母の全てを送るまで

くろすけ

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東京の実家。居場所は誰も何処にもない

父との会話と東京での出会い

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私は外で暴れて警察や親に迷惑をかけた事は何度もあるが、母の特性や弟の特性は知っていたので家で暴れる事はそれまでに一度もなかった。
と言うか、家に対して私が出来る事は、それくらいしか出来ないと思っていた節もある。

家に全然居なかった父と東京で同居を始めて、お互いにタバコを吸うので色々話す機会が増えた。
私は目の前で何度も父と母が喧嘩していたのは見ていたし、父がそもそも家に居ない。
だから家の事は母に丸投げ。
でも後々になってから「だから俺はあの時こう言ったんだ」とちょっと父もアレな人なのを知っていたので父と距離を取っていた。

だが直接話す機会が増えるに連れて、当時の父の言い分もわかる部分があり、母からの一方的な見方で物事を見るのは良くないなと思ったのもこの頃である。

父と話すうちに父は色々話をしてくれ、私の事に対しても否定的な事は言わなかった。

ただ、名前をどうして今の名前にしたんだ?!
俺だったら明治維新の龍馬って名前にした!!
と言われた時に、母の気持ちも少しだけだがわかった気がした。
だって当時父は娘が息子になったショックで目も合わさない、寧ろこっそり泣いてる、話もしない日々だったのだ。

今の名前を今後も使う為に今はわからないが当時は実績が必要で、刃物をダイレクトにぶつけてきた母の方が話は断然早く、俺が最初から男の子だったらこうつけたかった響きを漢字は違うが今も使っている。

いや、別にいいのよ。ショックを与えてしまったその当時の俺と目も合わせたくないし話したくもない気持ちもわかる。
でもそもそもの私の◯子ちゃんは父がつけたらしく、その由来を聞いたら当時流行っていた漫画の主人公だったと。
しかも父が男名をつけるとしたら歴史の偉人の龍馬と。

全く個人の事を考えておらず正直安直過ぎて、口があんぐりとは正にこの事だと思った。

そんな父に今も使ってる名前の事をぐちゃぐちゃと言われたくなかったので、自分の意思だけで決めた名前ではないこと。母と相談して決めた名前だと言う事を伝えてから、父は何も言う事はなかった。
父はなんだかんだ母にベタ惚れで頭が上がらなかったのだろう。

父の会社での立ち位置も考え、母のストレスも上手く発散出来るように、かつ弟も思春期だから変に刺激しないようにと、なんだか仕事以上に家で頭をフル回転して疲れる日々だった。

話は変わるが、東京に出てきてから私のような者が集まるオフ会もあり、そこで様々な方と出会ったり、紹介で友達の友達が増えたり。
別の意味でいい刺激を沢山貰った。
私がまだ高校生の時に魔法のアイランドと言うサイトがあったのだが、そこでランキングというものがあり参加させて貰っていたら何となく常に上位にいて、私からするとはじめましてなのに、相手は私の事を知っていると言う不思議な現象もあった。

今後迎える色々な辛い場面を、東京に出てきてからこそ知り合えて支えてくれる大事な大事な友人でもある。
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