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猟犬Ⅱ
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深夜、倉庫の中は悲惨な状況だった。
無数の死体、銃弾によって無残に破壊された木箱の数々。
そんな光景など気にする余裕などないと言わんばかりに、黒衣の女吸血鬼レイナと二足歩行型の化け物である人狼が対峙していた。
レイナの手にはこの世界の人狼の弱点であるプラチナで作られたブレードが握られている。
人狼にとってそれは決して触れたくないものであるが、完全に変身したことで高揚している異形はレイナを威嚇するように咆哮した。
耳を塞ぎたくなるような大声を前にしても、彼女は怯まない。
両手で持ったブレードを引くように構え、剣先を人狼に向ける。
相手は自身よりも重く、変身したことで筋力も増しているため迂闊に仕掛けられない。
逆に人狼はレイナを見下していた。
苦手とするプラチナ製のブレードを女吸血鬼が持っていたとしても力では自分のほうが上。
その自信から、人狼は獲物を襲う獣のように飛び掛かった。
「っ!?」
レイナは瞬時に横へ転がり回避すると、攻撃を当てられなかった化け物は勢いのまま壊れかけた木箱へ突っ込んでしまった。
しかし、まるでダメージがない様子で振り返りながら乱暴に木片を殴り飛ばす。
テレビで流れるような、ライオンがシマウマに食らい付くような攻撃を間近で見る迫力は、常人なら固まってしまいまともに受けてしまうだろう。
だが、レイナは怯まない。
自分より強力な巨体を前に冷静に、かつ殺意を持って睨みながら隙を伺っていた。
そんな彼女に再び人狼は両手で掴み掛かるように襲いかかる。
(甘いっ!!)
一度目の攻撃速度を覚えたレイナは、二度目の突進にタイミングを合わせて横へ回避すると同時に、相手の右手の中指と薬指の間にブレードを通しそのまま肘まで斬った。
「ガアアアアアアアア!?!」
右手から肘にかけて縦に右半分を切り落とされた人狼が激痛に叫ぶ。
もしこれが普通の刃物によるものなら人間以上の速さで回復するはずである。
が、苦手とするプラチナ製のブレードによる傷は回復せず、切断面はまるで火で焼いたかのようにすぐに壊死していく。
痛みに震える異形。
隙を見せた相手にレイナはすぐ振り向き追撃しようとしたその時、人狼は怒りに任せて斬られた右手を薙ぎ払うように攻撃してきた。
「ぐっ!?」
不意の反撃を受けたレイナは、まるで子供に投げられた玩具のように吹っ飛ばされてしまった。
いくつもの木箱を破壊し、無様に転がるとようやく勢いがなくなる。
5メートル以上は吹っ飛ばされただろうか。
倒れているレイナには正確な距離など分からない。だが、唯一の対抗手段であるブレードは手放さなかった。
「うっ・・・・・・」
全身に走る痛みに耐えなんとか立ち上がる。多少の傷ならすぐ治るが、骨にまで受けた衝撃による痛みはまだ引いていない。
そんな彼女に人狼は激昂した感情を隠すことなく乱暴な足取りで近づいてくる。
「くそっ・・・・・・」
腕から伝わる苦痛を無視し、ブレードを構える。闘志こそ失われてはいないが、ダメージが残っている状態での構えはまだ弱々しい。
人狼は手が届く距離まで近づくと、今度は左腕を大きく振りかぶる。
予備動作が大きい分次の攻撃が読みやすいが、今のレイナには余裕がない。
化け物の左腕から繰り出される薙ぎ払い攻撃を、身を屈めて避けた。
避けた一撃からの風や音から、近くで金属バットを振られるよりも遥かに大きな恐怖心が襲う。
今度まともに受ければ死ぬかもしれない。
だが、ここで怯むわけにはいかない。
己のみの力で勝たなければ殺される。
心の中で自身を鼓舞し、乱暴に繰り出される人狼の攻撃をなんとか避け続ける。
この間、数十秒の攻防だったが彼女には十分だった。
吹っ飛ばされた時の痛みが徐々に引き、回避しながらも反撃の隙を伺えるまでになる。
そんなレイナの状態も知らず、人狼は攻撃が当たらないことに苛立ちを隠そうともしないまま、さらに大きく振りかぶった。
(この一撃に合わせる)
敵の速度を身体で覚えてきたレイナは、反撃に転じるためブレードをより力強く握った。
狙いは敵の腕、空振りさせてから絶ち斬る。
だが、人狼は彼女を攻撃せずに近くの木箱の残骸を破壊した。
(なっ!?)
