上 下
2 / 140
1巻

1-2

しおりを挟む


     * * *


 お父さまがいなくなった途端、赤い髪の男の子が、ソファーに寝っ転がってくされた態度で愚痴ぐちを言い始めた。
 あれ? 育ちのよさそうな笑顔で、お父さまの言葉にはきはきと答えていたあの子はどこいったの?
 私が固まっていると、跡継ぎ候補の中で唯一の女の子が言った。

「こらっ、リンクス! エトワさまに失礼でしょう。謝りなさい!」

 あ、女の子のほうは普通でよかった。
 女の子はお父さまがいなくなる前と後でまったく態度が変わらなかった。唯一の女の子が、友達になれそうな感じの子で安心する。
 その女の子は銀色の髪のれんな子で、将来美人になることを確信させた。そもそもこの子が公爵家の娘として生まれていれば、こんな状況は起こらなかったのかもしれない。

「本来の俺たち護衛役の仕事は、次代のシルフィール家当主となるお方を守ることだぜ。もちろん、才能だって魔力だって俺たち以上にすぐれたお方だったはずだ。なのに、このガキは魔力がないどころか、目も見えない、しゃべりもしない。こんなのりじゃなくておりだぜ。やる気が出ないのは当たり前だろ」

 いや、しゃべるけどね。普通にしゃべるけどね。
 今は、あっけにとられてしゃべれないだけで。
 まあ、あとはおおむね事実だけど。

「リンクスー!」

 女の子が顔を真っ赤にして怒り出す。
 それを黒髪のさわやかそうな少年がなだめた。

「落ち着けよ、ソフィア。怒りすぎだ。それからリンクス、お前もちょっとおかしいぞ」

 おお、この男の子もまともなのかな?
 ――と思った私が間違いでした。

「この子供の子守こもりをすれば、シルフィール家の跡取りの座が転がり込んでくる。こんなにお得なことはないだろ? まあやめたいならさっさと降りてくれよ。ライバルが減って得するのは僕だからね!」
「クリュート! あなたも失礼よ!」

 女の子に怒られても、黒髪の美少年は、腹黒そうな笑みを浮かべたままだった。
 いや、本音ぶっちゃけすぎですよ、君。
 あと、さっきから君たち私のことガキとか、子供とか言ってるけど、君たちも子供ですからね!?
 そりゃ、ちょっとぐらいあなたたちのほうが美形で、頭良さそうで、立ち居振る舞いが優雅で、すごそうなオーラ出てるけどさ。
 けどさぁ……
 そんなことを思っていると、私の顔がつんつんとつつかれた。
 こんどはなんじゃい。
 と思って振り返ると。
 金髪の男の子が感情の見えない瞳で、私をじーっと見つめながら言った。

「お前、目が開かないのか? 何かの病気なのか」

 え、こんな無表情な子だったっけ。
 確か、お父さまと話してたときは、上品に微笑んでいたような。この五人の中では、一番背が低いので、お人形さんみたいだと思ったんだもの。
 でも、口調は失礼だったけど、その言葉が嫌味じゃないのはなぜかわかった。
 たぶん、こういう子なんだろう……。天然系ってやつで。
 なんにせよ、みんなお父さまの前とは違いすぎる。
 男の子たちの豹変ひょうへんぶりに呆然としていると、最後の男の子が他の少年たちの前に立ちふさがった。

「みなさん、エトワさまは仮とはいえ十五歳まで私たちのあるじとなられるお方です。失礼な態度は取らないように、敬意を払って接しなさい」

 跡継ぎ候補の子たちの中で、一番背が高く、大人っぽい子だ。
 その男の子は、私の手を取り言った。

「エトワさま、他の護衛役たちの無礼をお許しください。私がエトワさまを、十五歳まで無事に守り通してみせます」

 その笑顔はなんだか作られたもののような気がして、子供たちも大変なんだなぁって思った。
 父から私の護衛役を命じられた少年少女たちは、三人は私を尊敬するつもりゼロ、二人は内心は不明だが表面上は敬意を払ってくれる。そんな状況みたいだ。
 私としては、何か問題が起きなければ、これでいいと思うけど。
 護衛役同士でもあまり仲良くなさそうだけど、せめてこの首にかけられた大精霊石だけは守ってくれたまえ、そう思う。

