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第4章 魔導都市の陰謀
16-4 光が重なる時
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石像の眼前に溢れ出る炎。
それは岩をも溶かし、遮るものを容赦なく溶かしていた。
おそらく、触れただけで即死・・・。
(こんな時、アリシアがいたら)
潜入早々トラップにはまってどこかへ消えてしまったアリシア。
『あの子ならほっといても大丈夫』
アメリアに言われた言葉が頭に浮かぶも、今では不安でしかない。既に脱出したのか、どこかを彷徨っているのか。どっちにしろ、今この場にいない以上私たちの運命は絶望的。
私たちとは対照的に、血気盛んな連中が目の前に大勢。
「大地の怒りは我らの怠惰が招いた結果だ!魔王よ!大地の精霊よ!その怒りを沈めたまえ!!」
(神に祈ってるんだか、悪魔崇拝なんだか・・・迷走してるわよね。やっぱ)
こんな時でも思わず心の中で突っ込んでしまう。
見上げていた火柱はその勢いを少しづつ弱めていき、再び大地の中に消えていくも、地面にできた穴の中は赤く煌々と光っている。
教団のどよめきが蔓延する中、冷静さにかけたティグレは完全に暴走しているようだった。
教祖独特の、もはや自己満でしかないような演説を織り交ぜながら、どよめく教団へ語りかけている。光の一部が、穴へ差し掛かった。もはや、時間は少ない。
「お、お願い!私たちを助けて!ここでのことは誰にも言わないわ!だから・・・」
「ならんっ!!」
私の言葉はティグレの一声にかき消された。
「キサマらは生贄だ。今、時が満ちる。我らが切望を叶えるとき。我らが教団に未来永劫語られるだろう」
満足そうな気味の悪い笑みを浮かべているティグレ。その言葉を聞き、その表情を見て私は僅かな希望すら叶わないことを悟った。
(狂ってる・・・)
この世界、この国の人間、信仰そのものが歪んでいる。
神と、精霊と、人間が存在する世界では容易く人間の心なんて移ろいでしまうものなのかも知れない。
光の半分が穴へ重なり、隣のそららに、麻袋がかけられ、私の口を縛り塞がれたその時だった。
「焦炎球!」
聴き慣れた声が響いた。
赤く輝く光球がいくつかティグレをめがけて放たれる。
「ちぃ・・!地障壁!!」
巨大な岩壁が地面からいくつもの層を重ねてティグレの前に現れる。
光球は次々と岩壁へぶつかると岩を破壊、と言うよりも溶かしながらティグレに迫る。
最後の一枚を溶かすと、壁の向こうから苦虫を噛み潰したような顔をしたティグレの視線が一点を向いていた。
さっき地上まで吹き出した火柱の穴。そこから姿を現したのは赤い翼が背中から生えたアリシアの姿だった。
「お姉ちゃん!!」
「貴様っ!!地下迷宮に落ちたはずではないのか!?」
「うるさい!アリスの家族に・・・友達にひどいことしたお前、許さない!!」
すでに言葉を発することができない私は2人のやり取りを見ることしかできなかった。
でも、アリシアが無事でよかった。どうして空から来て、羽が生えているのかは知らないけど。
「巌撃波!!」
「地翔針!!」
ティグレの合図と同時に教団に属する魔道士から一斉砲撃が始まる。
対空では魔力を糧に生み出された岩が数え切れないくらいの数でアリシアへ迫る。
地上からは針のように鋭い岩が逃げ場がないほどにアリシアへ向かい伸び進む。
「我が信仰の敵!!死ねっ、死ねぇぇぇぇえ!!」
ティグレの【勝ち】を確信した叫びが響く。
あれだけの魔法攻撃、一つ一つは大したことがなくとも、すべてを防ぐだけの魔法障壁を作ることは並みの魔道士では不可能だ。
「・・・塵となれ」
アリシアが言葉を発したとき、一瞬すべての動きが止まったかのように見えた。
次の瞬間。
アリシアへ迫る無数の岩石はすべての動きが止まり、砂塵へとかえった。
「な・・に?」
風に吹かれ塵となったあとにはなんの影も残ってはいなかった。ティグレ自身、目の前で起きたことに理解できていないようだった。
「なんだ!?なにが起きてるんだ?今のは一体何だ!?」
自分に理解できない現象に憤りを隠せないようだ。私にも、さっぱりわからない。
目の前で起きた現象は見たこともない。それに、
(今のって・・・、魔法なの?)
