136 / 192
第2章 紡がれる希望
第75話 変化の刻
しおりを挟む
ロシア本部ツァリ・グラード 治癒室
「そういえば……ヒナ、君が来たという事は日本の主力達は、今全員ロシアに来ている事になるけど」
回復結晶の中で眠りについているユウトに視線を向けていたレンは、主力達がロシアに来ていた事を思い出し、隣に立っていたヒナに声を掛けた。
「はい。なので、私がツァリ・グラードに来た時に偶然出会ったエムがルミナに戻ってくれました」
「エムが?」
ツァリ・グラードの入り口付近の壁に体を預けるように腕を組みながら立っていたエムは、転移したヒナと顔を合わせ、依頼を二つ返事で受け入れたエムは、入れ替わる形でルミナへと転移していた。
(相手がユウトだとケンカ腰になるけど、他の人に対しては素直なんだよね……面倒見も良いし)
ルミナに所属した新隊員一人ひとりに向き合い、時には厳しく、時には優しい指導をしていたエムの様子を思い出した。
「本当は、シュウにもお願いしたかったんですけど……エムから『シュウは、イタリアでの戦いに参加させてやって欲しい』と頼まれたので」
「……だろうな」
左隣に立っていたヒナに視線を向けていたレンは、右隣に立っていたヨハネの発した言葉が気になり、視線をヨハネに向けた。
「だろうなって……シュウがイタリアの戦いに参加する理由があるのかい?」
「そうか、お前は知らないんだったな」
これまでに起きた出来事を思い出し表情を曇らせたヨハネは、数秒の沈黙の後に閉じていた口を開いた。
「レン、日本の主力であるお前は、現状を詳しく知り、起きた全てと向き合わなければならない立場にある……属性を多量に使用したユウトの全快には、明日まで掛かるだろうからな」
「ヨハネ……分かった」
ヨハネの表情と発言から主力に関わる訃報である事を悟ったレンは、掠れた声で返事をすると床を見つめるように顔を下に向けていた。
「先程の報告の続きになりますが、今は闇の人間達の行動も活発なので、クレイドルの方々と協力して日本の防衛網を強化しています」
顔を下げたままの状態で固まっているレンの隣で報告を聞いていたヨハネは、ヒナの救援要請に応じて日本に向かった人物が、クレイドルに所属する隊員の中で、最もヒナと親しい友人であるクライフである事を予想した。
「ちなみに私も、担当した隊員さん達の報告が終わって日本に戻る所でしたけどね」
「そうだったのか」
「ユウトォ~~~♡」
ヨハネが返答した直後、甘い声を発しながら治癒室の扉を勢い良く開け、満面の笑みを浮かべたルアが入って来た。
「あ!やっぱりユウトだぁ~~♡」
目にも止まらぬ速さで回復結晶の前立っていたレンよりも前に移動したルアは、両手を広げてユウトが眠っている回復結晶に抱きついた。
「はぁ……もはや一種の病気だな」
溜息を吐いたヨハネは、右手を額に当てながら首を左右に振った。
「でも、アメリカで見せた殺人頭突きはしなくなりましたね」
「ある程度の常識は、頭と身体に叩き込んだからな。あれ程の手を尽くして治っていなければ、ユウトに面会する事も禁止するしか——」
「守ってるからオッケー⭐︎」
ユウとヨハネの会話を聞いていたルアは、回復結晶に貼り付いたままの状態で、ヨハネの言葉を遮るように明るい声を発した。
「使用中の回復結晶に抱きつくのは非常識だが?……ウム……」
「あ!何か嫌な事考えてる!」
顎に手を当て何かを考え始めたヨハネを視認したルアは、慌ててユウトの回復結晶から離れ、先程までの行動を誤魔化すように両手を左右にパタパタと揺らした。
「ヒナ、一時的な戦力として日本にルアを連れて行ってはくれないか?」
「え……えぇぇぇぇえ!!」
「ルア?」
