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第二十六話 今夜は帰らないで *
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水曜日。
明日香は大輔に、イタリアンでご馳走してもらうことになった。
前回と同じ半個室で、今回は少し豪勢にコース料理を注文した。
スパークリングワインで乾杯して、食事をしながらワインやサングリアを飲み干す。すっかり顔が赤くなった彼女の胸元には、大輔からプレゼントされたペンダントが光っていた。
「誕生日、知ってるなら知ってるって、言って欲しかったな。すごいヤキモキしちゃった」
そう言いながらも、嬉しそうにペンダントトップの宝石を指で弄る。
「ごめん。こっそり保険証チェックしたとか、ちょっと言い辛かったんだ」
バツが悪そうに応える大輔。
「良く考えてみたら、病院のとき大輔さんに保険証預けてたもんね、私」
「悪いとは思ったんだ。でも恋人の誕生日ぐらい、知る権利あるかなと思って」
「うん、大丈夫。知る権利あるよ」
明日香は再びペンダントを触った。
しずくの形をしたプラチナのモチーフに、青い宝石が爪留めにされている。彼女の誕生石のサファイアだ。
宝石店の店員に勧められ、色が気に入ったので即決したと彼は言った。
「明日香、青系の服よく着るから。好きかなと思って」
渡してくれた時、大輔はそう言いながら照れくさそうに笑った。
「あれ? まだ何か入ってる」
明日香がジュエリーショップの紙袋の底から、小さな包みを見つけた。
取り出してみると、それは小さなチョコレートだった。パッケージには、たこ焼きに扮した猫のキャラクターが印刷されている。
「大阪でクライアントと打ち合わせした時に、受付の人から貰ったんだ。明日香にあげようと思って、食べないで持って帰ってきた」
明日香はチョコレートの包みを見ながら、小さく呟いた。
「大輔さん、私と一緒の時以外も、私のこと、思い出したりするの?」
「勿論。しょっちゅう思い出すよ。美味しいもの食べたときは、『明日香に食べさせたいな』って思うし、綺麗な景色見た時は、『明日香と一緒に見たいな』って思うよ」
「……ありがとう」
明日香は唇を噛んで、ぎこちない笑顔を見せた。
彼が私と離れても平気だって言った時、私のことなんか、居ても居なくても良いのかなって思った。
会っても会わなくても、どっちでも良いのかなって。
でも違ったんだ。
離れているときも、着ていた服の色を思い出してくれて。
私が隣に居たらなって思ってくれて。
離れていても、その場に居なくても、私のこと思ってくれている。
胸が苦しい。
彼の気持ちが伝わってきて、私は子供だったなって思い知らされて、息が苦しい。
「俺はね、明日香と色んなことを共有したいって思ってる。明日香が一生懸命になったり、頑張ったりすることは、俺にとっても大事なことなんだよ。俺の言いたい事、分かる?」
首を縦に振る明日香。
「大輔さん、私、頑張るから。仕事も頑張るし、リーズも諦めない。この間のTOEICは、その……勉強不足でダメだったけど、次は頑張るから。大輔さんのこと、失望させたりしない。大輔さんが自慢できるような、彼女になってみせるよ」
◆◆◆◆
店を出た二人は、あの日と同じように、静かな住宅街の路地を歩いていく。
大輔に誕生日を祝ってもらったことで、明日香はこの上なく高揚していた。
「大輔さん。このあと、どうする?」
酔った勢いを借りて、大輔の腕に絡みつく明日香。
大輔は周りを気にしながら、彼女の腕を離そうとする。
「明日香、こんなところで……ダメだって」
「大輔さんのケチ」
口を尖らす彼女を見て、大輔はその肩を抱いた。
「明日香、こっちおいで」
街灯の下を避けるように、歩道の脇に彼女を寄せる。大輔は彼女の肩に手を添えて、そっと唇にキスをした。
明日香は一瞬驚いたが、そのまま目を瞑って彼の唇を受け入れた。
大輔の腕が下がっていき、彼女の腰を支える。明日香は腕を伸ばし、彼の広い背中に掌をあてた。
リップが落ちるのを気にしているのか、優しく触れるようなキスをする大輔。時折唇を離し、彼女を見つめて穏やかに笑う。
その表情を見て、明日香は息を荒くした。
「大輔さん。ズルいよ、こんなの……私、我慢できなくなっちゃう」
「明日香……ホテル行く? ちょっと飲み過ぎちゃったから、自信ないけど」
大輔の提案に、彼女はこう返事をした。
「……うちに来て」
