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第3章 光闇の宿命を背負ふ者
第12話 Deus Lucis
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一週間程前
創造の世界
「…………もう一度、会えるなんて」
流れた涙を右手で拭ったユウトが再び視線を戻すと、記憶の中に鮮明に残されたフィリアの姿が目の前にあった。
「最後の契約で、私の属性は全部ユウトに渡ったから。今、ユウトの前に居られるのは……属性に、私の意志が残っているから」
その言葉を発したフィリアは、全身から黄金の電撃を迸らせた。
その姿は先程とは異なり、微かに背景の白い世界が透けて見えていた。
(フィリアの身体が……透けてる?意志を宿した属性が、持ち主だったフィリアの身体を形造っているのか?)
「属性が、彼女の姿を顕現しているんだ。君の『潜在意識』による、属性の部別によって」
背後から突然発せられた声に反応したユウトは、身体をジークフリートの声がした方向へと向けた。
「君は創造された当初、主である君の内側に三人の異なる人間が存在していた」
その言葉を聞いたユウトは、心の世界に存在した二人と、闇のドームに存在していた黒い人影の事を言っているのだと悟った。
「一人ひとりが異なる属性量、属性力を有していた……結果、主の君が属性を消費し尽くしたとしても、他の三人は属性を使用する事が出来た。代償として、『己以外の属性を部別する』事を無意識下で行なう様になった」
「その過去の記憶が、潜在的に属性を部別してたって言うのか?……それなら、なんでフィリアから属性を受け取った時、身体の中にある属性の変化を感じたんだ?」
「君の感じた変化は、譲渡された属性の一部が部別を免れ、君の属性に混ざり合った際に生じたモノだ……何も知らない君は、それが全てだと誤認していた様だが」
ユウトの質問に答えたジークフリートは、鋭い眼差しを向けながら左手の人差し指でユウトを指差した。
「その誤認によって君は、彼女から譲渡された属性、更には強化された契約で共有したユカリの属性の真価すら発揮出来ず、ティオーに敗れた」
「……嘘……だろ?」
フィリアの属性だけでなく、契約で共有したユカリの属性さえも部別していた事を知ったユウトは、虚ろになった瞳をゆっくりと下へ向けた。
「俺は、二人から力を受け取っていたにも関わらず、その力を碌に扱えもせずに無様に負けたって?……そんな、滑稽な話があるかよ」
俯いたまま淡々と呟いていたユウトは、心の底から沸々と湧いてくる自分自身への怒りを押し殺す様に、歯を強く噛み締めた。
「君がティオーに敗北した事は、〝最初から全てを知っていた者達〟からすれば、さぞ滑稽な話に違いない」
その言葉を聞いたユウトは、憤怒の感情が隠し切れていない鋭い眼差しを、声のする方向へと向けた。
「っ!?」
しかし、顔を上げたユウトの視線には、予想外の人物が立っていた。
「しかし、君と共に戦った仲間達、報告から状況を知った者に、君とユカリを責める者は誰一人いないだろう」
言葉を発する事なく硬直していたユウトの視線の先には、心配そうな眼差しで此方を見つめているフィリアの姿があった。
フィリアの背後からユウトの様子を見守っていたジークフリートは、地面に突き立てられたバルムンクを静かに引き抜き、向き合い続けている二人に背を向けて歩き始めた。
「闇の三大戦力である消滅、無量……運命の存在は……光のみならず、この世に存在する生物にとって、未曾有の脅威である事を理解出来たのだから」
バルムンクを肩に背負い、何も存在しない純白の世界を歩くジークフリートは、闇の頂点に君臨している者達の事を考えながら、小さく言葉を漏らしていた。
「フィリア……ごめん、こんな顔見せて。ちょっと、自分にイライラしてただけだから」
「……ユウト」
『無力なんかじゃない』
「っ!?」
フィリアの悲しげな声を聞いたユウトは、属性を譲渡される直前にフィリアから告げられた言葉を思い出し、黒く霞んだ瞳に光を灯した。
(……本当に……馬鹿だ、俺は。フィリアに、助けて貰ってばかりじゃないか)
過去の記憶を呼び起こされ、徐々に心境が変化していたユウトが目にしたのは、血を流すフィリアの前で力無く座り込んだ過去の自分だった。
(フィリアから、立ち上がる勇気を貰った。その場から動けずにいた時、大事な一歩を踏み出す力を貰った。それなのに……『何一つ変わってません』じゃ無いだろうが!)
