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第1章 光の導き手
第46話 光の審判者
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悲しき風の吹く中、旧光拠点シエラの前に結晶で創り出した、巨大な石碑を建てた。
結晶で出来た半透明な石碑を見ていたレンは、背後に立っていたユウキに視線を向けた。
血液によって赤黒く染まったシエラを見つめているユウキの瞳は、先程までの荒々しい赤色では無く、美しい空色に変わっていた。
そして、腰下まで伸びた黒髪は結晶で創られた特殊なリングによって一つに結われていた。
(ユウキ……)
レンは、無言のまま佇んでいたユウキの肩に手を置いた。
「戻ろう……僕らの拠点に。立ち止まっては、いられないからね」
レンの言葉を聞いて尚、シエラから視線を逸らずにいたユウキだったが、首元にある〝ある物〟を握り締めると、レンに視線を向けて無言のまま小さく頷いた。
二人は結晶の石碑に黙祷した後、何度も石碑に振り返るユウキと共に転移エリアの光に包まれ、イタリアの地を後にした。
―*―*―*―*―
視界を埋め尽くしていた光が徐々に消え始めた時、ユウキは妙な違和感を感じて振り返った。
「……レン?」
その瞬間、ユウキは自身の感じ取った違和感の原因に気が付いた。
共に転移した筈の、レンの姿が見当たらなかったのだ。
転移時にはレンの気配を感じていたユウキは、回復し切れていない視認による確認を諦め、周囲の気配を探る為に、目を瞑り意識を集中させ始めた。
「心配せずとも、レンは貴方と共にルミナへと転移していますよ」
(……この声は)
聞き慣れた声に安堵したユウキだったが、声の主の雰囲気がいつもと違う様な気がした。
「悪いな。まだ視力が回復してなくて確認出来なかったんだ……そうか、転移出来ているならそれで良いんだ」
「視力が回復していないんじゃありませんよ。視認出来ないのは、貴方の周囲を結晶が囲んでいるからです」
「……何で俺の視界を?」
少女に問い掛けながら、ユウキは自身の周辺に広がる白い空間を叩き、自身が見えない壁に囲われている事を確認した。
(この程度なら破壊出来なくはないが……なんでこんな事を)
「……いつかは、この日が来ると思っていました」
視界を埋め尽くしていた白い世界が徐々に消えていき、周囲の光景が少しずつ見え始めた。
「貴方が隕石の脅威から、人々を救ったあの日から」
ユウキの視界に入った一人の少女は、日本の代表として日頃身に付けているルミナの隊服では無く、多色を一切使用していない純白の軽鎧に身を包んでいた。
そんな少女の右手には、冷気を帯びた結晶刀が創造されていた。
「闇のボスの右腕である少女と共に私達の前に現れ、貴方が人々から恐れられたあの日から」
周辺にルミナの面影はなく、少女が二人の転移先を変えた事を理解したユウキは全てを悟り、右手に結晶刀を創造し始めた。
「貴方が本当に、人々の為に戦っていると言うのなら、証明して下さい……護るべき人々に……そして〝光の導き手〟である、この私にっ!」
少女の一喝によって周囲を覆っていた結晶が一瞬で砕け散り、真っ白だった世界が見慣れない景色に上書きされた。
目に映った光景は、ローマに存在するコロッセオと同一の構造をしており、その闘技場に二人は向かい合う様に立っていた。
辺りを見渡すと観客席は光の人々で埋め尽くされており、闘技場とは思えない程に静寂し切った人々は、全員祈る様に二人を見つめていた。
「日本にあるコロッセオか……確かに存在しない上に写真や文献もある建築物なら創造もしやすいな……そうだろ?〝ユカリ〟」
ユウキは、視線の先に佇むユカリに向けて声を掛けた。
「理由は、それだけではないです。ようやく戻った力を確認する意味も込めて、一度属性の力を確認しておきたかったんです」