相手のその行動は予想外だった。
人狼の一撃によって、木箱の破片が大量に襲い掛かってきたことに完全に不意をつかれてしまう。
条件反射の要領で両腕で顔や上半身を防御した。
大量の木片がレイナに刺さる勢いでぶつけられるが、防刃性能の有するコートは貫通しない。
だが、その衝撃までは防げず一瞬だけ目を閉じ動きが止まってしまう。
そんな彼女の見せた隙を人狼は逃さなかった。
まるで人形を乱雑に扱うように彼女の胴体を掴むと、軽々と持ち上げ握りつぶそうとする。
「ぎっ・・・あああああああ!?」
人狼の握力に身体を締め上げられたレイナは苦痛に叫んだ。
すぐ持っているブレードで相手の腕を斬ろうとしたが、その動きを察知され床に叩きつけられる。
その動作はまるで虫を叩き潰すように乱暴なものだ。
「あっ・・・がっ・・・」
骨の髄まで響く衝撃に武器を手放してしまい、頭を打ったことで視界に火花のようなものが散る。
意識を失いかけるレイナに人狼は勝利を確信し、床に押しつける力をさらに込めることで彼女の身体を潰そうとした。
骨が軋み、内蔵が破裂寸前まで圧力を受ける。
あと数秒で押し潰され、死んでしまう。
その危機感が彼女を突き動かした。
人狼の腕に下敷きになっていない右の拳を強く握ると、裾に仕込んでいた刃渡り20センチのブレードが飛び出す。
すかさずそれを人狼の手首に突き刺した。
「アアアアアアア!?!?」
予期せぬ反撃に人狼は叫んだ。
だが、まだレイナの身体は自由にならない。
そこで彼女は右腕を強引に捻ると、ブレードを根本からわざと折った。
間髪入れずにレイナは握った拳で折れたブレードの根本を殴り、壁に打ち付ける釘のように深く刺した。
無論この刃物もプラチナ製、化け物の左手首の細胞はすぐ壊死していく。
これには人狼もたまらずレイナから腕を離した。
化け物は苦痛に悶えながらなんとか引き抜こうとするも、刃がほとんど肉の中に入っている上に触れた指すら壊死してしまうためどうにもならない。
そんな激痛に苦しむ人狼を余所に、レイナは先程手放したブレードの元へ這って向かっていく。
「ゴフッ」
内蔵を傷つけられたせいで吐血してしまう。
普通の人間なら致命傷で動けなくなる程であるが、吸血鬼であるレイナは常人の数倍の速さで再生していった。
しかし、それは彼女にとってある意味不幸とも言える。
人間なら息絶えることで終わる苦しみが、高い再生力のせいで死の安らぎを得られず完治するまで痛みが続く。
それでもレイナは鍛えられた軍人のように諦めず、必死に耐えながら匍匐前進していく。
無法者を、化け物を狩るため。
家族や大切な人達を殺した者と同等の存在を殺すため。
心に宿した強い信念を糧に進み、ついにブレードを手にしたレイナは立ち上がった。
完全ではないが内蔵の傷も治り、再び戦闘可能な状態になったのがわかった。
レイナは人狼の方を見ると、未だに左手首の中にある刃に苦しんでいる。
彼女にとってまさに好機だった。
短距離走の選手のように化け物に向かって走り出す。
人狼はすぐにその足音に気が付く。
