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中学生編
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日曜日。
昨日はなかなか眠れなかったし、疲れていたのもあったのか3時頃まで寝ていた私がリビングに入ると、お母さんからのメモが机に置いてあった。
急にシフトが変更になって、仕事になったらしい。
昨日はお母さんもお父さんも仕事で遅かったから、部活の帰りに話しかけにやってくる人の相談をまだしてないのだ。
「うう。今日はずっと家にいよう。」
もう夕方なりそうだけど、昼ご飯でも作るかなと材料を確認するために冷蔵庫を開けた私はため息をついた。
「うう。何もない。」
がっくりと肩をおとした私は、また、ため息をつくと近所のスーパーに行くために準備をすることにした。
どうせなら、気分転換をしようと思って、そのまま自転車を走らせて本屋に行くことにした。人の賑わいの中にいると、昨日から落ち込んでいた気持ちが少し浮上した。
本屋の新刊コーナーをぐるりと回り、ついでに文房具も見ていた私はゲームセンターへと続く通路の前を通った。
ここでクマ太郎のクレーンゲームをして、蓮琉くん達に怒られたんだよねえと思い出していると、私の前にぬっと人影が現れた。
「やっぱり。タマちゃんの妹ちゃんだ。」
そこには三田くんが立っていた。
今日も1人でゲームセンターめぐりをしているのだろうか。
彼の周りに人影はない。
「ゲームセンターは来ちゃダメだよ。また、タマちゃんに怒られちゃうから。」
「はあい。………あ。」
「………なあに?」
私は三田くんをじっと見た。
少しだけなら、聞いてもらってもいいかな。
昨日の人のことを誰かに相談してみたかった私は、三田くんをじっと見上げた。
「あの……っ。少し聞いてもらいたい事があって。この後って何か用事がありますか?」
「もう少ししたら、待ち合わせしてるから……ごめんね?」
「そうですか……。すみません。」
ショボンと肩をおとした私はそのまま歩き去ろうとした。
しかし、三田くんが私の腕をつかむと、あわてたように私をひきとめた。
「いや、少しなら大丈夫!なになに?」
「待ち合わせの人に悪いし、いいですよ。それでは……」
「いや、めっちゃ気になるから。落ち着かないから。話してみて?」
私も不安でしょうがなかったこともあり、私はここ二日間のことを手短に三田くんに話した。
三田くんは、最初興味なさそうに話を聞いていたが、話が終わるころには眉をひそめていた。
「なにそれ。気持ち悪いね。タマちゃんは……あ、今剣道部の合宿かあ。こういう時こそあの男の出番でしょ。一条は?あいつには話した?」
「ううん。最近、あんまり話してないから、私からは話しかけにくくて。まだ話してない。この話をしたのは三田くんが最初。」
「え。……そうなんだ。」
三田くんは少し考えているようだったが、ポケットから携帯電話を取り出してどこかにかけはじめた。少し離れたところで話をしている三田くんを私はぼんやりと見た。彼に話を聞いてもらって心が少し楽になった気がする。
少しもめていたようだが、話が終わったらしく、三田くんは私の手を引いて歩きだした。
「妹ちゃんはあと、なにか他に用事とかあるの?」
「ここには気分転換にきたから。もう帰るよ。聞いてくれてありがとう三田くん。」
「ふうん。じゃあ、帰ろっか。俺も今日自転車なんだ。一緒にいこ~。」
「え?待ち合わせは?」
「いいの、いいの。さあ行こう。」
いや、いかんでしょ。
さっき待ち合わせしてるって言ってたよね。
私はその場に踏みとどまった。
「三田くん。待ち合わせしてるんでしょ?行かないと。私だって、約束してた人が来なかったらやだもん。」
