7 / 192
第1章 光の導き手
第6話 光の繋がり
しおりを挟む
「……うっ……あ……れ?」
作戦会議室の中央で倒れていたヒナは、ゆっくり立ち上がり、自分が気を失っていた事を知った。
「うぅ……身体が……」
激痛に顔を歪め身体を見ると服が血に染まりボロボロになっており、骨も何箇所か折れてしまっていたが、ヒナは身体に流れるマイナスの水属性の治癒により徐々に身体の怪我は回復していった。
(確か……会議室に入った後、カイの声に反応して入って来た男の人に攻撃を受けて——)
「…………レンはどこに?」
ヒナは怪我の完治を待たず、会議室にいた筈のレンを探し始めた。
辺りを見渡すと、入り口近くに倒れているレンを発見した。
「レンっ!大丈夫ですか?しっかりしてください!」
多少よろめきながらもレンに近づくと、レンは完全に気を失っていた。
命に別状はないが、どこかに向かった二人を追って這いずりながら入り口まで行った所で気を失った事を、入り口まで続くレンの血痕が物語っていた。
「レン……私に任せて下さい。すぐ直して見せますから」
レンを属性で出来た緑色の泡沫で覆った後、ユカリの創造した通信機を取り出し〝ある事〟を済ませ治癒を再開させた。
―*―*―*―*―
その頃、ユカリはユウトの前に座り込んだまま動けずにいた。
「はぁっ……はぁっ……や、やっぱり辛いですね。全ての属性を消費してしまうこの実験は……可能性が無に等しい命の創造が成功した事は奇跡としか言えませんが」
座り込み疲労の色を浮かべているユカリを心配したユウトは、ぎこちない動き方をしながら俯いたままのユカリに近づいた。
「うー……あぅ……あー?」
ユカリの顔を覗き込むように身を屈めたユウトは、心配そうな表情を浮かべていた。
「あ、あはは……大丈夫ですよ?少し休めば動けるようになる……筈です」
ユカリも能力を全開で使ったのは〝久し振り〟だった為、はっきりと断言する事は出来なかった。
そんな時、ユカリの背後にあった実験場の扉が開いた音がした。
「ちゃんと弱り切っているか?ユカリ」
聞き慣れた声が聞こえ、ぎこちないユウトの助けを借りてなんとか身体を動かしたユカリは、背後に目を向けると閉じた扉の前で佇む二人の姿があった。
「…………カイ?」
立ち尽くした二人の内一人は、ユカリが別人かと感じる程に雰囲気が変化したカイがいた。
カイの隣にいた男はルミナの隊服を身に付けていたが、光の人間とは思えない冷たい笑みを浮かべていた。
「なぁ、こいつが光の親玉か?こんな奴がお前の元上司かよ!よく黙って従えたもんだな!」
男は大笑いしながらカイの肩を叩くと、ユカリの背後にいるユウトに視線を向けたが、すぐにユカリへと視線を向けた。
「実験も失敗してやがるし、楽しめそうに無いならさっさと消しちまおうぜ」
先程の笑みは消え、殺意に満ち溢れた顔に変わった男は両手から澱んだ炎迸った。
そこでカイは、男の前に手を翳して静止した。
「落ち着け。ここでは何もしないと言っただろ?ユカリ……数分ぶりだな。この状況は、説明しなくてもお前なら理解出来るだろ?」
問い掛けられたユカリ自身は、思考が全く追いつかず、カイに視線を合わせたまま茫然としていた。
(どうして……カイが?彼は完全に光の人間だった。属性も彼自身の意志も行動も闇の人間が持つような思考では無い筈なのに)
「カイ……貴方は間違いなく光の人間だった筈です!貴方が闇の人間だとしたら、貴方のして来た行動も強い平和に対しての意志も、属性についても、全く説明がつかないじゃないですか!」
カイは頭を掻きながら『仕方ないか』と面倒臭そうに口にすると、ユカリの質問に答え始めた。
「まぁ……俺の属性に関しては、俺より強い闇の人間にそういう特性を持った属性を有した奴がいるんだ。今までやって来た行動や俺の意志に関しては、俺がそうしたかったからそうしたまでだ」
「なら……なんで闇になったんですか?貴方なら光の人間に、正の属性を身に付けられる筈なのにっ!」
ユカリは三年間信じ続けた、仲間に精一杯の思いをぶつけた。
「それが、この世の意志だからだろっ!!」
ユカリの言葉を聞いた途端、カイは怒りの表情へと変わり、力強く叫んだ。
「貴方程人を想い、戦っていた人が負の属性に開花する筈がありませんっ!」
ユカリは今まで見た事のないカイの剣幕に動揺しながらも、自身の抱く疑問をカイに向けて叫んだ。
「俺だって……属性が開花する十五の頃までは、光の為に行動していると信じていたさ……」