「え? いいの?」
彼女が自宅に男性を呼びたがらないことは、大輔はその理由共々既に知っている。
彼の厚い胸板に頬をあて、明日香は懇願する。
「大輔さん、今夜は帰らないで。私と一緒にいて。セックスしなくても良いから、私のこと抱き締めて欲しいの。お願い」
「わかったよ、明日香。今夜は二人で抱き合って眠ろう」
大輔は彼女を抱きしめ、再び唇を合わせた。
◆◆◆◆
「あっ、ああっ!!」
明日香の喘ぎ声が、彼女の部屋の中に響く。
「明日香、ここ俺ん家じゃないから。声、気をつけないと」
背面座位の体勢で身体を揺らす大輔。心配していた彼自身は、無事に役目を果たしてくれている。
明日香は後ろから突き上げられながら、自分でクリトリスや乳首を触っている。
「んっ……大輔さん、大輔さんっ……」
「大丈夫、俺はここにいるよ。オナニーしてる明日香のこと、ちゃんと見てる。とっても可愛いよ」
「もう、いやぁ……あっ……イキそう……あっ!!」
彼女がオーガズムに達し、身体を震わせながら口を手で押さえる。
恋人の声を押し殺す姿が、大輔を益々興奮させた。前のめりになりそうな明日香の腰を、ガッチリと掴んで離さない。
「ダメだよ明日香、まだ抜いちゃ」
「あんっ……」
もたれ掛ってきた彼女の唇に、かぶりつく大輔。身体を後ろに倒し、明日香にも仰向けに倒れてくるように誘ってくる。
彼を背にして、重なるように仰向けになる明日香。大輔は彼女の腰に手を添え、すくいあげるように突いてくる。
「あっ……あっ……」
明日香は自分の足を彼の足に絡ませ、抜けないように体を支える。大輔は彼女の首筋を舐めながら、その乳房や陰部を触り出した。
「大輔さん、後ろから触るの……好きだよね……」
息を詰まらせながら明日香が呟く。
「うん。明日香のいろんなところ触るの、好きだから」
「私は、大輔さんの顔が見えないから、あんまり……んっ!!」
大輔がリズムに乗ったように突き上げてくる。
「俺だって、明日香の顔、見たいよ。イクときは絶対、明日香の顔見て、イキたいし」
「私の、顔見てイクの……良いのっ?」
「うん。最高だよ。明日香が喘ぐ顔見ながら、イクの。たまんないよ」
大輔は彼女の片足を抱えながら、身体を横に倒した。
明日香をベッドに寝かせて、側位でゆっくり出し入れする。
「ああ……だめっ、これ……気持ち、いい……」
顎を上げて、気持ちよさそうに深く息を吐く明日香。
「気持ち良い? 俺も凄く、気持ちいいよ」
彼女の腰に腕を回し、太腿に手を添え、彼女の中を味わうように腰を動かす大輔。明日香は普段は出さないような、艶っぽい声で善がった。
「んんっ……あっ、良いっ、すごく、当たってるの……大輔さんのが……グリグリ当たってる……」
「明日香のその言い方、エロ過ぎる」
大輔はキスをしながら男根を引き抜き、正常位に着いて再び杭を打ち込んだ。
「ああっ……大輔さんっ……」
明日香は覆いかぶさってきた彼の背中に腕を回し、腰の後ろで脚をクロスさせた。
「好き、大好き。大輔さん、好きっ……」
身動きが取れなくなった大輔が、クスリと笑う。
「明日香、これじゃ動けないよ」
「私、大輔さんと向かい合うほうが、好きなの」
「わかった、わかった。ちゃんと向き合ってするから」
彼女が足のホールドを解くと、大輔は彼女の太腿を抱えて押し込んできた。キュッと声を出す明日香。
「大丈夫? 明日香、苦しくない?」
「うん、大丈夫……奥まで、入ってる……」
大輔は性器を出し入れさせず、亀頭をこすりつけるように腰を動かしてくる。明日香は彼に直接、体の中を愛されているという幸福感に満たされた。
「あぁ、気持ち良すぎる……大輔さん……体が熱いの……」
「いっぱいこすってあげるよ、明日香。いっぱい感じて」
「うん……んっ、あ……だ、だめっ、大輔……さんっ!!」
彼の腕を掴んだ明日香の手が震え、彼女は気を遣った。
大輔は短く息を吐きながら彼女の脚を放し、身体を密着させた。上気した明日香の顔を撫で、優しくキスをする。
「明日香。もう君のいない人生なんて、考えられないよ。俺、『残りの人生なんて消化試合だ』って思っていたけど、君が現れてから、全てが変わった。君は俺の全てだよ」
深く絡み合うようなくちづけを交わす二人。
明日香はこのとき本当に、彼と分かり合えていると思っていた。
しかし大輔は、彼女が理想としているであろう、【大人の男】を演じていた。そうすることで、彼女との年齢差をメリットに変換しようとしていた。
彼女との時間が増えれば増えるほど、大輔は消耗していった。