「ええ?でもここで1人で帰らせる方が俺の身が危険なんだけど。」
「大丈夫ですから。じゃあ、またね?」
私はくるりと身を翻すと、そのまま走りだそうとしたが、三田くんに手をつかまれて動きを止められた。
「ええ?ちょっと待ってよ。わかった。時間ずらしてもらうように電話するから!それならいいでしょ?」
「でも、待ち合わせ時間もうすぐなんでしょう?相手の人もうきてるんじゃない?」
待ち合わせ場所に行ってもらおうとする私と、私を1人で帰すことを渋る三田くんとで言い合いになっていると、ふわりと花のような香りがその場にただよった。
ヒールのある靴音がして、花の香りが一層強くなる。
私は呆然とその人を見た。
絹糸のような長い黒髪をさらりとながして彼女はそこに佇んでいた。
少しきつめだが理知的な瞳。十人いたら十人が美人だと讃えるであろうその美貌。
九条沙也加。
「陽向、待ち合わせ場所に来ないから探したわよ。こんなところで何してるの?」
「さやちゃん。」
「ふふ。行きましょう?お腹空いちゃったわ。」
彼女は自然に三田くんの、腕をとると甘えるように首をかしげた。
その仕草も彼女がしたらかなり様になる。
2人並ぶと美男美女でお似合いの恋人同士だ。
私はじりじりと彼女達から距離をとった。
私は他人。私は他人。
そうっと離れようとした私に三田くんが慌てて声をかけてきた。
「妹ちゃん?待ってよ。」
空気読もうよ三田くん。
私は一瞬動きを止めたが、素早く振り返ると勢いよくおじぎをした。
「失礼します!三田先輩!!」
「ええ?先輩って……。」
私はそのまま脱兎のごとく走りだした。
後ろなんて振り向けるわけがない。
おじぎをする時に彼女が私に向けた冷たい突き刺さる様な視線が忘れられない。
(さすが、悪役女王。迫力半端ないわあ……。それにしても三田くん九条沙也加と付き合ってたんだ。三田くんルートは消えたな。)
一人納得してうんうん頷く私は傍から見ると変な人だったのではないだろうか。
駐輪場に走り込んだ私は自転車に飛び乗ると、すごい勢いでこぎ始めた。
そのままの勢いで帰ろうとした私は、スーパーに寄るのを忘れていたのを思い出して慌てて方向転換した。
晩御飯の食材まで買い込んだ私は機嫌よく自転車を走らせていた。
(今日は鯖が安かったから、お兄ちゃんの好きな鯖の味噌煮ができる!お兄ちゃん早く帰って来ないかなあ。)
私の頭からは先程九条沙也加に会ったことも過去のことになりつつあった。
はずだった。
一昨日と昨日。部活帰りに声をかけてきた男の人が、私の家の前で微笑んでいるのを見るまでは。
(どうしてここにいるの?)
買い物袋を握りしめて、私は家の前に立ち尽くした。
ゆっくりと彼が近づいてくる彼の瞳に怯えた表情の私がうつっている。
「遅かったね。ああ、買い物してたんだ。花奈ちゃん、料理できるんだ。女の子だね。……ふふっ。そんなに怖がらないでよ。」
「あの、どうしてここが?それに、私の名前……っ。」
私はゆっくりと後退りした。
「そんなこと、どうでもいいじゃない。」
彼は私の腕をつかむと、ゆっくりと私を捕獲するように近づいてきた。
私が抵抗するために、掴まれた手を振り払おうとすると彼はそれまでの微笑みを消して苛立たしげに舌打ちした。
「いい加減大人しくしろよ。沙也加にわれなかったら、誰がお前みたいな地味なやつ相手にするかよ。調子にのるな。」
別人のような侮蔑の表情を浮かべて、彼は私の腕をひねりあげた。
痛みに顔をしかめる私を馬鹿にしたように見る彼。
私は少し冷静になった。
この人、今沙也加って言ったよね。それって九条沙也加?
彼女の命令でここにいるってこと?
だったら、この人は何がしたいんだろう。目的はなに?