カイはそれだけ伝えると、ユカリに背を向け実験室から立ち去ろうとした。
「…………私を殺さないんですか、カイ?」
そう告げるとカイは、ユカリに視線を向け不適に笑った。
「俺達がお前の弱体化を待ったのは、お前を殺しやすくする為じゃない。お前が守っているこの日本に闇の人間が侵入しやすくする為だ。例え繋がりが切れているとは言え、多少壊れれば創造主であるお前は障壁の損傷を感じ取れるからな」
「闇の……人間が?」
確かにユカリは属性を全て消費した事で疲労し、外部からの情報を感じる事が出来ていなかった。
「最近闇の人間達の行動が減少していた理由は、この機会を待っていたからさ。ルール無用な闇の人間達に、そうさせる程の脅威が闇の中には存在するんだ」
そう口にしたカイの脳裏には、闇の人間達を統括する程の脅威を知る切っ掛けとなった〝黒フードの男〟の姿がチラついた。
「日本に侵入した闇の人間達は、俺が代表だったルクスに集まり、闇の人間の拠点になる。そして、ルクスにいる光の人間達は、こいつにやる事にしているんだ」
「あぁ……楽しみだぜ!骨のある奴が一人はいるかもしれないしな!」
カイの言葉を聞いた男は振り返り、実験場の扉へと歩みを進めた。
「それを聞いた私が、貴方達をそのまま行かせると……思っているんですか?」
ユカリの言葉にカイは溜め息を吐き、ユカリに向けて冷たい眼差しを向けた。
「今のお前に何が出来るって言うんだ?下らない正義感で自滅を考えるよりも俺達と戦う心構えでもしてるんだな。万全な状態のお前を倒して初めて俺の意志の強さを証明する事が出来るんだからな」
そう口にしたカイは、実験場から立ち去ろうと身を翻した。
「信じて……いたのに、どうしてっ!どんな思いで私達と共に歩んでいたんですかっ!」
離れていくカイの背中に向けて、ユカリは悲痛の涙を流しながら届く事のない手を伸ばした。
「ユカリ、ヒナ、カイ……少なくとも三人で歩んだ三年間は、俺にとって楽しい物だった」
カイは扉を開きユカリに視線を向ける事なく呟くと、その言葉を最後にカイはもう一人の男と共に実験場を後にした。
カイと光の繋がりは、ゆっくりと閉じていく実験場の扉によって断ち切られた。
作戦会議室の中央で倒れていたヒナは、ゆっくり立ち上がり、自分が気を失っていた事を知った。
「うぅ……身体が……」
激痛に顔を歪め身体を見ると服が血に染まりボロボロになっており、骨も何箇所か折れてしまっていたが、ヒナは身体に流れるマイナスの水属性の治癒により徐々に身体の怪我は回復していった。
(確か……会議室に入った後、カイの声に反応して入って来た男の人に攻撃を受けて——)
「…………レンはどこに?」
ヒナは怪我の完治を待たず、会議室にいた筈のレンを探し始めた。
辺りを見渡すと、入り口近くに倒れているレンを発見した。
「レンっ!大丈夫ですか?しっかりしてください!」
多少よろめきながらもレンに近づくと、レンは完全に気を失っていた。
命に別状はないが、どこかに向かった二人を追って這いずりながら入り口まで行った所で気を失った事を、入り口まで続くレンの血痕が物語っていた。
「レン……私に任せて下さい。すぐ直して見せますから」
レンを属性で出来た緑色の泡沫で覆った後、ユカリの創造した通信機を取り出し〝ある事〟を済ませ治癒を再開させた。
―*―*―*―*―
その頃、ユカリはユウトの前に座り込んだまま動けずにいた。
「はぁっ……はぁっ……や、やっぱり辛いですね。全ての属性を消費してしまうこの実験は……可能性が無に等しい命の創造が成功した事は奇跡としか言えませんが」
座り込み疲労の色を浮かべているユカリを心配したユウトは、ぎこちない動き方をしながら俯いたままのユカリに近づいた。
「うー……あぅ……あー?」
ユカリの顔を覗き込むように身を屈めたユウトは、心配そうな表情を浮かべていた。
「あ、あはは……大丈夫ですよ?少し休めば動けるようになる……筈です」
ユカリも能力を全開で使ったのは〝久し振り〟だった為、はっきりと断言する事は出来なかった。
そんな時、ユカリの背後にあった実験場の扉が開いた音がした。
「ちゃんと弱り切っているか?ユカリ」
聞き慣れた声が聞こえ、ぎこちないユウトの助けを借りてなんとか身体を動かしたユカリは、背後に目を向けると閉じた扉の前で佇む二人の姿があった。
「…………カイ?」
立ち尽くした二人の内一人は、ユカリが別人かと感じる程に雰囲気が変化したカイがいた。