「無駄だよ、アリスには勝てない。」
翼をはためかせてゆっくりと地上に降りてくるアリシア。その姿は私たちの目の前へ天使のように降り立った。
その両足が地上へ着くと、今度は剣士が数人アリシアへの距離を縮めながら迫ってくる。
「魔法では勝てなくとも、剣で勝負すればお前には勝ち目があるまい!!」
「獄炎障滅陣」
巨大な燃え盛る炎の壁が私たちと剣士たちを隔てた。
物理障壁。魔法攻撃以外のものが相手の時に効果を発する魔法だ。相手は剣士の物理攻撃。アリシアへその剣が届くことはなかった。
「くそっ!!くそっ!!!なんだ!?貴様は何者だ!なぜ我らの邪魔をする!!」
「邪魔?何者?そんなの決まってる。アリスはアリス。お前がねぇねを誘拐した。お前が喧嘩売ったからいけない。アリスは、みんなを守りたいだけ」
「貴様さえいなければ・・・貴様さえ・・我が野望、こんなところで潰えてたまるか!!」
がむしゃらにティグレが燃え盛る炎へ突っ込んでくる・・・。
「爆裂球!」
アリシアは目くらましの魔法を放つ。
私もモロにその光を見てしまい、視界がぼやけてしまう。
「おねぇちゃん!!逃げるよ!!」
近くでアリシアの声がする。なにか物音がすると、手足を拘束していた枷が外れて自由に動けるようになった。そばで続けて同じように物音がする。うっすらと視界が戻ってきた。
「ねぇね!!・・ねぇねってば!!」
アリスが数回そららを揺さぶるも目が覚める様子はない。
大きく揺さぶっても、まるで変わらない。
「この乳デカボクロ!!」
「だぁれが乳デカボクロよ!!誰が!!」
急に目覚めたそららに頭をひっぱたかれるアリシア。
乳デカ・・ほくろ??
「痛い・・・。」
「あんたっ!!おでこのホクロは気にしてんだから絶対に言うなって約束したじゃん!!ってかだれがデカ
チチ女なのよ!!うちは標準だもん!これは魅力の1つだもん!!」
(おでこに、ホクロなんてあったんだ。)
いつも前髪上げてないから気にしたことなかった。いつもお風呂はあの二人で入るしな・・。
デカチチ・・。思わず視線がそららの大きな胸にいってしまう。
あれが標準だと言われたら、世の女はほとんど貧乳だぞ・・・。
「起きて、よかった・・・」
「あ?アリシア?・・あれ?どうして?」
そららが意識を取り戻すとほぼ同時に、アリシアの炎の壁は打ち破られ、穴へ儀式の光が完全に重なった。
再び、大地が大きく揺れる・・・。
その揺れにアメリアが目を覚ましたようだ。
「貴様ら、にがさんぞっ!!」
ティグレたちが私たちをめがけて迫ってくる。今、逃げ切らないと後がない。
次こそ、死ぬ。
「うちの魔剣のサビにしてくれるわ!!」
そららは腰に手をやり魔剣を探す。
ある訳無いじゃん。あんた今回最初から丸腰じゃん。どうしよう、わざとかな?
「あー・・あー・・」
正直、言葉が見つからない。【あ】しか出てこない。わざとなのか、本気で忘れているのか・・・。
「ない!うちの剣がない!!」
「あの、あそこ」
私は祭壇を指差す。彼女、本気で忘れてるのかしら?
「あぁ!!そうだ、取られたんだ!!さっきのは夢だ!!」
・・この子、こんな時にどんな夢見てたのかしら?
