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第1章 光の導き手
第39話 後始末
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五人の前に現れた闇色の髪をした少女からは、身体中に悪寒が走る程の殺気が放たれていた。
二つに裂かれた男は少女の黒い炎に全身を焼かれ、炭となって絶命した。
「……何で殺したんですか」
ユカリは男に向けていた結晶刀を少女に向け、怒りの言葉を発した。
「彼がどんな人間であろうとも、少なからず転生の可能性はあった筈です」
「……彼の名前は、〝雑魚〟とでも名付けて」
「なっ!」
質問に対して少女から返って来た言葉を聞いたユカリは、驚きの声を上げた。
ユカリの背後で少女の言葉を聞いていた三人も、ユカリと同様の反応を示して固まっていた。
「……」
三人が驚きの表情を浮かべたまま呆然と立ち尽くす中、ユウトだけが少女を睨み付けていた。
「……ユウト?」
レンの言葉に反応する事なく、ユウトは少女へと歩みを進めた。
「安心して。私は、ただユウトに挨拶しに来ただけ」
「ユウトに挨拶?……挨拶で人を殺める事が、貴方にとって普通なんですか?」
「私にとっては普通……ゴミ掃除をして、貴方達がやっている〝道具の名前付け〟をしただけ」
「っ!……闇の人間に仲間の概念そのものが存在しない事は知っていました……ですが、貴方のした所業は到底許させる事ではありません!」
結晶刀を構えたユカリの前に立ったユウトは、左手でユカリを制止させた。
「ユウト?」
「……」
ユウトは無言のまま、目の前にいる少女と視線を合わせていた。
「ずっと貴方を見ていた。ユウト……光に存在する……光で最も可能性を秘めた人間」
そう告げた少女は、ユウト達とは真逆の方向へと身を翻した。
「でも今じゃ無い。もっと期間を開けてから殺す……その方が貴方も、もっと強く抗ってくれそうだから」
「例えどんな奴であろうとも、転生することに意味があるんだ。お前とは……殺された人達の仇討ちだけじゃない、ユウの運命を捻じ曲げた事を償わせる為に戦う」
「……ユウト」
ユウトの言葉に声を漏らしたユウに、少女はゆっくりと身体を向けた。
「……死ねなかったんだ……私の右腕」
ユウの存在にようやく気が付いた少女は、首輪によって絶命する事が出来なかった事を理解し、ユウに哀れみの眼差しを向けた。
「私はユウトと出会う事で、転生する事が出来た。私はこれから、殺めてしまった人達への償いの為に生きていく」
「……そう」
ユウに冷たい眼差しを向けながら短く返事をした少女は、再びユウトに視線を向けた。
「ユウト……また会いましょう。今度は、邪魔が入らない場所で」
「……一対一ならそっちも守れよ?」
「闇の人間が約束なんて守ると思ってる?……でも、貴方とは一対一で戦いたいから、約束する」
少女はユウトに向けて小指を差し出したまま、突如少女の背後に現れた闇の渦の中へと呑まれて姿を消した。
―*―*―*―*―
少女が姿を消した宣告の演台には、脅威が去った事を喜ぶ歓喜の声が響いていた。
安堵した人々が宣告の演台から立ち去るに連れてその声は徐々に聞こえなくなり、数分後には演台周辺は静寂に包まれていた。
「さて、今の俺がまず最初にやるべき事……それは……この姿からどうやって戻るかだな!」
周囲の静寂を破ったユウトは、両手を腰に当てながら胸を張った。
「別に気にしなくても、君は可愛いよ?ユウト」
ユウトに歩み寄ったレンは、ユウトの右肩にそっと左手を置いて頷いた。
「レン……だから、可愛い言うな!」
「取り敢えず……久し振りに、みんなでお食事をしませんか?」
野菜姫ヒナは、いつの間にか頭上に野菜を載せて満面の笑みを全員に向けた。
「それもそうだね……でも、食事はみんなの怪我が治ってから主力全員で食べようよ」
「はいっ!私もそれまでに、新鮮な野菜を沢山用意しておきます!」
ユウトの背後に歩み寄ったユウは、服を掴みながら不安そうな顔をユウトに向けていた。
「……ユウト。私は、皆さんと一緒に食事をしても良いんでしょうか?」
不安を感じていたユウに対して、ユウトは笑みを浮かべながらユウの頭に手を置いた。
「当たり前だろ?ユウはもう光の人間なんだからな」
脅威が一時的に去った事で、全員が明るい空気に満たされていく中、ユカリだけは暗い表情のままユウト達を見据えていた。
(この暖かく平和な時間が、少しでも長く……続きますように)
悲しげな瞳をしていたユカリは、四人の笑顔を見つめながら心の中で強く願っていた。
―*―*―*―*―
※心の中では「」と()の意味が逆転しています。
「」 心の声 () 会話
心の中
(くっ!)