聞き慣れない名前に首を傾げたヒナは、レンの背後で力無く地面に座り込んだ金髪の少女に視線を向けた。
「あれ?昨日、ルミナに転生した女の子?……ルアって言うんですか?」
「ああ。ルアは、ユウトに対して異常な程の恋心を抱いている。ユウトの祖国である日本の為なら、真面目に助力するだろう」
そう告げて座り込んだルアに視線を向けたヨハネは、頬を膨らませながら涙目を向けるルアと向き合うように身体を屈めた。
「ルア、お前は留守番だと修練場でも言っただろう?ツァリ・グラードに残るのも良いが、日本はユウトの祖国で関わりも深い」
「それは……そうだけど~」
「ユウトの側に居たいんだろう?日本の光拠点に所属し功績を上げなければ主力になれず、ユウトの隣で戦う機会も極端に減る……同じ留守番でも、後に良い事があった方がやり甲斐もあるだろう?」
「う~~~ん……そだね⭐︎」
首を左右に傾げながら悩んでいたルアは、ヨハネの提案をようやく受け入れると明るい声で返事をした。
「コホン……じゃあ」
スクッと立ち上がったルアは、クルリと背後から視線を向けていたヒナに視線を合わせた。
「私はルア!よろしくね⭐︎」
「あ、此方こそよろしくお願いします!」
深々とお辞儀をしたルアに釣られて挨拶をしたヒナは、ルアと同じように深々とお辞儀をした。
「じゃ、早速目的地にレッツゴー⭐︎」
「え!?」
そう告げて右拳を高らかに上げたルアは、四十キロ程のヒナを背負い、治癒室の扉に向けて駆け出した。
「ユ、ユカリもイタリア戦に参加するようですよ~~~」
ルアに背負われたヒナは、治癒室を出る直後に思い出した事を伝える為に声を発していたが、数秒間聞こえていたヒナの声は徐々に聞こえなくなった。
―*―*―*―*―
ロシア本部ツァリ・グラード 修練場
「ん?」
修練場の扉を開けたアーミヤ達二人に視線を向けたのは、ユウキ達が治癒室に向かい空室になった時期に修練場へ訪れていたシュウだった。
「え……もしかして」
(あの声ってアーミヤの声だったの?)
目を点にして硬直したシュウの表情から、言わんとする事を悟ったアーミヤは、不服そうに眉を顰めると、大きな溜息を吐いて首を横に振った。
「嫌な勘違いをするな。私はあんな声を出さん」
「あ、そうなんだ……ごめん」
謝罪の言葉を口にして小さく頭を下げたシュウの右手には、九十センチ程の日本刀が握られ、左手には銀色の銃が握られていた。
「いえ、私も他国からの客人に対して感情任せな発言をしてしまい——」
『堅苦しいんだよ……アンタは』
記憶に残されたパベーダの言葉を思い出したアーミヤは、出掛かっていた言葉を止め、小さく目を見開いた。
「ああ……分かっている」
その時の呟きを隣で聞き、アーミヤに視線を向けていたミールには、一瞬アーミヤが遠くの誰かに向けて微笑んだように見えていた。
「……貴方もイタリア戦に参加を?」
会話を再開させたアーミヤは、左右別々の武器を握り締めたまま立ち尽くしていたシュウに向けて質問を投げ掛けた。
「うん。やらなきゃいけない事があるから」
そう告げたシュウは、右手に携えた日本刀を自身の顔の前に来るように構えた。
「そうですか」
シュウに歩み寄りながら言葉を返したアーミヤは、刀身を見つめるシュウの前へと移動した。
「一つ、提案があります」
「……え?」
カイの遺品である刀に思いを馳せていたシュウは、アーミヤの言葉に対して数秒の間を開けて反応した。
「私を相手に、貴方と同様にイタリア戦に参加するミールと組み、模擬戦形式の修行をしませんか?」
「「へ?」」
修行を個別で行なうと考えていたミールは、予想外のアーミヤの言葉に対して、シュウと同じように不意を突かれたような声を発した。