「えーと、まあいろいろ複雑でしょうけど、これからよろしくお願いします」

 私がそう言って五人に頭を下げると、なぜかリンクスくんとクリュートくんが飛び上がった。

「しゃ、しゃべったぁ!?」


 え、しゃべってたよね私。お父さまと一緒にいるときとかに、確かしゃべってたよね。
 ――あとで思い返してみるとまったくしゃべってなかった。
 そりゃ驚かれるわけだよ……


     * * *


 次の日から、跡継ぎ候補の子たちの荷物が公爵家に運び込まれ、一緒の生活が始まった。
 本来、護衛役という仕事は、彼らが六歳になったときから始まるらしい。
 それが二年早まったのは、彼らが跡継ぎ候補になったからかもしれない。
 その跡継ぎ候補になった子供たちは五人。
 まず、スカーレット侯爵家のリンクスくん。
 子供たちの中でもリーダーシップを取りたがり、ちょうど生意気盛りといった感じの男の子だ。しかし、大人相手にはいい子そうに振る舞うしょせいじゅつもこの歳にしてもっている。気の強さを表すような赤い髪が特徴で、以前も話した通りかなりの美形である。
 次が、レオナルド侯爵家のクリュートくん。
 一見さわやかだけど、発言が腹黒く、リンクスくん以上の問題児かもしれない子だ。でもやっぱり外面そとづらはいいぞ! 綺麗でさらさらの黒髪をしていて、一度はさわってみたい。もちろん、例に漏れず美形だ!
 三人目は、オルトール侯爵家のミントくん。
 正直、私もよくわからない不思議ちゃんな感じの子だ。無表情でポツポツとしゃべるから、いまいち何を考えているのか不明。でも、色素の薄い金色の髪はまるでフランス人形みたいで最高だ!
 って思わず趣味が出てしまったよ……
 あとあと、アリエル侯爵家のスリゼルくん。
 四歳なのに背が高くて、二つくらい年上に見える。礼儀正しい少年で、私にも優しくしてくれるよ! 白に近いプラチナブロンドの綺麗な髪をしている。そしてやっぱり美形だね!
 最後は、フィン侯爵家のソフィアちゃん。
 この子が良い子なんだよねー。ほぼ風の大精霊石の台座と化してる私のことを、ちゃんと主人扱いしてくれるし、いろいろと気を遣ってくれる。おまけにかわいい。銀色の髪はさらさらで、まるでお姫さまのよう。ああ、この子がいてくれてよかった! 本当にそう思います!
 この五人が、落ちこぼれの私に代わって公爵家の跡を継いでくれる、後継者候補の子たちである。
 そんな五人の子供たちとの生活は、今のところ平穏だ。
 護衛役ということで彼らとは日中を一緒に過ごすことになるのだけど、私としてはかわいい家族が増えた感じだ。
 今日も一緒にテーブルに座り、食事を取っていると、リンクスくんが言った。

「食べ終わったら、ペルシェールやろうぜ!」

 ペルシェールとは、異世界版の鬼ごっこだ。
 どんな世界でも、子供たちがやる基本的な遊びは変わらない。

「ああ、かまわないよ」
「うん……」
「よし! 決まりだな!」

 四歳にあるまじきかしこさをもつこの子たちだけど、こういう遊びで盛り上がっちゃうところを見ると、まだまだ子供だなぁってほっこりする。

「ちょっと待ってよ! エトワさまがいいって言ってないわ」
「その通りだ。エトワさまの許可がなければだめだ」

 律儀りちぎに抗議してくれるのは、ソフィアちゃんとスリゼルくんの二人だ。
 この世界で過ごしていて気づくことは、貴族の身分があり、血統が重視されると同時に、かなり実力も大事な社会だということ。
 貴族たちは誰もが優秀な魔法使いだ。そして有名な貴族は、ほぼ例外なく魔力が大きい。
 権力をもつ貴族が、それにあたいする魔法の力ももっている。それがこの世界なのだ。
 その影響もあって子供同士の付き合いにおいても、魔力のない私の立場は微妙なのである。
 なのにこの二人は、何かと私の意見を尊重してくれようとするのだから、本当に良い子たちだと思う。
 ただし私としてはリンクスくんの意見に反対する気はナッシング。

「私はかまわないよ~」

 子供はたっぷり遊ばないといけないよね! いいことだと思います!