右手の半分は失われ、左手首に刃が刺さり壊死した状態ではまともな攻撃は出来ない。
それでも向かってくるレイナの頭を潰すため、人狼は左腕を大きく振り上げた。
その瞬間化け物の胴体ががら空きになる。
図体が大きい分、懐に隙が出来やすい。レイナにはそれが分かっていた。
真っ直ぐ化け物の胸元目掛けて突っ込んでいく彼女に対し、人狼が振り下ろす左腕の攻撃は僅かにレイナに比べ遅い。
まるで棍棒のような太い腕がレイナの頭に当たるより速く接近。
その一瞬に全てを賭けるように、化け物の左胸に向かってブレードを突き刺した。
骨と骨の間を通した一撃は確実に心臓を貫き、彼女の頭を砕こうとした人狼の腕は瞬時に止まった。
まるでその時だけ時間が止まったかのように両者は動かない。
その静寂はレイナがブレードを引き抜いたことで終わりを告げた。
刺された左胸を抑えながら人狼は後ずさりしていく。
だが、そんな行為も意味がない。
プラチナ製のブレードに貫かれた心臓や回りの細胞は壊死し、二度と再生しない。
人狼は死に行く己の運命を受け入れられないまま両膝を床につけた。
最後の瞬間までどうすればいいか、震えながらなんとか思考を巡らせる。
そんな化け物の前に、女吸血鬼は冷酷な眼差しで見下した。
慈悲はない。
ブレードを逆手に持ち、切っ先を人狼の頭に向けたまま静かに振り上げる。
人狼は命乞いでもしたいのか何か言おうとするが、肺も壊死し始めたせいで言葉を発することは出来ない。
レイナは遺言を聞くことなく、無慈悲にブレードを人狼の頭に突き刺すことで決着をつけた。
無数の死体、銃弾によって無残に破壊された木箱の数々。
そんな光景など気にする余裕などないと言わんばかりに、黒衣の女吸血鬼レイナと二足歩行型の化け物である人狼が対峙していた。
レイナの手にはこの世界の人狼の弱点であるプラチナで作られたブレードが握られている。
人狼にとってそれは決して触れたくないものであるが、完全に変身したことで高揚している異形はレイナを威嚇するように咆哮した。
耳を塞ぎたくなるような大声を前にしても、彼女は怯まない。
両手で持ったブレードを引くように構え、剣先を人狼に向ける。
相手は自身よりも重く、変身したことで筋力も増しているため迂闊に仕掛けられない。
逆に人狼はレイナを見下していた。
苦手とするプラチナ製のブレードを女吸血鬼が持っていたとしても力では自分のほうが上。
その自信から、人狼は獲物を襲う獣のように飛び掛かった。
「っ!?」
レイナは瞬時に横へ転がり回避すると、攻撃を当てられなかった化け物は勢いのまま壊れかけた木箱へ突っ込んでしまった。
しかし、まるでダメージがない様子で振り返りながら乱暴に木片を殴り飛ばす。
テレビで流れるような、ライオンがシマウマに食らい付くような攻撃を間近で見る迫力は、常人なら固まってしまいまともに受けてしまうだろう。
だが、レイナは怯まない。
自分より強力な巨体を前に冷静に、かつ殺意を持って睨みながら隙を伺っていた。
そんな彼女に再び人狼は両手で掴み掛かるように襲いかかる。
(甘いっ!!)