私は震える声で彼に話しかけた。
「あなたの目的はなんですか?何がしたいんですか?」
彼はその顔に歪んだ笑を浮かべた。
「君、沙也加のお気に入りと仲がいい斎藤って奴の妹なんだって?出来たら君を俺に夢中にさせて来いって言われてるんだよね。お気に入りを手に入れるまでは斎藤に邪魔されたくないんだって。斎藤は沙也加に靡かなかったらしいからね。しかもなにかと邪魔してるみたいだし。君を手に入れてたら斎藤を脅すのにも使えるし。しかも君、三田とも仲がいいんだって?君、意外に悪女なの?…それはないか。地味だもんね。」
最近地味とかブサ犬とか。
好きに言われるんですけど。
それにしてもこの人、頭大丈夫かな。
言ってることかなりひどいよね。
私は一つ気になったことがあったので、震える声で彼に尋ねた。
「あの、もし私があなたに夢中にならなかったら?」
彼は嫌な笑を浮かべて私を見た。
「そしたら、君が邪魔をしないように脅してこいって言われてるよ。方法は問わないって。どうしようか。今君の家って家族が留守なんだよね?斎藤は合宿。隣の家の一条は部活。斎藤は後1時間くらいで帰ってくるだろう?帰宅したら君が乱暴されてましたってネタ、充分斎藤への脅しになると思わない?」
気がついたら、回りに人数が増えていた。
下卑た笑いを浮かべた男が3人。
私はダラダラと冷や汗を浮かべた。
これってやばくない?
四楓院先輩のルートでも似たようなのがあったよね。
あの時は対象がお兄ちゃんで、柴崎蓮もさり気なくかばってくれていた。
先輩も蓮琉くん三田くんも助けに来てくれた。
だけど、今は誰もいない。
しかも三田くんは九条沙也加とデート中だ。
今頃二人で何してるかは知らないけど。
あ、すごく、腹たってきた。
私は買い物袋を握りしめると、この場をどう切り抜けようかと頭をフル回転させた。
昨日はなかなか眠れなかったし、疲れていたのもあったのか3時頃まで寝ていた私がリビングに入ると、お母さんからのメモが机に置いてあった。
急にシフトが変更になって、仕事になったらしい。
昨日はお母さんもお父さんも仕事で遅かったから、部活の帰りに話しかけにやってくる人の相談をまだしてないのだ。
「うう。今日はずっと家にいよう。」
もう夕方なりそうだけど、昼ご飯でも作るかなと材料を確認するために冷蔵庫を開けた私はため息をついた。
「うう。何もない。」
がっくりと肩をおとした私は、また、ため息をつくと近所のスーパーに行くために準備をすることにした。
どうせなら、気分転換をしようと思って、そのまま自転車を走らせて本屋に行くことにした。人の賑わいの中にいると、昨日から落ち込んでいた気持ちが少し浮上した。
本屋の新刊コーナーをぐるりと回り、ついでに文房具も見ていた私はゲームセンターへと続く通路の前を通った。
ここでクマ太郎のクレーンゲームをして、蓮琉くん達に怒られたんだよねえと思い出していると、私の前にぬっと人影が現れた。
「やっぱり。タマちゃんの妹ちゃんだ。」
そこには三田くんが立っていた。
今日も1人でゲームセンターめぐりをしているのだろうか。
彼の周りに人影はない。
「ゲームセンターは来ちゃダメだよ。また、タマちゃんに怒られちゃうから。」
「はあい。………あ。」
「………なあに?」
私は三田くんをじっと見た。
少しだけなら、聞いてもらってもいいかな。
昨日の人のことを誰かに相談してみたかった私は、三田くんをじっと見上げた。
「あの……っ。少し聞いてもらいたい事があって。この後って何か用事がありますか?」
「もう少ししたら、待ち合わせしてるから……ごめんね?」
「そうですか……。すみません。」
ショボンと肩をおとした私はそのまま歩き去ろうとした。
しかし、三田くんが私の腕をつかむと、あわてたように私をひきとめた。
「いや、少しなら大丈夫!なになに?」
「待ち合わせの人に悪いし、いいですよ。それでは……」
「いや、めっちゃ気になるから。落ち着かないから。話してみて?」