「でも、でも、エトワさまが……」
「なんだよ~、ソフィア。もしかして負けるのが怖いのか?」

 リンクスくんがこれまた子供っぽい挑発をする。

「むっ……そんなんじゃないわよ! ただエトワさまが……」

 ちらっとこちらを見て言うソフィアちゃん。でもその目には闘志が燃え上がっています。
 うんうん、本当はやりたいんだよね。好きだもんね、ペルシェール。わかってます。

「大丈夫! 大丈夫! やろう、ペルシェール!」

 私は親指をぐっと立てて子供たちの要望を承認する。

「ほら、糸目エトワもいいって言ってるし、やろうぜ!」
「さまをつけなさい!」
「へいへい」

 実はペルシェールをやることを、ソフィアちゃんがあんなに渋っていたのには理由がある。
 ペルシェールはペルシ(猫)とエル(天使)に分かれてやるゲームだ。
 ペルシが鬼ごっこでいう鬼で、エルが逃げるほう。
 姿を隠す魔法を使って猫の尻尾しっぽにいたずらしようとした天使が、猫に気づかれ追いかけ回されたという神話から名前がつけられてるらしい。
 そして普通の鬼ごっことの一番の違いは――
 ――魔法を使ってもOKってこと。

「げふっ! ごふっ!! ぐはぁあっ!!」

 遊びが始まって三十秒、陸に打ち上げられたシャケのようにピクピクと地面に横たわる私がいた。
 この異世界版鬼ごっこ、元いた世界とはスピードが違う。
 みんなが魔法を使ってバイクみたいな速度でびゅんびゅん飛び回るから、私のような一般ピーポーは立ってるだけで危ない。
 子供たちの魔法を使った追いかけっこに、ろくな反応もできずにかれまくった私は、早いと開始数秒で地面に横たわることになる。

「なんだよ、おまえー。使えねぇー!」

 リンクスくんが子供らしい不満顔で叫んだ。
 ごめんよ。この遊び、地球生まれの私にはハードすぎるよ……
 エル(天使)が四人、ペルシ(猫)は二人。エル(天使)側のリンクスくんから不満があがることは仕方なし。

「エトワさま、大丈夫ですか?」

 ソフィアちゃんに心配そうな顔でのぞき込まれ、私は最後の力を振り絞り、プルプルと足を震わせながら立ち上がり、親指をぐっと立てる。

「だ、だいじょうぶ。でも、ちょっと疲れたから、見学しててもいいかな?」
「は、はい……」

 こうして、私はなんとかエクストリーム鬼ごっこから逃れることができた。
 木陰の岩に座り込み、再開されたペルシェールの様子を眺める。
 シルウェストレの子供たちは本当にすごい。いとも簡単に魔法をあやつり、鳥のように空を飛び、時には遠距離から魔法の攻防をしてみせる。
 たぶん、子供たちみんながこうなんじゃなくて、彼らはこの世界でも特にすごい子たちなんじゃないかと思う。
 なんで私がこんなぼうな競技に一時いっときでも参加したかというと、別に私がアホだからというわけではない。いや、アホかもしれないけど……
 私が参加しないとソフィアちゃんとスリゼルくんの二人が、「エトワさまが参加できる遊びじゃなきゃやらない」と言ってゆずらないからだ。
 最初だけでも私が参加しなければ、ソフィアちゃんもスリゼルくんもこの遊びができない。
 そういうわけでペルシェールをやりたがるリンクスくんたちと、本当はやりたいけど私のために反対しなければいけないソフィアちゃんたち――二者の間を取り持つため、最初は私も必ず参加しなければいけなくなっている。
 立ち位置としては中間管理職みたいなものだ。
 全国のお父さん、こんなに大変だったんだねぇ……
 今、五人は自由に空を飛び回ってペルシェールを楽しんでいる。元いた世界とはちょっと違うけど、ほんわかしたほほえましい景色だ。
 お腹に三発ほどフライング頭突きくらった甲斐かいがあったよ。ふっ……
 私は侍女さんたちにれてもらったお茶を飲みながら、空を飛び回る五人の子供たちをまったりと眺めた。