一度目の攻撃速度を覚えたレイナは、二度目の突進にタイミングを合わせて横へ回避すると同時に、相手の右手の中指と薬指の間にブレードを通しそのまま肘まで斬った。
「ガアアアアアアアア!?!」
右手から肘にかけて縦に右半分を切り落とされた人狼が激痛に叫ぶ。
もしこれが普通の刃物によるものなら人間以上の速さで回復するはずである。
が、苦手とするプラチナ製のブレードによる傷は回復せず、切断面はまるで火で焼いたかのようにすぐに壊死していく。
痛みに震える異形。
隙を見せた相手にレイナはすぐ振り向き追撃しようとしたその時、人狼は怒りに任せて斬られた右手を薙ぎ払うように攻撃してきた。
「ぐっ!?」
不意の反撃を受けたレイナは、まるで子供に投げられた玩具のように吹っ飛ばされてしまった。
いくつもの木箱を破壊し、無様に転がるとようやく勢いがなくなる。
5メートル以上は吹っ飛ばされただろうか。
倒れているレイナには正確な距離など分からない。だが、唯一の対抗手段であるブレードは手放さなかった。
「うっ・・・・・・」
全身に走る痛みに耐えなんとか立ち上がる。多少の傷ならすぐ治るが、骨にまで受けた衝撃による痛みはまだ引いていない。
そんな彼女に人狼は激昂した感情を隠すことなく乱暴な足取りで近づいてくる。
「くそっ・・・・・・」
腕から伝わる苦痛を無視し、ブレードを構える。闘志こそ失われてはいないが、ダメージが残っている状態での構えはまだ弱々しい。
人狼は手が届く距離まで近づくと、今度は左腕を大きく振りかぶる。
予備動作が大きい分次の攻撃が読みやすいが、今のレイナには余裕がない。
化け物の左腕から繰り出される薙ぎ払い攻撃を、身を屈めて避けた。
避けた一撃からの風や音から、近くで金属バットを振られるよりも遥かに大きな恐怖心が襲う。
今度まともに受ければ死ぬかもしれない。
だが、ここで怯むわけにはいかない。
己のみの力で勝たなければ殺される。
心の中で自身を鼓舞し、乱暴に繰り出される人狼の攻撃をなんとか避け続ける。
この間、数十秒の攻防だったが彼女には十分だった。
吹っ飛ばされた時の痛みが徐々に引き、回避しながらも反撃の隙を伺えるまでになる。
そんなレイナの状態も知らず、人狼は攻撃が当たらないことに苛立ちを隠そうともしないまま、さらに大きく振りかぶった。
(この一撃に合わせる)
敵の速度を身体で覚えてきたレイナは、反撃に転じるためブレードをより力強く握った。
狙いは敵の腕、空振りさせてから絶ち斬る。
だが、人狼は彼女を攻撃せずに近くの木箱の残骸を破壊した。
(なっ!?)
相手のその行動は予想外だった。
人狼の一撃によって、木箱の破片が大量に襲い掛かってきたことに完全に不意をつかれてしまう。
条件反射の要領で両腕で顔や上半身を防御した。
大量の木片がレイナに刺さる勢いでぶつけられるが、防刃性能の有するコートは貫通しない。
だが、その衝撃までは防げず一瞬だけ目を閉じ動きが止まってしまう。
そんな彼女の見せた隙を人狼は逃さなかった。
まるで人形を乱雑に扱うように彼女の胴体を掴むと、軽々と持ち上げ握りつぶそうとする。
「ぎっ・・・あああああああ!?」
人狼の握力に身体を締め上げられたレイナは苦痛に叫んだ。
すぐ持っているブレードで相手の腕を斬ろうとしたが、その動きを察知され床に叩きつけられる。
その動作はまるで虫を叩き潰すように乱暴なものだ。
「あっ・・・がっ・・・」
骨の髄まで響く衝撃に武器を手放してしまい、頭を打ったことで視界に火花のようなものが散る。
意識を失いかけるレイナに人狼は勝利を確信し、床に押しつける力をさらに込めることで彼女の身体を潰そうとした。