そしてその消耗の対価を、無意識に彼女に求めていくのだった。
明日香は大輔に、イタリアンでご馳走してもらうことになった。
前回と同じ半個室で、今回は少し豪勢にコース料理を注文した。
スパークリングワインで乾杯して、食事をしながらワインやサングリアを飲み干す。すっかり顔が赤くなった彼女の胸元には、大輔からプレゼントされたペンダントが光っていた。
「誕生日、知ってるなら知ってるって、言って欲しかったな。すごいヤキモキしちゃった」
そう言いながらも、嬉しそうにペンダントトップの宝石を指で弄る。
「ごめん。こっそり保険証チェックしたとか、ちょっと言い辛かったんだ」
バツが悪そうに応える大輔。
「良く考えてみたら、病院のとき大輔さんに保険証預けてたもんね、私」
「悪いとは思ったんだ。でも恋人の誕生日ぐらい、知る権利あるかなと思って」
「うん、大丈夫。知る権利あるよ」
明日香は再びペンダントを触った。
しずくの形をしたプラチナのモチーフに、青い宝石が爪留めにされている。彼女の誕生石のサファイアだ。
宝石店の店員に勧められ、色が気に入ったので即決したと彼は言った。
「明日香、青系の服よく着るから。好きかなと思って」
渡してくれた時、大輔はそう言いながら照れくさそうに笑った。
「あれ? まだ何か入ってる」
明日香がジュエリーショップの紙袋の底から、小さな包みを見つけた。
取り出してみると、それは小さなチョコレートだった。パッケージには、たこ焼きに扮した猫のキャラクターが印刷されている。
「大阪でクライアントと打ち合わせした時に、受付の人から貰ったんだ。明日香にあげようと思って、食べないで持って帰ってきた」
明日香はチョコレートの包みを見ながら、小さく呟いた。
「大輔さん、私と一緒の時以外も、私のこと、思い出したりするの?」
「勿論。しょっちゅう思い出すよ。美味しいもの食べたときは、『明日香に食べさせたいな』って思うし、綺麗な景色見た時は、『明日香と一緒に見たいな』って思うよ」
「……ありがとう」
明日香は唇を噛んで、ぎこちない笑顔を見せた。
彼が私と離れても平気だって言った時、私のことなんか、居ても居なくても良いのかなって思った。
会っても会わなくても、どっちでも良いのかなって。
でも違ったんだ。
離れているときも、着ていた服の色を思い出してくれて。
私が隣に居たらなって思ってくれて。
離れていても、その場に居なくても、私のこと思ってくれている。
胸が苦しい。
彼の気持ちが伝わってきて、私は子供だったなって思い知らされて、息が苦しい。
「俺はね、明日香と色んなことを共有したいって思ってる。明日香が一生懸命になったり、頑張ったりすることは、俺にとっても大事なことなんだよ。俺の言いたい事、分かる?」
首を縦に振る明日香。
「大輔さん、私、頑張るから。仕事も頑張るし、リーズも諦めない。この間のTOEICは、その……勉強不足でダメだったけど、次は頑張るから。大輔さんのこと、失望させたりしない。大輔さんが自慢できるような、彼女になってみせるよ」
◆◆◆◆
店を出た二人は、あの日と同じように、静かな住宅街の路地を歩いていく。
大輔に誕生日を祝ってもらったことで、明日香はこの上なく高揚していた。
「大輔さん。このあと、どうする?」
酔った勢いを借りて、大輔の腕に絡みつく明日香。
大輔は周りを気にしながら、彼女の腕を離そうとする。
「明日香、こんなところで……ダメだって」
「大輔さんのケチ」
口を尖らす彼女を見て、大輔はその肩を抱いた。
「明日香、こっちおいで」
街灯の下を避けるように、歩道の脇に彼女を寄せる。大輔は彼女の肩に手を添えて、そっと唇にキスをした。
明日香は一瞬驚いたが、そのまま目を瞑って彼の唇を受け入れた。
大輔の腕が下がっていき、彼女の腰を支える。明日香は腕を伸ばし、彼の広い背中に掌をあてた。
リップが落ちるのを気にしているのか、優しく触れるようなキスをする大輔。時折唇を離し、彼女を見つめて穏やかに笑う。
その表情を見て、明日香は息を荒くした。
「大輔さん。ズルいよ、こんなの……私、我慢できなくなっちゃう」
「明日香……ホテル行く? ちょっと飲み過ぎちゃったから、自信ないけど」
大輔の提案に、彼女はこう返事をした。
「……うちに来て」
「え? いいの?」
彼女が自宅に男性を呼びたがらないことは、大輔はその理由共々既に知っている。
彼の厚い胸板に頬をあて、明日香は懇願する。