     * * *


 シルウェストレの子たちがうちに来て、ちょうど一週間ほど。
 まあまあうまくやれてる気がします。
 リンクスくんたちとソフィアちゃんたちが、よく私の扱いを巡って対立するけどね。
 それはそれということで。
 私としては利発で元気なあの子たちを見るのは楽しいものがあります。まあちょっと、彼らの遊びについていくのは厳しいときがあるけど。
 今日も、リンクスくんやソフィアちゃんたちと行動して一日を終えて、疲れて寝てたんだけど、夜も深まったころ、トイレに行きたくなって起きてしまった。
 いくつになっても、こういうシチュエーションはちょっと怖いよねぇ。
 とはいえこの歳になって、誰か一緒についてきて、などと言うのもはばかられたので、一人でえっちらおっちらとトイレに向かったんだけど。
 みんなが寝静まったやかたで、誰かの話し声が聞こえてきた。
 心霊現象ではないよ。
 部屋の中から聞こえてきたからね。
 それはシルウェストレの子たちに与えられた部屋の一つだった。
 誰の部屋かは、まだ覚えきれてないし、暗いからわからなかったんだけど。
 たぶんえんといわれる、魔法を使った電話みたいなので会話してたのだと思う。

「ええ、母さま、僕が必ず公爵家当主の地位を手に入れてみせます。母さまの息子というほこりにかけて」

 不思議なことに、私には会話の相手に気丈に答えるその声が、泣いているように聞こえた。

「他のどの候補にも負けません。僕が一番になって、公爵になって、母さまの血の正しさを証明します」

 考えてみると、四歳から親もとを離れ、公爵になるために競争させられてるんだよね。
 大変じゃないわけがないと思う。
 それでも手に入れたいほど、公爵家当主の地位は大きいものだと言える。
 私としては、シルウェストレの子たちから誰かを贔屓ひいきにするわけにはいかないけれど、でもみんながんばって、一番に望む誰かが継いでくれたらなって思う。みんなを応援したい。
 それはまんかもしれないけど。
 これ以上、盗み聞きするのも悪いので、私はその場を離れた。


     * * *


 日がな一日部屋でごろごろして、お茶を飲んでると思われてる私ですが。
 ちゃんと勉強もしてたりもします。
 主に勉強しているのはこの世界のことや文字の読み書き。
 侍女の人に教えてもらいながら、文字の練習をしてたとき、リンクスくんたちに「まだそんなのやってるのか」という目で見られたけど、ふっ……気にしない。
 凡人には凡人のペースがあるのだよ。天才児の君たちと比べないでくれたまえ。
 それにしても心眼〈マンティア〉は便利なスキルです。
 本当の目のように色も認識できるし、文字を書くこともできます。それだけじゃなく、この力を使えばなんと自分の姿を見ることが可能。
 鏡いらずで便利。
 ただ謎なのは、転生したとき神さまにこんなスキル注文した記憶がないこと。あと、目が見えないことについても聞いてなかったような。
 まあ、最終的に不便がないからいいけどね。いえーい。
 私だけでなく、リンクスくんたちも勉強しているようです。
 彼らには家庭教師がついてみっちりと。
 そして今日はなんと魔法院まほういんという施設を見学しに来ました。
 魔法院とはその名の通り、魔法についてのことがらを扱う施設だそう。
 ここらへん、この世界は複雑だ。
 貴族たちはほぼ全員魔法使いではあるけれど、魔法使いが全員貴族というわけではない。
 平民の中にも、魔力にすぐれた人間はいるらしい。
 彼らは魔法の研究をしたり、貴族の部下として働いたり、冒険者になったりする。
 ちょっと話はれるけど、この世界、冒険者がいるんだね!
 これを聞いたときは、ちょっとときめいた。
 十五歳になったら独立しなきゃいけないし、私も冒険者を目指そうかなぁって思ってる。
 話を戻そう。
 魔法院は主に、平民の中で魔法の研究をする人たちが集まる施設らしい。
 それだけでなく、魔法の訓練や、魔力検査、その他いろいろなことができる施設だ。
 今日の目的の一つは魔力検査。
 前に公爵家でもしたんだけど、詳細な検査はここでしなければならないらしい。貴族の子たちは必ず受けるんだそうだ。
 定期健診みたいなものだねぇ。
 魔力ほぼゼロの私はリンクスくんたちのおまけです!

