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第2章 紡がれる希望
第48話 強き者
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ロシア南部
「なんだ?」
ツァリ・グラードに向けて侵攻していた闇の人間達は、周辺に流れる〝何か〟を視認していた。
「何って……水だろ?」
山の斜面から流れ落ちていたのは、森林の緑色が映った水だった。
「さっきまで流れてたか?」
「は?別にどっちでも良いだろ」
木々が生い茂る山地に於いて、ごく普通の光景に違和感を感じる者は少なく、闇の人間達は山頂に向けて前進し続けた。
「昇天する準備は出来たか?」
山頂に仁王立ちしていたパベーダは、両脚から発生させたマイナスの水属性が山を降り終えた事を感じ取り、笑みを浮かべていた。
「山での戦い方ぐらい勉強しておくべきだったな!」
そう告げたパベーダが地面に両手を着くと、両手から発生させたプラスの雷属性を水属性に纏われた。
「なんだ!?」
水の存在を確認出来る範囲にいる闇の人間達が声を上げると、離れた場所から山を登っていた闇の人間達は、同時に声のする方向に視線を向けた。
『雷の制裁』
パベーダが属性を解放すると、木の根を感じさせる様に枝分かれした電撃が水流から解き放たれ、闇の人間達が登っていた一体を金色に輝かせた。
遠方から見れば、山そのものが光り輝いていると思わせる程の電撃が発生し、登っていた闇の人間達は全員黒い炭と化した。
「高低差の激しい戦場では、相手に位置を把握された時点でチェックメイトなんだよ」
パベーダは山に流した自身の属性から、闇の人間達の足音や気配を全て把握していた。
山頂に先んじて到着していたパベーダ先遣隊は、闇の人間達の動向を把握する時間があった。
「ただでさえ視野の狭まる山中に、大勢で攻めてくるからだ」
数千に及ぶ闇の人間達が同じ目的地に向けて行動していた為、ある程度の人数で陣形を組みながら集団で行動していた。
平坦な地形に比べて移動範囲が制限されている山の斜面を数十人の集団で行動する場合、過酷な斜面を選ぶ人間は存在しない。
更に、休息出来る地点が周辺に存在していない為、移動による疲労が蓄積していた闇の人間達は、自然と安全な斜面を選んで進んでいた。
「そんな不利を理解して、慎重に動いている人間もいるようだけどな」
パベーダが山の下に視線を向けると、木の影に潜んでいたと思われる闇の人間達が姿を現した。
(様子を伺っていたのか。それもそうか……闇の人間は、殺す事しか脳の無い奴ばかりじゃないからな)
最初から闇の人間として属性を開花させた人間は殺人だけでなく、様々な罪を犯す又は罪を犯す思考を持っている人間が基本である。
力を誇示する人間もいれば、知的に立ち回り光の人間達を捕縛した後に嬲り、痛みを与え、最大限に苦しめる人間も存在する。
「まさか……あんな物まで用意しているとは」
パベーダが目にした物は、森林を薙ぎ倒す様に現れた対物移動型属性砲だった。
現存しているツァリ・グラードやクレイドルの様な光拠点以外にも、各国には必ず一箇所以上の拠点が存在した。
しかし災禍領域の影響は世界中に広がっている為、既に数十に及ぶ国々が機能していない。
加えて闇の人間達による侵攻によって、ユカリが導き手となる以前から光の人間達が関与出来ない国も多数存在していた。
闇の人間達は廃墟と化した光拠点に残された兵器や、災禍領域の被害を受け国として機能しなくなった場所に侵攻し、物資や情報を奪っていた。
ユカリが導き手となる以前の兵器は、闇の人間達にも使用が可能であるが故に、旧世代の武器や機械を敵側が使用していた事例は、過去の記録にも残されていた。
対物移動型属性砲は、金属によって作られた装甲と一本の砲塔を有した、全長九メートル程の移動車輌である。
「ここまで本気で攻めてくるとは……予想でしかなかったが、闇の人間達は本気でアタシ達の国を滅ぼすつもりだな」
(だが、敢えてそれを使うとはな……敵陣の指導者は余程の間抜けと見た)
パベーダがそう考えた理由は、対物移動型属性砲の欠点だった。
対物移動型属性砲は、一発の砲弾を放つ為に使用する属性量が膨大である為、乗車人数である四名は基本的に二人以上で砲弾に属性を込めなければならない。
その為、効率が非常に悪く、属性の消費量も恐ろしいまでに多い事が原因で、歴史的に見ても使用頻度が少ない車輌であった。
(なんであんな扱い辛い車輌を使ってるんだ?)
