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第2章 紡がれる希望
第26話 一目惚れ
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アメリカ中央拠点クレイドル 北部
「私が初めて一目惚れした男の人……私の全てを捧げても……愛をぶつけたいと感じた人」
ヨハネが瓦礫を見つめていると、突如積み上げられていた瓦礫は周囲に吹き飛ばされた。
吹き飛ばされた瓦礫は、ユカリの結晶によって構築されていたビル群の瓦礫だった為に、ルアの属性によって属性を吸収され原型を留められなくなった瓦礫は空中で砂のように消失した。
「私の恋路を女風情が……ジャマスルナァ!!」
ルアの全身を囲うように浮遊する赤黒い水流は、ルアの抱いた怒りの感情に呼応するように周囲で荒々しく波打っていた。
「属性は使用者の心情で強くも弱くもなる」
ヨハネは大刀を振り翳し鋭い眼差しで、澱んだルアの瞳を見つめた。
「姫が想う男性には及ばないかもしれないが、それでも……私の誓いは、独善的な想いに縋る……お前の全てを凌駕する」
その瞬間、ヨハネの周囲に存在する地面はひび割れ内部では溶岩のように紅蓮に輝く炎が流れていた。
「前にも言ったでしょ⭐︎……女が勝手に私を決めないで!!」
再び霧の様に姿を消したルアがいた場所に向けてヨハネは周囲の地面を割る脚力で蹴り飛び消えゆく瞬間のルアに向けて大刀を振るった。
消えかけていたルアは、振われた大刀を防ぐ為に大鎌を力強く払った。
「チッ!」
「言った筈だ……お前の全てを凌駕すると!」
そう叫んだヨハネは、ルアに向けて様々な方向から大刀を力強く振るった。
対するルアは、向けられる斬撃に正面から立ち向かい自身の大鎌で相殺していた。
「……ヨハネ」
離れた場所に座り込んだユウキは、立ち向かうヨハネの後ろ姿を見つめていた。
パキィィィィン
その瞬間、甲高い音が周囲に響き渡りユウキの姿は元のユウトの姿へと変わっていた。
「「ユウト!」」
ユウトを挟むように左右で身構えていた二人は、突然男性の姿に戻ったユウトに驚きの声を上げた。
命の創造によって殆どの属性を消耗していたユウキは、身体の維持できる属性を下回っていた為に本人の意思に関わらず自動的に元のユウトの姿へと変化してしまっていた。
「姿を維持出来ない……予想はしていたが……今の俺は、ユカリに創造された頃と同じかそれ以下の属性量しか残っていないのか」
ユウトは、俯いたまま自身の両手を見つめながら強く握り締めた。
ユウキの姿を維持出来ているのは、一定以上の属性量と属性力を保持している為である。
ユカリから創造されたユウトが男性として生まれたのは、ユカリの精神的不安によるものであり本来は女性として創造される筈だった存在。
そのユウトが、ユカリに近付けば近付く程にユウトの存在はユカリに酷似していく。
ユカリ戦でユウトのまま戦い勝利する事が出来たのは、ユウト自身が自分という存在でユカリを超えようとした強い意志と覚悟によるものだった。
ユカリ戦以降、姿を自由に変える事が出来たのはユウトがある程度の属性を持っていた為に、自分の意志で姿を変化させる事が可能であった。
(あれが……ユウト)
甲高い音を聞いて動きを止めた二人は、音の発せられた場所を見つめていた。
「…………ユウト」
ルアもヨハネと同様に、視線の先で響き渡った甲高い音に意識を向けていた。
視線の先には、先程までいた少女の姿はなく黒フードの男から渡された写真を見て恋焦がれていた男性が座り込んでいた。
「ユウ——」
目を輝かせてユウトに向かおうと動き出したルアに対して、ヨハネは大刀を振り下ろした。
「チッ!」
振り下ろされた大刀に気付いたルアは、大鎌の持ち手で刃を防いだ。
「お前の相手は私だ!」