むしろ、あんな痛そうな目に遭って気絶したのに夢見てるなんて、どんだけ神経太いのよ。
「そ、そらっ!!とりあえずこれで!!」
私はそばにあった誰かの剣をそららに投げる。
「うわっ!!あぶな・・いィィ!!」
地面に転がる剣を拾うと、会話も途中に教団たちとの戦闘が始まった。アリシアも、魔法で撃破している。
しかし、数が多いのと、手負いの人間がいるこちらは明らかに分が悪い。
とにかく、逃げないと・・・。私は意識を取り戻したアメリアの元へ駆け寄る。
「アメリア!!大丈夫!?」
「あまり平気じゃないけど・・・なに?これ。どうしたの?」
「話はあとにして、今は逃げないと!!トキのことお願い!!」
アメリアはまだふらつく体で起き上がると、意識の戻らないトキに肩をまわしゆっくりと立ち上がる。
私も、そららの向こう側で拘束されていた女の子に肩を貸し歩き始める。この子も、先ほどのショックでまだ意識が戻っていない。
迫る敵をかわしながら、ゆっくりと撤退が始まった。
それは岩をも溶かし、遮るものを容赦なく溶かしていた。
おそらく、触れただけで即死・・・。
(こんな時、アリシアがいたら)
潜入早々トラップにはまってどこかへ消えてしまったアリシア。
『あの子ならほっといても大丈夫』
アメリアに言われた言葉が頭に浮かぶも、今では不安でしかない。既に脱出したのか、どこかを彷徨っているのか。どっちにしろ、今この場にいない以上私たちの運命は絶望的。
私たちとは対照的に、血気盛んな連中が目の前に大勢。
「大地の怒りは我らの怠惰が招いた結果だ!魔王よ!大地の精霊よ!その怒りを沈めたまえ!!」
(神に祈ってるんだか、悪魔崇拝なんだか・・・迷走してるわよね。やっぱ)
こんな時でも思わず心の中で突っ込んでしまう。
見上げていた火柱はその勢いを少しづつ弱めていき、再び大地の中に消えていくも、地面にできた穴の中は赤く煌々と光っている。
教団のどよめきが蔓延する中、冷静さにかけたティグレは完全に暴走しているようだった。
教祖独特の、もはや自己満でしかないような演説を織り交ぜながら、どよめく教団へ語りかけている。光の一部が、穴へ差し掛かった。もはや、時間は少ない。
「お、お願い!私たちを助けて!ここでのことは誰にも言わないわ!だから・・・」
「ならんっ!!」
私の言葉はティグレの一声にかき消された。
「キサマらは生贄だ。今、時が満ちる。我らが切望を叶えるとき。我らが教団に未来永劫語られるだろう」
満足そうな気味の悪い笑みを浮かべているティグレ。その言葉を聞き、その表情を見て私は僅かな希望すら叶わないことを悟った。
(狂ってる・・・)
この世界、この国の人間、信仰そのものが歪んでいる。
神と、精霊と、人間が存在する世界では容易く人間の心なんて移ろいでしまうものなのかも知れない。
光の半分が穴へ重なり、隣のそららに、麻袋がかけられ、私の口を縛り塞がれたその時だった。
「焦炎球!」
聴き慣れた声が響いた。
赤く輝く光球がいくつかティグレをめがけて放たれる。
「ちぃ・・!地障壁!!」
巨大な岩壁が地面からいくつもの層を重ねてティグレの前に現れる。
光球は次々と岩壁へぶつかると岩を破壊、と言うよりも溶かしながらティグレに迫る。
最後の一枚を溶かすと、壁の向こうから苦虫を噛み潰したような顔をしたティグレの視線が一点を向いていた。
さっき地上まで吹き出した火柱の穴。そこから姿を現したのは赤い翼が背中から生えたアリシアの姿だった。
「お姉ちゃん!!」
「貴様っ!!地下迷宮に落ちたはずではないのか!?」
「うるさい!アリスの家族に・・・友達にひどいことしたお前、許さない!!」
すでに言葉を発することができない私は2人のやり取りを見ることしかできなかった。
でも、アリシアが無事でよかった。どうして空から来て、羽が生えているのかは知らないけど。
「巌撃波!!」
「地翔針!!」
ティグレの合図と同時に教団に属する魔道士から一斉砲撃が始まる。
対空では魔力を糧に生み出された岩が数え切れないくらいの数でアリシアへ迫る。
地上からは針のように鋭い岩が逃げ場がないほどにアリシアへ向かい伸び進む。
「我が信仰の敵!!死ねっ、死ねぇぇぇぇえ!!」
ティグレの【勝ち】を確信した叫びが響く。
あれだけの魔法攻撃、一つ一つは大したことがなくとも、すべてを防ぐだけの魔法障壁を作ることは並みの魔道士では不可能だ。
「・・・塵となれ」
アリシアが言葉を発したとき、一瞬すべての動きが止まったかのように見えた。
次の瞬間。
アリシアへ迫る無数の岩石はすべての動きが止まり、砂塵へとかえった。
「な・・に?」
風に吹かれ塵となったあとにはなんの影も残ってはいなかった。ティグレ自身、目の前で起きたことに理解できていないようだった。
「なんだ!?なにが起きてるんだ?今のは一体何だ!?」
自分に理解できない現象に憤りを隠せないようだ。私にも、さっぱりわからない。
目の前で起きた現象は見たこともない。それに、
(今のって・・・、魔法なの?)
