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第3章 光闇の宿命を背負ふ者
第0話 もう一人の導き手
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その場所を一言で表すならば、〝無〟だった。
微かな音も髪を揺らす程の風さえも、何一つ感じる事のない空虚な空間は、白色と黒色によって綺麗に二分されていた。
生物の存在すら感じられない空間に、一人の少年が膝を抱えた姿勢で座り込んでいた。
「……」
茫然と正面を見つめ、座り込んでいる少年を優しげな瞳で見つめていた少女は、運命の時を今か今かと待っていた。
「……?」
空間を眺め続け数刻が過ぎた頃、ふと少年が視線を向けた空間から此方に差し出された〝二人〟の手の存在に気が付いた。
先程までは何も存在していなかった筈の空間に浮かんでいる手の主を視認出来ない少年は、差し出された二人の手だけを見つめていた。
一人の手は〝白い空間〟から、もう一人の手は〝黒い空間〟から、それぞれ空間から突き出るように差し出されていた。
(私の手を……私の手を取って?)
数分間二人の手を見つめていた少年は、霞がかった意識の中で、差し伸べられた二人の手を殆ど同時に握った。
「……!」
少年が差し出された手を握った瞬間、白色と黒色のみで構築されていた空虚な世界は、黒の空間を埋め尽くす程の〝白い光〟が広がり続けた。
(……嘘……そんな事って……)
黒い空間に存在した少女は、目の前で起きた事に涙すると同時に、迫る白い光によって世界から弾き出された。
(やっぱり、私は一生……孤独な運命……なの?)
離れて行く少年に向けて必死に手を伸ばしていた少女は、光の届かない深い闇の中へと呑み込まれて行った。
―*―*―*―*―
ある日、二人の子どもが生まれた。
二人はそれぞれ別の場所で生まれ、両親と共に幸せな毎日を送っていた。
その一人が、——という名前の少女だった。
——は、ニュージーランドの特別な力を有していない平凡な家庭に生まれた。
幼い頃から両親に溺愛されて育った——は、生まれながらにして有していた常人以上の身体能力と記憶力を活かし、両親だけでなく周辺住民の生活援助を毎日欠かさず行なっていた。
人柄が良く、人懐っこい性格だった——は、十歳を迎える頃には両親だけでなく、ニュージーランドの国民が認知し、一部地域の国民から我が子の様に溺愛される存在となっていた。
そんな——が十二歳の誕生日を迎えたその日、彼女は自身に起きた変化から〝属性〟が開花した事を知った。
——に開花した属性は、歴史上存在していたとされる種類の属性とは全く異なる特性を有していた。
「—— に……なれるかなぁ……」
属性開花から数刻が過ぎた頃、朱殷のワンピースを身に纏った少女は、滝の様な涙を流しながら立ち尽くしていた。
走り続けた疲労によって子鹿の様に足を震わせた少女は、自身に開花した属性と、自身に定められた運命を心の底から憎んだ。
貴方は、生き物の生死のみならず、この世で起きた全ての事象が、変える事も逃れる事も出来ない運命だったと知った時、全てを受け入れる事が出来ますか?
微かな音も髪を揺らす程の風さえも、何一つ感じる事のない空虚な空間は、白色と黒色によって綺麗に二分されていた。
生物の存在すら感じられない空間に、一人の少年が膝を抱えた姿勢で座り込んでいた。
「……」
茫然と正面を見つめ、座り込んでいる少年を優しげな瞳で見つめていた少女は、運命の時を今か今かと待っていた。
「……?」
空間を眺め続け数刻が過ぎた頃、ふと少年が視線を向けた空間から此方に差し出された〝二人〟の手の存在に気が付いた。
先程までは何も存在していなかった筈の空間に浮かんでいる手の主を視認出来ない少年は、差し出された二人の手だけを見つめていた。
一人の手は〝白い空間〟から、もう一人の手は〝黒い空間〟から、それぞれ空間から突き出るように差し出されていた。
(私の手を……私の手を取って?)
数分間二人の手を見つめていた少年は、霞がかった意識の中で、差し伸べられた二人の手を殆ど同時に握った。
「……!」
少年が差し出された手を握った瞬間、白色と黒色のみで構築されていた空虚な世界は、黒の空間を埋め尽くす程の〝白い光〟が広がり続けた。
(……嘘……そんな事って……)
黒い空間に存在した少女は、目の前で起きた事に涙すると同時に、迫る白い光によって世界から弾き出された。
(やっぱり、私は一生……孤独な運命……なの?)
離れて行く少年に向けて必死に手を伸ばしていた少女は、光の届かない深い闇の中へと呑み込まれて行った。
―*―*―*―*―
ある日、二人の子どもが生まれた。
二人はそれぞれ別の場所で生まれ、両親と共に幸せな毎日を送っていた。
その一人が、——という名前の少女だった。
——は、ニュージーランドの特別な力を有していない平凡な家庭に生まれた。
幼い頃から両親に溺愛されて育った——は、生まれながらにして有していた常人以上の身体能力と記憶力を活かし、両親だけでなく周辺住民の生活援助を毎日欠かさず行なっていた。
人柄が良く、人懐っこい性格だった——は、十歳を迎える頃には両親だけでなく、ニュージーランドの国民が認知し、一部地域の国民から我が子の様に溺愛される存在となっていた。
そんな——が十二歳の誕生日を迎えたその日、彼女は自身に起きた変化から〝属性〟が開花した事を知った。
——に開花した属性は、歴史上存在していたとされる種類の属性とは全く異なる特性を有していた。
「—— に……なれるかなぁ……」
属性開花から数刻が過ぎた頃、朱殷のワンピースを身に纏った少女は、滝の様な涙を流しながら立ち尽くしていた。
走り続けた疲労によって子鹿の様に足を震わせた少女は、自身に開花した属性と、自身に定められた運命を心の底から憎んだ。
貴方は、生き物の生死のみならず、この世で起きた全ての事象が、変える事も逃れる事も出来ない運命だったと知った時、全てを受け入れる事が出来ますか?
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