霞一つ無い空色の瞳は、目の前のユウキだけを見据えていた。
「……俺も、こうなる予想はしていた。ユウと二人でここに戻って来た……あの日から」
静寂の中にユウキの声が響き渡り、寂しげな風は二人の美しい漆黒の髪が靡かせた。
「私は光の導き手です。人々の不安要素を取り除く事が……私の役目ですから」
「上下の隔たり無く、個人の意志を尊重させる事もお前の理想じゃ無かったのか」
「たとえ私がその理想を抱いていても、多数の人々が特定の人物を恐れ、不安を抱いているのなら——」
「俺が聞きたいのはお前の意志だ。光の導き手の責任を背負ったお前じゃなく、一人の人間としてのお前の意志を知りたい」
ユカリの心の内を感じ取ったユウキが発した言葉を聞くと、ユカリは決意の固まった瞳を曇らせ、一筋の涙を流した。
「……こうなる前に、人々の抱く不安を完全には拭えなかった…………ごめんなさい、ユウト。不甲斐ない私は、また貴方を苦しめる」
涙を流しながら謝罪するユカリに向けて、ユウキはゆっくりと結晶刀を翳した。
「お前の選択肢は間違っちゃいない。この戦いの先に、不安を拭う道があるのなら……今の俺に出来る全てを尽くして——」
ユウキの結晶刀がユカリに向けられると同時に、ユウキの肌が音を立てて割れ始めた。
「ユウの為、そしてお前の為に……」
瞳を閉じたユウキの顔までヒビが到達すると、甲高い音を立てて皮膚が砕け散ると、砕けた皮膚が結晶化し始めた。
そして白い光に包まれたユウキは、身体を覆い尽していた結晶によって包まれ単結晶化した。
パキィィィィン
その数秒後、砕けた単結晶から現れたのは白を基調としたルミナの隊服に身を包んだユウトだった。
「お前に勝つぜ……ユカリっ!」
ユカリへと微笑みながら強い意志を表明したユウトの姿に、少しだけ微笑んだユカリは頬を伝う涙を拭い、携えた結晶刀をユウトへ向けた。
「私も、導き手として全力で伏せましょう。光の民の為……そして……成長した貴方の全てを、私の心に深く刻む為にっ!」
その言葉を引き金に二人の若者は、互いの理想を胸に秘め、自身の意志を載せた刃を火花と共に重ね合わせた。
結晶で出来た半透明な石碑を見ていたレンは、背後に立っていたユウキに視線を向けた。
血液によって赤黒く染まったシエラを見つめているユウキの瞳は、先程までの荒々しい赤色では無く、美しい空色に変わっていた。
そして、腰下まで伸びた黒髪は結晶で創られた特殊なリングによって一つに結われていた。
(ユウキ……)
レンは、無言のまま佇んでいたユウキの肩に手を置いた。
「戻ろう……僕らの拠点に。立ち止まっては、いられないからね」
レンの言葉を聞いて尚、シエラから視線を逸らずにいたユウキだったが、首元にある〝ある物〟を握り締めると、レンに視線を向けて無言のまま小さく頷いた。
二人は結晶の石碑に黙祷した後、何度も石碑に振り返るユウキと共に転移エリアの光に包まれ、イタリアの地を後にした。
―*―*―*―*―
視界を埋め尽くしていた光が徐々に消え始めた時、ユウキは妙な違和感を感じて振り返った。
「……レン?」
その瞬間、ユウキは自身の感じ取った違和感の原因に気が付いた。
共に転移した筈の、レンの姿が見当たらなかったのだ。
転移時にはレンの気配を感じていたユウキは、回復し切れていない視認による確認を諦め、周囲の気配を探る為に、目を瞑り意識を集中させ始めた。
「心配せずとも、レンは貴方と共にルミナへと転移していますよ」
(……この声は)
聞き慣れた声に安堵したユウキだったが、声の主の雰囲気がいつもと違う様な気がした。
「悪いな。まだ視力が回復してなくて確認出来なかったんだ……そうか、転移出来ているならそれで良いんだ」
「視力が回復していないんじゃありませんよ。視認出来ないのは、貴方の周囲を結晶が囲んでいるからです」
「……何で俺の視界を?」
