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私は次の日、筋肉痛で目を覚ました。
原因はもちろんあの10キロ走だ。あの突然はじまった10キロ走、私はもちろん完走していない。あの場の雰囲気に流されて走り出してしまったけど、冷静に考えると、小学四年生の体に10キロ走は長すぎた……。
当然、途中でダウンした私はソフィアちゃんのお父さんにおんぶされて、この屋敷にたどり着いた。
そしてそのまま、ベッドの上で一晩を過ごしたのである。
「い、いだい……」
起きると体がギシギシいう。こんな筋肉痛になったのは前世を合わせてもひさしぶりだ。
「エトワさま! 起きましたか!?」
私の起きた音を聞きつけて、ソフィアちゃんが部屋に駆け込んできた。普通、聞こえるとは思えないけど、経験上そうなのである。
「うん、心配させちゃってごめんね」
私が謝ると、ソフィアちゃんは目尻に涙を溜めて、ぶんぶんと首を振った。
「私の方こそごめんなさい! ついはしゃいでしまって……エトワさまに無茶をさせてしまいました……」
「いいんだよいいんだよ、気にしなくて。例え筋肉痛になったって、ソフィアちゃんが笑顔になってくれるなら、私はそれで幸せなんだから。だから泣かないでおくれ」
ソフィアちゃんの頭を撫でる腕は、筋肉痛でプルプルと震える。本当におばあちゃんになっってしまったみたいだ。
ソフィアちゃんは目に溜まった涙を拭いながら、可愛く微笑んで私に言った。
「今度は300メートルから、いえ、30メートルからはじめていきましょう」
結局、走らされるのね、私。
***
ソフィアちゃんと一緒に朝食の席に行くと、ソフィアちゃんのお父さんとお母さんからも謝罪された。
申し訳なさそうに体を縮めて、しょんぼりと謝る姿はソフィアちゃんとそっくりだった。
朝食が終わると、領内を案内してくれることになった。もともと、この休暇で領内を見て回る予定だったので、一緒に連れて行ってくれるらしい。
「エトワさまのために馬車を手配いたしました」
私がいなかったら馬車は用意されなかったのだろうか……
用意してくれた馬車はシートはふかふか、スプリング付きで揺れを感じないようになってる、最高級のものだった。
貴族ならだいたいの家はもってるものだろうけど、自分のために用意されたとなると、なんだか申し訳ない。
でも、筋肉痛なので大人しくご好意に甘えさせてもらう。
「それでは出発いたします」
私が乗り込んだ後、御者もできるらしい老齢の執事さんが、そう言って出発しようとするのを私は止めた。
「ちょっと待ってください」
「何か問題がありましたか?」
そう首を傾げる執事さんに、私は糸のように細い目で窓の外を見る。
私の視線の先には、スタンディングスタートの姿勢で馬車の横に並んでいる銀髪の父母子(おやこ)たちがいた。
何をやろうとしてたかはもはや問うまい。
「乗ってくれませんか?」
「「「えっ」」」
意外そうな三人の声が重なる。
「落ち着かないので」
有無を言わせぬ口調の私に、しょんぼりした表情で三人は馬車に自ら収容されていった。
***
馬車は緩やかな坂道を下っていく。
ソフィアちゃんのお家は領地を見下ろせる高い山の上にある。
昨日は気かなかったけど、ソフィアちゃんの家が建ってる山の左右には、壁のように急勾配の山々が広がっていて、唯一なだらかな丘になってる場所にソフィアちゃんの家が建ってる感じだ。
「ふふ、どうしてあの場所に家があるか気になりますか?」
馬車の窓から、その景色をしばらく眺めてしまっていた私に、ソフィアちゃんのお母さんが微笑みながら声をかけた。