外の世界に平穏が訪れた頃、ユウト(女)は飛来する結晶の槍を回避し続けていた。
「〝こいつ〟を何とかしないと!」
避けながらユウト(女)が思考を巡らせていると、呆然と立ち尽くしているユキ目掛けて無数の槍が放たれた。
(ちょっ!ユキっ!)
ユウト(女)は呆然としていたユキを押し飛ばすと、飛来した槍に銃口を向けて引き金を引いた。
『増殖する結晶弾』
二丁の結晶銃から放たれた弾丸はお互いにぶつかり合い分裂を重ね、全ての槍に着弾させる事で相殺した。
(何やってんのユキ!こいつを何とかしないと、私達も本体のユウトも〝消滅〟しちゃうんだから!)
ユウト(女)は立ち上がりながら、〝敵前〟で呆然としていたユキを注意した。
(そんな事……解ってるわよ)
覇気のない声で反応したユキは、ゆっくりと立ち上がると雪月花を創り出し、目の前にいる〝黒い人型〟に向けて構えた。
(前が……よく見えない)
ユキは、ユウト(女)に聞こえない程の小さな声で呟いた。
「……どうして、私は生まれてしまったのだろう。最初から創り出されなければ……こんな残酷な結末を迎える〝恋〟をせずに済んだのに」
ユキは上空に浮かぶ外の景色を見つめ、一筋の涙を流していた。
二つに裂かれた男は少女の黒い炎に全身を焼かれ、炭となって絶命した。
「……何で殺したんですか」
ユカリは男に向けていた結晶刀を少女に向け、怒りの言葉を発した。
「彼がどんな人間であろうとも、少なからず転生の可能性はあった筈です」
「……彼の名前は、〝雑魚〟とでも名付けて」
「なっ!」
質問に対して少女から返って来た言葉を聞いたユカリは、驚きの声を上げた。
ユカリの背後で少女の言葉を聞いていた三人も、ユカリと同様の反応を示して固まっていた。
「……」
三人が驚きの表情を浮かべたまま呆然と立ち尽くす中、ユウトだけが少女を睨み付けていた。
「……ユウト?」
レンの言葉に反応する事なく、ユウトは少女へと歩みを進めた。
「安心して。私は、ただユウトに挨拶しに来ただけ」
「ユウトに挨拶?……挨拶で人を殺める事が、貴方にとって普通なんですか?」
「私にとっては普通……ゴミ掃除をして、貴方達がやっている〝道具の名前付け〟をしただけ」
「っ!……闇の人間に仲間の概念そのものが存在しない事は知っていました……ですが、貴方のした所業は到底許させる事ではありません!」
結晶刀を構えたユカリの前に立ったユウトは、左手でユカリを制止させた。
「ユウト?」
「……」
ユウトは無言のまま、目の前にいる少女と視線を合わせていた。
「ずっと貴方を見ていた。ユウト……光に存在する……光で最も可能性を秘めた人間」
そう告げた少女は、ユウト達とは真逆の方向へと身を翻した。
「でも今じゃ無い。もっと期間を開けてから殺す……その方が貴方も、もっと強く抗ってくれそうだから」
「例えどんな奴であろうとも、転生することに意味があるんだ。お前とは……殺された人達の仇討ちだけじゃない、ユウの運命を捻じ曲げた事を償わせる為に戦う」
「……ユウト」
ユウトの言葉に声を漏らしたユウに、少女はゆっくりと身体を向けた。
「……死ねなかったんだ……私の右腕」
ユウの存在にようやく気が付いた少女は、首輪によって絶命する事が出来なかった事を理解し、ユウに哀れみの眼差しを向けた。
「私はユウトと出会う事で、転生する事が出来た。私はこれから、殺めてしまった人達への償いの為に生きていく」
「……そう」
