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第三部 最終
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ノクはレオの剣術学校時代の教え子だ。ロキさんより二つ上で城に勤務していた。レオと共にヒューズにいた頃から俺の護衛について信頼できる一人だ。
「ノクはレオの事、何かわかる?」
「そうですね、仕事もきっちりなさってましたし。剣術も城の中でも随一で護衛としても特に何か問題があるとは思えませんでした。ただ、レグルス様を裏切った事への責任だとすれば何か処分が下るかもですが。なら私も呼ばれるのでは」
「そうか…」
「心配でしたら、クラークス家の方に聞かれてみては?」
「そうだね…」
ノクも知らない様子。
もっとレオと居たいけど一向に進展しない。いつもはぐらかされてしまう。子供だからだろうか…後少ししたら成人になるのに。誤魔化されるのは嫌だな。それにいつまでも、この状態ではいたくない。はぁ~やっぱり相談しようかな。
確かにソードなら知ってるかもしれない。建国式には来てくれるといいんだけど。何といっても人嫌いだからな…でも、一番レオの事も俺の事も知ってる。
レオ…
レグルスの責任という言葉がやけに頭に残る。レオは裏切ったわけじゃない。俺をずっと昔から支えてくれている。
誕生日にもらった領土をこの10年で大きく発展させた。初めは安易な気持ちでもらったが街の問題を解決していくのが楽しかった。
街を大きくし討伐所を作り農業を発展させた。それもこれもレオとノク、お母様の力添えの元に出来ていた。
12歳になる頃には大体自分の事は把握していた。父親がレグルスで1度も母に会いに来たことがないこと。側近が本妃だと知った時はレオはずっと側にいてくれた。
誕生日に書いてもらった誓約書、今思えばよく書いてくれたなと思うけど俺に気をつかったのかもしれない。これのおかげでがんばれてる…。
それにレオだけじゃない。
夜眠れない時に窓を見るとソードが手を振り窓から入ってきてくれて内緒でお菓子をくれて寝るまでいてくれたっけ。父親がいない寂しさは無かった。
レイさんやロキさんも兄のようで兄弟のいない俺には楽しかった。今も俺の家族はクラークス家の人だと思っている。
家族…レオは俺を家族と思ってるのかな…。
ここ数年は怒涛の毎日だった。一気に城計画を遂行した。カウロックへの信頼もできた。初めはレグルスの息子で警戒されたがレオとノクが上手く取り入ってくれた。そんな俺をカウロックが気に入ってくれたのは建国計画がほぼバレてたからだろうな。ヒューズを良く思わないのは俺だけじゃなかったんだな。
「シルバ様、建国式は予定通りにされますか?今日のヒューズなら何か仕掛けてくる可能性もあるかと」
「予定通り行う、城壁も外と内の両方完成した。問題ない。重要な来賓者はできるだけ厳重護衛と城に泊める。今はそれが一番守れる」
「ヒューズは…」
「招待する必要はない」
「かしこまりました」
窓の外を見る。
風が音をたてて鳴いている。
何だろう…やけに胸騒ぎがする。
「ノクはレオの事、何かわかる?」
「そうですね、仕事もきっちりなさってましたし。剣術も城の中でも随一で護衛としても特に何か問題があるとは思えませんでした。ただ、レグルス様を裏切った事への責任だとすれば何か処分が下るかもですが。なら私も呼ばれるのでは」
「そうか…」
「心配でしたら、クラークス家の方に聞かれてみては?」
「そうだね…」
ノクも知らない様子。
もっとレオと居たいけど一向に進展しない。いつもはぐらかされてしまう。子供だからだろうか…後少ししたら成人になるのに。誤魔化されるのは嫌だな。それにいつまでも、この状態ではいたくない。はぁ~やっぱり相談しようかな。
確かにソードなら知ってるかもしれない。建国式には来てくれるといいんだけど。何といっても人嫌いだからな…でも、一番レオの事も俺の事も知ってる。
レオ…
レグルスの責任という言葉がやけに頭に残る。レオは裏切ったわけじゃない。俺をずっと昔から支えてくれている。
誕生日にもらった領土をこの10年で大きく発展させた。初めは安易な気持ちでもらったが街の問題を解決していくのが楽しかった。
街を大きくし討伐所を作り農業を発展させた。それもこれもレオとノク、お母様の力添えの元に出来ていた。
12歳になる頃には大体自分の事は把握していた。父親がレグルスで1度も母に会いに来たことがないこと。側近が本妃だと知った時はレオはずっと側にいてくれた。
誕生日に書いてもらった誓約書、今思えばよく書いてくれたなと思うけど俺に気をつかったのかもしれない。これのおかげでがんばれてる…。
それにレオだけじゃない。
夜眠れない時に窓を見るとソードが手を振り窓から入ってきてくれて内緒でお菓子をくれて寝るまでいてくれたっけ。父親がいない寂しさは無かった。
レイさんやロキさんも兄のようで兄弟のいない俺には楽しかった。今も俺の家族はクラークス家の人だと思っている。
家族…レオは俺を家族と思ってるのかな…。
ここ数年は怒涛の毎日だった。一気に城計画を遂行した。カウロックへの信頼もできた。初めはレグルスの息子で警戒されたがレオとノクが上手く取り入ってくれた。そんな俺をカウロックが気に入ってくれたのは建国計画がほぼバレてたからだろうな。ヒューズを良く思わないのは俺だけじゃなかったんだな。
「シルバ様、建国式は予定通りにされますか?今日のヒューズなら何か仕掛けてくる可能性もあるかと」
「予定通り行う、城壁も外と内の両方完成した。問題ない。重要な来賓者はできるだけ厳重護衛と城に泊める。今はそれが一番守れる」
「ヒューズは…」
「招待する必要はない」
「かしこまりました」
窓の外を見る。
風が音をたてて鳴いている。
何だろう…やけに胸騒ぎがする。
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