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Episode 1 Attack 〜はじまりの夜
はじまりのライブ1
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小さなライブハウス『ハーモニー』に、想像つかないほどの歓声が広がる。
あまりの熱狂に、響は思わず顔を顰めた。
今、ここライブハウス『ハーモニー』では、冬の特別ライブが行われている。いつもは少ないはずの観客も、今日は動き回れないほどの人数が集まった。
「ひぇーっ!まさかこんなにいるとは」
「やる気上がるじゃん!」
と、出演者も張り切っている。
「響ちゃんも頑張ってね。回数重ねるたびに、反響大きいから」
「は、はい…」
金井の言葉に響は緊張を強くする。たまにステージに立たせてもらっているとはいえ、これだけの人数の前で演奏したことはないのだ。ギターを持つ手が、かすかに震えるのを感じる。
「さあ、次はここ『ハーモニー』の歌姫、響ちゃんの登場です!前回のライブから待ち侘びていたみなさん、お待たせしました!」
アナウンスを担当する、立原紗良が言う。彼女は響と同じアルバイトで、高校3年生だ。
響は緊張して高鳴る心臓を抑えながら、ステージへ向かって歩き出す。観客の視線が、響に向けられた。
「…こ、こんばんは。今日は[patium]の「真冬のロンド」を歌います」
ギターを弾く。
すると、今までの緊張が一気にほぐれていった。
はらはらと雪が舞う 真夜中の街で
僕はただ1人 道をさまよう
ふと周りを見るだけで 不安が増していく
僕はどうして 弱々しいんだろう
雪の結晶が言う 「あなたは1人じゃない」と
真っ白な世界で 僕は問う
人は皆 同じなのかと
弱き者でも 強き者でも
結局 関係ないのかと
あまりの熱狂に、響は思わず顔を顰めた。
今、ここライブハウス『ハーモニー』では、冬の特別ライブが行われている。いつもは少ないはずの観客も、今日は動き回れないほどの人数が集まった。
「ひぇーっ!まさかこんなにいるとは」
「やる気上がるじゃん!」
と、出演者も張り切っている。
「響ちゃんも頑張ってね。回数重ねるたびに、反響大きいから」
「は、はい…」
金井の言葉に響は緊張を強くする。たまにステージに立たせてもらっているとはいえ、これだけの人数の前で演奏したことはないのだ。ギターを持つ手が、かすかに震えるのを感じる。
「さあ、次はここ『ハーモニー』の歌姫、響ちゃんの登場です!前回のライブから待ち侘びていたみなさん、お待たせしました!」
アナウンスを担当する、立原紗良が言う。彼女は響と同じアルバイトで、高校3年生だ。
響は緊張して高鳴る心臓を抑えながら、ステージへ向かって歩き出す。観客の視線が、響に向けられた。
「…こ、こんばんは。今日は[patium]の「真冬のロンド」を歌います」
ギターを弾く。
すると、今までの緊張が一気にほぐれていった。
はらはらと雪が舞う 真夜中の街で
僕はただ1人 道をさまよう
ふと周りを見るだけで 不安が増していく
僕はどうして 弱々しいんだろう
雪の結晶が言う 「あなたは1人じゃない」と
真っ白な世界で 僕は問う
人は皆 同じなのかと
弱き者でも 強き者でも
結局 関係ないのかと
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