微かな疑問を抱いたパベーダだったが、木陰に隠れていた闇の人間達が動き始めた事を確認すると、徐に両手を正面に組んだ。
「考えるのは後だ……先ずは、こちらの脅威になる車をぶっ壊す!」
組んだ両手に金色の電撃が迸ると同時に、パベーダは対物移動型属性砲に向けて両手を組んだ状態で突き出した。
『雷の鉄拳』
パベーダの組んだ両手前方に緑色の水球が発生すると、両手を走っていた電撃が水球を包み込んだ。
「くらえ」
浮遊していた水球は、電光を発しながら対物移動型属性砲に向かって目にも止まらない剛速で放たれた。
「え?」
一瞬の内に現れた光に驚いた闇の人間達が目を閉じた瞬間、対物移動型属性砲に接触した水球は四方に弾け飛んだ。
すると、水球に纏われた属性によって散らばった水滴全てが電撃によって結び付き、まるで巨大な蜘蛛の巣の様に電撃を発生させた。
対物移動型属性砲の砲塔から入り込んだ水滴にも属性が含まれており、内部にいた四人を含めた周囲の闇の人間達は、全員パベーダの攻撃を受けた事で命を落とした。
「ふぅ」
確認出来る闇の人間達を殲滅したパベーダは、安堵の息を吐いた。
(アーミヤに要請した増援は余計だったか?……いや、ロシア南部は広い……敵が本気だと分かった今、過信は命取りか)
その時、ふと背後に気配を感じたパベーダは、アーミヤに依頼した増援が到着した事を隊員が知らせに来たんだろうと考え、くるりと背後に身体を向けた。
「よお」
声を聞いたパベーダは、ピタリと身体の動きを止め、声のした方向へと視線を向けた。
「俺とは、初めましてだな……パベーダ」
背後に視線を向けたパベーダの前には、黒服を着た六尺程の漆黒の髪の男が立っていた。
「……ロキ……か?」
左右非対称の色を有した瞳でパベーダを見つめる男は、その質問に対して首を傾げていた。
「俺の名前か?〝今の俺〟は、闇の人間だ。名前なんて存在しないが、そうだな……強いて言うならチェルノボクだ」
(チェルノボク?……もしかしてチェルノボーグの事か?)
パベーダは以前資料室で興味本位で読んだ神話に関する書類を思い出していた。
しかしチェルノボグが発した名前は、ロシアでの発音とは異なったウクライナの言語だった。
「神話の死神か……ロキと言いお前と言い、神話になぞらえた名前が好きらしいな」
ロキと瓜二つの容姿をしたチェルノボグは、パベーダから発せられた予想外の返答に、不敵な笑みを浮かべていた。
「意外と博識だな……お前は、ヨハネとは比べ物にならない程の単細胞な奴だと思っていたが」
「チッ!ロキと同じ人相な上に、性格までそっくりだな」
パベーダは〝憧れの一人〟であるヨハネの名前に反応を示した後、自身の事を侮辱したチェルノボグに対して怒りの形相を向けていた。
(ロキに似ているが、ロキじゃないのか?……それにしては、あまりにも似過ぎてる)
正面に立つチェルノボグに対して怒りの感情を抱きながらも、パベーダは西部を担当しているロキと別人である確証が持てずにいた。
(黒衣を着ているが、それだけで闇の人間だと判断する事は出来ない。それに……例え気の合わない奴だろうと、ロキはアタシと同じツァリ・グラードの主力だ)
困惑しているパベーダを観察していたチェルノボグは、徐に右手に持つ何かを差し出した。
「これで分かるか?」
頭を悩ませていたパベーダは、チェルノボグが差し出した右手を見て目を見開いた。
右手に握られていたのは、パベーダが増援を待つ様に告げた前衛部隊員の生首だった。
「お前の目の前にいる俺は、お前らの敵だ」
そう告げたチェルノボグの衣服には、複数の血痕が残されていた。
「っ!」
チェルノボグの視線を交わした瞬間感じた殺意は、深淵の様にドス黒く、パベーダ自身に死を悟らせる程に、凶悪なものだった。
「なんだ?」
ツァリ・グラードに向けて侵攻していた闇の人間達は、周辺に流れる〝何か〟を視認していた。
「何って……水だろ?」
山の斜面から流れ落ちていたのは、森林の緑色が映った水だった。