「無駄だよ、アリスには勝てない。」
翼をはためかせてゆっくりと地上に降りてくるアリシア。その姿は私たちの目の前へ天使のように降り立った。
その両足が地上へ着くと、今度は剣士が数人アリシアへの距離を縮めながら迫ってくる。
「魔法では勝てなくとも、剣で勝負すればお前には勝ち目があるまい!!」
「獄炎障滅陣」
巨大な燃え盛る炎の壁が私たちと剣士たちを隔てた。
物理障壁。魔法攻撃以外のものが相手の時に効果を発する魔法だ。相手は剣士の物理攻撃。アリシアへその剣が届くことはなかった。
「くそっ!!くそっ!!!なんだ!?貴様は何者だ!なぜ我らの邪魔をする!!」
「邪魔?何者?そんなの決まってる。アリスはアリス。お前がねぇねを誘拐した。お前が喧嘩売ったからいけない。アリスは、みんなを守りたいだけ」
「貴様さえいなければ・・・貴様さえ・・我が野望、こんなところで潰えてたまるか!!」
がむしゃらにティグレが燃え盛る炎へ突っ込んでくる・・・。
「爆裂球!」
アリシアは目くらましの魔法を放つ。
私もモロにその光を見てしまい、視界がぼやけてしまう。
「おねぇちゃん!!逃げるよ!!」
近くでアリシアの声がする。なにか物音がすると、手足を拘束していた枷が外れて自由に動けるようになった。そばで続けて同じように物音がする。うっすらと視界が戻ってきた。
「ねぇね!!・・ねぇねってば!!」
アリスが数回そららを揺さぶるも目が覚める様子はない。
大きく揺さぶっても、まるで変わらない。
「この乳デカボクロ!!」
「だぁれが乳デカボクロよ!!誰が!!」
急に目覚めたそららに頭をひっぱたかれるアリシア。
乳デカ・・ほくろ??
「痛い・・・。」
「あんたっ!!おでこのホクロは気にしてんだから絶対に言うなって約束したじゃん!!ってかだれがデカ
チチ女なのよ!!うちは標準だもん!これは魅力の1つだもん!!」
(おでこに、ホクロなんてあったんだ。)
いつも前髪上げてないから気にしたことなかった。いつもお風呂はあの二人で入るしな・・。
デカチチ・・。思わず視線がそららの大きな胸にいってしまう。
あれが標準だと言われたら、世の女はほとんど貧乳だぞ・・・。
「起きて、よかった・・・」
「あ?アリシア?・・あれ?どうして?」
そららが意識を取り戻すとほぼ同時に、アリシアの炎の壁は打ち破られ、穴へ儀式の光が完全に重なった。
再び、大地が大きく揺れる・・・。
その揺れにアメリアが目を覚ましたようだ。
「貴様ら、にがさんぞっ!!」
ティグレたちが私たちをめがけて迫ってくる。今、逃げ切らないと後がない。
次こそ、死ぬ。
「うちの魔剣のサビにしてくれるわ!!」
そららは腰に手をやり魔剣を探す。
ある訳無いじゃん。あんた今回最初から丸腰じゃん。どうしよう、わざとかな?
「あー・・あー・・」
正直、言葉が見つからない。【あ】しか出てこない。わざとなのか、本気で忘れているのか・・・。
「ない!うちの剣がない!!」
「あの、あそこ」
私は祭壇を指差す。彼女、本気で忘れてるのかしら?
「あぁ!!そうだ、取られたんだ!!さっきのは夢だ!!」
・・この子、こんな時にどんな夢見てたのかしら?
むしろ、あんな痛そうな目に遭って気絶したのに夢見てるなんて、どんだけ神経太いのよ。
「そ、そらっ!!とりあえずこれで!!」
私はそばにあった誰かの剣をそららに投げる。
「うわっ!!あぶな・・いィィ!!」
地面に転がる剣を拾うと、会話も途中に教団たちとの戦闘が始まった。アリシアも、魔法で撃破している。
しかし、数が多いのと、手負いの人間がいるこちらは明らかに分が悪い。
とにかく、逃げないと・・・。私は意識を取り戻したアメリアの元へ駆け寄る。
「アメリア!!大丈夫!?」
「あまり平気じゃないけど・・・なに?これ。どうしたの?」
「話はあとにして、今は逃げないと!!トキのことお願い!!」
アメリアはまだふらつく体で起き上がると、意識の戻らないトキに肩をまわしゆっくりと立ち上がる。
私も、そららの向こう側で拘束されていた女の子に肩を貸し歩き始める。この子も、先ほどのショックでまだ意識が戻っていない。
迫る敵をかわしながら、ゆっくりと撤退が始まった。
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