「そういえば……ヒナ、君が来たという事は日本の主力達は、今全員ロシアに来ている事になるけど」
回復結晶の中で眠りについているユウトに視線を向けていたレンは、主力達がロシアに来ていた事を思い出し、隣に立っていたヒナに声を掛けた。
「はい。なので、私がツァリ・グラードに来た時に偶然出会ったエムがルミナに戻ってくれました」
「エムが?」
ツァリ・グラードの入り口付近の壁に体を預けるように腕を組みながら立っていたエムは、転移したヒナと顔を合わせ、依頼を二つ返事で受け入れたエムは、入れ替わる形でルミナへと転移していた。
(相手がユウトだとケンカ腰になるけど、他の人に対しては素直なんだよね……面倒見も良いし)
ルミナに所属した新隊員一人ひとりに向き合い、時には厳しく、時には優しい指導をしていたエムの様子を思い出した。
「本当は、シュウにもお願いしたかったんですけど……エムから『シュウは、イタリアでの戦いに参加させてやって欲しい』と頼まれたので」
「……だろうな」
左隣に立っていたヒナに視線を向けていたレンは、右隣に立っていたヨハネの発した言葉が気になり、視線をヨハネに向けた。
「だろうなって……シュウがイタリアの戦いに参加する理由があるのかい?」
「そうか、お前は知らないんだったな」
これまでに起きた出来事を思い出し表情を曇らせたヨハネは、数秒の沈黙の後に閉じていた口を開いた。
「レン、日本の主力であるお前は、現状を詳しく知り、起きた全てと向き合わなければならない立場にある……属性を多量に使用したユウトの全快には、明日まで掛かるだろうからな」
「ヨハネ……分かった」
ヨハネの表情と発言から主力に関わる訃報である事を悟ったレンは、掠れた声で返事をすると床を見つめるように顔を下に向けていた。
「先程の報告の続きになりますが、今は闇の人間達の行動も活発なので、クレイドルの方々と協力して日本の防衛網を強化しています」
顔を下げたままの状態で固まっているレンの隣で報告を聞いていたヨハネは、ヒナの救援要請に応じて日本に向かった人物が、クレイドルに所属する隊員の中で、最もヒナと親しい友人であるクライフである事を予想した。
「ちなみに私も、担当した隊員さん達の報告が終わって日本に戻る所でしたけどね」
「そうだったのか」
「ユウトォ~~~♡」
ヨハネが返答した直後、甘い声を発しながら治癒室の扉を勢い良く開け、満面の笑みを浮かべたルアが入って来た。
「あ!やっぱりユウトだぁ~~♡」
目にも止まらぬ速さで回復結晶の前立っていたレンよりも前に移動したルアは、両手を広げてユウトが眠っている回復結晶に抱きついた。
「はぁ……もはや一種の病気だな」
溜息を吐いたヨハネは、右手を額に当てながら首を左右に振った。
「でも、アメリカで見せた殺人頭突きはしなくなりましたね」
「ある程度の常識は、頭と身体に叩き込んだからな。あれ程の手を尽くして治っていなければ、ユウトに面会する事も禁止するしか——」
「守ってるからオッケー⭐︎」
ユウとヨハネの会話を聞いていたルアは、回復結晶に貼り付いたままの状態で、ヨハネの言葉を遮るように明るい声を発した。
「使用中の回復結晶に抱きつくのは非常識だが?……ウム……」
「あ!何か嫌な事考えてる!」
顎に手を当て何かを考え始めたヨハネを視認したルアは、慌ててユウトの回復結晶から離れ、先程までの行動を誤魔化すように両手を左右にパタパタと揺らした。
「ヒナ、一時的な戦力として日本にルアを連れて行ってはくれないか?」
「え……えぇぇぇぇえ!!」
「ルア?」
聞き慣れない名前に首を傾げたヒナは、レンの背後で力無く地面に座り込んだ金髪の少女に視線を向けた。