私も不安でしょうがなかったこともあり、私はここ二日間のことを手短に三田くんに話した。
三田くんは、最初興味なさそうに話を聞いていたが、話が終わるころには眉をひそめていた。
「なにそれ。気持ち悪いね。タマちゃんは……あ、今剣道部の合宿かあ。こういう時こそあの男の出番でしょ。一条は?あいつには話した?」
「ううん。最近、あんまり話してないから、私からは話しかけにくくて。まだ話してない。この話をしたのは三田くんが最初。」
「え。……そうなんだ。」
三田くんは少し考えているようだったが、ポケットから携帯電話を取り出してどこかにかけはじめた。少し離れたところで話をしている三田くんを私はぼんやりと見た。彼に話を聞いてもらって心が少し楽になった気がする。
少しもめていたようだが、話が終わったらしく、三田くんは私の手を引いて歩きだした。
「妹ちゃんはあと、なにか他に用事とかあるの?」
「ここには気分転換にきたから。もう帰るよ。聞いてくれてありがとう三田くん。」
「ふうん。じゃあ、帰ろっか。俺も今日自転車なんだ。一緒にいこ~。」
「え?待ち合わせは?」
「いいの、いいの。さあ行こう。」
いや、いかんでしょ。
さっき待ち合わせしてるって言ってたよね。
私はその場に踏みとどまった。
「三田くん。待ち合わせしてるんでしょ?行かないと。私だって、約束してた人が来なかったらやだもん。」
「ええ?でもここで1人で帰らせる方が俺の身が危険なんだけど。」
「大丈夫ですから。じゃあ、またね?」
私はくるりと身を翻すと、そのまま走りだそうとしたが、三田くんに手をつかまれて動きを止められた。
「ええ?ちょっと待ってよ。わかった。時間ずらしてもらうように電話するから!それならいいでしょ?」
「でも、待ち合わせ時間もうすぐなんでしょう?相手の人もうきてるんじゃない?」
待ち合わせ場所に行ってもらおうとする私と、私を1人で帰すことを渋る三田くんとで言い合いになっていると、ふわりと花のような香りがその場にただよった。
ヒールのある靴音がして、花の香りが一層強くなる。
私は呆然とその人を見た。
絹糸のような長い黒髪をさらりとながして彼女はそこに佇んでいた。
少しきつめだが理知的な瞳。十人いたら十人が美人だと讃えるであろうその美貌。
九条沙也加。
「陽向、待ち合わせ場所に来ないから探したわよ。こんなところで何してるの?」
「さやちゃん。」
「ふふ。行きましょう?お腹空いちゃったわ。」
彼女は自然に三田くんの、腕をとると甘えるように首をかしげた。
その仕草も彼女がしたらかなり様になる。
2人並ぶと美男美女でお似合いの恋人同士だ。
私はじりじりと彼女達から距離をとった。
私は他人。私は他人。
そうっと離れようとした私に三田くんが慌てて声をかけてきた。
「妹ちゃん?待ってよ。」
空気読もうよ三田くん。
私は一瞬動きを止めたが、素早く振り返ると勢いよくおじぎをした。
「失礼します!三田先輩!!」
「ええ?先輩って……。」
私はそのまま脱兎のごとく走りだした。
後ろなんて振り向けるわけがない。
おじぎをする時に彼女が私に向けた冷たい突き刺さる様な視線が忘れられない。
(さすが、悪役女王。迫力半端ないわあ……。それにしても三田くん九条沙也加と付き合ってたんだ。三田くんルートは消えたな。)
一人納得してうんうん頷く私は傍から見ると変な人だったのではないだろうか。
駐輪場に走り込んだ私は自転車に飛び乗ると、すごい勢いでこぎ始めた。
そのままの勢いで帰ろうとした私は、スーパーに寄るのを忘れていたのを思い出して慌てて方向転換した。
晩御飯の食材まで買い込んだ私は機嫌よく自転車を走らせていた。
(今日は鯖が安かったから、お兄ちゃんの好きな鯖の味噌煮ができる!お兄ちゃん早く帰って来ないかなあ。)
私の頭からは先程九条沙也加に会ったことも過去のことになりつつあった。
はずだった。
一昨日と昨日。部活帰りに声をかけてきた男の人が、私の家の前で微笑んでいるのを見るまでは。
(どうしてここにいるの?)
