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ぬらりひょん 前
しおりを挟む聞きなれた通知音にスマホを見ると、悪友から連絡が来ていた。
俺の家に遊びに来たいとか言われても、変な妖怪が住み着いている今は不味すぎる。
断りを入れてもそこをなんとか、としつこく連絡してくるので事情を聞けば、浮気がばれて同棲中の彼女に追い出され、行く当てがないと返事が来た。
「いや、マジでウチは今無理だから」
最後に彼女に土下座して仲直りでもしろと返信し、買い物を済ませてから帰宅する。
あまり長い事子泣きジジィに留守番をさせておくと冷蔵庫の中のビールや日本酒を全部飲まれてしまう。
(は?…開いてる?)
玄関に鍵を差し込んだ時に違和感を感じれば、戸締りしてったはずの鍵が開いていた。
どういうことだ?ジジィの仕業か?
もしかしたら泥棒の可能性があるかもしれないと、ゆっくり音を立てないように中に入る。
玄関から廊下に入り、リビングへ向かうと、誰かの喋り声が聞こえて来たので、勢いよく扉を開ける。
「うわぉなんだよ!?びっくりしたあ」
そこには朝から散々うちに泊まらせてくれと連絡を入れてきた悪友と、見知らぬ頭のでかいじいさんが、妙に近い距離で座りながら菓子を食っていた。
「……なんでいるんだテメェ…来んなっつっただろ」
「そんな怒るなよお、俺ほんっとに行く場所ないんだって!言っとくけど勝手に入ったんじゃないからな?困ってたらたっちぃのじいちゃんが中に入れてくれたんだよ」
たっちぃ。こいつしか呼ばない変なあだ名にぴきっときながら、怪しい爺さんの方に目を向ける。
「少しくらい寄せてやれば良い。友達は大切にするもんだ」
「いやー、じいさん話がわかるなぁ」
爺さんが気安く声を掛けて来るが、俺はこいつを一切知らない。
こういう意味の解らない事が起きる時は……。
ソファで赤ちゃんのふりをしながら寝転がってる子泣きジジィに近寄り、睨み付ける。
「お前の客だろクソジジィ」
「おうよ、ぬらりひょんだ。あいつのぬるりとその場に溶け込む様はいつ見ても鮮やかじゃな」
「このっ……」
面白そうに笑う子泣きジジィに気を取られていたら、真昼間の一般家庭のリビングに不似合いな「あんっ」という喘ぎが上がった。
振り返ると、悪友が来ているTシャツの裾から手を入れられ左胸を揉みしだかれているのを目撃し、ぎょっとする。
「おまっ何して…」
「は、んんっ…たっちぃが帰って来るまでに、俺が暇しないようにこうやって、んっ、ぃ、…っ相手してくれたんだよな、じいさん」
「そうじゃ、そうじゃ。すっかり打ち解けたんじゃぞ、なあ?」
「はぁっそ、その触り方やば…っ!ん、はぅう、じいさん上手いから、退屈しなかったよ…あ、ああぁっ」
胸を揉まれながら、スラックス越しに膨らんでるのがわかる悪友のチンコを柔らかく撫でるぬらりひょん。その刺激に時折背を弓なりにしながら悪友が悶える。
「やっば…たっちぃ、お前のじいさん、すげえよ…ンアァッ!?」
「ほっほっほ。そんなに褒めんでも気持ち良くしてやるぞ」
「あ、ちょっと、俺ケツ初めてて…ひゃあん♡」
「なあに、儂がしてやればすぐに良くなってくるぞ。任せるがよい」
「あ、ちょ、あ、あっそんな、いきなり、んっ、ふええ~♡じいさんの舌、あったけ…♡♡」
四つん這いでぬらりひょんに尻を捧げ、べろべろと穴を舐められている。
どこを見るでもなく焦点が定まってない目をしながら、うっとりとその刺激を受け入れている様子は、いくら悪友が普段バカなノリを好むとしても有り得ない姿だった。
「はぁんっ!じいさん、そこそこっ!そこもっとほじほじ頼むよぉ」
「ほお?ほうは?」
「アヒィ~~~♡きっくぅ~~~♡」
妖怪ってのはここまで好き勝手出来るのか…。
ぞっとしながらその光景を呆然と眺めていると、不意に股間を触られうっと呻く。
「ケッケッケ。勃っとるぞ小僧」
「なっ!?」
「友人の痴態を見て興奮するとは、良い趣味しとるわい」
「くっ、ぅ…・っ!」
柔らかい生地のスラックスの膨らみをすりすりと撫でられ、俯きながら声をかみ殺す。
「お前、今はやめろ…!」
「止めんでいいのか?あれは」
あれ、とは悪友が犯されてることを指してるんだろう。
あのお調子者には散々面倒な目に遭わせられてきたので、妖怪に開発されようが別にどうだっていい。なんならもっと痛い目に遭え。
貸した二万はまだ返って来ないし、勝手にゲームソフト持って行ったと思ったらメルカリで売っぱらうし。勝手に人の写真SNSに上げるし、一緒に飯食ってる最中に「トイレ行って来る」と席を立ったまま帰って来ないので俺が支払いをする羽目になったり、とあいつに関することでろくな思い出が無いからな。
「うそだあ、俺っケツ穴で感じるっ!ケツってこんなにイイのかよお…あぁ、じいさん、じいさんっ!もっとしてえ♡!」
「尻の穴を舐められてよがるとは、女のようじゃの」
「おふぅ、ぉ、ああ~~…そんなん、初めて言われたんだけどっ~~アア゛ァッ!しゅごぃい…こ、このままだと、マジで女になっちゃいそお♡」
ふりふりとぬらりひょんに媚びを売るようにケツを振っている。
あいつ妖怪に化かされなくてもセックスにはオープンなんだよな。
「お゛ほぉんっ、な、なんか俺、やばいこと覚えちゃいそうなんだけど…ほぉお゛~~ん♡」
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