正直、それほど疑問に思っていたわけではない。どちらかというと、なんとなく眺めていただけだ。
でも、言われてみると確かに……
「そうですね、景色は良さそうですけど、便利な場所には見えないです」
いくらなだらかとはいっても、勾配のある土地は住むのには不便だと思う。
私がいた世界では、閑静な場所としてそういう土地にも一定の人気はあったけど、それは平地がすでに家で埋め尽くされてるからだ。
この世界なら、まだ平たい土地も余ってるように思える。侯爵家の人たちなら、もっといい場所に家を作れたのではないだろうか。
それこそ昨日着陸した草原とか。
「私たちの領地は、この国の南東にあります。つまり、人が暮らす領域の側に、他国を睨むような場所に作られていることになります」
そう答えてくれたのは、ソフィアちゃんのお父さんだった。
この世界には人が暮らす領域と、魔族たちが暮らす領域がある。
そしてこの国は、人が暮らす領域の最も北に位置する国だ。大陸の北にある魔族たちが暮らす領域に蓋をするように存在している。
この国から南に行くと、多種多様な人間たちが暮らす様々な国が存在するらしい。私はこの国から出たことがないからわからないけれど……
「もし他国の侵攻があった場合、敵軍は平地の多いこの場所を通る可能性が高いでしょう。そのとき、あのオーレ山脈が壁となり足止めになります」
ソフィアちゃんの家がある山の左右を囲む山脈は、ずっと向こうまで続いてた。
軍を指揮したことはないのでわからないけど、たしかにあの山を大人数で越えるのは、大変そうだった。
そうなると、ソフィアちゃんたちの家が建ってる山を越えるのが正攻法になるわけだけど……
答えを察した私の顔を見て、ソフィアちゃんのお父さんは微笑んで、それ以上の言葉を止めた。
つまり、私たちの国に攻め込んできた人たちが、王都のある中央部に向かいたい場合、壁のような山を越えるか、王国最強クラスの魔法使いが住む家の側を通る必要があるわけである。
う~ん、私が敵軍の将なら……がんばって壁のような山を越える方を選ぶかなぁ。そっちの方がまだ希望がある……
まあ、この国が侵攻を受けたことは、はるか昔を除いて、まったく全然ないんだけどね。
はるか昔、神話といっていいような時代、敵対者に国を追われたある国の王族たちは、魔の領域である北に逃げ込んだ。
彼らはそこで精霊と出会い、強大な力を授かった。
まあ、この精霊ってたぶんハナコたちのことも混じってて、いろいろと混同されてるんだなって思うけど。実際、精霊って存在もいて、それとも交流はあるらしい。
力を得た王族たちは、復讐するのではなく、その場所に巨大な国を作り上げた。
最強の魔法使いたちが暮らす、世界最大の国を。
というのは神話だけど、実際この国の魔法使いたちは他国と比べて異様なほど強い力を持ってるらしい。簡単な例を示すと、この国の男爵家の成人が他国に行って魔法を披露すると、宮廷魔術師になってくれないかと勧誘を受けるぐらいだ。
そんな国と戦争したいという国は存在しないし、そもそも私たちの国が魔族の領域に蓋をしてくれてるのだ。わざわざ戦うメリットもない。
そんなわけで、この国が人間の国と戦争になったことは、歴史上ではまったくないのである。
それでも、ソフィアちゃんたちはその危機に備えて、常に準備をしているのである。王家の盾、風の一族というのはそんな存在なのだ……
*宣伝とか*
更新おそくなってすみません。
コミカライズのもさもふさんたちが可愛かったり、文庫版が発売されてるので、ぜひみてください。もさもふ本当にかわいいので、それだけでも見ていただけたら……!