買い物袋を握りしめて、私は家の前に立ち尽くした。
ゆっくりと彼が近づいてくる彼の瞳に怯えた表情の私がうつっている。
「遅かったね。ああ、買い物してたんだ。花奈ちゃん、料理できるんだ。女の子だね。……ふふっ。そんなに怖がらないでよ。」
「あの、どうしてここが?それに、私の名前……っ。」
私はゆっくりと後退りした。
「そんなこと、どうでもいいじゃない。」
彼は私の腕をつかむと、ゆっくりと私を捕獲するように近づいてきた。
私が抵抗するために、掴まれた手を振り払おうとすると彼はそれまでの微笑みを消して苛立たしげに舌打ちした。
「いい加減大人しくしろよ。沙也加にわれなかったら、誰がお前みたいな地味なやつ相手にするかよ。調子にのるな。」
別人のような侮蔑の表情を浮かべて、彼は私の腕をひねりあげた。
痛みに顔をしかめる私を馬鹿にしたように見る彼。
私は少し冷静になった。
この人、今沙也加って言ったよね。それって九条沙也加?
彼女の命令でここにいるってこと?
だったら、この人は何がしたいんだろう。目的はなに?
私は震える声で彼に話しかけた。
「あなたの目的はなんですか?何がしたいんですか?」
彼はその顔に歪んだ笑を浮かべた。
「君、沙也加のお気に入りと仲がいい斎藤って奴の妹なんだって?出来たら君を俺に夢中にさせて来いって言われてるんだよね。お気に入りを手に入れるまでは斎藤に邪魔されたくないんだって。斎藤は沙也加に靡かなかったらしいからね。しかもなにかと邪魔してるみたいだし。君を手に入れてたら斎藤を脅すのにも使えるし。しかも君、三田とも仲がいいんだって?君、意外に悪女なの?…それはないか。地味だもんね。」
最近地味とかブサ犬とか。
好きに言われるんですけど。
それにしてもこの人、頭大丈夫かな。
言ってることかなりひどいよね。
私は一つ気になったことがあったので、震える声で彼に尋ねた。
「あの、もし私があなたに夢中にならなかったら?」
彼は嫌な笑を浮かべて私を見た。
「そしたら、君が邪魔をしないように脅してこいって言われてるよ。方法は問わないって。どうしようか。今君の家って家族が留守なんだよね?斎藤は合宿。隣の家の一条は部活。斎藤は後1時間くらいで帰ってくるだろう?帰宅したら君が乱暴されてましたってネタ、充分斎藤への脅しになると思わない?」
気がついたら、回りに人数が増えていた。
下卑た笑いを浮かべた男が3人。
私はダラダラと冷や汗を浮かべた。
これってやばくない?
四楓院先輩のルートでも似たようなのがあったよね。
あの時は対象がお兄ちゃんで、柴崎蓮もさり気なくかばってくれていた。
先輩も蓮琉くん三田くんも助けに来てくれた。
だけど、今は誰もいない。
しかも三田くんは九条沙也加とデート中だ。
今頃二人で何してるかは知らないけど。
あ、すごく、腹たってきた。
私は買い物袋を握りしめると、この場をどう切り抜けようかと頭をフル回転させた。
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