「大輔さん、今夜は帰らないで。私と一緒にいて。セックスしなくても良いから、私のこと抱き締めて欲しいの。お願い」
「わかったよ、明日香。今夜は二人で抱き合って眠ろう」
大輔は彼女を抱きしめ、再び唇を合わせた。
◆◆◆◆
「あっ、ああっ!!」
明日香の喘ぎ声が、彼女の部屋の中に響く。
「明日香、ここ俺ん家じゃないから。声、気をつけないと」
背面座位の体勢で身体を揺らす大輔。心配していた彼自身は、無事に役目を果たしてくれている。
明日香は後ろから突き上げられながら、自分でクリトリスや乳首を触っている。
「んっ……大輔さん、大輔さんっ……」
「大丈夫、俺はここにいるよ。オナニーしてる明日香のこと、ちゃんと見てる。とっても可愛いよ」
「もう、いやぁ……あっ……イキそう……あっ!!」
彼女がオーガズムに達し、身体を震わせながら口を手で押さえる。
恋人の声を押し殺す姿が、大輔を益々興奮させた。前のめりになりそうな明日香の腰を、ガッチリと掴んで離さない。
「ダメだよ明日香、まだ抜いちゃ」
「あんっ……」
もたれ掛ってきた彼女の唇に、かぶりつく大輔。身体を後ろに倒し、明日香にも仰向けに倒れてくるように誘ってくる。
彼を背にして、重なるように仰向けになる明日香。大輔は彼女の腰に手を添え、すくいあげるように突いてくる。
「あっ……あっ……」
明日香は自分の足を彼の足に絡ませ、抜けないように体を支える。大輔は彼女の首筋を舐めながら、その乳房や陰部を触り出した。
「大輔さん、後ろから触るの……好きだよね……」
息を詰まらせながら明日香が呟く。
「うん。明日香のいろんなところ触るの、好きだから」
「私は、大輔さんの顔が見えないから、あんまり……んっ!!」
大輔がリズムに乗ったように突き上げてくる。
「俺だって、明日香の顔、見たいよ。イクときは絶対、明日香の顔見て、イキたいし」
「私の、顔見てイクの……良いのっ?」
「うん。最高だよ。明日香が喘ぐ顔見ながら、イクの。たまんないよ」
大輔は彼女の片足を抱えながら、身体を横に倒した。
明日香をベッドに寝かせて、側位でゆっくり出し入れする。
「ああ……だめっ、これ……気持ち、いい……」
顎を上げて、気持ちよさそうに深く息を吐く明日香。
「気持ち良い? 俺も凄く、気持ちいいよ」
彼女の腰に腕を回し、太腿に手を添え、彼女の中を味わうように腰を動かす大輔。明日香は普段は出さないような、艶っぽい声で善がった。
「んんっ……あっ、良いっ、すごく、当たってるの……大輔さんのが……グリグリ当たってる……」
「明日香のその言い方、エロ過ぎる」
大輔はキスをしながら男根を引き抜き、正常位に着いて再び杭を打ち込んだ。
「ああっ……大輔さんっ……」
明日香は覆いかぶさってきた彼の背中に腕を回し、腰の後ろで脚をクロスさせた。
「好き、大好き。大輔さん、好きっ……」
身動きが取れなくなった大輔が、クスリと笑う。
「明日香、これじゃ動けないよ」
「私、大輔さんと向かい合うほうが、好きなの」
「わかった、わかった。ちゃんと向き合ってするから」
彼女が足のホールドを解くと、大輔は彼女の太腿を抱えて押し込んできた。キュッと声を出す明日香。
「大丈夫? 明日香、苦しくない?」
「うん、大丈夫……奥まで、入ってる……」
大輔は性器を出し入れさせず、亀頭をこすりつけるように腰を動かしてくる。明日香は彼に直接、体の中を愛されているという幸福感に満たされた。
「あぁ、気持ち良すぎる……大輔さん……体が熱いの……」
「いっぱいこすってあげるよ、明日香。いっぱい感じて」
「うん……んっ、あ……だ、だめっ、大輔……さんっ!!」
彼の腕を掴んだ明日香の手が震え、彼女は気を遣った。
大輔は短く息を吐きながら彼女の脚を放し、身体を密着させた。上気した明日香の顔を撫で、優しくキスをする。
「明日香。もう君のいない人生なんて、考えられないよ。俺、『残りの人生なんて消化試合だ』って思っていたけど、君が現れてから、全てが変わった。君は俺の全てだよ」
深く絡み合うようなくちづけを交わす二人。
明日香はこのとき本当に、彼と分かり合えていると思っていた。
しかし大輔は、彼女が理想としているであろう、【大人の男】を演じていた。そうすることで、彼女との年齢差をメリットに変換しようとしていた。
彼女との時間が増えれば増えるほど、大輔は消耗していった。
そしてその消耗の対価を、無意識に彼女に求めていくのだった。
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