首を左右に振り、座り込んだ自分の幻影を消し飛ばしたユウトは、心配そうに此方を見つめていたフィリアに向けて、強い意志を込めた眼差しを向けた。
「フィリア……俺は今、闇の主力に敗れてここにいる」
「……」
「だけど、次は必ず勝つ。もう二度と、フィリアの前で見せた情けない姿は晒さない」
「ユウト……」
「この世界で俺は、誰にも負けないぐらい強くなってみせる……生きて必ず、みんなを平和な世界に導く為に」
その言葉を聞いたフィリアは、アメリカで最後に交わした口約束を思い出し、瞳を潤ませた。
「ユウトなら、きっと出来る」
そう口にしたフィリアは、力無く垂れ下がったユウトの両手を優しく握ると、自身の両手で包み込む様に重ね、ユウトの胸の前で軽く握った。
「フィリア?」
次の瞬間、重ね合わされた両の手から感じる微かな電撃と共鳴する様に、誰も存在しない心の世界に金色の雷光が放たれた。
パキィィィィン
その直後、心の世界を形作っていた結晶が砕け散り、ユウトの内側から解き放たれた属性によって、全員を包み込む様に強力な冷気が発生した。
「これは……」
強力な属性によって身体の節々が凍結する様子を目にしたユウトは、変化の理由を確かめる為に、身体の内側へと意識を向けた。
すると、以前は確かに存在していた心の世界が、属性の解放によって跡形も無く消滅している事を認識した。
「この世界なら、ある程度の無理が出来るみたいだから、私の属性とユカリの属性を使って、私達の属性を解放出来ないか試してみたの……上手くいって良かった」
そう口にしたフィリアへと意識を戻したユウトは、心の世界に部別されていた全ての属性を纏わせている姿に目を見張った。
「前は、上手く渡せなかったけど……これなら、大丈夫」
正面を見つめるユウトの瞳には、全身を囲う様に舞い散る紅蓮の火花、身体の節々を凍てつかせる純白の冷気、そしてフィリア自身を形成している金色の電撃が写っていた。
「ユウト、今の実体のない私なんて、信頼出来ないかもしれないけれど……もう一度だけ私を信じて、属性を受け取ってくれる?」
その言葉を聞いたユウトは、小さく首を横に振った。
「やっぱり——」
「逆だよ、フィリア。フィリアが頼むんじゃなく、俺がフィリアに頼むんだ」
「え?」
フィリアの悲哀に満ちた言葉を遮るように返答したユウトは、こちらに視線を向けるフィリアの前に、そっと右手を差し出した。
「フィリアに助けて貰ってばかりの俺じゃ、頼りないと思う。けれど、こんな俺をフィリアが信じてくれるのなら……もう一度俺に、フィリア達の属性……背負わせて欲しい」
その言葉を聞き、ユウトの変化に少し驚いた表情を浮かべたフィリアは、差し出された右手を見た後に、ユウトの真っ直ぐな眼差しを見つめた。
「……私が属性を渡した後、ユウトがどんな経験をしたのか、私には分からないけれど——」
そう告げたフィリアは、ユウトと共に経験した全ての出来事を思い出し、一筋の涙を流した。
「今のユウトなら、残酷に定められた運命だって覆して、平和な未来に辿り着ける」
ユウトを見つめながら精一杯の笑顔で返事をしたフィリアは、差し出された手に自身の手を重ねた。
そして、二人は互いの瞳を見つめながら小さく頷き、ゆっくりと瞳を閉じた。
「ユウト……ありがとう」
「っ!?」
アメリカで伝えられなかった最後の言葉を発したフィリアは、黄金の光を発しながらユウトの前から姿を消した。
「フィリア……」