「ヨハネちゃんの愛してるのは、さっきの女でしょ~?今いるのは男の人だよ?」
「お前は勘違いしているようだが、私の向ける愛は〝誓い〟の意だ。恋愛感情を向けるべき人は既に失っている……故に私の愛に性別は関係ない」
ルアの言葉を聞いたヨハネは、嘲笑うように言葉を返した。
「それに姫とお前の想い人であるユウトは同一人物だ……そんな事さえも理解出来ないのか?」
その言葉に怒りを覚えたルアは、受け止めていた大刀を跳ね返しヨハネとの距離を取った。
「あーーーもう!鬱陶シインダヨ!!!」
そして憎悪の込められた黒い瞳でヨハネを睨みつけたルアは、大鎌に赤黒い水属性を纏わせると再びヨハネに向けて接近し大鎌を払った。
「愚かな事なんだ……戦場で怒りによって我を忘れる事は」
ヨハネは、ルアの大鎌に対抗するように大刀を力強く振るった。
『業火の剣』
互いの刃がぶつかり合う寸前で、ヨハネの大刀は炎を纏い紅蓮に輝いた。
接触した瞬間に、勢いを増した属性は巨大な斬撃となって少女に向けて放たれた。
「うっあぁぁぁぁあ!!」
斬撃に呑み込まれ全身を燃やされた少女は、後方へと吹き飛ばされ地面を数回転がった。
「あぁぁ……アツい……アツいよユウト……ユウトォ」
燃え盛りながらも想い人の名を呼ぶ少女は、震える腕を支えにゆっくりと身体を起こした。
「ユウ……ト」
身体を燃やし続けている炎を他所に、立ち尽くした少女はヨハネの背後にいるユウトに視線を向けていた。
(私の一目惚れ……貴方さえいれば他は要らない……私が欲しい物はたった一つ)
脚を震わせ身体を揺らしながら立っている少女を見つめるヨハネは、再び大刀を両手で握り締め少女に向けて構えた。
「お前が向ける愛が、純粋な愛であれば闇に染まる事はなかっただろう」
悲しげな瞳をしたヨハネはそう言うと、両手で握り締めた大刀を天高く掲げた。
「……終わりだ」
『黄昏の終幕』
数秒瞳を閉じルアに黙祷を捧げたヨハネは、再び瞳を開くと同時に力強く振り下ろし蒼炎の斬撃を放った。
(私が……欲しい物は)
ルアの視界を埋め尽くす程に巨大な斬撃は、地面を切り裂きながらルアを呑み込む筈だった。
「……ユウト」
重傷を負っていたルアが動ける筈がないと考えていたヨハネは、身体に残された全ての属性を込めた斬撃を放った。
ヨハネの放った斬撃は、ルアだけでなくヨハネの視界さえも遮ってしまった影響で、互いに視認する事が出来ていなかった。
ルアはヨハネが斬撃を放った数秒後、最後の力を振り絞り斬撃を回避するとユウトに向かって勢い良く蹴り飛んだ。
不意を突かれたヨハネは、視界で蒼く輝く斬撃を遮るように現れたルアの対処が間に合わず進行を防げなかった。
ヨハネを掻い潜ったルアは、空中でユウトに向け両手を翳すと霧のように姿を消した。
目の前で起きた現象を見た二人は、ユウトの防衛の為に互いが持つ刀を構えようとした。
その瞬間ユウトは、自身に残されていた微かな属性を頼りに自身の胸部前に結晶刀を創造した。
創造された歪な結晶刀は、ヨハネに向けて剣先が向けられたまま浮遊していた。
(私が欲しい物は……ユウトからの〝愛〟)
突如ユウトの前に姿を現したルアは、ユウトの創り出した結晶刀の剣先に身を委ねるように傾けると剣先はルアの胸部を深々と突き刺し貫通した。
「……嘘」
「……自分から」
ルアの行動を見た二人は、驚愕するとその場で硬直し立ち尽くしていた。
「……ユウト」
心臓を貫かれたルアは、痛みに顔を歪める事はなく自身を見つめているユウトに向けて微笑みを向けた。
「……どれ程の辛い過去を背負っているのか……俺には分からないが」
ユウトはそう言い多量に流血し続けるルアに向けて、決意の籠った瞳を向けた。
「……一人にはしない……隣に立って共に償って行こう〝ルア〟」
ユウトの言葉を聞いたルアは、身体を震わせながら声を漏らした。