骨が軋み、内蔵が破裂寸前まで圧力を受ける。
あと数秒で押し潰され、死んでしまう。
その危機感が彼女を突き動かした。
人狼の腕に下敷きになっていない右の拳を強く握ると、裾に仕込んでいた刃渡り20センチのブレードが飛び出す。
すかさずそれを人狼の手首に突き刺した。
「アアアアアアア!?!?」
予期せぬ反撃に人狼は叫んだ。
だが、まだレイナの身体は自由にならない。
そこで彼女は右腕を強引に捻ると、ブレードを根本からわざと折った。
間髪入れずにレイナは握った拳で折れたブレードの根本を殴り、壁に打ち付ける釘のように深く刺した。
無論この刃物もプラチナ製、化け物の左手首の細胞はすぐ壊死していく。
これには人狼もたまらずレイナから腕を離した。
化け物は苦痛に悶えながらなんとか引き抜こうとするも、刃がほとんど肉の中に入っている上に触れた指すら壊死してしまうためどうにもならない。
そんな激痛に苦しむ人狼を余所に、レイナは先程手放したブレードの元へ這って向かっていく。
「ゴフッ」
内蔵を傷つけられたせいで吐血してしまう。
普通の人間なら致命傷で動けなくなる程であるが、吸血鬼であるレイナは常人の数倍の速さで再生していった。
しかし、それは彼女にとってある意味不幸とも言える。
人間なら息絶えることで終わる苦しみが、高い再生力のせいで死の安らぎを得られず完治するまで痛みが続く。
それでもレイナは鍛えられた軍人のように諦めず、必死に耐えながら匍匐前進していく。
無法者を、化け物を狩るため。
家族や大切な人達を殺した者と同等の存在を殺すため。
心に宿した強い信念を糧に進み、ついにブレードを手にしたレイナは立ち上がった。
完全ではないが内蔵の傷も治り、再び戦闘可能な状態になったのがわかった。
レイナは人狼の方を見ると、未だに左手首の中にある刃に苦しんでいる。
彼女にとってまさに好機だった。
短距離走の選手のように化け物に向かって走り出す。
人狼はすぐにその足音に気が付く。
右手の半分は失われ、左手首に刃が刺さり壊死した状態ではまともな攻撃は出来ない。
それでも向かってくるレイナの頭を潰すため、人狼は左腕を大きく振り上げた。
その瞬間化け物の胴体ががら空きになる。
図体が大きい分、懐に隙が出来やすい。レイナにはそれが分かっていた。
真っ直ぐ化け物の胸元目掛けて突っ込んでいく彼女に対し、人狼が振り下ろす左腕の攻撃は僅かにレイナに比べ遅い。
まるで棍棒のような太い腕がレイナの頭に当たるより速く接近。
その一瞬に全てを賭けるように、化け物の左胸に向かってブレードを突き刺した。
骨と骨の間を通した一撃は確実に心臓を貫き、彼女の頭を砕こうとした人狼の腕は瞬時に止まった。
まるでその時だけ時間が止まったかのように両者は動かない。
その静寂はレイナがブレードを引き抜いたことで終わりを告げた。
刺された左胸を抑えながら人狼は後ずさりしていく。
だが、そんな行為も意味がない。
プラチナ製のブレードに貫かれた心臓や回りの細胞は壊死し、二度と再生しない。
人狼は死に行く己の運命を受け入れられないまま両膝を床につけた。
最後の瞬間までどうすればいいか、震えながらなんとか思考を巡らせる。
そんな化け物の前に、女吸血鬼は冷酷な眼差しで見下した。
慈悲はない。
ブレードを逆手に持ち、切っ先を人狼の頭に向けたまま静かに振り上げる。
人狼は命乞いでもしたいのか何か言おうとするが、肺も壊死し始めたせいで言葉を発することは出来ない。
レイナは遺言を聞くことなく、無慈悲にブレードを人狼の頭に突き刺すことで決着をつけた。
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