互いの属性が完全に混ざり合った事によって、一時的な記憶障害を引き起こしたユウトは、意識の混濁によって身体を揺らした。
「……それこそ、俺の台詞だよ」
その直後、ユウトの全身から黄金の電撃を迸り、漆黒の髪が徐々に橙色へと染まり始めた。
「ありがとう……フィリア」
溢れ出る涙を拭い、再び開かれた瞳は普段の空色よりも白に染まった、白縹の瞳へと変化していた。
「俺達は、超えてみせる……お前の事も、この先に存在する…… 未曾有の脅威も」
全身を覆う様に白い冷気を放ち、右手に純白の結晶刀を創造したユウトは、記憶障害によって名前を忘れてしまった男性へと視線を向けた。
「実に、実に素晴らしい絆だ」
少し離れた場所に立っていたジークフリートは、嬉しそうに頬を緩め、肩に背負っていた聖剣バルムンクを力強く振り上げた。
「心身共に、準備は出来たようだな。君達の、決して霞まず砕けぬ絆……その輝きが、今の君をどれ程成長させたのか、私に見せてくれ!」
バルムンクに炎を纏わせたジークフリートが軽く一振りした瞬間、創造の世界全体に超高温の熱波が広がった。
「現在を超え、その先を駆けろ。それが出来なければ……竜、そして神さえ屠るこの刃が、容赦無く君達の絆を斬り崩すだろう!」
そう言い突き出されたバルムンクの切先が指す先には、金属を優に溶かす熱波をも凍てつかせる冷気を放ったユウトが立っていた。
創造の世界
「…………もう一度、会えるなんて」
流れた涙を右手で拭ったユウトが再び視線を戻すと、記憶の中に鮮明に残されたフィリアの姿が目の前にあった。
「最後の契約で、私の属性は全部ユウトに渡ったから。今、ユウトの前に居られるのは……属性に、私の意志が残っているから」
その言葉を発したフィリアは、全身から黄金の電撃を迸らせた。
その姿は先程とは異なり、微かに背景の白い世界が透けて見えていた。
(フィリアの身体が……透けてる?意志を宿した属性が、持ち主だったフィリアの身体を形造っているのか?)
「属性が、彼女の姿を顕現しているんだ。君の『潜在意識』による、属性の部別によって」
背後から突然発せられた声に反応したユウトは、身体をジークフリートの声がした方向へと向けた。
「君は創造された当初、主である君の内側に三人の異なる人間が存在していた」
その言葉を聞いたユウトは、心の世界に存在した二人と、闇のドームに存在していた黒い人影の事を言っているのだと悟った。
「一人ひとりが異なる属性量、属性力を有していた……結果、主の君が属性を消費し尽くしたとしても、他の三人は属性を使用する事が出来た。代償として、『己以外の属性を部別する』事を無意識下で行なう様になった」
「その過去の記憶が、潜在的に属性を部別してたって言うのか?……それなら、なんでフィリアから属性を受け取った時、身体の中にある属性の変化を感じたんだ?」
「君の感じた変化は、譲渡された属性の一部が部別を免れ、君の属性に混ざり合った際に生じたモノだ……何も知らない君は、それが全てだと誤認していた様だが」
ユウトの質問に答えたジークフリートは、鋭い眼差しを向けながら左手の人差し指でユウトを指差した。
「その誤認によって君は、彼女から譲渡された属性、更には強化された契約で共有したユカリの属性の真価すら発揮出来ず、ティオーに敗れた」
「……嘘……だろ?」
フィリアの属性だけでなく、契約で共有したユカリの属性さえも部別していた事を知ったユウトは、虚ろになった瞳をゆっくりと下へ向けた。
「俺は、二人から力を受け取っていたにも関わらず、その力を碌に扱えもせずに無様に負けたって?……そんな、滑稽な話があるかよ」