カイの隣にいた男はルミナの隊服を身に付けていたが、光の人間とは思えない冷たい笑みを浮かべていた。
「なぁ、こいつが光の親玉か?こんな奴がお前の元上司かよ!よく黙って従えたもんだな!」
男は大笑いしながらカイの肩を叩くと、ユカリの背後にいるユウトに視線を向けたが、すぐにユカリへと視線を向けた。
「実験も失敗してやがるし、楽しめそうに無いならさっさと消しちまおうぜ」
先程の笑みは消え、殺意に満ち溢れた顔に変わった男は両手から澱んだ炎迸った。
そこでカイは、男の前に手を翳して静止した。
「落ち着け。ここでは何もしないと言っただろ?ユカリ……数分ぶりだな。この状況は、説明しなくてもお前なら理解出来るだろ?」
問い掛けられたユカリ自身は、思考が全く追いつかず、カイに視線を合わせたまま茫然としていた。
(どうして……カイが?彼は完全に光の人間だった。属性も彼自身の意志も行動も闇の人間が持つような思考では無い筈なのに)
「カイ……貴方は間違いなく光の人間だった筈です!貴方が闇の人間だとしたら、貴方のして来た行動も強い平和に対しての意志も、属性についても、全く説明がつかないじゃないですか!」
カイは頭を掻きながら『仕方ないか』と面倒臭そうに口にすると、ユカリの質問に答え始めた。
「まぁ……俺の属性に関しては、俺より強い闇の人間にそういう特性を持った属性を有した奴がいるんだ。今までやって来た行動や俺の意志に関しては、俺がそうしたかったからそうしたまでだ」
「なら……なんで闇になったんですか?貴方なら光の人間に、正の属性を身に付けられる筈なのにっ!」
ユカリは三年間信じ続けた、仲間に精一杯の思いをぶつけた。
「それが、この世の意志だからだろっ!!」
ユカリの言葉を聞いた途端、カイは怒りの表情へと変わり、力強く叫んだ。
「貴方程人を想い、戦っていた人が負の属性に開花する筈がありませんっ!」
ユカリは今まで見た事のないカイの剣幕に動揺しながらも、自身の抱く疑問をカイに向けて叫んだ。
「俺だって……属性が開花する十五の頃までは、光の為に行動していると信じていたさ……」
カイはそれだけ伝えると、ユカリに背を向け実験室から立ち去ろうとした。
「…………私を殺さないんですか、カイ?」
そう告げるとカイは、ユカリに視線を向け不適に笑った。
「俺達がお前の弱体化を待ったのは、お前を殺しやすくする為じゃない。お前が守っているこの日本に闇の人間が侵入しやすくする為だ。例え繋がりが切れているとは言え、多少壊れれば創造主であるお前は障壁の損傷を感じ取れるからな」
「闇の……人間が?」
確かにユカリは属性を全て消費した事で疲労し、外部からの情報を感じる事が出来ていなかった。
「最近闇の人間達の行動が減少していた理由は、この機会を待っていたからさ。ルール無用な闇の人間達に、そうさせる程の脅威が闇の中には存在するんだ」
そう口にしたカイの脳裏には、闇の人間達を統括する程の脅威を知る切っ掛けとなった〝黒フードの男〟の姿がチラついた。
「日本に侵入した闇の人間達は、俺が代表だったルクスに集まり、闇の人間の拠点になる。そして、ルクスにいる光の人間達は、こいつにやる事にしているんだ」
「あぁ……楽しみだぜ!骨のある奴が一人はいるかもしれないしな!」
カイの言葉を聞いた男は振り返り、実験場の扉へと歩みを進めた。
「それを聞いた私が、貴方達をそのまま行かせると……思っているんですか?」
ユカリの言葉にカイは溜め息を吐き、ユカリに向けて冷たい眼差しを向けた。
「今のお前に何が出来るって言うんだ?下らない正義感で自滅を考えるよりも俺達と戦う心構えでもしてるんだな。万全な状態のお前を倒して初めて俺の意志の強さを証明する事が出来るんだからな」
そう口にしたカイは、実験場から立ち去ろうと身を翻した。
「信じて……いたのに、どうしてっ!どんな思いで私達と共に歩んでいたんですかっ!」
離れていくカイの背中に向けて、ユカリは悲痛の涙を流しながら届く事のない手を伸ばした。
「ユカリ、ヒナ、カイ……少なくとも三人で歩んだ三年間は、俺にとって楽しい物だった」
カイは扉を開きユカリに視線を向ける事なく呟くと、その言葉を最後にカイはもう一人の男と共に実験場を後にした。
カイと光の繋がりは、ゆっくりと閉じていく実験場の扉によって断ち切られた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる