この世界の人達は、俺を逃がすつもりが無いらしい

今も昔も変わらないのは…

4

木上から飛び降り…虎の後ろに着地する。
それと同時に後ろへ振り向いて…
「っ！」
剣が頬をかする…
最近怪我を作らないようにしてたんだがな…
「小賢しい！」
無闇に剣を、振ったって当たらない
ｷﾝｯ
ｶﾞｷﾝｯ
ｶﾞｯ
相手の腕を掴み剣を落とさせる…
「離せ！嫌だ、死にたくない！」
全てが遅い…
ｸﾞｼｬ
「い"や"…だ…」
ﾊﾞﾀｯ
「死ぬ覚悟も無いのに騎士…ね」
ﾎﾞｿｯと言う。
あと3人…
あぁ…殺気駄々漏れ…
「絶対殺す…聞かないといけないことももう一人に聞けばいい…」
犬二匹が唸る…
「俺でここまで苦戦してるならアイツには、もっと勝てないぞ…」
そう言うと二匹同時に来る…
「ゲイン！ルーサ！止まれ！」
後ろから声がする…
ま、もう手遅れだけど…
「可哀想にな…」
ｻﾞｼｭｯ!
二匹の首を切る。
「だ、…ちょ、」
「さ、ご…まで、すみ、ま…」
ﾄﾞｻｯ
「…お前達に慈悲は、無いんだな」
振り替えると、目の前に壁…
「慈悲があったら仕事に影響が出る」
「盗賊の仕事か？」
ゆっくり見上げる…
「だったら、殺すか？」
青い髪をした…犬？
「まさか、聞きたいことが山ほどある…着いてきてもらうだけだ」
2メートル超えてる…のか？
「拒否する、部下も頭も待ってるんだ」
「そうか、なら…強行手段だな」
グッと近づいてくる…
避けないと…
「強制転位！」
目の前がグラつく…
あ、シェアル…来ちゃ…だめ…だ
「シュラル！！」
……
…
気がつくと…見たことない白い天井…
頭が痛い…
「どこだ…シェアル…？」
強請転位…
まさか騎士団に使える奴が…
「起きたのか…ちょうど良かった」
聞き慣れない声がしてﾊﾞｯと起き上がる…
さっきの…
「そう睨むな、別に怖がらせたい訳じゃない」
…
「俺は、ハインズ騎士団第一部隊の団長をしてる。マイス･バリスだ。」
手を差し出してくる…
何を考えてる…
「俺は、頭や部下の事をなにも話さないし話すつもりもない…」
んーと、考えている…
「その盗賊について聞きたいんじゃない…君のことが知りたいんだ。」
…は？
「なんの為だ...」
そう言うと、笑いながら言う。
「盗賊に一目惚れするなんてな…俺もビックリだ」
ナチュラルになでなでしてくる…
「触るな！…なにが目的だ…」
手を振りほどく
「さっき言ったように、君の事が知りたいだけだ…なんで盗賊をやっているのか…君の名前は、何なのか…好きなタイプとか、君の事ならなんでも…」
「頭おかしいんじゃないのか…盗賊と騎士団なんか…アンタ達の敵だ、俺達からしてもアンタ達は、敵だ。」
言い返してみる。
早く…助けに来てくれ。
「敵も味方も関係ない。君が好きだ…さっきの奴がシュラルと言ってたな…君の名前か？あと、あれ…あれが君達の頭か？」
「あれって言うな、俺の大切な人だ。」
相手が顔をしかめる。
「大切な…人…？恋人か？」
「そんな関係じゃない…ただ、大切な人だ」
確かにシェアルは、可愛い顔をしている…多分ただ、目付きと口が悪いだけで、可愛いのだ。
シェアルなら、俺は抱ける。
いや、抱きたい。
「妬ましいな…他の男の話で熱くなる君を見ているとソイツを殺したくなる…」
殺すならその前に俺が殺してやる…と言おうとした瞬間…世に言う顎クイをされた…
「…君のなかが俺だけになれぼ良いのにな」
そう言われた瞬間、唇に…違和感…
「は！？…ちょ、やめっ！んｯ！？」
喋った瞬間舌を捩じ込まれる…
『ちょ、誰ですか！？そこは、団長のお部屋です！勝手に入らな…』
ﾊﾞﾝｯ!!
「シュラル！！平気だろうな！？何もされてねぇだろうな！？…おいこらテメェ…誰の許可得て…シュラルに…ぶっ殺す！！覚悟しろやぁ！」
シェアル…来てくれた…
「シェアル…！」
ｷﾞｭｩｩｳ
柄にもなく…安心してしまった勢いでシェアルに抱きつく…
「…っ！シュラル…後で抱き潰してやっから退け…今は、ソイツぶっ殺すの優先だ…」
離れたくない…そういう気持ちを込めて更に抱きつく…
ｷﾞｭｩ
「シュラル！ダメだ！君は、そんな所にいたら…！」
「名前教えたのか？…まあいい…つーか…お前にシュラの居場所は、作れねぇんだよ…今回だけ見逃してやる…次は、ねぇからなぁ？」
そのまま抱えられる…俺のがデカい筈なんだが…
「俺…重いだろ…降ろして」
嬉しいが、やっぱり重いだろう…
「お前なぁ…尻尾をめっちゃ足に絡み付けといて降ろせ…は、ねぇだろぉ？いいから大人しく抱えられとけ」
ﾊｯ!と見てみると…無意識に絡めてしまっていたらしい…
それから、大人しく抱えられて船に戻るまでずっと顔が赤くなってしまっていた…なんか言えるわけない…
俺の無表情…意味を果たしてくれ…。






はい、梛魏です！
めっちゃ一気に投稿しました…(；`・ω・)
１話で収まらないなぁと、思ってたら２話書いてようやく一段落つけたって感じですw
無意識に尻尾絡めちゃうとか可愛すぎですね。
狐族だし、尻尾モフモフですし、モフりたいですよねw
では、今後もお願いします！