俯いたまま淡々と呟いていたユウトは、心の底から沸々と湧いてくる自分自身への怒りを押し殺す様に、歯を強く噛み締めた。
「君がティオーに敗北した事は、〝最初から全てを知っていた者達〟からすれば、さぞ滑稽な話に違いない」
その言葉を聞いたユウトは、憤怒の感情が隠し切れていない鋭い眼差しを、声のする方向へと向けた。
「っ!?」
しかし、顔を上げたユウトの視線には、予想外の人物が立っていた。
「しかし、君と共に戦った仲間達、報告から状況を知った者に、君とユカリを責める者は誰一人いないだろう」
言葉を発する事なく硬直していたユウトの視線の先には、心配そうな眼差しで此方を見つめているフィリアの姿があった。
フィリアの背後からユウトの様子を見守っていたジークフリートは、地面に突き立てられたバルムンクを静かに引き抜き、向き合い続けている二人に背を向けて歩き始めた。
「闇の三大戦力である消滅、無量……運命の存在は……光のみならず、この世に存在する生物にとって、未曾有の脅威である事を理解出来たのだから」
バルムンクを肩に背負い、何も存在しない純白の世界を歩くジークフリートは、闇の頂点に君臨している者達の事を考えながら、小さく言葉を漏らしていた。
「フィリア……ごめん、こんな顔見せて。ちょっと、自分にイライラしてただけだから」
「……ユウト」
『無力なんかじゃない』
「っ!?」
フィリアの悲しげな声を聞いたユウトは、属性を譲渡される直前にフィリアから告げられた言葉を思い出し、黒く霞んだ瞳に光を灯した。
(……本当に……馬鹿だ、俺は。フィリアに、助けて貰ってばかりじゃないか)
過去の記憶を呼び起こされ、徐々に心境が変化していたユウトが目にしたのは、血を流すフィリアの前で力無く座り込んだ過去の自分だった。
(フィリアから、立ち上がる勇気を貰った。その場から動けずにいた時、大事な一歩を踏み出す力を貰った。それなのに……『何一つ変わってません』じゃ無いだろうが!)
首を左右に振り、座り込んだ自分の幻影を消し飛ばしたユウトは、心配そうに此方を見つめていたフィリアに向けて、強い意志を込めた眼差しを向けた。
「フィリア……俺は今、闇の主力に敗れてここにいる」
「……」
「だけど、次は必ず勝つ。もう二度と、フィリアの前で見せた情けない姿は晒さない」
「ユウト……」
「この世界で俺は、誰にも負けないぐらい強くなってみせる……生きて必ず、みんなを平和な世界に導く為に」
その言葉を聞いたフィリアは、アメリカで最後に交わした口約束を思い出し、瞳を潤ませた。
「ユウトなら、きっと出来る」
そう口にしたフィリアは、力無く垂れ下がったユウトの両手を優しく握ると、自身の両手で包み込む様に重ね、ユウトの胸の前で軽く握った。
「フィリア?」
次の瞬間、重ね合わされた両の手から感じる微かな電撃と共鳴する様に、誰も存在しない心の世界に金色の雷光が放たれた。
パキィィィィン
その直後、心の世界を形作っていた結晶が砕け散り、ユウトの内側から解き放たれた属性によって、全員を包み込む様に強力な冷気が発生した。
「これは……」
強力な属性によって身体の節々が凍結する様子を目にしたユウトは、変化の理由を確かめる為に、身体の内側へと意識を向けた。
すると、以前は確かに存在していた心の世界が、属性の解放によって跡形も無く消滅している事を認識した。