ユウに冷たい眼差しを向けながら短く返事をした少女は、再びユウトに視線を向けた。
「ユウト……また会いましょう。今度は、邪魔が入らない場所で」
「……一対一ならそっちも守れよ?」
「闇の人間が約束なんて守ると思ってる?……でも、貴方とは一対一で戦いたいから、約束する」
少女はユウトに向けて小指を差し出したまま、突如少女の背後に現れた闇の渦の中へと呑まれて姿を消した。
―*―*―*―*―
少女が姿を消した宣告の演台には、脅威が去った事を喜ぶ歓喜の声が響いていた。
安堵した人々が宣告の演台から立ち去るに連れてその声は徐々に聞こえなくなり、数分後には演台周辺は静寂に包まれていた。
「さて、今の俺がまず最初にやるべき事……それは……この姿からどうやって戻るかだな!」
周囲の静寂を破ったユウトは、両手を腰に当てながら胸を張った。
「別に気にしなくても、君は可愛いよ?ユウト」
ユウトに歩み寄ったレンは、ユウトの右肩にそっと左手を置いて頷いた。
「レン……だから、可愛い言うな!」
「取り敢えず……久し振りに、みんなでお食事をしませんか?」
野菜姫ヒナは、いつの間にか頭上に野菜を載せて満面の笑みを全員に向けた。
「それもそうだね……でも、食事はみんなの怪我が治ってから主力全員で食べようよ」
「はいっ!私もそれまでに、新鮮な野菜を沢山用意しておきます!」
ユウトの背後に歩み寄ったユウは、服を掴みながら不安そうな顔をユウトに向けていた。
「……ユウト。私は、皆さんと一緒に食事をしても良いんでしょうか?」
不安を感じていたユウに対して、ユウトは笑みを浮かべながらユウの頭に手を置いた。
「当たり前だろ?ユウはもう光の人間なんだからな」
脅威が一時的に去った事で、全員が明るい空気に満たされていく中、ユカリだけは暗い表情のままユウト達を見据えていた。
(この暖かく平和な時間が、少しでも長く……続きますように)
悲しげな瞳をしていたユカリは、四人の笑顔を見つめながら心の中で強く願っていた。
―*―*―*―*―
※心の中では「」と()の意味が逆転しています。
「」 心の声 () 会話
心の中
(くっ!)
外の世界に平穏が訪れた頃、ユウト(女)は飛来する結晶の槍を回避し続けていた。
「〝こいつ〟を何とかしないと!」
避けながらユウト(女)が思考を巡らせていると、呆然と立ち尽くしているユキ目掛けて無数の槍が放たれた。
(ちょっ!ユキっ!)
ユウト(女)は呆然としていたユキを押し飛ばすと、飛来した槍に銃口を向けて引き金を引いた。
『増殖する結晶弾』
二丁の結晶銃から放たれた弾丸はお互いにぶつかり合い分裂を重ね、全ての槍に着弾させる事で相殺した。
(何やってんのユキ!こいつを何とかしないと、私達も本体のユウトも〝消滅〟しちゃうんだから!)
ユウト(女)は立ち上がりながら、〝敵前〟で呆然としていたユキを注意した。
(そんな事……解ってるわよ)
覇気のない声で反応したユキは、ゆっくりと立ち上がると雪月花を創り出し、目の前にいる〝黒い人型〟に向けて構えた。
(前が……よく見えない)
ユキは、ユウト(女)に聞こえない程の小さな声で呟いた。
「……どうして、私は生まれてしまったのだろう。最初から創り出されなければ……こんな残酷な結末を迎える〝恋〟をせずに済んだのに」
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