「さっきまで流れてたか?」
「は?別にどっちでも良いだろ」
木々が生い茂る山地に於いて、ごく普通の光景に違和感を感じる者は少なく、闇の人間達は山頂に向けて前進し続けた。
「昇天する準備は出来たか?」
山頂に仁王立ちしていたパベーダは、両脚から発生させたマイナスの水属性が山を降り終えた事を感じ取り、笑みを浮かべていた。
「山での戦い方ぐらい勉強しておくべきだったな!」
そう告げたパベーダが地面に両手を着くと、両手から発生させたプラスの雷属性を水属性に纏われた。
「なんだ!?」
水の存在を確認出来る範囲にいる闇の人間達が声を上げると、離れた場所から山を登っていた闇の人間達は、同時に声のする方向に視線を向けた。
『雷の制裁』
パベーダが属性を解放すると、木の根を感じさせる様に枝分かれした電撃が水流から解き放たれ、闇の人間達が登っていた一体を金色に輝かせた。
遠方から見れば、山そのものが光り輝いていると思わせる程の電撃が発生し、登っていた闇の人間達は全員黒い炭と化した。
「高低差の激しい戦場では、相手に位置を把握された時点でチェックメイトなんだよ」
パベーダは山に流した自身の属性から、闇の人間達の足音や気配を全て把握していた。
山頂に先んじて到着していたパベーダ先遣隊は、闇の人間達の動向を把握する時間があった。
「ただでさえ視野の狭まる山中に、大勢で攻めてくるからだ」
数千に及ぶ闇の人間達が同じ目的地に向けて行動していた為、ある程度の人数で陣形を組みながら集団で行動していた。
平坦な地形に比べて移動範囲が制限されている山の斜面を数十人の集団で行動する場合、過酷な斜面を選ぶ人間は存在しない。
更に、休息出来る地点が周辺に存在していない為、移動による疲労が蓄積していた闇の人間達は、自然と安全な斜面を選んで進んでいた。
「そんな不利を理解して、慎重に動いている人間もいるようだけどな」
パベーダが山の下に視線を向けると、木の影に潜んでいたと思われる闇の人間達が姿を現した。
(様子を伺っていたのか。それもそうか……闇の人間は、殺す事しか脳の無い奴ばかりじゃないからな)
最初から闇の人間として属性を開花させた人間は殺人だけでなく、様々な罪を犯す又は罪を犯す思考を持っている人間が基本である。
力を誇示する人間もいれば、知的に立ち回り光の人間達を捕縛した後に嬲り、痛みを与え、最大限に苦しめる人間も存在する。
「まさか……あんな物まで用意しているとは」
パベーダが目にした物は、森林を薙ぎ倒す様に現れた対物移動型属性砲だった。
現存しているツァリ・グラードやクレイドルの様な光拠点以外にも、各国には必ず一箇所以上の拠点が存在した。
しかし災禍領域の影響は世界中に広がっている為、既に数十に及ぶ国々が機能していない。
加えて闇の人間達による侵攻によって、ユカリが導き手となる以前から光の人間達が関与出来ない国も多数存在していた。
闇の人間達は廃墟と化した光拠点に残された兵器や、災禍領域の被害を受け国として機能しなくなった場所に侵攻し、物資や情報を奪っていた。
ユカリが導き手となる以前の兵器は、闇の人間達にも使用が可能であるが故に、旧世代の武器や機械を敵側が使用していた事例は、過去の記録にも残されていた。
対物移動型属性砲は、金属によって作られた装甲と一本の砲塔を有した、全長九メートル程の移動車輌である。
「ここまで本気で攻めてくるとは……予想でしかなかったが、闇の人間達は本気でアタシ達の国を滅ぼすつもりだな」
(だが、敢えてそれを使うとはな……敵陣の指導者は余程の間抜けと見た)
パベーダがそう考えた理由は、対物移動型属性砲の欠点だった。
対物移動型属性砲は、一発の砲弾を放つ為に使用する属性量が膨大である為、乗車人数である四名は基本的に二人以上で砲弾に属性を込めなければならない。
その為、効率が非常に悪く、属性の消費量も恐ろしいまでに多い事が原因で、歴史的に見ても使用頻度が少ない車輌であった。
(なんであんな扱い辛い車輌を使ってるんだ?)