「この世界なら、ある程度の無理が出来るみたいだから、私の属性とユカリの属性を使って、私達の属性を解放出来ないか試してみたの……上手くいって良かった」
そう口にしたフィリアへと意識を戻したユウトは、心の世界に部別されていた全ての属性を纏わせている姿に目を見張った。
「前は、上手く渡せなかったけど……これなら、大丈夫」
正面を見つめるユウトの瞳には、全身を囲う様に舞い散る紅蓮の火花、身体の節々を凍てつかせる純白の冷気、そしてフィリア自身を形成している金色の電撃が写っていた。
「ユウト、今の実体のない私なんて、信頼出来ないかもしれないけれど……もう一度だけ私を信じて、属性を受け取ってくれる?」
その言葉を聞いたユウトは、小さく首を横に振った。
「やっぱり——」
「逆だよ、フィリア。フィリアが頼むんじゃなく、俺がフィリアに頼むんだ」
「え?」
フィリアの悲哀に満ちた言葉を遮るように返答したユウトは、こちらに視線を向けるフィリアの前に、そっと右手を差し出した。
「フィリアに助けて貰ってばかりの俺じゃ、頼りないと思う。けれど、こんな俺をフィリアが信じてくれるのなら……もう一度俺に、フィリア達の属性……背負わせて欲しい」
その言葉を聞き、ユウトの変化に少し驚いた表情を浮かべたフィリアは、差し出された右手を見た後に、ユウトの真っ直ぐな眼差しを見つめた。
「……私が属性を渡した後、ユウトがどんな経験をしたのか、私には分からないけれど——」
そう告げたフィリアは、ユウトと共に経験した全ての出来事を思い出し、一筋の涙を流した。
「今のユウトなら、残酷に定められた運命だって覆して、平和な未来に辿り着ける」
ユウトを見つめながら精一杯の笑顔で返事をしたフィリアは、差し出された手に自身の手を重ねた。
そして、二人は互いの瞳を見つめながら小さく頷き、ゆっくりと瞳を閉じた。
「ユウト……ありがとう」
「っ!?」
アメリカで伝えられなかった最後の言葉を発したフィリアは、黄金の光を発しながらユウトの前から姿を消した。
「フィリア……」
互いの属性が完全に混ざり合った事によって、一時的な記憶障害を引き起こしたユウトは、意識の混濁によって身体を揺らした。
「……それこそ、俺の台詞だよ」
その直後、ユウトの全身から黄金の電撃を迸り、漆黒の髪が徐々に橙色へと染まり始めた。
「ありがとう……フィリア」
溢れ出る涙を拭い、再び開かれた瞳は普段の空色よりも白に染まった、白縹の瞳へと変化していた。
「俺達は、超えてみせる……お前の事も、この先に存在する…… 未曾有の脅威も」
全身を覆う様に白い冷気を放ち、右手に純白の結晶刀を創造したユウトは、記憶障害によって名前を忘れてしまった男性へと視線を向けた。
「実に、実に素晴らしい絆だ」
少し離れた場所に立っていたジークフリートは、嬉しそうに頬を緩め、肩に背負っていた聖剣バルムンクを力強く振り上げた。
「心身共に、準備は出来たようだな。君達の、決して霞まず砕けぬ絆……その輝きが、今の君をどれ程成長させたのか、私に見せてくれ!」
バルムンクに炎を纏わせたジークフリートが軽く一振りした瞬間、創造の世界全体に超高温の熱波が広がった。
「現在を超え、その先を駆けろ。それが出来なければ……竜、そして神さえ屠るこの刃が、容赦無く君達の絆を斬り崩すだろう!」
そう言い突き出されたバルムンクの切先が指す先には、金属を優に溶かす熱波をも凍てつかせる冷気を放ったユウトが立っていた。
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