「それでは、検査をさせていただきます」

 白衣を着た研究員らしき人が、リンクスくんたちに言う。

「リンクス・スカーレットさま」

 最初はリンクスくんが呼ばれた。
 ちなみに跡継ぎ候補の子たちは、元の世界の病院で着る検査着みたいな服を着ていた。
 リンクスくんが入っていったガラス張りの部屋には、大きな魔法陣が描かれている。
 公爵家にある魔力を調べるための魔法陣をさらに大きくして複雑化したようなものだ。
 その中央にリンクスくんが立った。

「今から魔法陣を起動します。精神を落ち着かせてください」

 リンクスくんは慣れたもので、落ち着いた顔で魔法陣の中心に立っている。
 研究員の人が呪文を詠唱えいしょうすると、魔法陣が起動した。
 魔法陣から赤や青の円形の光が出てきて、リンクスくんの体を通過していく。
 その光は糸のようになり、別の研究員が持っている紙に何かが書き込まれていった。
 おお、魔法っぽい!

「す、すごいぞ……」
「さすがスカーレット家のご子息さま……」

 研究員の人たちの言葉に、私も紙の内容が気になり出す。
 光がおさまるのを待って、心眼〈マンティア〉を使って紙をのぞき込む。
 ぴょんぴょんとジャンプしてるのは気分の問題だよ、君。


 名前:リンクス・スカーレット
 年齢:4歳
 性別:男
 生命力:750
 持久力:550
 マナ:1500
 筋力:80
 耐久力:50
 敏捷びんしょう:102
 魔力:620
 スキル:風魔法Lv4 炎魔法Lv3 詠唱えいしょう短縮Lv2 攻撃魔法強化Lv1
 加護:風の大精霊の加護 炎の精霊の加護


 おお、ステータス表示だ。
 やっぱり異世界にはこういうのがあるんだねぇ、と思いながら内容を見ていくけれど、何もわからない。
 でも、研究員の人の反応ですごいことはわかる。

「この歳で詠唱えいしょう短縮を身につけているとは……」
「シルフィール家の血筋のあかしである風の大精霊の加護だけではなく、炎の精霊の加護まで受けているぞ……」
「素晴らしい!」

 次は、ソフィアちゃんだった。
 ソフィアちゃんが、ちょっと緊張した様子で部屋に入っていくと、同じような手順で魔法陣が起動される。
 例によって、結果の紙をのぞき込んでみると。


 名前:ソフィア・フィン
 年齢:4歳
 性別:女
 生命力:450
 持久力:350
 マナ:2250
 筋力:50
 耐久力:30
 敏捷びんしょう:60
 魔力:920
 スキル:風魔法Lv5 光魔法Lv1 詠唱えいしょう短縮Lv1 妖精召喚しょうかん(聖属性)
 加護:風の大精霊の加護 天使の加護


 二人を比較して、ようやく違いがわかってきた。
 女の子だからか、生命力や筋力なんかはリンクスくんより少なめ。
 代わりに魔力はソフィアちゃんのほうが高いみたいだった。
 そして光魔法に、天使の加護。どちらもかなりレアなものらしい。
 う~ん、あらためてすごい子たちだなと思う。

しおりを挟む
感想 1,662

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈 
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

メイドから母になりました

夕月 星夜
ファンタジー
第一部完結、現在は第二部を連載中 第一部は書籍化しております 第二部あらすじ 晴れて魔法使いレオナールと恋人になった王家のメイドのリリー。可愛い娘や優しく頼もしい精霊たちと穏やかな日々を過ごせるかと思いきや、今度は隣国から王女がやってくるのに合わせて城で働くことになる。 おまけにその王女はレオナールに片思い中で、外交問題まで絡んでくる。 はたしてやっと結ばれた二人はこの試練をどう乗り越えるのか? (あらすじはおいおい変わる可能性があります、ご了承ください) 書籍は第5巻まで、コミカライズは第11巻まで発売中です。 合わせてお楽しみいただけると幸いです。

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。