「嬉しいな……ユウト………大好き」
満面の笑みを浮かべたルアは、一筋の涙を流すと塵となって消えていった。
「私が初めて一目惚れした男の人……私の全てを捧げても……愛をぶつけたいと感じた人」
ヨハネが瓦礫を見つめていると、突如積み上げられていた瓦礫は周囲に吹き飛ばされた。
吹き飛ばされた瓦礫は、ユカリの結晶によって構築されていたビル群の瓦礫だった為に、ルアの属性によって属性を吸収され原型を留められなくなった瓦礫は空中で砂のように消失した。
「私の恋路を女風情が……ジャマスルナァ!!」
ルアの全身を囲うように浮遊する赤黒い水流は、ルアの抱いた怒りの感情に呼応するように周囲で荒々しく波打っていた。
「属性は使用者の心情で強くも弱くもなる」
ヨハネは大刀を振り翳し鋭い眼差しで、澱んだルアの瞳を見つめた。
「姫が想う男性には及ばないかもしれないが、それでも……私の誓いは、独善的な想いに縋る……お前の全てを凌駕する」
その瞬間、ヨハネの周囲に存在する地面はひび割れ内部では溶岩のように紅蓮に輝く炎が流れていた。
「前にも言ったでしょ⭐︎……女が勝手に私を決めないで!!」
再び霧の様に姿を消したルアがいた場所に向けてヨハネは周囲の地面を割る脚力で蹴り飛び消えゆく瞬間のルアに向けて大刀を振るった。
消えかけていたルアは、振われた大刀を防ぐ為に大鎌を力強く払った。
「チッ!」
「言った筈だ……お前の全てを凌駕すると!」
そう叫んだヨハネは、ルアに向けて様々な方向から大刀を力強く振るった。
対するルアは、向けられる斬撃に正面から立ち向かい自身の大鎌で相殺していた。
「……ヨハネ」
離れた場所に座り込んだユウキは、立ち向かうヨハネの後ろ姿を見つめていた。
パキィィィィン
その瞬間、甲高い音が周囲に響き渡りユウキの姿は元のユウトの姿へと変わっていた。
「「ユウト!」」
ユウトを挟むように左右で身構えていた二人は、突然男性の姿に戻ったユウトに驚きの声を上げた。
命の創造によって殆どの属性を消耗していたユウキは、身体の維持できる属性を下回っていた為に本人の意思に関わらず自動的に元のユウトの姿へと変化してしまっていた。
「姿を維持出来ない……予想はしていたが……今の俺は、ユカリに創造された頃と同じかそれ以下の属性量しか残っていないのか」
ユウトは、俯いたまま自身の両手を見つめながら強く握り締めた。
ユウキの姿を維持出来ているのは、一定以上の属性量と属性力を保持している為である。
ユカリから創造されたユウトが男性として生まれたのは、ユカリの精神的不安によるものであり本来は女性として創造される筈だった存在。
そのユウトが、ユカリに近付けば近付く程にユウトの存在はユカリに酷似していく。
ユカリ戦でユウトのまま戦い勝利する事が出来たのは、ユウト自身が自分という存在でユカリを超えようとした強い意志と覚悟によるものだった。
ユカリ戦以降、姿を自由に変える事が出来たのはユウトがある程度の属性を持っていた為に、自分の意志で姿を変化させる事が可能であった。
(あれが……ユウト)
甲高い音を聞いて動きを止めた二人は、音の発せられた場所を見つめていた。
「…………ユウト」
ルアもヨハネと同様に、視線の先で響き渡った甲高い音に意識を向けていた。
視線の先には、先程までいた少女の姿はなく黒フードの男から渡された写真を見て恋焦がれていた男性が座り込んでいた。
「ユウ——」
目を輝かせてユウトに向かおうと動き出したルアに対して、ヨハネは大刀を振り下ろした。
「チッ!」
振り下ろされた大刀に気付いたルアは、大鎌の持ち手で刃を防いだ。
「お前の相手は私だ!」
「ヨハネちゃんの愛してるのは、さっきの女でしょ~?今いるのは男の人だよ?」
「お前は勘違いしているようだが、私の向ける愛は〝誓い〟の意だ。恋愛感情を向けるべき人は既に失っている……故に私の愛に性別は関係ない」