微かな疑問を抱いたパベーダだったが、木陰に隠れていた闇の人間達が動き始めた事を確認すると、徐に両手を正面に組んだ。
「考えるのは後だ……先ずは、こちらの脅威になる車をぶっ壊す!」
組んだ両手に金色の電撃が迸ると同時に、パベーダは対物移動型属性砲に向けて両手を組んだ状態で突き出した。
『雷の鉄拳』
パベーダの組んだ両手前方に緑色の水球が発生すると、両手を走っていた電撃が水球を包み込んだ。
「くらえ」
浮遊していた水球は、電光を発しながら対物移動型属性砲に向かって目にも止まらない剛速で放たれた。
「え?」
一瞬の内に現れた光に驚いた闇の人間達が目を閉じた瞬間、対物移動型属性砲に接触した水球は四方に弾け飛んだ。
すると、水球に纏われた属性によって散らばった水滴全てが電撃によって結び付き、まるで巨大な蜘蛛の巣の様に電撃を発生させた。
対物移動型属性砲の砲塔から入り込んだ水滴にも属性が含まれており、内部にいた四人を含めた周囲の闇の人間達は、全員パベーダの攻撃を受けた事で命を落とした。
「ふぅ」
確認出来る闇の人間達を殲滅したパベーダは、安堵の息を吐いた。
(アーミヤに要請した増援は余計だったか?……いや、ロシア南部は広い……敵が本気だと分かった今、過信は命取りか)
その時、ふと背後に気配を感じたパベーダは、アーミヤに依頼した増援が到着した事を隊員が知らせに来たんだろうと考え、くるりと背後に身体を向けた。
「よお」
声を聞いたパベーダは、ピタリと身体の動きを止め、声のした方向へと視線を向けた。
「俺とは、初めましてだな……パベーダ」
背後に視線を向けたパベーダの前には、黒服を着た六尺程の漆黒の髪の男が立っていた。
「……ロキ……か?」
左右非対称の色を有した瞳でパベーダを見つめる男は、その質問に対して首を傾げていた。
「俺の名前か?〝今の俺〟は、闇の人間だ。名前なんて存在しないが、そうだな……強いて言うならチェルノボクだ」
(チェルノボク?……もしかしてチェルノボーグの事か?)
パベーダは以前資料室で興味本位で読んだ神話に関する書類を思い出していた。
しかしチェルノボグが発した名前は、ロシアでの発音とは異なったウクライナの言語だった。
「神話の死神か……ロキと言いお前と言い、神話になぞらえた名前が好きらしいな」
ロキと瓜二つの容姿をしたチェルノボグは、パベーダから発せられた予想外の返答に、不敵な笑みを浮かべていた。
「意外と博識だな……お前は、ヨハネとは比べ物にならない程の単細胞な奴だと思っていたが」
「チッ!ロキと同じ人相な上に、性格までそっくりだな」
パベーダは〝憧れの一人〟であるヨハネの名前に反応を示した後、自身の事を侮辱したチェルノボグに対して怒りの形相を向けていた。
(ロキに似ているが、ロキじゃないのか?……それにしては、あまりにも似過ぎてる)
正面に立つチェルノボグに対して怒りの感情を抱きながらも、パベーダは西部を担当しているロキと別人である確証が持てずにいた。
(黒衣を着ているが、それだけで闇の人間だと判断する事は出来ない。それに……例え気の合わない奴だろうと、ロキはアタシと同じツァリ・グラードの主力だ)
困惑しているパベーダを観察していたチェルノボグは、徐に右手に持つ何かを差し出した。
「これで分かるか?」
頭を悩ませていたパベーダは、チェルノボグが差し出した右手を見て目を見開いた。
右手に握られていたのは、パベーダが増援を待つ様に告げた前衛部隊員の生首だった。
「お前の目の前にいる俺は、お前らの敵だ」
そう告げたチェルノボグの衣服には、複数の血痕が残されていた。
「っ!」
チェルノボグの視線を交わした瞬間感じた殺意は、深淵の様にドス黒く、パベーダ自身に死を悟らせる程に、凶悪なものだった。
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★追記
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※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
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