実家帰りのエピソード、いろいろ考えてたつもりだったんですけど、実際書いてみるとプロット不足でまとまらなくて難しいです。感想の承認や返信も滞っててすみません。このサイトは感想を私が承認しないと、二週間経たないと表示されないのですが、私が閲覧数とか数字が目に入ってしまうのが、きつい精神状態になってて、なかなかサイトを開けないです。だから、ちょっと気まぐれ承認、気まぐれ返信になってしまいますが、ご容赦ください。
原因はもちろんあの10キロ走だ。あの突然はじまった10キロ走、私はもちろん完走していない。あの場の雰囲気に流されて走り出してしまったけど、冷静に考えると、小学四年生の体に10キロ走は長すぎた……。
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そしてそのまま、ベッドの上で一晩を過ごしたのである。
「い、いだい……」
起きると体がギシギシいう。こんな筋肉痛になったのは前世を合わせてもひさしぶりだ。
「エトワさま! 起きましたか!?」
私の起きた音を聞きつけて、ソフィアちゃんが部屋に駆け込んできた。普通、聞こえるとは思えないけど、経験上そうなのである。
「うん、心配させちゃってごめんね」
私が謝ると、ソフィアちゃんは目尻に涙を溜めて、ぶんぶんと首を振った。
「私の方こそごめんなさい! ついはしゃいでしまって……エトワさまに無茶をさせてしまいました……」
「いいんだよいいんだよ、気にしなくて。例え筋肉痛になったって、ソフィアちゃんが笑顔になってくれるなら、私はそれで幸せなんだから。だから泣かないでおくれ」
ソフィアちゃんの頭を撫でる腕は、筋肉痛でプルプルと震える。本当におばあちゃんになっってしまったみたいだ。
ソフィアちゃんは目に溜まった涙を拭いながら、可愛く微笑んで私に言った。
「今度は300メートルから、いえ、30メートルからはじめていきましょう」
結局、走らされるのね、私。
***
ソフィアちゃんと一緒に朝食の席に行くと、ソフィアちゃんのお父さんとお母さんからも謝罪された。
申し訳なさそうに体を縮めて、しょんぼりと謝る姿はソフィアちゃんとそっくりだった。
朝食が終わると、領内を案内してくれることになった。もともと、この休暇で領内を見て回る予定だったので、一緒に連れて行ってくれるらしい。
「エトワさまのために馬車を手配いたしました」
私がいなかったら馬車は用意されなかったのだろうか……
用意してくれた馬車はシートはふかふか、スプリング付きで揺れを感じないようになってる、最高級のものだった。
貴族ならだいたいの家はもってるものだろうけど、自分のために用意されたとなると、なんだか申し訳ない。
でも、筋肉痛なので大人しくご好意に甘えさせてもらう。
「それでは出発いたします」
私が乗り込んだ後、御者もできるらしい老齢の執事さんが、そう言って出発しようとするのを私は止めた。
「ちょっと待ってください」
「何か問題がありましたか?」
そう首を傾げる執事さんに、私は糸のように細い目で窓の外を見る。
私の視線の先には、スタンディングスタートの姿勢で馬車の横に並んでいる銀髪の父母子(おやこ)たちがいた。
何をやろうとしてたかはもはや問うまい。
「乗ってくれませんか?」
「「「えっ」」」
意外そうな三人の声が重なる。
「落ち着かないので」
有無を言わせぬ口調の私に、しょんぼりした表情で三人は馬車に自ら収容されていった。
***
馬車は緩やかな坂道を下っていく。
ソフィアちゃんのお家は領地を見下ろせる高い山の上にある。
昨日は気かなかったけど、ソフィアちゃんの家が建ってる山の左右には、壁のように急勾配の山々が広がっていて、唯一なだらかな丘になってる場所にソフィアちゃんの家が建ってる感じだ。
「ふふ、どうしてあの場所に家があるか気になりますか?」
馬車の窓から、その景色をしばらく眺めてしまっていた私に、ソフィアちゃんのお母さんが微笑みながら声をかけた。
正直、それほど疑問に思っていたわけではない。どちらかというと、なんとなく眺めていただけだ。
でも、言われてみると確かに……
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「私たちの領地は、この国の南東にあります。つまり、人が暮らす領域の側に、他国を睨むような場所に作られていることになります」
そう答えてくれたのは、ソフィアちゃんのお父さんだった。
この世界には人が暮らす領域と、魔族たちが暮らす領域がある。
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彼らはそこで精霊と出会い、強大な力を授かった。
まあ、この精霊ってたぶんハナコたちのことも混じってて、いろいろと混同されてるんだなって思うけど。実際、精霊って存在もいて、それとも交流はあるらしい。
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最強の魔法使いたちが暮らす、世界最大の国を。
というのは神話だけど、実際この国の魔法使いたちは他国と比べて異様なほど強い力を持ってるらしい。簡単な例を示すと、この国の男爵家の成人が他国に行って魔法を披露すると、宮廷魔術師になってくれないかと勧誘を受けるぐらいだ。
そんな国と戦争したいという国は存在しないし、そもそも私たちの国が魔族の領域に蓋をしてくれてるのだ。わざわざ戦うメリットもない。
そんなわけで、この国が人間の国と戦争になったことは、歴史上ではまったくないのである。
それでも、ソフィアちゃんたちはその危機に備えて、常に準備をしているのである。王家の盾、風の一族というのはそんな存在なのだ……
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