母の全てを送るまで

くろすけ

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母との和解

家庭や友人関係の変化

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100円ショップのアルバイトは週に何回かは休みがあり、月に一度は夜行バスで当時付き合っていたアレな彼女の元に会いに行き、泊まらずそのまま大阪に着いた夜には夜行バスで地元に戻り、そのまま仕事に行くと言う0泊2日と言う強行スケジュールを行っていた。

母からは「あんた本当物好きね」
と言われていたが決して止められる事もなく。
私も当時の自分に聞きたいが、どうしてその彼女に今後けったんくっそんに裏切られるのに、あそこまで頑張ったのかは謎である。
多分当時の自分は独りぼっちだと思っていて、自分を頼りにしてくれる存在を大事にしたかったのだろう。

実家付近で当時信頼出来る友人には自分の事をカミングアウトをしていたので、たまの休みにゲームセンターで当時流行ったお茶パンダをゲットしたり、中学の頃にお世話になった先生に会いに行ったり、さむりんの墓前にお線香をあげさせに伺ったりと、アルバイトをしながらも少しずつ地元の交友関係を広げて行った。

それにつれてやはり私の事が人の目に触れて明るみになり、当時財前直見が主演をした「お水の花道」と言うドラマがあったのだが、「オナベの花道」とばりに噂が立ってしまった。

そのドラマの内容は観てないからわからないが、色々と直接には言えなくてもそれまで私の事をよく思っていなかった人達が面白半分にそんな話をしたんだろう。

私は私なりに精一杯家族を守る為に小学中学高校と色々やってきたが、それを良く思わない人がいるのは当たり前だし当然の仕打ちだと思う。

出所のよくわからない迷惑メールが多数届いたり、友達だと思っていた人からもここには書けないが色々言われたりした。
田舎なので噂の回りも早いし尾鰭や色々なオマケもつく。

しょんぼりしながら職場に行くと、たまたま中学時代の同級生が居て、昔から変わり果てた姿なのに変わりなく話してくれて凄く嬉しかった。
「どうして話してくれたの?」と聞くと
「私は◯ちゃんに助けて貰ったから」と言いそれ以上何も言わなかった。

?な話だし、未だに?な部分だが、その子に対して何かいい事が出来ていたなら良かったし、寧ろその子に凄く自分が救われたなと思った。

その他の大体の友人知人は傍観者で、直接確信を聞いてくる事もなければ傷つけてくる事もなかった。
そもそも友人には、常日頃から私が普通の女子ではなく、カッコいい何かになりたいと伝えていたので、敢えて何も聞いてこなかったのかもしれない。

一番心配していた家族の方に対する誹謗中傷もそこまでなく、注射を中断していたのもあるのか、近所の人に会っても「あら◯ちゃん、よりボーイッシュになったわね」くらいで済んだ。

アルバイトが1日13時間だったので家に居る時間も少なく、祖父母とは朝の挨拶のみ、弟とは会う時間なし、父は夜遅く寝る前になってから帰って来るので母との時間が増えて行った。

「大丈夫?迷惑かけてない?」
と母に問うと
「ここにずっと住むつもりはないから、変な心配はしなくていい。あんたは今出来る事をしなさい」
と言ってくれ、本当に少しずつ、少しずつだが自分らしく生きれる事に喜びを見出していた。
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