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1章
再会 ‐2‐
しおりを挟む「新入生の皆さん。ご入学おめでとうございます。」
入学式。生徒会役員は教師側の席に近く、新入生を見渡せる特等席だった。
推薦で入った生徒会に心から感謝した。これなら探し放題である。
意気込み血眼になって気配をさぐりながら隅から隅まで見渡すがニカの気配は無かった。
(ここの学校の新入生では無かったか…)
俺は落胆しただただ生徒会長の挨拶を聞いていた。
いや、ここで諦めてはだめだ。
魂の気配がこの町にあるのは確かなのだ。
学校の合同行事や文化祭、大会色々あるじゃないか。
生徒会の権力を利用すればいくらでもチャンスはある。
気合いを引き締め新しい学校生活に向け気持ちを切り替え両方の頬を叩いた。
ーーーーーーーーー
入学式が終わり場所は変わって2学年の教室。
1学年で一緒だった顔もいれば見慣れない顔もいる。
見事に新しい空気が出来上がっていた。
「お!また同じクラスだな」
「ああ、またよろしくな相澤。」
こいつは一学年で同じクラスだった相澤 涼。
高校からの付き合いである。
相澤はバスケ部の特待生で勉強も出来る凄いやつだ。面倒見がよく、皆の兄貴的な存在。俺も何度も助けられている。
相澤とまた同じクラスになれるとは、いい学校生活になりそうだ。
《キーンコーンカーンコーン》
予鈴が鳴り、相澤が軽く挨拶をし席に戻った。全員席に戻り各々近くのやつと盛り上がっている。
その時だった。
いきなり妙な胸騒ぎがした。
廊下から懐かしく、気持ちのいいものでは無い魂の気配が頭にガツンと殴りかかるように其れは急に現れた。
なんで今の今まで感じ取れなかったのだろう。このような強い気、忘れる事は無い。
出来ればもう会いたくはなかった魂の気配。
(この気配はーーアイツしかいないーーッ)
ーーガラッ。
「静かに。今日からこのクラスの担任を任された白井だ。よろしくな。それと、このクラスに転校生だ。入って来ていいぞ。」
担任に促され入ってきたのは
制服を着崩し、ワイシャツではなくフード付きのパーカーを着た気だるげな女の子だった。
「薊 利緒です。よろしく。」
(は!?)
もう二度と会いたくはなかった魂の気配、〝魔王〟の生まれ変わりと思われる転校生は、可愛い女の子だった。
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