ルアの言葉を聞いたヨハネは、嘲笑うように言葉を返した。
「それに姫とお前の想い人であるユウトは同一人物だ……そんな事さえも理解出来ないのか?」
その言葉に怒りを覚えたルアは、受け止めていた大刀を跳ね返しヨハネとの距離を取った。
「あーーーもう!鬱陶シインダヨ!!!」
そして憎悪の込められた黒い瞳でヨハネを睨みつけたルアは、大鎌に赤黒い水属性を纏わせると再びヨハネに向けて接近し大鎌を払った。
「愚かな事なんだ……戦場で怒りによって我を忘れる事は」
ヨハネは、ルアの大鎌に対抗するように大刀を力強く振るった。
『業火の剣』
互いの刃がぶつかり合う寸前で、ヨハネの大刀は炎を纏い紅蓮に輝いた。
接触した瞬間に、勢いを増した属性は巨大な斬撃となって少女に向けて放たれた。
「うっあぁぁぁぁあ!!」
斬撃に呑み込まれ全身を燃やされた少女は、後方へと吹き飛ばされ地面を数回転がった。
「あぁぁ……アツい……アツいよユウト……ユウトォ」
燃え盛りながらも想い人の名を呼ぶ少女は、震える腕を支えにゆっくりと身体を起こした。
「ユウ……ト」
身体を燃やし続けている炎を他所に、立ち尽くした少女はヨハネの背後にいるユウトに視線を向けていた。
(私の一目惚れ……貴方さえいれば他は要らない……私が欲しい物はたった一つ)
脚を震わせ身体を揺らしながら立っている少女を見つめるヨハネは、再び大刀を両手で握り締め少女に向けて構えた。
「お前が向ける愛が、純粋な愛であれば闇に染まる事はなかっただろう」
悲しげな瞳をしたヨハネはそう言うと、両手で握り締めた大刀を天高く掲げた。
「……終わりだ」
『黄昏の終幕』
数秒瞳を閉じルアに黙祷を捧げたヨハネは、再び瞳を開くと同時に力強く振り下ろし蒼炎の斬撃を放った。
(私が……欲しい物は)
ルアの視界を埋め尽くす程に巨大な斬撃は、地面を切り裂きながらルアを呑み込む筈だった。
「……ユウト」
重傷を負っていたルアが動ける筈がないと考えていたヨハネは、身体に残された全ての属性を込めた斬撃を放った。
ヨハネの放った斬撃は、ルアだけでなくヨハネの視界さえも遮ってしまった影響で、互いに視認する事が出来ていなかった。
ルアはヨハネが斬撃を放った数秒後、最後の力を振り絞り斬撃を回避するとユウトに向かって勢い良く蹴り飛んだ。
不意を突かれたヨハネは、視界で蒼く輝く斬撃を遮るように現れたルアの対処が間に合わず進行を防げなかった。
ヨハネを掻い潜ったルアは、空中でユウトに向け両手を翳すと霧のように姿を消した。
目の前で起きた現象を見た二人は、ユウトの防衛の為に互いが持つ刀を構えようとした。
その瞬間ユウトは、自身に残されていた微かな属性を頼りに自身の胸部前に結晶刀を創造した。
創造された歪な結晶刀は、ヨハネに向けて剣先が向けられたまま浮遊していた。
(私が欲しい物は……ユウトからの〝愛〟)
突如ユウトの前に姿を現したルアは、ユウトの創り出した結晶刀の剣先に身を委ねるように傾けると剣先はルアの胸部を深々と突き刺し貫通した。
「……嘘」
「……自分から」
ルアの行動を見た二人は、驚愕するとその場で硬直し立ち尽くしていた。
「……ユウト」
心臓を貫かれたルアは、痛みに顔を歪める事はなく自身を見つめているユウトに向けて微笑みを向けた。
「……どれ程の辛い過去を背負っているのか……俺には分からないが」
ユウトはそう言い多量に流血し続けるルアに向けて、決意の籠った瞳を向けた。
「……一人にはしない……隣に立って共に償って行こう〝ルア〟」
ユウトの言葉を聞いたルアは、身体を震わせながら声を漏らした。
「嬉しいな……ユウト………大好き」
満面の笑みを浮かべたルアは、一筋の涙を流すと塵となって消えていった。
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