異世界転生はうっかり神様のせい⁈

第99話 言葉

ハルバに抱っこされて屋敷を進む。
ふと窓に目を向ければ中庭方面から火柱が立っていた。
何となく離れたく
「サロンに」
「はい」

屋敷のサロンは休憩室みたいな所だ。
実験に行き詰まったフリ兄様。
課題で燃え尽きたアティ姉様。
母様から隠れる父様。
などなど自由なお部屋だ。

サロンに着いてソファーに座る。
人払いをしてもらう。
座ってただボーッとする。
ミミ達やスライム達が揺するがただ座っていた。
「エアリア」
ふと顔を上げると
「ばあば」
ばあばが居た。
ばあばは私の手を取って
「エアリア話が通じない事などよくあります、何が不安なの？」
不安？
「わたし、」
「うん」
「魔法も使える様になって、ソルリア達がいてそれが当たり前になって」
「うん」
「あの剣にソルリア達が捕らわれて、近寄ってくるし」
「うん」
「頑張ってお話したけど相手は目の前にいるのになんだか空にでも話している感じで目の前からは何も感じなくて怖かった」
ポロポロ
涙が出る。
「よく話してくれました、エアリア頑張りましたね」
ばあばが髪を撫でてくれる。
「ほら周りを見なさい今怖いものはいますか？」
周りには召喚獣の皆。
「いない…」
ソルリアを撫でる
「あの剣はどうしたい？」
「神様に返したい」
「神様に？」
「エア、魔力を貰った時神様から贈り物貰ったでしゅ、剣もきっと神様からでしゅ」
「そうだったの…」
「でも、あの剣はもっていたくないでしゅ」
「わかりました、さぁエアリア、休みましょう、ね？」
ばあばが子守唄を歌ってくれる。
安心する。

「寝たか」
「貴方」
「エアリアはよく立ち向かったよ」
「ええ、よく頑張ったわ」
「まったく、迷惑なもの送りやがってエアリアが何でも手を差し伸べるとでも思ったのかあのレイア神は」
イベルはため息をつく。
「本当ですわあの子は善悪がよく分かっています愛し子とは言え神のものでは無いのですから」
「とりあえずエアリアは落ち着いた、早く神殿に行くべきだな」
「ええ、ハルバもありがとう、エアリアを守ってくれて」
「いえ、当然の事です」

「で、ライオット達はまだ暴れているのか」
「その様ですね、流石全能剣、壊れる心配は無いから魔法撃ち放題なのでしょう」
「しかし、エアリアは寝顔も天使だな」
「ええ、可愛らしい事」

祖父母がエアリアで癒されている頃
中庭は

「はははは、もう終わりかい？つまらないなぁ」
「神の剣など使い手が居なければその程度ですか」
「ん？エアリアの魔力が落ち着いたね、アティラナ、神殿に行くエアリアの服を選んでおいてくれ」
「わかりました」
「わ、我は…」
「エアリアを泣かせた分際で話すな」

地獄になっていました。