少女に問い掛けながら、ユウキは自身の周辺に広がる白い空間を叩き、自身が見えない壁に囲われている事を確認した。
(この程度なら破壊出来なくはないが……なんでこんな事を)
「……いつかは、この日が来ると思っていました」
視界を埋め尽くしていた白い世界が徐々に消えていき、周囲の光景が少しずつ見え始めた。
「貴方が隕石の脅威から、人々を救ったあの日から」
ユウキの視界に入った一人の少女は、日本の代表として日頃身に付けているルミナの隊服では無く、多色を一切使用していない純白の軽鎧に身を包んでいた。
そんな少女の右手には、冷気を帯びた結晶刀が創造されていた。
「闇のボスの右腕である少女と共に私達の前に現れ、貴方が人々から恐れられたあの日から」
周辺にルミナの面影はなく、少女が二人の転移先を変えた事を理解したユウキは全てを悟り、右手に結晶刀を創造し始めた。
「貴方が本当に、人々の為に戦っていると言うのなら、証明して下さい……護るべき人々に……そして〝光の導き手〟である、この私にっ!」
少女の一喝によって周囲を覆っていた結晶が一瞬で砕け散り、真っ白だった世界が見慣れない景色に上書きされた。
目に映った光景は、ローマに存在するコロッセオと同一の構造をしており、その闘技場に二人は向かい合う様に立っていた。
辺りを見渡すと観客席は光の人々で埋め尽くされており、闘技場とは思えない程に静寂し切った人々は、全員祈る様に二人を見つめていた。
「日本にあるコロッセオか……確かに存在しない上に写真や文献もある建築物なら創造もしやすいな……そうだろ?〝ユカリ〟」
ユウキは、視線の先に佇むユカリに向けて声を掛けた。
「理由は、それだけではないです。ようやく戻った力を確認する意味も込めて、一度属性の力を確認しておきたかったんです」
霞一つ無い空色の瞳は、目の前のユウキだけを見据えていた。
「……俺も、こうなる予想はしていた。ユウと二人でここに戻って来た……あの日から」
静寂の中にユウキの声が響き渡り、寂しげな風は二人の美しい漆黒の髪が靡かせた。
「私は光の導き手です。人々の不安要素を取り除く事が……私の役目ですから」
「上下の隔たり無く、個人の意志を尊重させる事もお前の理想じゃ無かったのか」
「たとえ私がその理想を抱いていても、多数の人々が特定の人物を恐れ、不安を抱いているのなら——」
「俺が聞きたいのはお前の意志だ。光の導き手の責任を背負ったお前じゃなく、一人の人間としてのお前の意志を知りたい」
ユカリの心の内を感じ取ったユウキが発した言葉を聞くと、ユカリは決意の固まった瞳を曇らせ、一筋の涙を流した。
「……こうなる前に、人々の抱く不安を完全には拭えなかった…………ごめんなさい、ユウト。不甲斐ない私は、また貴方を苦しめる」
涙を流しながら謝罪するユカリに向けて、ユウキはゆっくりと結晶刀を翳した。
「お前の選択肢は間違っちゃいない。この戦いの先に、不安を拭う道があるのなら……今の俺に出来る全てを尽くして——」
ユウキの結晶刀がユカリに向けられると同時に、ユウキの肌が音を立てて割れ始めた。
「ユウの為、そしてお前の為に……」
瞳を閉じたユウキの顔までヒビが到達すると、甲高い音を立てて皮膚が砕け散ると、砕けた皮膚が結晶化し始めた。
そして白い光に包まれたユウキは、身体を覆い尽していた結晶によって包まれ単結晶化した。
パキィィィィン
その数秒後、砕けた単結晶から現れたのは白を基調としたルミナの隊服に身を包んだユウトだった。
「お前に勝つぜ……ユカリっ!」
ユカリへと微笑みながら強い意志を表明したユウトの姿に、少しだけ微笑んだユカリは頬を伝う涙を拭い、携えた結晶刀をユウトへ向けた。
「私も、導き手として全力で伏せましょう。光の民の為……そして……成長した貴方の全てを、私の心に深く刻む為にっ!」
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