「あれ?昨日、ルミナに転生した女の子?……ルアって言うんですか?」
「ああ。ルアは、ユウトに対して異常な程の恋心を抱いている。ユウトの祖国である日本の為なら、真面目に助力するだろう」
そう告げて座り込んだルアに視線を向けたヨハネは、頬を膨らませながら涙目を向けるルアと向き合うように身体を屈めた。
「ルア、お前は留守番だと修練場でも言っただろう?ツァリ・グラードに残るのも良いが、日本はユウトの祖国で関わりも深い」
「それは……そうだけど~」
「ユウトの側に居たいんだろう?日本の光拠点に所属し功績を上げなければ主力になれず、ユウトの隣で戦う機会も極端に減る……同じ留守番でも、後に良い事があった方がやり甲斐もあるだろう?」
「う~~~ん……そだね⭐︎」
首を左右に傾げながら悩んでいたルアは、ヨハネの提案をようやく受け入れると明るい声で返事をした。
「コホン……じゃあ」
スクッと立ち上がったルアは、クルリと背後から視線を向けていたヒナに視線を合わせた。
「私はルア!よろしくね⭐︎」
「あ、此方こそよろしくお願いします!」
深々とお辞儀をしたルアに釣られて挨拶をしたヒナは、ルアと同じように深々とお辞儀をした。
「じゃ、早速目的地にレッツゴー⭐︎」
「え!?」
そう告げて右拳を高らかに上げたルアは、四十キロ程のヒナを背負い、治癒室の扉に向けて駆け出した。
「ユ、ユカリもイタリア戦に参加するようですよ~~~」
ルアに背負われたヒナは、治癒室を出る直後に思い出した事を伝える為に声を発していたが、数秒間聞こえていたヒナの声は徐々に聞こえなくなった。
―*―*―*―*―
ロシア本部ツァリ・グラード 修練場
「ん?」
修練場の扉を開けたアーミヤ達二人に視線を向けたのは、ユウキ達が治癒室に向かい空室になった時期に修練場へ訪れていたシュウだった。
「え……もしかして」
(あの声ってアーミヤの声だったの?)
目を点にして硬直したシュウの表情から、言わんとする事を悟ったアーミヤは、不服そうに眉を顰めると、大きな溜息を吐いて首を横に振った。
「嫌な勘違いをするな。私はあんな声を出さん」
「あ、そうなんだ……ごめん」
謝罪の言葉を口にして小さく頭を下げたシュウの右手には、九十センチ程の日本刀が握られ、左手には銀色の銃が握られていた。
「いえ、私も他国からの客人に対して感情任せな発言をしてしまい——」
『堅苦しいんだよ……アンタは』
記憶に残されたパベーダの言葉を思い出したアーミヤは、出掛かっていた言葉を止め、小さく目を見開いた。
「ああ……分かっている」
その時の呟きを隣で聞き、アーミヤに視線を向けていたミールには、一瞬アーミヤが遠くの誰かに向けて微笑んだように見えていた。
「……貴方もイタリア戦に参加を?」
会話を再開させたアーミヤは、左右別々の武器を握り締めたまま立ち尽くしていたシュウに向けて質問を投げ掛けた。
「うん。やらなきゃいけない事があるから」
そう告げたシュウは、右手に携えた日本刀を自身の顔の前に来るように構えた。
「そうですか」
シュウに歩み寄りながら言葉を返したアーミヤは、刀身を見つめるシュウの前へと移動した。
「一つ、提案があります」
「……え?」
カイの遺品である刀に思いを馳せていたシュウは、アーミヤの言葉に対して数秒の間を開けて反応した。
「私を相手に、貴方と同様にイタリア戦に参加するミールと組み、模擬戦形式の修行をしませんか?」
「「へ?」」
修行を個別で行なうと考えていたミールは、予想外のアーミヤの言葉に対して、シュウと同じように不意を突かれたような声を発した。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる